弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2014年 05月 22日 ( 3 )

日本産科婦人科内視鏡学会、電動モルセレータによる子宮筋腫核出細切除去術のがん拡散リスクについて発表

一般社団法人日本産科婦人科内視鏡学会(理事長吉村泰典氏)は、2014 年 5 月 21 日 、腹腔鏡下の子宮摘出術と子宮筋腫核出術における電動モルセレータの使用についてのご案内をサイトに掲載しました.

「これまで子宮筋腫の手術を受けた患者様及び、これから手術を予定されている患者様へ」では、次のとおり述べています.


「この度米国 FDA より「子宮筋腫がある女性の腹腔鏡下の子宮摘出術または子宮筋腫核出術に電動モルセレータを使用した細切除去術を実施した場合、想定されていなかったがん組織、特に子宮肉腫があった場合に子宮以外の場所にがんをまき散らすリスクがある」とのコメントが提示されました。
日本国内におきましては、子宮筋腫の手術の際にこれらリスクを回避するために術前に病理診断と MRI 診断等を行っております。指摘されているリスクは非常に少ないものと推察されますが、これら術前診断により悪性が 100%除外できるものではありません。過去に手術を受けられてご心配な方は、手術を受けられた医師又は医療機関にご相談ください。
これから手術を予定されておられる患者様におかれましては、各医療施設の状況により予定の変更をお願いする可能性がございます。誠に申し訳ございませんが、ご理解をいただきたくお願い申し上げます。又、手術の方法につきましてもさまざまな選択肢を含め、主治医と十分にご相談をいただきますようお願い申し上げます。」


谷直樹

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by medical-law | 2014-05-22 02:18 | 医療事故・医療裁判

横浜地裁平成26年5月21日判決、自衛隊機の夜間早朝の飛行差し止めと70億円の損害賠償を命じる(報道)

NHK「厚木基地騒音訴訟 夜間飛行差し止め認める」(2014年5月21日)は次のとおり報じました.

「神奈川県の厚木基地の周辺住民が航空機の騒音被害を訴えて国に飛行の差し止めや損害賠償を求めていた第4次厚木基地騒音訴訟で、横浜地方裁判所は騒音被害の違法性を認め、自衛隊機の夜間と早朝の飛行の差し止めを認めるとともに、国におよそ70億円の損害賠償を命じる判決を言い渡しました。
基地の航空機の飛行の差し止めが認められたのは全国で初めてです。

第4次厚木基地騒音訴訟では、基地の周辺住民およそ7000人が在日アメリカ海軍と海上自衛隊の航空機の騒音被害を訴えて、基地を管理する国に対し、損害賠償と夜間などの飛行の差し止めを求めていました。
21日の判決で、横浜地方裁判所の佐村浩之裁判長は「基地周辺の住民が受けている被害は健康または生活環境に関わる重要な利益の侵害であり、当然に受け入れなければならないような軽度の被害であるとはいえない」として騒音被害の違法性を認めました。
そのうえで「特に騒音による睡眠妨害は健康被害に直接結びつく相当深刻な被害と言えるもので、住民による飛行の差し止め請求には理由が認められる」などとして午後10時から午前6時までの間、防衛大臣がやむをえないと認める場合を除き、自衛隊機の飛行の差し止めを認めました。
基地の航空機の飛行の差し止めが認められたのは全国で初めてです。
また、賠償の訴えについても、佐村裁判長は「被害の重大性、違法な状態の継続に加え、基地周辺の環境の保全に関する一般的な責務を国が果たしているとは言い難い」と述べ、これまでで最も多いおよそ70億円の支払いを命じました。
一方、米軍機の飛行差し止めの訴えについては、日本の法律では差し止めの対象にはならないなどとして退けました。
裁判所の前には原告の人たちが集まり、判決の内容が伝えられると、大きな拍手と歓声があがりました。
神奈川県大和市に住む原告の76歳の男性は「これで一歩前進ですが、米軍機については一切触れていないので、うれしさ半分、悲しさ半分です。これからもう一回、立ち上がっていきたい」と話していました。
また、相模原市に住む原告の46歳の女性は「賠償が認められたことに加えて、行政訴訟で、自衛隊機の夜間と早朝の飛行の差し止めが命じられたのはすごくよかったと思います」と話していました。
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原告弁護団「防衛行政に影響」

今回の判決について、原告の弁護団は「航空機訴訟で差し止めを一部認めたのは、わが国始まって以来のことであり、今後の防衛行政に大きな影響を与えると思います」と話していました。


