弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2014年 10月 15日 ( 3 )

シンポジウム「考えよう「医療基本法」~日本医師会の具体的提言を受けて」

患者の声協議会,東京大学医療政策実践コミュニティー(H-PAC)医療基本法制定チーム,患者の権利法をつくる会の3団体主催のシンポジウム「考えよう「医療基本法」~日本医師会の具体的提言を受けて」が,今度の日曜日,中央大学駿河台記念館で開かれます.

基調報告「日医案と三団体共同骨子の共通点・相違点」
前田哲兵氏(H−PAC医療基本法制定チーム:弁護士)

シンポジスト
今村定臣氏(日本医師会常任理事)
鈴木勝彦氏(日本医師会医事法関係検討委員会委員長)
伊藤雅治氏(患者の声協議会:全国訪問看護事業協会会長)
高島尚子氏(H−PAC医療基本法制定チーム:日本看護協会)
小林洋二氏(患者の権利法をつくる会:弁護士)

コーディネーター
埴岡健一氏(患者の声協議会:東京大学公共政策大学院特任教授)

日時 2014年10月19日(日)14時〜17時
場所 中央大学駿河台記念館370号室(JRお茶ノ水駅聖橋口、東京メトロ新御茶ノ水駅徒歩3分)
参加費 無料
主催 患者の声協議会,東京大学医療政策実践コミュニティー(H-PAC)医療基本法制定チーム,患者の権利法をつくる会

【追記】

医療介護CBニュース「医療基本法、患者権利を医療者が擁護へ-「患者権利法つくる会」などがシンポ」(2014年10月20日)は,次のとおり報じました.

患者の権利法をつくる会などは19日、東京都内で医療基本法(仮称)についてのシンポジウムを開催した。同法は、患者の権利ばかりが強調されるとの一部の医療提供者の誤解を解くために、患者が権利を主張するのは医療提供者に対してではなく、国や地方自治体で、法制化を提案する際には、患者の権利を医療提供者が擁護するという構図を前面に打ち出す方針を確認した。今後、国民的な議論を盛り上げ、与野党国会議員に働き掛けていく。【君塚靖】

 このシンポジウムは、患者の権利法をつくる会、医療政策実践コミュニティー(H-PAC)医療基本法制定チーム、患者の声協議会の3団体が主催した。今年4月に日本医師会(日医)が、医療基本法についての具体的な提言をしたことを受け、3団体が2012年4月にまとめた「医療基本法共同骨子案」との内容を比較・検証し、どのように要請活動を続けていくかを検討するために開いた。

 シンポジウムは、3団体案と日医案の比較から始まった。両案は目的や基本理念のほか、医療の質と安全の確保、機会の平等などで共通点が多く見られたものの、医療提供体制の充実といった個所で相違があった。3団体案が「診療科や地域による偏在を是正」などとしている一方、日医案には偏在是正については明記しておらず、類似する個所を探すと、「資源配分のあり方の検討等が問題となる」としている。これらの比較を踏まえ、シンポジウムのコーディネーターを務めた患者の声協議会の埴岡健一さんは、「小異を捨てて大同に就く」との表現を用いて、日医との連携を提案した。

 この日のシンポジウムには、日医から今村定臣常任理事らが招かれた。両案の比較を受け、今村氏は「医療基本法は、医療に関する個別の法律に、横串を刺すために必要。政策決定プロセスに国民、患者の視点を反映させるのは当然」と強調した。日医では、日医が推薦した自民党の羽生田俊参院議員を中心に国会議員に働き掛け、来年の通常国会への同法案提出を目指している。

 講演会では弁護士で患者の権利法をつくる会の小林洋二さんが、患者が必要な医療を受ける権利のイメージを示した上で、「患者の権利についてのわたしたちの考えは、医療提供者に対する権利ではない」と説明。これに対し、日医案を取りまとめた鈴木勝彦・静岡県医師会顧問は、「腑に落ちる考え。患者の権利は、あくまで国などに向かうものであって、医療提供者はそれを擁護する立場であることを強調していきたい」と賛同した。

 一方、患者の声協議会の伊藤雅治さんは、「医療制度の根幹について、国民的同意がますます必要になる」とした上で、「医療基本法には、政策決定に国民参加が必要という一行を入れるべき」と強調。また、看護師で、H-PAC医療基本法制定チームを代表して発言した高島尚子さんは、「これから医療提供体制の議論をする中では、限られた財源をどこに重点的に配分していけばいいのかや、患者側ならフリーアクセス、医療提供者側なら自由標榜制といった双方の自由度をどう考えるかも論点になる」と指摘した。」

谷直樹

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by medical-law | 2014-10-15 22:39 | 医療

感染症改正、全ての感染症について都道府県知事の権限で患者や医療機関に血液など検体の採取提出を命じる

NHK「エボラ出血熱に備え感染症法改正案決定」(2014年10月14日(は、次のとおり報じました.

