弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2014年 12月 30日 ( 4 )

東京都立神経病院、治療に関係ないインスリンが大量に検出された事案で2000万円支払い(報道)

難治性側頭葉てんかん手術後の後遺症がある患者が東京都立神経病院に入院中、平成23年6月に治療に関係ないインスリンが大量に検出された事案について、都立神経病院高インスリン値検出事案検証委員会報告書(平成26年6月)は、「必要のない患者に第三者によりインスリンが投与された可能性が疑われる事態を招いたことは、病院管理上の不備を指摘されかねない問題であり、ご家族からの不信感のみならず、病院に対する都民の信頼性の低下に繋がる恐れのある出来事である。」と指摘しました.
インスリンが外部から持ち込まれたものか不明で、また何者がインスリンを投与したかも不明ですが、東京都は、平成26年12月27日、損害賠償金2千万円を支払うことで和解を成立させたとのことです.
なお、患者側代理人は、医療問題弁護団の弁護士です.

朝日新聞「インスリン大量投与で和解 損賠2000万円 都立神経病院」(2014年12月30日)は、次のとおり報じました.

「都立神経病院(府中市)で2011年、入院中の女性(45)の容体が急変し、血液中から治療に関係ないインスリンが大量に検出された問題で、女性の代理人弁護士は29日、都が損害賠償金2千万円を支払うことで和解が成立したと明らかにした。成立は27日付。

 代理人によると、女性は06年8月、同院でてんかんの手術を受けた後、治療と療養を続けていた。11年6月23日、容体が急変し、意識障害となり、今は意思疎通ができないという。

 病院側は今年1月に検証委員会を設け、経過などを調べた。検証委が6月にまとめた報告書は、容体急変直後に女性の血液から通常の2500倍のインスリン値が検出されたとして、「医療上の必要性とは無関係にインスリンが投与された可能性が高い」と結論づけた。

 病院側は検証委に、インスリンが病院で保管しているものか外部から持ち込まれたものか、誰が投与したかは不明とした。インスリンを施錠して保管し、使用量を記録するなどの再発防止策をまとめた。

 女性の夫(48)は29日に都内で会見し、「自分たちのようなつらい思いをしないように、全国の病院でインスリンの管理を見直してほしい」と訴えた。病院側は和解の成立を認めた上で、「詳細なコメントは差し控えたい」としている。」


読売新聞「大量インスリン検出、都が2千万円支払いで和解」(2014年12月30日 )は、次のとおり報じました.
 
「東京都立神経病院(東京都府中市)で2011年6月、入院中の女性患者(45)の血液から、大量のインスリンが検出された問題があり、都がこの女性と家族に2000万円を支払うなどの内容で和解したことが29日、わかった。

 女性の家族や弁護士が都内で記者会見を開いて明らかにした。和解は27日付。

 弁護士などによると、女性の容体が一時急変し、血中から治療には不要なインスリンが大量に検出された。女性はその後、脳障害を発症し、意識障害が続いており、警視庁が捜査している。

 同病院の検証委員会が今年6月にまとめた報告書では、インスリンが病院で保管していたものか、外部から持ち込まれたものかは不明だが、「医療上の必要性とは無関係に投与が行われた可能性が高い」などとしていた。

 この女性の夫(48)は会見で、「病院は本来、安全でないといけない場所。憤りを覚える」と話した。」


「都立神経病院高インスリン値検出事案検証委員会報告書」はコチラ
病院の再発防止策と委員会の評価は次のとおりです.
再発防止策は、他院でも採用されるべきでしょう.

「(1) インスリン管理について
神経病院のインスリン管理は、薬事法等の法令で求められる基準は満たしているが、今回の事案を受け、インスリンの保管管理を更に強化するため、以下の取組を実施している。

ア 薬剤科から病棟に払い出すまでの保管管理

(ア) 薬品払出庫の施錠
薬剤科には、病棟に払い出す薬剤を保管する薬品払出庫がある。夜間帯等、職員が不在になる時間帯の薬品払出庫の施錠を確実に実施することにした。

(イ) 病棟に払出したバイアル製剤の記録
薬剤科から病棟への払出記録は出納簿による在庫管理のみであったため、責任の所在が不明確になっていた。このことを踏まえ、薬剤科では、インスリンのバイアル製剤を病棟に払い出す際、薬剤科管理簿に日付、病棟名、出庫数、残数及び出庫者名を記録することにした。

イ 病棟における保管管理

(ア)薬剤科から払出されたバイアル製剤の記録
薬剤科から払出されたインスリンのバイアル製剤について、病棟ごとにインスリン管理簿を作成、補充されたバイアル製剤数を記録し、看護師及び薬剤師がサインすることで、責任の所在を明確にした。