在日アメリカ海軍司令部は

判決について、神奈川県横須賀市にある在日アメリカ海軍司令部は「判決の内容を詳しく承知していないので、現時点ではコメントを差し控えたい」と話しています。


官房長官「大変に厳しい判決」

菅官房長官は午後の記者会見で、「国の主張について裁判所の理解が得られなかったということで、大変に厳しい判決だと受け止めている。判決文を精査したうえで、関係省庁が調整し、適切に対応していきたい」と述べました。


防衛大臣「受け入れがたい部分も」

小野寺防衛大臣は「国の主張に裁判所の理解が得られず残念だ。自衛隊機の運航の一部差止めなど、防衛省にとって受け入れがたい部分があり、判決内容を慎重に精査し、関係機関との調整のうえ適切に対処したい。防衛省としては、引き続き厚木基地周辺の生活環境の整備などに、いっそう努力していきたい」というコメントを出しました。


訴訟これまでの経緯

厚木基地の航空機の騒音被害を巡っては、昭和51年の最初の提訴以来、これまで3次にわたって裁判が行われてきました。
裁判所は、いずれも騒音被害の違法性を認め、国に周辺住民への損害賠償を命じた判決が確定しています。
しかし、住民たちは第1次の訴訟の判決が確定してから、およそ10年たっても「事態は全く改善されていない」として、平成19年、今回の第4次の訴訟に踏み切りました。
原告の数は、平成18年に、国が住宅の防音工事の費用を助成する区域を20年ぶりに拡大したことなどから、基地がある神奈川県大和市と綾瀬市、それに周辺の東京・町田市など、8つの市で合わせておよそ7000人に上り過去最大の規模となりました。
住民たちは、損害賠償と共に夜間などの飛行の差し止めを強く求めてきました。
第1次と第2次の訴訟で、住民側は、民事訴訟で飛行の差し止めを求めましたが、裁判所は自衛隊機の運航は「公権力の行使」にあたるため民事訴訟には適さず、また、米軍機には「国の支配は及ばない」として訴えを退けてきました。
このため住民側は、自衛隊機の運航や米軍機への滑走路の使用許可は防衛大臣の権限だとして今回初めて行政訴訟でも飛行の差し止めを求め、裁判所がどのような判断を示すのか、注目されていました。


各地の裁判にも影響か

基地周辺の騒音を巡る裁判は全国各地で起こされ、国の責任を認めて賠償を命じる判断が定着していますが、飛行の差し止めが認められたのは初めてです。
基地周辺の騒音を巡っては、今回の厚木基地のほかにも東京都の横田基地、沖縄県の嘉手納基地など各地で裁判が起こされてきました。
これまでの裁判では騒音被害に対して「国が対策をとっていない」として国の責任を認めて賠償を命じる一方で、飛行の差し止めについては「米軍が管理する基地の活動を日本政府が制限することはできない」などとして、認めない判断が定着してきました。
21日の判決で、裁判長は、米軍機の飛行は差し止めの対象にならないと判断しました。
しかし、自衛隊機については、防衛大臣の権限の行使は差し止めの対象になると判断したうえで、基地の騒音は、住民にとって相当深刻な被害だとして、夜間と早朝の飛行を禁じるというこれまでにない踏み込んだ判断を示しました。
差し止めの対象を広げた21日の判決は、基地の騒音を巡って現在も続いている各地の裁判にも影響を与えそうです。


「画期的な判決だ」

判決について、地方行政に詳しい千葉大学名誉教授の新藤宗幸さんは「画期的な判決だ。裁判所はこれまで安全保障や外交、軍事など国家の中枢に関わる問題について判断を避けてきた。今回の判決が司法行政の姿勢が変わるきっかけになってほしい」と話しています。


「司法が国の対応を待てないと判断」

今回の判決について、安全保障が専門で流通経済大学教授の植村秀樹さんは、「各地の裁判で騒音被害の違法性が認められてきたにもかかわらず、国は踏み込んだ対応を取らず問題を放置してきたと言え、飛行差し止めが初めて命じられたことは、国の対応をこれ以上、待つことはできないと司法が判断したといえる」と指摘しています。
そのうえで「日本の安全保障政策は、ともすると住民の生活よりアメリカ軍機の運用を重視する姿勢が強かったが、今回の判決をきっかけに住民への影響を踏まえて基地問題を議論し、安全保障政策を見直していくべきだ」と指摘しています。


「うるささ指数」とは?

