弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2014年 09月 06日 ( 2 )

三菱神戸病院,緑内障の手術必要ないと断った事案で提訴される

産経新聞「緑内障の手術「必要ない」断られ失明 1億8000万円賠償求め提訴」(2014年9月6日)は,次のとおり報じした.

「三菱神戸病院(神戸市兵庫区)に緑内障の治療で通院していた同市垂水区の女性(64)が、失明したのは医師が手術など適切な措置を施す注意義務を怠ったためとして、病院を運営する三菱重工業(本社・東京都)を相手取り、約1億8千万円の損害賠償を求める訴訟を神戸地裁に起こしていたことが5日、わかった。

 提訴は7月24日付。

 訴状によると、女性は平成16年5月から緑内障の治療のために同病院に通院。17年3月以降、眼圧が高くなり、20年6月、別の病院で診察を受けた際、「失明する可能性があるので、すぐに手術が必要」とされた。これを受けて女性は同月、三菱神戸病院の主治医に手術を依頼したところ、「必要はない」と断られた。その後、女性が強く申入れ、同年10月と21年1月に同病院で手術を受けたが、失明したとしている。

 原告側は「20年6月に手術を受けていれば失明しなかった。病院は適切な治療を実施する注意義務を怠った」と訴えている。

 三菱重工側は「訴状の内容を確認中のため、コメントは差し控える」としている。」


緑内障は,日本人の失明原因のトップです.
40歳以上の人の5%が緑内障です.
緑内障は眼圧上昇により(他の要因とあわさり)視神経が障害される病気ですので(なお,他の病気の結果緑内障となる続発緑内障もあります),その治療は,眼圧を下げることです.
薬物療法,レーザー治療を行っても眼圧が下がらず,緑内障が進行している場合には,手術が行われます.
本件で,手術は必要ないと医師が判断した根拠は何だったのでしょうか.
本件では20年10月に手術を行っても失明していますのですが,それはなぜだったのでしょうか.
20年6月に手術を行わなかったことと失明とに因果関係はあるのでしょうか.
本訴訟に注目したいと思います.


谷直樹

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by medical-law | 2014-09-06 18:58 | 医療事故・医療裁判

がん診療連携拠点病院の4割が新要件を確保できず,来春の指定更新困難

読売新聞「がん拠点病院4割適さず…来春、指定取り消しも」(2014年9月6日)は,次のとおり報じました.

「国が指定するがん診療連携拠点病院(全国407病院)の4割が、治療件数などの点で厳格化された新要件を満たしていないことが、国立がん研究センターが今月公開した拠点病院の最新情報を読売新聞が分析し、判明した。

 「拠点」に求められる医療の質を確保できず、来春の指定更新時に看板を返上する病院が多く出る可能性がある。

 拠点病院は、2001年から指定が始まったが、治療実績が少なく、十分機能していない病院があると指摘されていた。このため、厚生労働省の有識者検討会で昨年議論し、〈1〉がん手術年間400件以上〈2〉化学療法のべ患者年間1000人以上〈3〉放射線治療のべ患者年間200人以上〈4〉常勤病理医の必須化――など、要件の厳格化が決まった。」


専門事件については,同種事件を多数取り扱っている経験豊富な弁護士のほうが,そうでない弁護士より,一般的に質の高い役務を提供できます.
がん診療など専門的医療についても同様のことが言えると思います.
米国などに比べると日本は国土が狭く交通網も発達していますので,がん治療のような高い質の医療を必要とするものについては,重点的に質の高い病院を配置するほうが適していると思います.


谷直樹

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by medical-law | 2014-09-06 07:54 | 医療