弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2014年 02月 21日 ( 3 )

東京地裁平成26年2月20日判決,補助人工心臓エヴァハートの被験者死亡で東京女子医大に賠償命じる(報道)

msn産経「東京女子医大に賠償命令 治験参加の女性死亡 東京地裁」(2014年2月20日)は,次のとおり報じました.

「東京女子医大病院(新宿区)で治験中の補助人工心臓を装着した女性=当時(41)=が死亡した問題で、遺族が大学側に約3100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が20日、東京地裁で言い渡された。菅野雅之裁判長は「体格が基準を満たしていないのに治験を実施した」として、約850万円の支払いを命じた。

 判決によると、女性は平成19年3月、治験に参加し、補助人工心臓「エバハート」の埋め込み手術を受けた。いったん退院したが約1年半後、脳出血のため死亡した。

 菅野裁判長は、手術と死亡の因果関係を認めたうえで、女性は治験対象の基準より小柄だったと指摘、「被験者保護のため基準は厳格に扱われるべきで、医師の裁量を安易に認めることはできない」とした。

 東京女子医大は「判決を詳細に見ていないので、現時点ではコメントできない」としている。」


被験者保護のためのプロトコール(protocol)に違反したことにより,民法上も違法と認定し,損害賠償を認めた判決です.
「プロトコルの内容は,現実には被験者において治験に参加するか否かを判断するに際して,唯一の客観的な資料になるものと考えられ,被験者は,治験に参加するに当たって,当然にプロトコルの内容が遵守されることを前提にしているものと考えられる。したがって,両当事者の合意内容という意味合いにおいても,プロトコルの内容は,合意の一部を形成するものというべきであるから,その違反は民事法上の違法性を有するものと認められるべきである。」と判断しました.治験におけるプロトコール(protocol)の重要性を正しく評価した判決です.
原告代理人弁護士は,医療問題弁護団の安東宏三先生,細川大輔先生,高梨滋雄先生ほかです.
東京女子医大はおそらく控訴するでしょうが,東京高裁がこの東京地裁判決を覆すのはかなり難しいのではないでしょうか.


弁護士 谷直樹

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by medical-law | 2014-02-21 09:51 | 医療事故・医療裁判

喫煙者とは交際したくない→89%、喫煙者とは絶対に交際したくない→57%

マイナビニュース「米国人の9割が喫煙者とは交際したくないと回答。絶対に交際しないは6割弱」は、次のとおり伝えています.

「喫煙が恋人を遠ざける!?

Match.com(マッチ・ドットコム)とファイザー社はこのほど、21歳以上の米国人1,020人を対象に実施した「禁煙と交際」に関する調査結果を発表した。

初デートで許せないことは「喫煙休憩」

同調査は2013年11月30日~12月6日にかけて実施。まず、喫煙者との交際についての調査では、89%が交際したくないと答え、57%が喫煙者とは絶対に交際しないと考えていることが明らかとなった。また、最初のデート時の許せない行為についても、携帯電話のチェック(45%)や遅刻(40%)をおさえて喫煙休憩が最も多く、51%だった。

次に、喫煙者と交際する時に心配なことについて尋ねたところ、喫煙者の長期的な健康(78%)、喫煙者本人のたばこの臭い(75%)、自宅や車のたばこの臭い(80%)、自分の健康(62%)が上位となった。また、気分の良いキスについて聞いてみると、78%がきれいな息を上位に挙げ、同じく78%がたばこ件を吸った後の喫煙者とはキスしたくないと考えていることが分かった。

米国では、喫煙は予防可能な病気および早期死亡の原因の第1位を占めており、18歳以上の米国人のうち4,530万人(19.3%)が喫煙者となっている。また米国では、毎年40万人以上(毎日1,200人以上)が喫煙に関連した病気のために死亡している。」


そういえば、印象ですが、喫煙者同士、非喫煙者同士の結婚が多いように思います.


弁護士 谷直樹

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by medical-law | 2014-02-21 02:18 | タバコ

米公衆衛生局長官報告The Health Consequences of Smoking - 50 Years of Progress

健康百科「いくつ当てられる? 最近分かったたばこ関連の病気 米当局が発表」(2014年2月5日)は、次のとおり、米公衆衛生局長官報告"The Health Consequences of Smoking - 50 Years of Progress")の内容を伝えています.

「1965年~2014年に喫煙や受動喫煙で2,083万人が寿命より早く死んでいると報告。この中には、喫煙に関連するがんや呼吸器疾患、心臓病のほか、喫煙による住宅の火災による死者(8万6,000人)も含まれている。」

喫煙・受動喫煙に関連する病気は次のとおりです.、

◆喫煙と関連する病気
口腔咽頭がん、
喉頭がん、
食道がん、
気道・気管支・肺がん、
急性骨髄性白血病、
胃がん、
肝臓がん、
膵臓がん、
腎臓・尿管がん、
子宮がん、
膀胱がん、
大腸がん

脳卒中、
失明、
白内障、
加齢黄斑変性、
妊娠中の喫煙による先天性口唇・口蓋裂
歯周病、
大動脈瘤、
若年成人期からの腹部大動脈の硬化、
冠動脈疾患、
肺炎、
動脈硬化性末梢動脈疾患、
慢性閉塞性肺疾患、
結核、
喘息、
その他の呼吸器疾患、
糖尿病、
女性の生殖機能の低下(妊孕性=にんようせい、妊娠しやすさ=の低下など)、
大腿骨近位部骨折、
異所性妊娠(子宮外妊娠)、
男性の性機能低下(勃起不全=ED)、
関節リウマチ、
免疫機能への影響、
健康状態全般の悪化

◆受動喫煙と関連する病気
◾子供:
中耳の病気、
呼吸器症状、
肺機能の悪化、
下部呼吸器疾患、
SIDS
◾大人:
脳卒中、
鼻の刺激症状、
肺がん、
冠動脈疾患、
女性の生殖機能の低下(低出生体重)」



今回の公衆衛生局長官報告で,新た関連性が明記された病気は,次のとおりです.

◆喫煙と関連する病気
肝臓がん、
大腸がん
加齢黄斑変性、
妊娠中の喫煙による先天性口唇・口蓋裂
糖尿病、
異所性妊娠(子宮外妊娠)、
男性の性機能低下(勃起不全=ED)、
関節リウマチ、
免疫機能への影響

◆受動喫煙と関連する病気
脳卒中

(出典:U.S. Department of Health and Human Services"The Health Consequences of Smoking - 50 Years of Progress")」



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by medical-law | 2014-02-21 01:49 | タバコ