弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2013年 09月 09日 ( 3 )

2020年夏季五輪・パラリンピックの東京開催により,受動喫煙防止条例制定必要

日本禁煙学会は,「2020年夏季五輪・パラリンピックの東京開催決定を祝します」を発表しました.

「IOCは1988年以来オリンピック大会禁煙方針を採択し、会場の禁煙化とともにタバコ産業のスポンサーシップを拒否して、2010 年 7 月には WHO とタバコのないオリンピックをめざす協定にも調印しています(資料1)。東京オリンピックにおいても北京やソチと同様に、オリンピック開催までにレストラン・バーを含む完全な受動喫煙防止条例を施行する必要性があります。

 IOCの方針にともないバルセロナ、アトランタ、シドニー、アテネ、北京、ロンドン、リオデジャネイロあるいはロシアのソチなど、オリンピック開催都市にはすべて罰則付きの受動喫煙防止法または条例が存在しています。世界一喫煙率の高い中国ですら、北京オリンピック開催のために、 北京市に受動喫煙防止条例を制定したことは記憶に新しいところです(資料2)。

 受動喫煙防止条例施行のためには、日本禁煙学会はもちろんのこと、東京都医師会、東京都歯科医師会、東京都薬剤師会、東京都看護協会などの全面的な応援を見込めるでしょう。すでに東京都には、理想的な受動喫煙防止条例(案)が東京都医師会からご提案済みになっております。

 猪瀬都知事の力強いリーダーシップのもと、是非とも受動喫煙防止条例を実効性あるものとするため、上記団体とご協力をお願い申し上げます。これはそのまま都民や国民の健康増進と直結することになるでしょう。」


60才以前の死亡の約90%は発展途上国で発生しており,タバコ使用,健康的でない食習慣,運動不足をなくすることで予防できるのですから.


谷直樹

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by medical-law | 2013-09-09 09:33 | タバコ

産科・産婦人科のある病院22年連続減少,小児科のある病院29年連続減少

NHK「産科のある病院 22年連続で減少」(2013年9月9日)は,次のとおり報じました.


産科や産婦人科がある病院の数は、訴訟のリスクが高く、医師不足が続いていることなどから、22年連続で減少したことが、厚生労働省の調査で分かりました。

厚生労働省は、全国の病院が設けている診療科を毎年調査していて、去年10月時点でおよそ8500施設を対象にした結果がまとまりました。
それによりますと、産科や産婦人科がある病院は1387施設で、前の年より8施設減りました。
産科や産婦人科のある病院が減るのは22年連続で、10年前と比べると363施設、率にして21%減っています。
また、小児科がある病院は2702施設で、前の年より31施設減りました。
19年連続で前の年よりも減り、10年前と比べると20%減っています。
厚生労働省は、訴訟のリスクが高いことなどから、産婦人科や小児科の医師不足が続いていることに加え、不足による労働環境の悪化を防ぐため、地域で拠点となる病院に医師を集約させているためだと分析しています。
厚生労働省は、小児科や産科などの診療報酬を加算したり、地域での医師の確保に補助金を出したりして、診療科による偏りを緩和していくことにしています。」


産婦人科や小児科の医師不足の原因を訴訟のリスクに求めるのは,正確な情報に基づくものなのでしょうか.過酷な労働環境が医療事故を招いている面はないのでしょうか.

全国の地方裁判所の既済事件数は,産婦人科については,近年減少傾向にあります.
平成22年89件,平成23年82件,平成24年59件です.
全国の地方裁判所の既済事件数は,小児科については,横ばいです.
平成22年22件,平成23年19件,平成24年22件です.
訴訟は増加していないのに,医師数が減少しているのです.

子どもの人口は32年連続減少しています.何か起きたときのバックアップ体制を充実させるためには,産科医療施設の統合集約化が必要とされています.
医療施設が連続減少していることが,訴訟リスクのためというのは本当に正しいのでしょうか.

これまで産科医師,小児科医師の過酷の労働実態を解消するための積極的な支援対策はなされずにきました.積極的な支援対策の実施こそが問題の解決につながる,と思います.


谷直樹

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by medical-law | 2013-09-09 08:59 | 医療

3年間に4件の医療事故のリピーター医師が医師免許を保持し続ける理由

法と経済ジャーナルに,出河雅彦(いでがわまさひこ)氏の「医療ミスを繰り返すリピーター医師、免許取り消されず」(2013年9月4日)が掲載されていました.
1998年~2001年の3年間に計4件の医療事故を起こし,この4件の事故すべてについて過失を認めて損害賠償金を支払った医師が,軽い処分しかうけず,医師免許を保持し続ける理由を述べています.一読をお奨めいたします.

「若林一道さんはこう語る。
「本人が過失を認めなければ処分できない」と厚生労働省が言うから、塩井医師がリピーター医師であるという証明を事故の被害者である私たちがしなければならなかった。4件の事故すべてについて塩井医師が自らの過失を認めた2010年3月の和解調書によって十分な証拠がそろったと考えたが、厚生労働省はリピーター医師として処分せず、あえて分離して処分を出した。厚生労働省にだまされた、と思わざるを得ない。
厚生労働省は「リピーター医師の定義はなく、把握もできない」というが、医療を受ける患者にすれば、そのような医師が野放しになっているのでは安心して医療を受けることができない。
10年間活動してきたが、一歩も前に進んでいないというのが実感だ。リピーター医師を認定することに何か不都合なことでもあるのだろうか。なぜ厚生労働省がそこまで頑なになるのか理解できない。
会の活動を始めた当時は、重大な医療事故が相次いで表面化したこともあって署名活動を応援してくれる人たちも多かったが、帝王切開手術に伴う死亡事故で産婦人科医が逮捕された福島県立大野病院事件(2006年)を境に雰囲気がガラッと変わった。署名活動をしていたら、「君たちのせいで小児科医や産科医が減っている」と面と向かって非難されたこともある。
ほとんどの医師が患者の命を救うために日夜頑張ってくれていることは私たちもよく理解している。同じミスを繰り返すような医師がいなくなってほしい。願いはそれだけです。」」


最近では,銀座眼科の元院長に対する行政処分が注目されます.

谷直樹

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by medical-law | 2013-09-09 00:03 | 医療事故・医療裁判