弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2014年 05月 04日 ( 2 )

福岡大学筑紫病院の医師4人と看護師1人について検察審査会が不起訴不当

毎日新聞「福岡検察審:福岡大筑紫病院医師ら5人に「不起訴不当」」(2014年4月28日)は,次のとおり報じました.

「手術後の適切な管理を怠り患者に傷害を負わせたとして業務上過失傷害容疑で書類送検され、不起訴(容疑不十分)になった福岡大学筑紫病院(福岡県筑紫野市)の医師4人と看護師1人の計5人について、福岡第1検察審査会が「不起訴不当」の議決をしていたことが分かった。

 24日付の議決は「医師らの対応に法的、道義的問題がある。刑事責任を不問にした場合は重大な医療過誤が再発する可能性がある」と指摘している。

 5人は2009年5月25、26日、消化管に炎症などが起こる難病「クローン病」を患う40代男性歯科医(北九州市)の腸の手術を実施。大量出血を起こしたのに適切な引き継ぎなどをせず脳障害を負わせたとして、福岡県警に書類送検された。

 福岡地検が14年2月に不起訴処分にしたため、家族が検察審査会に申し立てていた。

 福岡地検は「必要な捜査を遂げ、適正に処分する」としている。【山本太一】」


msn産経「医師ら5人を「不起訴不当」 福岡検察審査会議決 患者に脳障害の医療事故で」(2014年4月28日)は,次のとおり報じました.

「福岡第1検察審査会は28日までに、手術後の不適切な対応で難病のクローン病患者に重い脳障害を負わせたとして、業務上過失傷害の疑いで書類送検された福岡大筑紫病院(福岡県筑紫野市)の当時の主治医や看護師ら5人を不起訴とした福岡地検の処分に対し、不起訴不当と議決した。議決は24日付。

 議決書は「医師、看護師としての対応には法的、道義的な問題がある」と指摘し、地検に対して「刑事責任を不問にした場合、重大な医療事故が再発する可能性がある」と処分の再考を求めた。

 議決書などによると、平成21年5月25日、主治医ら医師4人は患者の男性の手術中に大量出血があったのに看護師に適切な指示をせず病院を離れ、看護師も翌25日未明に容体が急変したのに2時間以上、主治医や当直医に連絡せず脳障害を負わせた疑いで書類送検された。いずれも今年2月、嫌疑不十分で不起訴となった。」


読売新聞「医師ら5人「不起訴不当」議決、男性患者脳障害」(2014年4月29日)は,次のとおり報じました.
 
「手術後の適切な管理を怠り、患者に脳障害を負わせたとして、業務上過失傷害容疑で書類送検され、福岡地検が不起訴とした福岡大筑紫病院(筑紫野市)の医師ら5人について、福岡検察審査会は不起訴不当と議決した。

 議決(24日付)などによると、腸に難病を患う北九州市の男性(42)は2009年5月、同病院で腸の一部の切除手術などを受けた後、血圧低下などによって高次脳機能障害を負った。

 県警は13年12月、執刀医(63)と執刀助手3人は、男性が手術中に大量出血したのに看護師に術後管理を指示せずに帰宅し、看護師は容体急変後も経過観察を続けたとして、5人を書類送検した。だが、福岡地検は14年2月、不起訴(嫌疑不十分)とした。

 審査会は「執刀医らは過去に経験がないほどの大量出血を認識しており、詳細に指示すべきだった」と判断。対応には法的、道義的問題があり、仮に不問とすれば医療事故が再発する可能性があると指摘した。また、「取り調べにより医師の意見が変化している」と捜査方法に疑義を呈した。

 地検の玉置俊二次席検事は「必要な捜査を行った上で適正に処分する」としている。」


検察審査会が,医療事故について不起訴不当とするのは多くはないので,注目したいと思います.

弁護士 谷直樹

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by medical-law | 2014-05-04 20:45 | 医療事故・医療裁判

福井大学医学部附属病院,大腸内視鏡検査による死亡事故で提訴される(報道)

中日新聞「内視鏡検査後に死亡 親族が福井大と医師を提訴」(2014年5月3日)は,次のとおり報じました.

「院長「過失はない」

福井県あわら市の女性=当時(86)=が多臓器不全で死亡したのは大腸内視鏡検査のミスが原因だとして、浜松市の長女ら親族4人が、検査をした福井大病院(福井県永平寺町)の男性主治医と同大に、約3700万円の損害賠償を求める訴訟を静岡地裁浜松支部に起こした。
 訴状などによると、女性は2012年12月24日、下血のため同病院に搬送され、翌日に大腸内視鏡検査を受けた。検査前に腸管洗浄剤を服用したが、排便はなく、主治医が検査を始めると、便が残っていたため内視鏡の挿入を途中でやめた。女性は腹痛を訴え、コンピューター断層撮影(CT)の結果、大腸の一部に穴が開いていることが判明。女性は腹膜炎と敗血症を起こし、約1カ月後に多臓器不全で死亡した。
 親族側は、女性は当時、大腸の一部が炎症により狭くなり、内視鏡の挿入などで腸管内の内圧が高まって穴が開いたと指摘。「排便のない時点でCTなどの検査をし、内視鏡の挿入を避けるべきだった」などと主治医の過失を訴えている。
 主治医は現在、同病院に勤務していない。和田有司院長は「過失はないと考えており、裁判所の判断に委ねたい」とコメントした。」


詳細は不明ですが,排便がないのに,86歳の女性に大腸内視鏡検査を強行したのはどうしてでしょうか.


弁護士 谷直樹

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by medical-law | 2014-05-04 20:13 | 医療事故・医療裁判