弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2013年 06月 05日 ( 3 )

日弁連,国連拷問禁止委員会の総括所見に関する会長声明

日本弁護士連合会(日弁連)は,2013年6月4日,「国連拷問禁止委員会の総括所見に関する会長声明」を発表しました

「国連の拷問禁止委員会は、拷問等禁止条約の実施状況に関する第2回日本政府報告について2013年5月21日、22日に審査をし、同月31日に総括所見を発表した。我が国は、同条約の批准国として、勧告された内容につき改善に向けて努力する義務を負う。今回の総括所見では、前回審査における勧告の多くを繰り返すのみならず、前回を上回る厳しい勧告がなされた。特に重視すべき内容は、以下の7点である。

1 代用監獄制度については、(a)捜査と拘禁の機能の分離を実質的に確保するための立法その他の措置をとること、(b)警察留置場拘禁期間に上限を設けること、(c)全被疑者に取調べの全期間を通じた弁護人との秘密のアクセス、逮捕時点からの法律扶助、事件に関する全記録へのアクセス、独立した医療を受ける等の権利の保障を勧告し、さらに、代用監獄制度廃止の検討を求めた(10項)。

2 取調べと自白について、日本の刑事司法制度が実務上、自白に強く依存していること等に深刻な懸念を表明し、(a)取調べ時間の制限及び違反に対する制裁規定を設けること、(b)自白中心主義の実務をやめること、(c)取調べの全過程の電子的記録と同記録の法廷での利用等を求めた(11項)。審査では、同委員会委員から「日本は自白に頼りすぎではないか。これは『中世』の名残である。」という批判さえ受けた。

3 難民認定制度と入管収容施設については、(a)収容・送還に関する法令及び実務を条約第3条(拷問の行われる恐れのある国への送還禁止)に適合させる努力、(b)難民申請者の収容は、最後の手段として必要最小限のみ用いること及び収容期間に上限を設けること、(c)収容代替措置をより活用すること、(d)入国者収容所等視察委員会の独立性・権限・効果の強化等を勧告した(9項)。

4 刑事施設及び留置施設の被収容者からの不服申立については、専門の独立かつ効果的な機関の設置を考慮するよう求め、虐待等の訴えについて迅速・公平かつ安心な調査に加え、重大事案における公務員の訴追と処罰を的確にすること等を勧告した(12項)。

5 拘禁処遇については、拘禁代替措置の活用等による刑事施設の過剰収容緩和や心身疾患に適切な医療を提供することを勧告しているほか、第二種手錠の使用に対する厳格な監視に加え、拘束具の廃止の検討を求めた。さらに、受刑者の独居(単独室)処遇は、他に手段がない場合に厳しい監督の下で最小限の期間、司法審査が可能な状況でのみ許容されるべく、明確な要件を確立すること、同処遇期間中の専門医による監視制度の構築、医療記録の開示等を勧告した(13、14項)

6 死刑制度と死刑確定者の処遇については、(a)死刑確定者及びその家族へ死刑執行日時の事前告知、(b)単独室収容の原則を改めること、(c)死刑確定者が全手続段階で弁護人による効果的な援助をうけること及び弁護人との面会の秘密性確保、(d)恩赦、減刑、執行の猶予が実際に利用可能とされること、(e)死刑事件の義務的上訴制度導入、(f)独立した審査により、精神疾患者に死刑が執行されないようにすること等を勧告した。さらに、死刑制度を廃止する可能性についても考慮するよう勧告した(15項)。

7 その他、戦時性奴隷制(いわゆる日本軍「慰安婦」)について、政府関係者その他の公的立場にある人物による被害事実を否定する動きに反駁することや、史実の教育を含め、被害者を中心に据えた解決策を見出すための法律上及び行政上の措置を取るよう求めた。また、いまだに国内人権機関が設置されていない状況に対して、パリ原則に合致した国内人権機関の早期設置を求めた(16項)。

当連合会は、同委員会による指摘を日本政府が重く受け止め、誠意を持ってその解決に向け努力することを強く求めると同時に、勧告の実現に向け政府との対話を継続し、これらの課題の解決のために努力する所存であることを表明するものである。」


拷問等禁止条約(拷問及び他の残虐な、非人道的な又は品位を傷つける取り扱い又は、刑罰に関する条約)の批准国における実効的実施状況を監視する目的のもと,同条約に基づき設置されたのが,拷問禁止委員会です.
同条約は,締約国に対し,条約加入後1年以内および以後4年ごとに,条約遵守のためにとった措置について国連の拷問禁止条約委員会に定期的に報告書を提出する義務を課しています。この政府報告書は,公開され,委員会によって検討され,検討の結果が発表されます.

