弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2014年 01月 17日 ( 2 )

月経困難症治療剤「ヤーズ配合錠」と因果関係が否定できない血栓症による3例目の国内死亡例報告

「月経困難症治療剤「ヤーズ配合錠」投与患者での血栓症に関する注意喚起について」

厚生労働省はM2014年1月17日,月経困難症治療剤「ヤーズ配合錠」について,使用上の注意を改訂し,血栓症に関する警告欄を設けるとともに,安全性速報により,医療関係者などに対して速やかに注意喚起を行うよう製造販売業者に指示しました.

「ヤーズ配合錠」は、発売当初から、添付文書により血栓症に関する注意喚起がなされています。また、昨年6月及び9月に、本剤との因果関係が否定できない血栓症による国内死亡例が報告されたことを受け、同年8月及び10月に医療関係者向けの情報提供資材を配布するとともに、本剤を服用している患者が産婦人科以外の医療機関を受診した場合でも、血栓症を念頭に置いた診察・治療がなされるよう、患者カードを配布する等の措置を製造販売業者に指導しています。今般、本年1月に、本剤との因果関係が否定できない血栓症による3例目の国内死亡例が報告されたことから、更なる注意喚起を指示することとしました。

今回の医療関係者に対する注意喚起のポイントは、以下の2点です。

1.本剤の服用により、血栓症があらわれ、致死的な経過をたどることがあるので、血栓症が疑われる次のような症状があらわれた場合は直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
<血栓症が疑われる症状>
下肢の急激な疼痛・浮腫、突然の息切れ、胸痛、激しい頭痛、四肢の脱力・麻痺、構語障害、急性視力障害等

2.本剤を服用中に、このような症状があらわれた場合は、直ちに服用を中止し、救急医療機関を受診するよう、患者に説明すること。 」


ピルには血栓症リスクがあります.血栓症リスクを軽く考え処方,服薬されていることはないでしょうか.
4例目がでなければよいのですが...


谷直樹

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by medical-law | 2014-01-17 19:54 | 医療事故・医療裁判

医療安全情報No.86[禁忌薬剤の投与]

公益財団法人日本医療機能評価機構は,2014年1月15日,「医療安全情報No.86[禁忌薬剤の投与]」を発表しました.

●重度の腎障害・腎不全に禁忌である,グリコラン錠(経口血糖降下剤),ザイザル錠(アレルギー性疾患治療剤),ビジクリア配合錠(経口腸管洗浄剤)を投与した例
●パーキンソン患者の禁忌のセレネース注(抗精神病剤)を投与した例
●消化管穿孔疑いに禁忌のバリエネマHD75%(ディスポーザブル注腸造影剤)を投与した例
●血友病に禁忌のネオラミン・マルチV 注射用(高カロリー輸液用総合ビタミン剤)を投与した例
が挙げられています.

「事 例 1
パーキンソン病の患者の術後にせん妄があったため、医師はセレネースの筋肉注射を
指示し、看護師が投与した。セレネース注の添付文書上、禁忌事項に「パーキンソン病の
患者」と記載があったが、医師および看護師はそのことを知らなかった。セレネースを
投与後、患者はパーキンソン病による筋強剛が悪化した。
◆セレネース注(抗精神病剤)の添付文書の『禁忌』に、「パーキンソン病の患者〔錐体外路症状が悪化するおそれがある。〕」と記載されています。

事 例 2
腎不全の患者に大腸ポリープ切除術の前処置として、医師はビジクリア配合錠を処方した。
ビジクリア配合錠の添付文書上、禁忌事項に「重篤な腎機能障害のある患者」と記載があったが、医師はそのことを知らなかった。ビジクリア配合錠を内服した翌日、急性高リン血症、低カルシウム血症によるテタニー症状をきたした。
◆ビジクリア配合錠(経口腸管洗浄剤)の添付文書の『禁忌』に、「透析患者を含む重篤な腎機能障害のある患者、急性リン酸腎症のある患者」と記載されています。」


いずれも患者の疾患や病態を把握していましたが,医療用医薬品の添付文書上「禁忌(次の患者には投与しないこと)」であることを知らなかったためにおきた事故とのことです.
医療裁判では,添付文書に禁忌と記載されている薬剤の投与は,注意義務違反が推定されます.

谷直樹

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by medical-law | 2014-01-17 08:36 | 医療事故・医療裁判