弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2014年 10月 13日 ( 1 )

出自を知る権利

『自由と正義2014年10月号』に,日弁連の2014年6月9日の「生殖医療シンポジウム~生殖医療技術に関する法制を考える」の報告が掲載されています.

AID (Artificial Insemination by Donor,非配偶者間人工授精) は,親になりたい人の希望をかなえるために発達した技術ですが,AIDで生まれてきた子どものやり場のない不安定な気持ちも人としての存在そのものにかかわるものであることから十分配慮尊重する必要があると思います.
もちろん人の出生はすべて自然がよいというわけではありませんし,科学技術の進歩が人を幸福にしてきたことも事実ですが,ことAIDについては多様な考え方があり,社会倫理にもとづく法的枠組みがあってしかるべきではないでしょうか.
「出自を知る権利」は幸福追求権(日本国憲法第13条)に含まれる権利である,という主張もあり,AIDで生まれてきた子どもの出自を知る利益とドナーの探索されない利益を実質とする医療機関の守秘義務との比較考量で法的線引きがなされるべきではないか,と思います.

ちなみに,上記シンポジウムでコーディネーターをつとめた川村百合先生(東京弁護士会)は,私と司法修習同期です.

谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2014-10-13 07:07