拷問禁止委員会の見解は,いわゆる従軍慰安婦の問題に注目する報道がなされましたが,刑事司法手続きについても重要な指摘がなされています.

谷直樹

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by medical-law | 2013-06-05 23:39 | 弁護士会

東大病院HPを2013年5月30日20時~5月31日2時30分に閲覧したパソコンにウイルス感染の恐れ

CBニュース 「東大病院HP閲覧者にウイルス感染の恐れ-対象者に駆除呼び掛け」(2013年6月5日)は,次のとおり報じました.

「東大病院は4日、不正なデータが同病院のホームページに埋め込まれ、アクセスした閲覧者がコンピューターウイルスに感染した恐れがあると発表した。東大は厚生労働省が基盤整備を進めている「医療情報データベース」に参加している10機関のうちの一つ。昨年10月には、同大のサーバーが不正アクセスを受け、約1300人分の氏名などの個人情報の流出事案が発生したばかり。今後、セキュリティー対策の抜本的な見直しを迫られそうだ。

 東大病院によると、5月31日午前1時ごろ、ホームページのトップページに、他の悪質なホームページに誘導する不正なデータが埋め込まれていることが分かり、約1時間半後、不正なデータを含むページを削除して正常な状態に戻した。ホームページのコンテンツを管理している企業のパソコンが、コンピューターウイルスに感染したのが原因とみられるという。

 同病院は、不正なデータを削除するまでの間、トップページを閲覧した人が、他のホームページに自動的に誘導され、使用したパソコンがコンピューターウイルスなどに感染した可能性があると指摘。該当するパソコンと、そのパソコンとネットワークで接続されたすべてのパソコンでウイルススキャンを行い、感染が判明した場合は駆除することを勧めている。

 不正なデータが埋め込まれたサイトは、患者の個人情報を管理している情報システムから独立しているため、個人情報の流出はないという。同病院は、「このようなお願いをすることになり、大変申し訳なくお詫びします。今後は、管理体制の強化とともに、当院のホームページ管理方法についても再検討し、再発の防止に努めていく」としている。【新井哉】」


なぜ,発表が4日後だったのでしょうか.
東大病院は,「今後は、当該企業に管理体制の強化を要請するとともに、当院のホームページ管理方法についても再検討し、再発の防止に努めてまいります。」とのことですが,管理を委託する企業を他社に代えることを検討しないのでしょうか.

谷直樹

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by medical-law | 2013-06-05 23:05 | コンプライアンス

2012年度無煙映画大賞

日本禁煙学会が選んだ「2012年度無煙映画大賞」は次のとおりでした.

無煙映画大賞作品賞   「しあわせのパン」 監督=三島有紀子さん  
無煙映画大賞主演女優賞 綾瀬はるかさん  主演作品「ひみつのアッコちゃん」「ホタルノヒカリ」              
無煙映画大賞主演男優賞 松坂桃李さん  主演作品「ツナグ」「今日、恋をはじめます」
無煙映画大賞監督賞   斉藤玲子さん  「よだかのほし」
無煙映画大賞特別賞   「ニッポンの嘘 報道写真家 福島菊次郎90歳」 
                「よみがえりのレシピ
                「スケッチ オブ ミャーク
無煙映画大賞特別アニメ賞 「アニメ・ジュノー

汚れた灰皿賞(モクモク賞)は,「ALWAYS 三丁目の夕日 64」(山崎貴監督),「苦役列車」(山下敦弘監督),「アフロ田中」(松井大悟監督),「愛と誠」(三池崇史監督),「鍵泥棒のメソッド」(内田けんじ監督)の各製作者でした.


谷直樹

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by medical-law | 2013-06-05 03:48 | タバコ