(イ) インスリン使用実績の記録
病棟ごとにインスリン管理チェックリストを作成し、使用実績を記録管理することにした。併せて開封後1か月の使用期限を徹底した。

(ウ) 各勤務帯の引継ぎの実施
病棟ごとに、各勤務帯(日勤、準夜、深夜)において病棟管理のインスリン製剤の在庫数を確認し、インスリン管理チェックリストにより、次の勤務帯への引継ぎを実施することにした。

(エ) インスリン格納トレイの変更
冷蔵庫内のインスリンの予備アンプルが一目で認識できるよう、インスリンを格納するトレイを透明のものに変更した。

(オ) 薬品保冷庫の施錠
病棟には、薬剤科から払出された薬剤等を保管する薬品保冷庫がある。病棟13の夜間帯は勤務職員が少ないことから、薬品保冷庫の夜間帯の管理を強化する必要があるため、夜間帯について、薬品保冷庫の施錠を徹底することにした。

ウ 廃棄までの管理

(ア) 病棟から薬剤科に返却したバイアル製剤の記録
施用中止や開封後期限切れ薬品の廃棄は適宜病棟で行っていたため、払出後のインスリンの廃棄状況が確認できなかった。このことを踏まえ、各病棟から空バイアル、残薬(開封後1か月を経過する残薬を含む)を薬剤科に返却し、薬剤科で廃棄することにした。病棟ごとに、薬剤科に返却したバイアル製剤数をインスリン管理簿に記録し、看護師及び薬剤師がサインすることにした。

(イ) 廃棄の記録
薬剤科では、インスリン廃棄にあたり、返却されたバイアルを開封し、看護師と薬剤師で残液放流を確認後、MDボックス内に廃棄することにした。また、対応した薬剤師は、薬剤科管理簿の払出記録の備考欄に、日付、担当者及び残液廃棄について記録することにした。

(2) 警備の強化について
外部侵入者の可能性も完全に否定できないため、次の取組により、病院内の警備体制を強化した。
これまで1日6回行っていた病院内巡回警備を夜間帯に2回追加し、1日8回巡回警備を行うことにした。
また、監視カメラや出入口の施錠箇所を増設するとともに、管理看護長の巡回対を増やした。

(3) 医療事故予防マニュアルの改定について
インスリン管理方法の見直しに伴う手順の徹底のため、医療事故予防マニュアルの「病棟等の薬剤保管について」に掲げるハイリスク薬剤のうち、インスリンについては管理手順を追加した。

都立神経病院 医療事故予防マニュアル8-(1) 病棟等の薬剤保管について
(追加)インスリン管理について
①インスリン製剤は、管理簿、チェックリストで記録管理する
②インスリンバイアル製剤の空バイアル、残薬は薬剤科に返却する
③病棟保冷庫内のインスリン専用トレイに保管し、夜間帯に限り施錠する

(4)委員会における評価

今回、神経病院で行われた再発防止策は、インスリンの払出から廃棄までの管理方法の見直し、病院の警備強化、医療事故予防マニュアルの改定など、考えうる対策は網羅的に実施されており、事案に対する再発防止策としては適切といえる。
また、事案発生から3年が経過した現在においても、これらの取組は、高い水準で維持されている。
全体としては、過去にインスリン多量投与の事案が発生した他病院の再発防止の取組と比較してもほぼ同様の取組を実施しており、十分な対応であるといえる。
特に、インスリン管理については、事案発生時点においても法令で求められる保管管理は実施されており問題はないものと考えるが、本事案を踏まえて、薬剤科及び病棟におけるインスリン管理の徹底強化を行ったことや、廃棄を薬剤科に一元化したことなど、厚生労働省が示したガイドラインである「『医薬品の安全使用のための業務手順書』作成マニュアル」に記載されているレベルまでの改善を行っており、評価できる取組といえる。また、医療事故予防マニュアルを改定し、この取組を病院全体の取組として共通のものとしたことは評価できる。」


検証委員には、名古屋大学医学部附属病院医療の質・安全管理部教授長尾能雅氏が加わっています.
検証に外部委員が加わることは、客観性公平性を担保するために必要なことです.

谷直樹

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by medical-law | 2014-12-30 23:52 | 医療事故・医療裁判

勝村久司氏、「出産がクリスマスに多くお正月に少ない理由」

勝村久司氏が「出産がクリスマスに多くお正月に少ない理由 出生数が乱高下する年末年始の出産で気を付けること」によると、休日の出産が少ないのは、本来の出産(陣痛)が始まる前の平日に、予定帝王切開か陣痛誘発によって出産が早められているからとのことです.

「予定帝王切開術では、専門の麻酔科医がいるかどうか、また、術後の血栓のリスクと対応について説明されるかどうか、等が大事になってきます。説明がない場合は、納得できるまでの説明を求めるべきです。
 また、予定帝王切開がされる事例では何らかのハイリスクがある可能性が高いわけですから、新生児科医や最新の新生児蘇生法の講習を受けたスタッフがいるかどうか、輸血のリスクや対応について説明されるかどうか、等が大事です。また、診療所では、いざというときにどこに転送されるのか、などの説明も聞いておくべきでしょう。」
とのことです.