今回の裁判では、航空機による騒音被害を評価する国際基準、「うるささ指数」で一定の基準に達した地域の住民が訴えを起こしました。
「うるささ指数」は騒音の大きさや頻度、それに発生する時間帯などから算出し、国は75以上の指数に達した区域を住宅の防音工事の助成対象としています。
厚木基地の周辺では神奈川県の大和市と綾瀬市、相模原市、座間市、藤沢市、海老名市、茅ヶ崎市、それに東京・町田市の8つの市のそれぞれ一部の地域が75以上の指数に達しています。
南関東防衛局によりますと、この区域にはおよそ24万4000世帯が暮らしているということです。」


佐村浩之判事は、司法修習33期の良識あるベテラン判事です.司法の場では、今まで自衛隊への過度の気遣いからか差し止めが認めれられずにきたのですが、ようやく、午後10時から午前6時までの飛行差し止めという常識的かつ画期的な判決がでました.


谷直樹

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by medical-law | 2014-05-22 01:37 | 司法

福井地裁平成26年5月21日判決、関西電力に大飯原発の3号機と4号機を運転再開しないよう命じる(報道)

NHK「大飯原発 運転再開認めない判決」(2014年5月21日)は、次のとおり報じました.

「福井県にある関西電力大飯原子力発電所の3号機と4号機の安全性を巡る裁判で、福井地方裁判所は21日、「原発には極めて高度な安全性や信頼性が求められているのに、確たる証拠のない楽観的な見通しの下に成り立っている」と指摘し、住民側の訴えを認め、関西電力に対し、運転を再開しないよう命じる判決を言い渡しました。
東京電力福島第一原発の事故のあと、原発の運転再開を認めないという判断は初めてで、原発の安全性を巡る議論に影響を与えそうです。

福井県にある大飯原発の3号機と4号機は福島第一原発の事故のあと、おととし運転を再開しましたが、去年9月に定期検査に入り、現在、運転を停止しています。
裁判を起こした周辺住民などは「安全対策が不十分だ」として運転を再開しないよう求め、これに対し、関西電力は「安全上問題はない」と反論していました。
判決で福井地方裁判所の樋口英明裁判長は、はじめに「福島の原発事故では15万人もの住民が避難生活を余儀なくされ、原発には極めて高度な安全性や信頼性が求められている」と述べました。
そのうえで「原発の周辺で起きる地震の揺れを想定した『基準地震動』を上回る揺れがこの10年足らずの間に、全国の原発で5回も観測されていることを重視すべきだ。大飯原発の基準地震動も信頼できない」と指摘し、さらに「地震が起きた時に原子炉を冷却する機能などに欠陥がある。原発の安全性などが確たる証拠のない楽観的な見通しの下に成り立っている」と述べました。
そして「福島第一原発の事故では一時、250キロ圏内の住民の避難が検討されたことがある」などとして、原告のうち、原発から250キロ圏内の住民について訴えを認め、関西電力に対して大飯原発の3号機と4号機を運転再開しないよう命じました。
福島第一原発の事故のあと、原発の運転再開を認めないという判断は初めてです。
最後に樋口裁判長は「電力会社側は原発の運転が電力供給の安定性やコストの低減につながると主張するが、多くの人の生存そのものに関わる権利と電気代の問題を並べて判断することは法的に許されない」と述べ、「豊かな国土と国民が根を下ろして生活していることを取り戻せなくなることが国の財産の喪失だ」と強調しました。
大飯原発を含む全国の原発を巡っては、現在、原子力規制委員会が運転再開の前提となる安全審査を進めているところで、21日の判決は原発の安全性を巡る議論に影響を与えそうです。

全国の原発裁判にも影響か
原子力発電所や原子力施設を対象に運転の停止などを求める訴えは、弁護団によりますと全国でおよそ30件起こされていて、21日の判決は各地の今後の裁判にも影響を与えそうです。
原発の運転停止などを求めた訴えは愛媛県の四国電力伊方原発に対する裁判など、昭和40年代から各地で起こされましたがほとんどが退けられてきました。
このうち石川県の北陸電力志賀原発と福井県の高速増殖炉「もんじゅ」を巡る裁判では、原告の訴えを認める判決も出されましたがこの2件もその後、高等裁判所や最高裁判所で訴えが退けられて確定しました。
しかし3年前の東京電力福島第一原発の事故のあと、原発などに対する裁判や仮処分の申し立てが再び各地で相次いで起こされています。
「脱原発弁護団全国連絡会」によりますと、現在、建設中や建設予定も含めて北海道から九州までの16の原発や原子力施設を対象に運転をしないことや設置を許可しないことなどを求めて合わせておよそ30件の訴えが起きていて、21日の判決は各地の今後の裁判にも影響を与えそうです。
また、原発事故のあと全国の弁護士会でも原発に関するシンポジウムや勉強会が開かれたり、裁判官が審理の進め方などを意見交換する司法研修所の研究会でも、原発訴訟がテーマとして取り上げられるなど関心が高まっていました。

