弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2014年 09月 18日 ( 3 )

広島の病院のマタニティーハラスメント訴訟,最高裁が広島高裁判決見直しの可能性大

NHK「妊娠理由に降格” 最高裁で弁論」(2014年9月18日)は,つぎのとおり報じました.

「病院で働いていた女性が妊娠を理由に不当に降格させられたと訴えた裁判の弁論が最高裁判所で開かれ、女性側は「働く女性が安心して子どもを産み育てるための法律はあるのに、実情はそうなっていない」と主張しました。

この裁判は広島市の病院で働いていた女性が妊娠したため負担の軽い業務を希望したところ、それまでの役職を外されたのは不当だと主張して、病院側を訴えているものです。
1審と2審は、「希望した業務には役職を置く必要がなかった」として訴えを退けたため、女性が上告していました。
18日、最高裁判所で弁論が開かれ、女性側の弁護士は「電話1本で降格を告げられて納得できる説明もなかった。働く女性が安心して子どもを産み育てるための法律はあるのに、実情はそうなっていない」と主張しました。
一方、病院側は「異動に伴って役職を外すことは本人の同意を得ていたし、人事配置のうえでも必要性があった」と主張しました。
弁論が開かれたことから、最高裁は女性の訴えを退けた2審の判断を変更するとみられ、妊娠や出産を理由にした解雇などの不利益な扱い、いわゆる「マタニティハラスメント」について、来月23日の判決でどのような判断を示すのか注目されます。
弁論のあと、原告の女性の弁護士は「最高裁には来月の判決で、働く女性が妊娠したとき不利益な扱いがなくなるように、会社側がどこまで配慮する必要があるのか基準が明確になる判断を示してもらいたい」と話しました。」


広島中央保健生活協同組合が開設する病院に勤務するリハビリテーション科副主任の女性が,第二子妊娠を機に副主任を外され,翌年異動となった事案です.
広島地裁は,この女性が軽い業務への転換を希望していたことから,副主任を免じたことは女性の同意を得ており裁量の逸脱はない,としました.
広島高裁は,管理職の任免は使用者側の経営判断に委ねられているとして,違法性を否定しました.
今回,最高裁で弁論が開かれたことから,最高裁が,降格が男女雇用機会均等法の禁じる不利益処分にあたるかを判断し,広島高裁の判決を見直す可能性が大となりました.
10月23日の判決が注目されます.


谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2014-09-18 18:26 | 司法

ニューヨーク州が製薬会社アクタビスを「ナメンダ」から「ナメンダXR」への切り替えで提訴

WSJ「NY州がアクタビスを提訴、アルツハイマー病薬早期撤退に異議」(2014 年 9 月 17 日)は,次のとおり報じました.

「米ニューヨーク州のシュナイダーマン司法長官が米製薬会社アクタビスを提訴した。アルツハイマー病治療薬「ナメンダ」を早期に市場から撤退させ、新しい徐放性カプセル「ナメンダXR」を販売するというアクタビスの計画は、後発版との競争を避け同社の利益を守ることが目的だと主張している。

 訴状によると、ナメンダが販売されなくなれば患者はさらに高価なナメンダXRの投薬を受けることになり、来年ナメンダの後発薬が出回ってもこれに切り替えることが難しくなる。

 アクタビスは自社の方針により係争中の訴訟にはコメントしないとした上で、徐放性のナメンダXRがアルツハイマー病患者と関わる医師や介護者から高い評価を受けていると述べた。

 シュナイダーマン司法長官は、アクタビスがナメンダXRへの切り替えの根拠として、1日2回でなく1回の投与で済むためナメンダより優れていると説明したことにも異議を唱えている。

 アクタビスは今年実施した250億ドル(約2兆6800億円)でのフォレスト・ラボラトリーズ買収を通じてナメンダを取得した。フォレストは2004年から同薬の独占販売権を保有している。ナメンダの特許は来年失効し、7月には後発版が登場する見通し。

 シュナイダーマン司法長官によると、州の代替調剤法では通常、薬剤師は処方箋にある治療薬の後発版を、医師からの許可なく調剤することができる。だが薬剤師は2つの医薬品が同じ有効成分を含有していても、医師の許可なしにナメンダXRの代わりにナメンダの後発版を調剤することはできない。

 その結果、患者が後発薬への切り替えを選択することが難しくなり時間がかかってしまうと司法長官は主張している。医薬品小売業者のウェブサイトによると、ナメンダXRの月間費用は約300ドルだが、後発薬ならはるかに安価となる。

 アクタビスはナメンダの売上高の内訳を示していないが、リーリンク・スワンのアナリストは、2014年下半期のナメンダとナメンダXRの売上高は合わせて8億ドル、来年には13億8000万ドルになると予想している。」


製薬会社の後発薬対策に州が異議を唱えた訴訟ですので,帰趨が注目されます.

谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2014-09-18 09:50 | 医療事故・医療裁判

レーシック被害集団訴訟,虚偽診断のクリニック提訴(報道)

読売新聞「レーシック被害 提訴へ」(2014年9月11日)は,つぎのとおり報じました.

「来月15人、「2クリニックで後遺症」」

「レーザー照射で視力を矯正するレーシック手術後、目の疲れなどの後遺症に苦しむ患者が「十分な説明もなく診療指針を逸脱した手術をされた」などとして、来月、専門クリニックを相手取り、損害賠償を求め東京地裁に集団提訴することがわかった。

 多数の手術を行う専門クリニックには、説明や術後のケアが不十分といった批判があったが、集団訴訟に発展するのは初めて。

 レーシック被害対策弁護団によると、参加予定者は2007~13年に手術を受けた首都圏や北海道、九州に住む30~60代の患者で、品川近視クリニック(本部・東京都千代田区)で治療を受けた13人と、同じく錦糸眼科(本部・同港区)の2人の計15人。過剰な矯正による遠視、目の疲労や痛み、見え方の異常といった後遺症を訴えている。中には、日本眼科学会の診療指針が示す矯正の限度基準を逸脱した手術をされた例もある。

 梶浦明裕・弁護団長は「工場の流れ作業のような診療で大量に手術し、指針の順守や患者への説明が不十分だったことが被害につながった」と主張。来月の一斉提訴に間に合わない患者もおり、順次、追加提訴していく方針という。

 集団訴訟について、品川近視クリニックは「現段階では情報がないのでコメントできない」とし、錦糸眼科も「訴状を見ていないので、今コメントすることはない」としている。」



MBS「「性病に感染とうそ診断」クリニックに賠償求める」(2014年9月18日)は,次のとおり報じました.
 
「「性病に感染している」と“うそ”の診断をされ、必要のない治療費を支払わされたなどとして、40代の男性が新宿区内のクリニックを相手取り、およそ250万円の賠償を求める訴えを東京地裁に起こしました。

 裁判を起こしたのは都内に住む40代の男性です。訴状などによりますと、男性は、おととし、新宿区内のクリニックで性感染症の検査を受けたところ、「血液検査は陽性で性病に感染している」と診断されました。

 男性は処方された治療薬を服用するなどしましたが、1か月後の再検査でも陽性と診断されたため不審に思い、別の病院で検査したところ、「性病には感染していない」ことが分かったということです。

「性感染症ということでデリケートな問題。(性病に)なっていないと分かったとしても、検査を受けてたということだけで偏見の目で見られるということもあるし、なかなか言い出せないということもある。医者を信用してたので、裏切られたという気持ち」(原告の男性【40代】)
 「性感染症という高度にプライベートで、センシティブな病気を作出された患者の心理、羞恥心につけこんだ行為である。病気でない人を病気にして、だまして、医療費を詐取し続けた極めて悪質な行為」(弁護士)

 男性は、「クリニックが血液検査の基準値を改ざんし、性病だとうその診断をした」として、院長を相手取り、治療費や精神的苦痛に対する慰謝料など、およそ250万円の賠償を求める訴えを、17日、東京地裁に起こしました。

 弁護団によりますと、このクリニックについては、ほかに4人の男女から同様の被害相談を受けているということです。提訴についてクリニックは、「取材はお断りします」とコメントしています。」


どちらの訴訟にも,私はかかわっていません.
性感染症虚偽診断のニュースを見ると,すずかけ法律事務所の服部功志先生ら医療問題弁護団の錚々たる弁護士が写っていました.

レーシック被害を受けた方は梶浦弁護士へ,性感染症虚偽診断の被害を受けた方は服部弁護士へ,それぞれ連絡をとられるのがよいと思います.

谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2014-09-18 09:23 | 医療事故・医療裁判