弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2014年 10月 19日 ( 2 )

産科医が少ない県,福島、千葉、岐阜、和歌山、広島、山口、香川、熊本、大分

NHK「産科医療 9県で厳しい態勢続く見込み」(2014年10月19日)は,次のとおり報じました.

「全国の産科の医師の勤務実態について日本産科婦人科学会などが調べたところ、地域ごとの医師の数に差があり、福島県など全国9つの県では産科医療の厳しい態勢が続くと見込まれることが分かりました。

この調査は日本産科婦人科学会などが行ったもので、ことし3月時点の全国の産科の医師の数や年齢、それに医師1人当たりのお産や手術の数など6項目を調べました。
その結果、人口10万人当たりの産科の医師の数は、茨城県が最も少なく4.8人、続いて福島県が5人、埼玉県が5.3人と、全国平均の7.6人を下回り、最も多い東京都や沖縄県の11.1人の半分に届きませんでした。
また、地域医療の将来を担う35歳未満の若手の産科の医師の数を見ますと、いずれも人口10万人当たりで福島県が最も少なく0.8人、続いて石川県が1人、新潟県と岐阜県が1.1人などと、全国平均の2人を下回っていました。
6つの項目すべてで全国平均を下回ったのは、福島県、千葉県、岐阜県、和歌山県、広島県、山口県、香川県、熊本県、大分県の9つの県で、これらの県は現在、産科医療の態勢が厳しく、今後もすぐに改善することは難しいとみられるということです。
調査を行った日本医科大学の中井章人教授は、「産科の医師が現場から去っていき、今後、医療崩壊が起きる県も出てくるのではないかと懸念している。この結果を基に、各自治体はそれぞれの状況に合わせた対策を考えてほしい」と話しています。」


医師の偏在と対策の必要性はかなり前から言われていますが,それを解決する具体的な方策は未だ実施されていません.

利便性だけを考えれば,産科医師が広く散在していれば近くの病院で出産できますので良いのですが,安全性を考えると或る程度の人数の産科医師が集まっている病院のほうが緊急事態にも対応でき優れていることは明らかです.もちろん人数がいないとどうにもなりませんが,人数だではなく,産科病院の在り方も検討したほうがよいように思います.

産科は訴訟リスクが高いので産科医師が減少していると言われることがあります.
たしかに,産科事故は事故の結果が重大で,標準的医療・ガイドラインからの逸脱が著しい医師もいるため,訴訟になりやすい傾向がありました.
ただ,ガイドラインが或る程度周知され,産科医療補償制度ができてからは,当事務所の相談・調査に対する提訴割合は減少していますし,他事務所も同様と思います.最高裁の統計でも,産婦人科の医療訴訟は,82件(平成23年),59 件(平成24年),56件(平成25年)と年々地裁の既済件数が減っていることが明らかになっています.このことから,標準的医療・ガイドラインにそった医療を行っていれば産科の訴訟リスクは低減する,と言えるのではないでしょうか.

谷直樹

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by medical-law | 2014-10-19 18:02 | 医療

院長夫妻の死

毎日新聞「横浜桐峰会病院:院長、散弾銃で妻殺害し自殺か」(2014年10月17日)は,次のとおり報じました.

 「17日午後1時10分ごろ、東京都大田区田園調布3の民家で、横浜桐峰会病院(横浜市瀬谷区)院長の××××さん(75)と妻の×××さん(30)が、2階寝室のベッドであおむけに倒れて死亡しているのを、通報で駆けつけた警視庁田園調布署員が発見した。
 同署によると、××さんの顔と×××さんの胸に散弾銃で撃たれたような痕があり、××さんは散弾銃を抱えたまま倒れていた。現場の状況などから、同署は××さんが×××さんを射殺後、自殺した可能性が高いとみて調べている。

 同病院に勤めている××さんの次女(36)が「父が出勤してこない」と警備会社に連絡。同社の職員が2人を発見した。夫婦はこの民家に住んでいたとみられるが、××さんは同病院の住所に住民登録していた。【山崎征克】」


星状に広がる街路が美しい田園調布3丁目で,このような事件が起きたことに驚きました.
近所の人の話として「この家には以前、画家の東郷青児さんが住んでいた。××××さんは東郷青児さんの絵が好きで、それでここを買って、コレクションをここの家に並べるんだ。って言って東郷さんから買ったみたい」と報じられています.
人の命を守る医師がこのような形で生を終えたことは残念です.

谷直樹

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by medical-law | 2014-10-19 17:59