判決のポイント
判決は、全国の原発で行われている地震の想定の根拠について「楽観的な見通しに過ぎない」と厳しく批判しました。

基準地震動について
全国の原発では国の基準に基づいて、電力会社が原発の周辺で起きる可能性のある地震の揺れの強さを想定して「基準地震動」を定めています。
裁判のなかで関西電力は、大飯原発の「基準地震動」を700ガルとしてきました。
しかし、21日の判決では、「この10年足らずの間に『基準地震動』を超える揺れが5回観測されていることを重視すべきだ。地震大国の日本において、大飯原発に基準地震動を超える揺れの地震が来ないというのは、根拠のない楽観的な見通しに過ぎない」と厳しく批判しました。

冷却機能の欠陥
また、原子炉の冷却機能についても「基準地震動より小さな揺れでも原子炉を冷やす電源や給水する機能が同時に失われ、重大な事故が起きるおそれがある」と指摘しました。

放射性物質の閉じ込め
さらに、放射性物質を閉じ込める構造についても「使用済み核燃料プールの設備が堅固なものではないため、設備の破損によって、冷却水や電源が失われた場合、放射性物質を閉じ込められない状態になる」と指摘しました。
そのうえで、これまでの関西電力の対応について「国民の安全よりも、事故はめったにおきないという見通しのもとに行われてきたと言わざるをえない」と強く批判しました。

原告団「満足のいく判決」
判決のあと、「差し止め認める」と書かれた紙を示した原告団の南康人さんは、「今回の判決は満足のいくものだ。今後は、この判決をもとに全国の原発に関しても訴えていきたい」と述べました。
そのうえで、関西電力に対しては「きょうの判決を真摯(しんし)に受け止めてもらい、控訴しないよう訴えていきたい」と話しました。

関西電力「速やかに控訴」
判決について、関西電力は「これまでの主張が裁判所に理解してもらえなかったことについて、誠に遺憾だと考えている。判決文の詳細を確認したうえで、速やかに控訴の手続きを行い、控訴審において、引き続き、安全性を主張していきたい」というコメントを出しました。

「追い風になる」
21日の判決を受けて、関西電力大飯原子力発電所の3号機と4号機の運転中止を求めて京都地方裁判所に訴えを起こしている原告団が記者会見しました。
この中で、原告団の一人で、福島県から京都府に避難している福島敦子さんは、「福島県で起きた原発事故の影響を考えれば、原発の稼働を止めるのは重要で当たり前の判決だ。各地で原発の運転差し止めを求めている裁判の追い風になる」と話しました。
また、弁護団長の出口治男弁護士は「司法が国民の生命を守る役割を果たしてくれた判決だと思う。京都地裁での訴訟も頑張っていきたい」と話しました。

官房長官「政府方針は変わらない」
菅官房長官は午後の記者会見で、福井地方裁判所が大飯原発の3号機と4号機の運転を再開しないよう命じる判決を言い渡したことに関連し、原子力規制委員会で安全が確認された原発は運転再開を決定する政府の方針に変わりはないという考えを示しました。
この中で菅官房長官は、福井地方裁判所が関西電力に対して、大飯原子力発電所の3号機と4号機を運転再開しないよう命じる判決を言い渡したことについて、「国は当事者ではなく、コメントすることは控えたい」と述べました。
そのうえで、菅官房長官は、記者団が「原子力規制委員会で安全が確認されれば、原発を運転再開する方針に変わりはないのか」と質問したのに対し、「そこはまったく変わらない」と述べ、原子力規制委員会で安全が確認された原発は運転再開を決定する政府の方針に変わりはないという考えを示しました。
そして、菅官房長官は「世界で最も厳しいといわれる安全基準でしっかりと審査していただくなかで、その結果を待つということだ。少しでも恣意的(しい)なものや、政府の意思が入って再稼働させるべきではなく、あくまでも安全を客観的に判断してもらったうえで再稼働することが正しいと思う」と述べました。」


樋口英明判事は、司法修習35期、昭和58年4月任官のベテラン判事です.医療集中部である名古屋地方裁判所民事第4部に在籍していたこともあります.
司法は、原子力行政への過度の配慮で、差し止めに及び腰だったのですが、ようやく国民の生命健康を重視した判決がでました.

谷直樹

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by medical-law | 2014-05-22 01:05 | 脱原発