弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2014年 01月 30日 ( 3 )

兵庫医科大学附属病院で,患者個人情報の入った医師個人のノートパソコン盗難(報道)

兵庫医科大学附属病院の医師が平成26年1月15日車上荒らしの被害に遭い、車内にあった患者個人情報の入った個人のノートパソコンが盗まれました.
兵庫医科大学附属病院のサイトによれば,以下のとおり掲載されています.

「1.紛失のデ-タの内容
・患者の紹介状の下書き7 件(内訳:英語4件;患者氏名、生年月日、年齢、検査、デ-タ等、日本語3件;氏名、病名、経過報告)
・院内報告書の下書き4件;患者氏名、病名、入院経過報告等
コンピュ-タにはパスワ-ドによるセキュリティが掛けられておりました。

2.経緯
平成26年1月15日(水)13:30頃、本学の医師が本学の南の駐車場に自家用車を駐車していたところ、駐車場の管理関係者から窓ガラスが割られている連絡が入り、確認したところ助手席後部の窓ガラスが割られ、個人のノ-トパソコンと白衣が入った布袋が盗まれていること(車上荒らし)が判明致しました。本人から速やかに甲子園警察署に届け出が行われ、同日に本学へも報告がありました。

3.発生後の初期対応
本件発生後、1)紛失デ-タの内容特定、2)デ-タのセキュリティ状況、3)個人情報デ-タの特定、4)対象者の特定、5)対象者への対応の検討、6)再発防止の緊急対策の策定を行いました。

4.今後の対応
①個人を特定できる情報の学外の持ち出し禁止の徹底
②学会発表などの症例に対する匿名化の徹底
③全医療従事者・教職員に対する個人情報の保護に関する意識付けの徹底
④責任所在と関係者の処分の検討」


ノートパソコンに,個人情報を入れておくのは危険です.

電磁データの紛失が報じられ続けていますが,紛失事故はいっこうに無くなりません.

◆ 2011年6月以降の個人電磁情報の紛失事故

2011年 6月
慶應義塾大学病院スポーツ医学総合センター
北海道大学病院

2011年7月
医療法人 柏堤会(財団) 戸塚共立第1病院
藤田保健衛生大学病院
昭和大学歯科病院

2011年8月
筑波メディカルセンター病院

2011年9月
千葉県精神科医療センター
鹿児島大学病院

2011年10月
JA茨城県厚生連茨城西南医療センター病院
独立行政法人国立病院機構三重中央医療センター
独立行政法人労働者健康福祉機構関東労災病院
大和市立病院

2011年11月
独立行政法人国立病院機構金沢医療センター

2012年1月
医療法人聖愛会
独立行政法人国立病院機構千葉医療センター
独立行政法人国立病院機構宇多野病院
東京女子医科大学附属八千代医療センター

2012年2月
京都府立洛南病院(ただし一時紛失)
岡山大学病院
藤沢市民病院
長崎大学病院

2012年3月
日本赤十字社医療センター
国立大学法人高知大学医学部

2012年4月
ごう在宅クリニック(札幌)
静岡県立病院機構静岡県立総合病院
広島大学病院
福岡大学病院

2012年5月
福岡大学病院

2012年6月
日本大学医学部附属板橋病院

2012年7月
日本大学歯学部付属歯科病院

2012年8月
名古屋大学医学部附属病院
順天堂大学医学部附属順天堂医院
愛知県厚生農業協同組合連合会江南厚生病院

2012年9月
沖縄県立中部病院
福岡歯科大学医科歯科総合病院
大阪リハビリテーション病院

2012年10月
医療法人社団恵仁会セントマーガレット病院
東京医科大学病院
昭和大学病院附属東病院
浜松医科大学医学部付属病院,浜松医療センター

2012年11月
九州大学病院
東京慈恵会医科大学附属柏病院

2013年2月
札幌医科大学附属病院

2013年3月
東京医科歯科大学歯学部附属病院

2013年4月
昭和大学歯科病院

2013年5月
市立岸和田市民病院

2013年7月
順天堂大学医学部附属順天堂医院
東京女子医科大学病院
一般財団法人神奈川県警友会けいゆう病院
埼玉県立がんセンター

2013年8月
さいたまほのかクリニック

2013年9月
新潟県立六日町病院
公益財団法人東京都保健医療公社荏原病院

2013年10月
産業医科大学若松病院

2013年12月
筑波大学附属病院
岐阜大学医学部附属病院(その後発見)
JR東京総合病院

2014年1月
医療法人鉄蕉会亀田総合病院(その後発見)
兵庫医科大学附属病院



弁護士 谷直樹

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by medical-law | 2014-01-30 19:14 | コンプライアンス

山形地裁平成26年1月28日判決,アラーム音に気づかず窒息の事案で国立病院機構山形病院に賠償命令(報道)

読売新聞「「窒息防ぐ義務怠った」国立病院に賠償命令」(2014年1月30日)は,次のとおり報じました.

「山形県鶴岡市の筋ジストロフィーの当時8歳の男児が意識障害になったのは、短期入所した国立病院機構山形病院(山形市)の監視体制に不備があったためだとして、両親が病院を相手取り、慰謝料など約3200万円を求めた訴訟の判決が28日、山形地裁であった。

 石垣陽介裁判長は「男児が窒息することを防ぐ義務を怠った」と病院側の過失を認め、1980万円を支払うよう命じた。

 看護師らが呼吸状態を判定する機器のアラーム音に気付かず、発見が遅れて男児が意識障害を負ったかどうかが争点となり、原告は、アラーム音が大きい機器を使用すべきだったなどと主張した。男児は昨年9月に10歳で亡くなっている。

 判決では、発見が遅れたことで男児が窒息し、心肺停止状態になったと認定。病院側に男児の様子を頻繁に監視する義務があったとした。一方、請求額を減らした理由として、男児はたんがたまりやすく吸引介護が必要だったことなど、父親が病院側に十分な情報提供をしていれば、今回のような事態を回避できた可能性があったことを挙げた。

 原告の弁護士は「こちらの主張がおおむね認められた」と判決を評価した。病院側は「主張が認められず残念。控訴も視野に入れて関係機関と相談する」としている。」


本件に限らず、アラーム音に気づかなかったために起きた医療事故は結構あるようです.


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by medical-law | 2014-01-30 18:47 | 医療事故・医療裁判

大阪高裁で逆転判決,大阪拘置所で強制的に栄養を鼻から注入された事案で賠償認める(報道)

西日本新聞「鼻に栄養剤、国に賠償命令 「屈辱的扱いで苦痛」」(2014年1月23日)は,次のとおり報じました.

「大阪拘置所で強制的に栄養を鼻から注入され負傷したなどとして、京都市に住む元収容者の男性が国に300万円の賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は23日、請求を棄却した一審大阪地裁判決を変更、「屈辱的扱いで精神的苦痛を与えた」として、国に50万円の支払いを命じた。

 判決理由で山下郁夫裁判長は「拘置所の医師は食事を拒んだ男性に、点滴などほかの方法を試みず、同意も得ないで鼻から栄養剤を注入した。安全配慮義務に違反しており違法だ」と指摘した。」


地裁の判決を高裁が覆したものです.
本件は,そもそも同意・不同意が可能なのに,同意を得ずに強制的に治療することに問題がある事案と言えるでしょう.


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by medical-law | 2014-01-30 09:28 | 医療事故・医療裁判