弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2014年 05月 01日 ( 2 )

神戸市立医療センター中央市民病院、胸部エックス線画像を見ずに放置し肺がん見逃し

神戸新聞「胸部画像を放置、肺がん陰影見逃す 神戸・中央市民病院」(2014年4月30日)は、次のとおり報じました.

「神戸市立医療センター中央市民病院(同市中央区)は30日、脳神経外科の30代の男性医師2人が、脳動脈瘤で入院した市内の50代男性の胸部エックス線画像を見ずに放置し、写っていた陰影を見逃した、と発表した。男性はその後、別の病院で肺がんと診断され、現在は中央市民病院で治療を受けている。

 同病院では結核の院内感染予防のため、全ての入院患者の胸部をエックス線撮影。男性についても昨年2、6月に撮影したが、医師は2人とも画像を一度も確認せず、結果的に陰影を見逃した。ともに「脳動脈瘤の治療に気を取られていた」と話しているという。

 男性は10月、別の病院の検査で肺がんと判明。治療で受診した中央市民病院の呼吸器内科の医師が、過去のエックス線画像を見て陰影に気付いた。同病院は「撮影時に確認していれば、早期治療ができたはず」として男性に謝罪した。

 同病院はこの問題を受け、現在の場所に移転した2011年7月以降のエックス線画像約3万5千件を調査。医師が一度も見ていないケースが494件あった。結核など病気の見逃しはなかったという。(田中陽一)」

医師が胸部エックス線画像を見ずに放置することは、実は、ときどきあります.
多くの場合は何事もないのですが、まれに肺がんが疑われる陰影が写っている場合があり、その場合は医師の責任問題になります.そのなかで、因果関係が認められる場合だけが、民事賠償責任を生じます.


弁護士 谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2014-05-01 23:29 | 医療事故・医療裁判

停電事故と電子カルテ閲覧

週刊ダイヤモンド「東大病院がシステム事故を矮小化 電子カルテ閲覧不能を公表せず」(2014年4月30日)によれば,東大病院で2013年10月27日(日)午後2時半から翌28日(月)午前8時まで作業ミスによる停電のため全ての電子カルテが停止する事故が発生したことが分かったとのことです.
「週刊ダイヤモンド」の取材によると,全患者の電子カルテが閲覧できなくなり,医療事故防止のために入院患者が手首に巻く「患者認識用リストバンド」のバーコードも読み込めなくなったとのことです.
東大病院は,「(電子カルテの閲覧は)ウェブ系のデータ参照システムが障害発生中も利用可能だった。治療行為の遅延もなかった」と回答した,とのことです.
「週刊ダイヤモンド」の関係者への取材によると,電子カルテを参照できるようになったのは深夜に入ってからで,実際には入院患者に点滴ができなかったり,治療行為には確実に遅れが出ていた,とのことで,影響の程度には相違があります.
ほとんどの病院で,手書きのカルテから電子カルテに移行しましたが,これは,電子カルテの弱点を露呈した事故と思います.二重三重のバックアップ体制が必要なのではないでしょうか.

また,つい先日,IE(Internet Explorer)の脆弱性(セキュリティホール)が発見され,zero-day attackを懸念した米国,英国の政府がIE使用を控えるよう警告しました.私の事務所では,Chromeの使用が多いのですが,ドキッとする情報でした.
現代は,ツールが便利になった反面,危険と背中合わせです.

弁護士 谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2014-05-01 06:22