弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2013年 07月 24日 ( 3 )

社会医療法人きつこう会多根総合病院、毒物指定のエスラックス紛失

読売新聞「筋弛緩剤を紛失 大阪・西区の病院 」(2013年7月19日)は、次のとおり報じました.

 「大阪市西区の多根総合病院は18日、成人3人分の致死量に相当する麻酔用筋弛緩(しかん)剤「エスラックス」1本(50ミリ・グラム)を紛失したと発表した。「外部からの侵入は考えにくい」とし、誤廃棄などの可能性が高いという。西署は窃盗事件と、管理上の不備の両面で調べている。

 同病院や同署によると、6階手術室の保管金庫内で管理していた30本中のうちの1本で、16日夕、手術で使った後に残るはずの本数と、実際の残りの本数が異なることに、医師や看護師長が気付いたという。

 病院関係者で捜したが見つからず、18日午前、市保健所と同署に届け出た。エスラックスは薬事法で毒物指定され、施錠での保管が義務付けられているが、手術中は保管金庫が無施錠になる場合もあったという。

 同病院の丹羽英記院長は「事態を重く受け止め、今後はより厳格に医薬品を管理して再発防止に努める」とのコメントを出した。」


無施錠での保管は、薬事法違反の疑いがあります.
他院でも同種の紛失事故が報道されています.

◆ 過去の報道事例

佐賀大学医学部付属病院で平成22年12月(但し公表は平成23年6月)に1本
独立行政法人国立病院機構名古屋医療センターで平成23年1月に10本
独立行政法人国立病院機構千葉医療センターで平成23年9月に1本
愛知厚生連海南病院で平成23年9月に1本
有田市立病院で平成23年9月に10本
浜松医療センターで平成23年9月に1本
NTT東日本札幌病院で平成23年12月に2本
社会福祉法人恩賜財団済生会熊本病院で平成23年12月に3本
市立室蘭総合病院で平成24年3月に1本
地方独立行政法人福岡市立病院機構福岡市立こども病院・感染症センターで平成24年7月に1本
公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院で平成24年7月に5本
熊本大学医学部附属病院で平成24年7月に1本
公立南丹病院で平成24年10月に1本
尾道市公立みつぎ総合病院で平成24年10月に4本
社会医療法人将道会総合南東北病院で平成24年11月に2本
伊賀市立上野総合市民病院で平成25年3月に10本
広島大学病院で平成25年4月に5本
独立行政法人国立成育医療研究センターで平成25年4月に4本
半田市立半田病院で平成25年5月に10本
東京都保健医療公社豊島病院で平成25年6月に3本
奈良市立奈良病院で平成25年6月に1本
社会医療法人きつこう会多根総合病院平成25年7月に1本


谷直樹

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by medical-law | 2013-07-24 23:51 | 医療事故・医療裁判

医療法人春秋会城山病院で、異型輸血

MSN産経「高齢女性に血液型誤って輸血 3日後脳梗塞…「因果関係は不明」大阪・羽曳野の病院」(2013年7月24日)は、次のとおり報じました.

「大阪府羽曳野市の「城山病院」で今年4月、心臓の手術を受けた血液型A型の80代女性に、AB型の血液を輸血する医療ミスがあったことが24日、地元保健所への取材で分かった。女性は3日後に脳梗塞を発症。後遺症があったが、病院側は保健所に「因果関係は不明だ」と説明した。

 藤井寺保健所(同府藤井寺市)によると、女性は3月31日に入院。4月12日に心臓の手術を受け貧血になったため、4月14日に輸血を受けた。

 病院側は5月2日に保健所に報告。原因について「別の患者の血液を、女性のものと取り違えて分析した可能性が高い」と説明している。4月27日、再度女性に輸血をしようとした際、ミスに気付いたという。」



「輸血療法の実施に関する指針」及び「血液製剤の使用指針」があり、日本看護協会も、輸血製剤の照合は、指を差しながら、復唱して確実に、輸血開始後5分間はベッドサイドを離れず患者の状態を観察するなど輸血事故を防止するチャックポイントを示しています.異型輸血事故のほとんどは、確認で防止できるはずですが、本件事故の原因は何だったのでしょうか.


【追記】

MBS「羽曳野の病院で輸血ミス 「因果関係ない」に患者家族が反発 」」(2013年7月31日)は,次のとおり報じました.

 
「今年4月、大阪府羽曳野市の病院が女性患者に血液型を間違って輸血し、女性が3日後に脳梗塞を発症した問題で「輸血との因果関係はない」と病院側が発表したことに対し、患者の家族は「納得できない」と反発しています。

 今年4月、羽曳野市の城山病院で、入院していた80代後半のA型の血液型の女性に、誤ってAB型の血液を輸血。

 その3日後、女性は脳梗塞を発症し、歩行や言語などに障害が残りました。

 病院側は、検査での検体の取り間違えなどが原因と輸血のミスは認めましたが、患者が輸血のあと、脳梗塞を発症した事については1週間前の取材で、因果関係は無いと話しました。

 因果関係について、病院側が断定的に主張していることに対し、VOICEの取材に応じた患者の家族は、強く反発しています。

 「人間の体に確定できる事はない。輸血ミスしてるんだから(体に)負担は絶対かかっているでしょ。だから、余計に頭にきたわけです」(患者家族の男性)

 VOICEが31日、病院側にあらためて見解を求めたところ、「医学的な見地から因果関係はないと考える」と従来の主張を繰り返しました。」



谷直樹

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by medical-law | 2013-07-24 23:36 | 医療事故・医療裁判

米国小児科学会、家庭用花火を購入しないよう呼びかけ

米国小児学会は、次の報告に基づき、家庭用花火を購入しないよう呼びかけています.

1999年に米国内の救急部門で治療を受けた花火に関連するけがは8500件です.
その45%が15歳以下の子供です.
けがの部位は、手(40%)、目(20%、その3分の1が永続的な失明)、頭部・顔面(20%)の順です.
死亡は16件です.

日本の国民生活センターの2008年7月の報告書によると、
花火(打上げ花火を含む)の事故は1998~2008年の10年間で586件です.
その59.4%が10歳未満の小児です.

健康百科「「家庭用花火は禁止すべき」米学会、失明や死亡例も」参照

日本の小児科学会は、家庭用花火を購入しないよう呼びかけてはいませんが、
とくに小さなお子さんのいるご家庭では、十分気をつけましょう.

谷直樹

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by medical-law | 2013-07-24 00:53 | 日常