弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2013年 08月 23日 ( 2 )

鉄格子のむこうの青い空

北海道新聞 「小説も 刺殺された北海道・三笠の宮下医師」(2013年8月22日)は,次のとおり報じました.

「市立三笠総合病院で21日、精神神経科医師の宮下均さん(53)=同市本郷町=が刺殺された事件は、人口1万人弱の小さなまちに衝撃を与えた。院内には当時、入通院合わせて200人前後の患者がいて騒然となった。「あんなに温厚で優秀な先生がなんでこんな目に」。患者や同僚に親しまれた地域医療の担い手の死に沈痛な声が漏れた。

 三笠署などによると、宮下さんを刺したとして逮捕された男は1人で来院し、午前11時ごろに診察室へ入った。Tシャツ姿でいつもと変わった様子はなく、看護師から「痩せたんじゃない?」と聞かれて「そうかな」などと答えたという。

 事件発生時、異変に気付いた看護師が診察室の緊急通報ブザーを押そうとし、誤って横の火災警報器を操作。院内に警報音が鳴り響き、職員が対応に駆け回るなど混乱した。

 宮下さんは札幌出身で札幌医大を卒業し、1994年に三笠総合病院に赴任。精神科医として特にアルコール依存症患者の治療に熱心に取り組んだ。同病院の元職員で、当時一緒に働いた60代の女性は「依存症には若い患者も少なくなく、宮下さんは彼らを立ち直らせたいと一生懸命だった」と悲報を悼んだ。

 また、大学在学中に朝日新人文学賞を受賞した文才を生かし、医師の傍ら、依存症と格闘する元甲子園球児を主人公にした小説「鉄格子のむこうの青い空」(東峰書房)を2000年に出版。同年の北海道新聞文学賞の候補作に選ばれた。」


謹んでご冥福をお祈り申しあげます.

【追記】

北海道新聞「精神科医刺殺で患者を不起訴 札幌地検岩見沢支部」(2013年11月29日)は,つぎのとおり報じました.

「【岩見沢】三笠市内の病院で医師が患者に刺されて死亡した事件で、殺人の疑いで送検された同市内の無職男性(55)について、札幌地検岩見沢支部は29日、心神喪失で刑事責任を問えないと判断し、不起訴処分とした。札幌地裁岩見沢支部は同日、地検の申し立てを受け、医療観察法に基づき男性に鑑定入院命令を出した。

 今後、入院先で医師が鑑定書を作成し、裁判所に提出。それを基に裁判官や医師、検察官らが協議して、最終的に《1》指定医療機関への入院《2》同じく通院《3》不処遇―のいずれかの決定が下される。

 男性は8月21日、市立三笠総合病院の診察室で、精神神経科の医師宮下均さん=当時(53)=を包丁で刺して殺害しようとしたとして殺人未遂容疑で現行犯逮捕された。殺人容疑に切り替えて送検されたが、地検が鑑定留置し、精神状態を調べ刑事責任が問えるか検討してきた。」


谷直樹

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by medical-law | 2013-08-23 22:22 | 医療

九州大学病院、終末期医療の指針策定

読売新聞「延命治療中止指針を九大病院策定、来月から運用(2013年8月22日)は、次のとおり報じました.


「九州大病院(福岡市)は21日、終末期の患者に対する「延命治療中止に関わるガイドライン(指針)」を策定したと発表した。

9月下旬から運用を始める。医療スタッフの認識を統一し、現場での混乱や負担を減らすのが狙いで、既に大阪大病院や信州大病院などでも導入されている。

 日本救急医学会や全日本病院協会などの指針を参考に、約2年間かけてまとめた。

終末期について、脳機能の回復が見込めない時や現状の治療を続けても数日以内の死亡が予測される場合などと定義。延命措置の中止は〈1〉患者の意思表示がある〈2〉それが困難な際は複数の家族の意見で、患者の意思が推測できる――場合に限るとした。九州大病院は「指針はホームページで公開している。終末期のあり方を考えるきっかけにしてもらえれば」としている。」


終末期医療の指針があると便利ですが、指針は具体的なケースに応じて柔軟に運用する必要があるdしょう.

谷直樹

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by medical-law | 2013-08-23 01:08 | 医療