「エボラ出血熱に備え感染症法改正案決定
西アフリカを中心にエボラ出血熱による死者が増え続けるなか、政府は、14日の閣議で、国内で感染が疑われる患者が出た場合に備えて、都道府県が本人や医療機関の同意がなくても検査に必要な血液や尿などを採取できるとした、感染症法の改正案を決定しました。

WHO=世界保健機関によりますと、エボラ出血熱に感染、または感染した疑いで死亡した人は、西アフリカを中心に4000人を超えています。
こうしたなか、政府は、14日の閣議で、国内で感染の疑いのある患者が出た場合に備えて、感染症法の改正案を決定しました。
改正案では、エボラ出血熱や鳥インフルエンザなどの危険性が高い感染症に感染した疑いがある場合に、都道府県は患者や医療機関の同意がなくても検査に必要な血液や尿などを採取できるとしています。
また、国内でおよそ70年ぶりに感染が確認されたデング熱について、都道府県は検査に必要な血液などの採取を患者や医療機関に要請できるとしています。政府は、感染症法の改正案を今の臨時国会で成立させたいとしています。」


エボラ出血熱に備えと報じられていますが、改正法では、すべての感染症で血液等の検体の提出が命じられることになります.人権侵害のおそれがあるのではないでしょうか.

谷直樹

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by medical-law | 2014-10-15 02:25 | 医療

救急車で病院に搬送された小児の遺族が奈良県広域消防組合相手に葛城簡裁に調停申立て(報道)

毎日新聞「男児死亡:救急搬送で調停申し立て 奈良・葛城簡裁」(2014年10月14日)は、次のとおり報じました. 

「重い心身障害のある奈良県田原本町の山本瑛央(あきお)さん(当時11歳)が昨年8月に自宅で容体が急変し、救急搬送直後に死亡したことを巡り、母親のめぐみさん(39)が14日、救急搬送の際に使われた人工呼吸器のサイズが合わないなど処置に問題があったとして、県広域消防組合に損害賠償を求める調停を葛城簡裁に申し立てた。

 瑛央さんは気管軟化症など重度の障害があり、生後3年間にわたって入院。2005年に退院し、めぐみさんが自宅で介護してきた。昨年8月4日に呼吸困難に陥り、磯城消防署の救急車で大学病院に搬送されたが、翌5日未明に脱水症で死亡した。

 めぐみさんは救急車に同乗しており、申立書で「瑛央さんの身長は90〜100センチほどだが、救急隊員は大人用の人工呼吸器を使い、気管につないだ管が外れることもあった」と指摘。酸素を十分供給できなかった可能性があると主張している。

 05年の退院前に主治医が同署に症状などを説明していたといい、めぐみさんは「真相を解明し、在宅医療と救急の連携など今後の再発防止につなげたい」と話している。

 組合は「申立書を見ていないのでコメントできない」としている。【芝村侑美】」


バッグバルブマスク人工呼吸器には、成人用、小児用など各種サイズがあります.
救急隊員が小児用を使わなかったことから、この調停申し立てとなったのでしょう.

また、朝日新聞「救急車遅れ、遺族に解決金 札幌市消防局」(2014年10月14日)は、次のとおり報じました.

「誤って別人宅へ出動

 札幌市で2011年、市消防局の救急車が同市南区の男性宅への到着が遅れ、その後男性が亡くなった。遺族が同市に慰謝料300万円の支払いを求めて提訴し、札幌地裁で9日、和解が成立した。遺族側の代理人弁護士が10日発表した。市が遺族に解決金15万円を支払い、到着が遅れたことを謝罪…」

救急車の取り違ミス等による遅れは時々報じられますが、そのことと悪しき結果との因果関係がはっきりしないことが多いため訴訟にはならないのですが、ミスですから、本件のように時々謝罪し解決金を支払うことで解決できるとよいですね.


谷直樹

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by medical-law | 2014-10-15 01:26 | 医療事故・医療裁判