弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2014年 09月 16日 ( 4 )

兵庫県立淡路医療センター,患者の心電図の異常を知らせる警告音に気づかず死亡等医療事故2件(報道)

日テレ「兵庫県立病院で医療ミスによる事故2件発生」(2014年9月16日)は,次のとおり報じました.

「兵庫県洲本市の県立淡路医療センターで去年とおととし、医療ミスによる事故が2件発生、70代の男性患者が死亡していたことがわかった。兵庫県の発表によると去年11月、心不全で入院していた当時70代の男性患者の心電図の異常を知らせる警告音に看護師らが1時間以上気づかず、その後男性患者は死亡した。当時、病棟には当直勤務の看護師が3人いたが、全員が別の患者の対応中で警告音に気が付かなかったという。また、おととし3月、30代の女性患者に対する婦人科系疾患の手術の際、誤ってレーザー器具が患者を覆っていた布に触れ発火し、太ももなどにやけどを負わせたという。兵庫県はどちらの事故も「病院側の過失は免れない」として、患者側に賠償金を支払う方針。」

神戸新聞「患者や遺族に解決金687万円 兵庫県立淡路医療センター」(2014年9月16日)は,次のとおり報じました.

「兵庫県病院局は16日、洲本市の県立淡路医療センター(旧淡路病院)であった医療事故2件について、計約687万円を支払って和解する、と発表した。22日開会の県議会定例会に議案を提出する。

 同局によると、1件は2012年3月の手術中に発生。医師が30代女性の子宮の腫瘍を切除した後、レーザー器具の先端が布に触れて燃え広がり、女性の太ももなどにやけどを負わせたという。同局は器具の使用を誤ったとして女性に賠償金約387万円を支払う。

 もう1件は13年11月、心不全で入院していた70代男性の心停止を示すアラームが鳴っていたにもかかわらず、看護師が1時間以上気付かず、その約3時間後に死亡した。死亡との因果関係は不明だが、容体急変の発見が遅れた過失があるとし、遺族に賠償金300万円を支払う。

 岡本周治県病院事業副管理者は「大変申し訳ない。医療安全対策の取り組みを進め、再発防止に努める」とコメントした。(岡西篤志)」


手術時のレーザーによる熱傷事故,警告音に気付かなかった事故は,残念ながらどちらもよく起きています.

最高裁平成23年2月25日判決(民集第236号183頁)は,「当該医療行為が著しく不適切なものである事案」について,「医師が,患者に対し,適切な医療行為を受ける期待権の侵害を理由とする不法行責任を負うことがある」ことを認めています。
著しく不適切な医療行為が行われた場合,因果関係が証明できなくても,期待権侵害として300万円程度の慰謝料が認められることが多いようです.


谷直樹

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by medical-law | 2014-09-16 15:34 | 医療事故・医療裁判

「生誕130年 竹久夢二展 ベル・エポックを生きた夢二とロートレック」

今日9月16日は竹久夢二氏の誕生日です.
今年は、生誕130年ということで、出版、展覧会などが目立ちます.、

高島屋の「生誕130年 竹久夢二展 ベル・エポックを生きた夢二とロートレック」は、「夢二とロートレック、また東西のベル・エポックに共通するロマンチシズムに着目し、その対比を通して夢二という作家を見つめ直します。音楽と美術を愛し、街と暮らしの彩りを大切にした2人の芸術家――。慕情と哀愁に満ちたそれぞれの生涯を代表作でたどるとともに、古き日本への郷愁と西洋への憧れがとけあった夢二の作品の魅力をあらためて紹介します。」とのことです.
楽しみです.

岡山髙島屋     2014年9月11日(木)~9月23日(火・祝)
日本橋髙島屋   2014年9月26日(金)~10月6日(月)
横浜髙島屋     2014年10月15日(水)~10月27日(月) 

夢二郷土美術館のサイトご参照


谷直樹

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by medical-law | 2014-09-16 06:22 | 趣味

東京地裁平成26年9月11日判決、蒸しパンをのどに詰まらせ後遺障害で医療法人社団苑田会に賠償命令

朝日新聞「入院中パン詰まらせ後遺障害 都内の病院に賠償命令」(2014年9月11日)は、次のとおり報じました.

「くも膜下出血で病院に入院した男性(66)が蒸しパンをのどに詰まらせて後遺障害が残ったのは、適切な介助を怠ったためだとして、「医療法人社団苑田会」(東京都足立区)と主治医に約1億4130万円の賠償を求めた訴訟の判決が11日、東京地裁であった。加藤正男裁判長は病院側の過失を認め、法人に4804万円の支払いを命じた。主治医に対する請求は棄却した。

 判決によると、男性は2007年3月、苑田会が経営する苑田第一病院に入院。5日後、昼食の蒸しパンをのどに詰まらせて窒息し、呼吸停止になった。その後、血管性認知症と診断された。

 加藤裁判長は、パンについて「窒息の原因食品として上位に挙げられ、リハビリテーションの現場では広く知られている」と指摘。「食べやすい大きさにちぎり、男性の動作を観察するべきだった」とした。

 苑田会は「判決を見ていないのでコメントできない」としている。」


 くも膜下出血の66歳入院患者は、一般に嚥下能力が低下していますので注意が必要です.
 そもそも病院食に蒸しパンをだすのはどうかと思いますが、蒸しパンをだす場合は、事故を防止するために、蒸しパンを小さくちぎって食べるように指導説明し、そのとおり実行しているか観察することが必要と思います.


谷直樹

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by medical-law | 2014-09-16 05:25 | 医療事故・医療裁判

健康保険組合連合会、1162億円の赤字の見込み

NHK「健保組合の多数が赤字に 高齢者医療の負担増で」(2014年9月16日)は、 次のとおり報じました.

「大企業の従業員らが加入する全国の健康保険組合の昨年度の決算の見込みは、保険料収入は増えたものの、高齢者の医療費を賄うための負担金が過去最大となったことなどから、全体のおよそ3分の2の組合が赤字となりました。

健康保険組合連合会は、大企業の従業員やその家族が加入する全国の1419の健康保険組合について、昨年度=平成25年度の決算の見込みをまとめました。
それによりますと、組合全体の収入は保険料率の引き上げや賃金の上昇などで保険料収入が増えたことから、前の年度よりおよそ5%増えて7兆3413億円でした。これに対して、支出は後期高齢者医療への支援金など高齢者の医療費を賄うための負担金が過去最大の3兆2739億円となったことなどから、およそ2%増えて7兆4575億円でした。その結果、全体では1162億円の赤字の見込みとなり、およそ3分の2に当たる927の組合が赤字となっています。
これについて健康保険組合連合会は、「保険料率の引き上げで対応するのは限界に来ている。高齢者医療の負担の在り方を巡る改革は最優先課題であり、政府に対し現役世代の負担軽減策を求めていきたい」としています。」


タバコによる健康被害増加分をタバコ会社に請求することも検討されたら、いかがでしょうか.


谷直樹

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by medical-law | 2014-09-16 05:06