弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2014年 10月 04日 ( 4 )

大分地裁平成24年9月11日判決,急性腎不全の事案で大分市医師会立アルメイダ病院に賠償命令(報道)

共同通信「大分市医師会に賠償命令 開設病院で「治療ミス」」(20 14年9月12日)は,次のとおり報じました.

「病院で重いやけどを治療中だった大分県の男性(43)が、急性腎不全を発症して心肺停止になり、その後植物状態になったのは医師が適切な治療を怠ったためとして、男性らが病院を開設する大分市医師会に約4億円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、大分地裁は11日、約1100万円を男性に支払うよう命じた。

 竹内浩史(たけうち・ひろし)裁判長は「急性腎不全を疑うことができた時点で直ちに透析を開始すべきだったが、始めなかった。一方、すでに男性の状態は相当悪化しており、透析で心肺停止を回避できたとまでは認められない」と判断。植物状態との因果関係は否定したが、男性が受けた精神的苦痛を「適切な治療であれば重い後遺症にならない可能性もあった」と認定、慰謝料の支払いを命じた。

 判決によると、男性は2005年、仕事中に重いやけどを負い、大分市医師会立アルメイダ病院(大分市)に入院。急性腎不全を発症し、心肺停止に陥った。蘇生したが植物状態で、回復の可能性はないと診断された。」


適切な治療であれば重い後遺症にならない可能性もあったと認定して約1100万円の支払いを命じた判決です.「相当程度の可能性」を認定するにとどまったわりには比較的高額です.

谷直樹

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by medical-law | 2014-10-04 06:55 | 医療事故・医療裁判

労災病院を運営する独立行政法人労働者健康福祉機構が雇用する障害者数を水増し報告

NHK「厚労省外郭団体が障害者雇用率でうその報告」(2014年10月2日)は,次のとおり報じました.

「全国の労災病院を運営する厚生労働省の外郭団体が、長年にわたり、法律で義務づけられている障害者の雇用率を達成しているかのように、うその報告をしていたことが分かりました。

障害者の雇用は、従業員全体に占める割合が民間企業で2%、国や独立行政法人などは2.3%以上にするよう法律で定められていて、毎年、国に報告することになっています。
全国の労災病院を運営する独立行政法人労働者健康福祉機構によりますと、この雇用率について、障害者の数を水増ししたり、従業員全体の数を少なくするなどして達成しているとうその報告をしていたということです。
こうした報告は、少なくとも平成22年から5年間にわたって行われていたということで、雇用している障害者が100人に満たなかったにもかかわらず、220人以上雇用していると報告していた年もありました。
会見で武谷雄二理事長は「率先して法律を順守すべき独立行政法人であってはならないことで大変申し訳ない」と謝罪しました。今後、第三者委員会を設置して原因を究明するということです。
また、この問題で武谷理事長は2日、厚生労働省を訪れて塩崎厚生労働大臣に謝罪しました。大臣からは調査をしたうえで関係者に対し、厳正に対処するよう指示を受けたということです。


読売新聞「厚労省所管独法、雇用障害者数水増し・虚偽報告」(2014年10月3日)は,次のとおり報じました.

「厚生労働省が所管し、全国で労災病院を運営する独立行政法人「労働者健康福祉機構」は2日、雇用する障害者数を水増しするなどして、障害者雇用促進法で定められた雇用率を達成したとする虚偽報告を同省に行っていたと発表した。

 虚偽報告は罰金30万円以下の違法行為で、同省は今後、対応を検討する。

 機構によると、2010年から14年まで、実際よりも労働者数を少なく、障害者数を多く記載し、法定雇用率(2・1~2・3%)を上回ったと報告していたが、実際には0・76~1・76%だった。

 8月下旬、新任の総務部長が障害者雇用率について確認したところ、虚偽が発覚。その後、機構は内部調査したが、動機は「はっきり分からない」と説明している。2010年より前から行っていた可能性もあり、今後、外部の弁護士などを交えた第三者委員会を設置して調査し、関係者の処分を検討するという。」


継続的に虚偽報告が行われてきたことから,組織的な関与が疑われます.第三者委員会による調査に期待します.


谷直樹

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by medical-law | 2014-10-04 05:46 | 医療

千葉大学医学部附属病院,医療用ガーゼ遺残

産経ニュース「「胸の辺りから液が…」で発覚 30センチ×58センチガーゼ、胸部手術で取り残す 千葉大病院」(2014年10月3日)は,次のとおり報じました.
 
「千葉大病院は3日、6月に胸部疾患で手術を受けた70代の女性患者の体内に医療用ガーゼ1枚を取り残すミスがあったと明らかにした。女性は9月上旬、同病院で摘出手術を受けたが、命に別条はないという。

 同病院によると、女性の胸骨付近で折りたたんだ状態のガーゼが見つかった。ガーゼは広げると縦30センチ、横58センチで、女性から「手術した胸の辺りから液がしみ出ている」との訴えがあり発覚した。

 同病院では、手術を終える時にガーゼの使用数と摘出数を複数の医師が確認することなどをマニュアルで規定しているが、女性への手術ではこうした手順が守られず、取り残しに気付かなかったという。」


また,ガーゼ遺残事故です.ガーゼ遺残事故は,マニュアルを遵守し,確認を怠らなければ防止できる事故です.

谷直樹

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by medical-law | 2014-10-04 05:26 | 医療事故・医療裁判

千葉大学医学部附属病院,自殺目的で麻酔薬を盗んだ看護師を懲戒解雇

千葉日報「集中治療室から麻酔薬盗む 男性看護師を懲戒解雇 千葉大付属病院」(2014年10月2日)は,次のとおり報じました.

「千葉大は1日、同大医学部付属病院(千葉市中央区)から麻酔薬を盗んだとして同病院の男性看護師(29)を懲戒解雇処分としたと発表した。処分は9月30日付。男性看護師は「家庭の問題で悩み、自殺目的で使用するために盗んだ」と認めている。千葉中央署は同月8日、窃盗容疑で看護師を書類送検した。

 同大学によると、男性看護師は5月7日午前10時半ごろ、同病院の集中治療室で勤務中に、手術で使う麻酔薬50ミリリットルを盗み、同月中に同病院内のトイレや自宅で3回に分けて自らに注射した。男性看護師は同月1日に採用されたばかりだった。

 同病院が麻酔薬の本数が減っていることなどから盗難被害に気付き、同署に被害届を提出。6月に男性看護師から事情を聴いたところ、男性看護師は関与を認め、「医療者としてこのような行為に及んでしまい反省している」と話している。

 千葉大は、山本修一病院長、看護部長らを厳重注意し、再発防止へ、監視カメラを増設したり金庫で麻酔薬を保管するなどの対策を行った。山本病院長は「このようなことが起きてしまい誠に遺憾。二度と起こらないように管理体制を強化したい」とコメントした。」


本件は,看護師の選任監督の問題であると同時に,毒薬等の薬品の管理の問題でもあります.


谷直樹

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by medical-law | 2014-10-04 05:24 | 医療