陣痛誘発については、「子宮収縮薬や、メトリイリンテル、人工破膜などは、いまだに十分な説明をせずに、行っている医療機関があることが報告されています。特に、子宮収縮薬については、その『必要性』と『重篤な副作用』について十分な説明が文書によってなされなければいけません。「妊婦さんとその家族は必見 安全なお産のために『陣痛促進剤』について知っておこう」や、「出産時の事故から身を守る 重度脳性麻痺とずさんな医療」をご覧になった上で、ぜひ、事前に妊婦本人や家族が子宮収縮薬の使用について、事前に主治医に尋ねておくことが、漫然と事故が繰り返されることを防止するためにとても重要だと思います。」とのことです.

谷直樹

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by medical-law | 2014-12-30 02:37 | 医療事故・医療裁判

続カンガルーケアと完全母乳と助産師復権運動の危険性

週刊ポスト2014年12月12日号に、久保田史郎医師の「カンガルーケア」と「完全母乳」で赤ちゃんが危ない【6】」が掲載されました.

「本連載では国が推奨する「危険なお産」に強く警鐘を鳴らしてきた。久保田史郎医師はカンガルーケアや行き過ぎた完全母乳という新生児管理が引き起こす「低血糖症」や「重症黄疸」が近年の発達障害児の増加に影響しているのではないかと問題提起する。カンガルーケアと完全母乳を発達障害に結びつけるのは暴論だという反論もあるが、多くの論文がその関係を示唆あるいは警告しているにもかかわらず、調査しようとすらしないことこそ非科学的ではないか。

■病院によって発達障害発生率が違う

 発達障害児が急増していることは誰も否定できない事実だ。

 本連載の第1回では、障害児の発生数について全国でも数少ない詳細な統計を取っている福岡市のデータから、発達障害児(未就学児)の診断件数が25年前の22倍(約20人に1人)に急増しており、同市では支援施設が足りずに増設している実態を報じた。診断の精度や基準が変わったことを差し引いても、ここ数年~10数年の増加は明らかだ。

 発達障害児の増加は世界的な傾向でもある。米国疾病対策センター(CDC)が2011~2012年に行なった全米調査によると、4歳から17歳までの子供のうち発達障害の「注意欠陥・多動性障害(ADHD)」と診断された人数が約640万人(約10人に1人)にのぼり、とくに「高校生男子」に限ると5人に1人という高い割合だったと発表している。

 発達障害には「自閉症」、知的発達の遅れを伴わない「高機能自閉症」、読む書く計算するなどの1つが苦手な「学習障害」、集中力を欠き多動性や衝動性が見られる「注意欠陥・多動性障害」などの分類がある。日本では従来の障害児支援ではカバーされていなかったことから2005年に発達障害者支援法が施行され、早期発見や支援の制度ができた。しかし、肝心な発達障害児の推移についての全国調査は行なわれていない。

 子供の発達障害には個人差が大きく、注意力や行動、読み書きの得手不得手に違いがあっても「障害扱いするのはおかしい」という意見もあり、学校教育の場で通常学級から排除する傾向には批判が強い。

 そうした発達障害児についての教育行政上の対応についての議論はこの連載ではひとまず措きたい。むしろ新たな視点から発達障害の原因解明が進めば、防ぐ方法があるのではないかという問題提起に注目しているからだ。

 発達障害はいずれの症状も「中枢神経系(脳)に何らかの要因による機能不全があると推定される」(文部科学省の報告書)とされており、原因については遺伝的要因や環境要因などの面から医学的に多くの研究がなされているが、まだ解明されていない。現在では「遺伝的要因説」をとる研究者が主流だが、周産期医療の視点からの研究は世界的にもほとんどない。

 取材班は、2万人の赤ちゃんをとりあげ、新生児の体温と栄養の研究で世界的にも注目されている久保田史郎・医師(医学博士。久保田産婦人科麻酔科医院院長)の臨床データをもとに、カンガルーケアと完全母乳という日本で急速に普及した新生児管理法が赤ちゃんの低血糖や低体温、重症黄疸などのリスクを高め、危険にさらしていることに警鐘を鳴らしてきた。

 久保田氏は、発達障害児の増加には、「遺伝的要因」だけではなく、新生児の低血糖症や低体温、重症黄疸などが関係しているのではないかと問題提起し、周産期医療の視点からもっと調査・研究がなされるべきだと指摘する。

「発達障害は脳の機能不全によるものと推定されています。また、生まれたばかりの赤ちゃんの低血糖症や重症黄疸などが脳に障害を与えることも医学的によく知られています。そして日本で広く普及しているカンガルーケアや行き過ぎた完全母乳は低血糖や重症黄疸のリスクを高める。そうしたことを考え合わせると、発達障害児の増加と周産期のケアとの関連を疑って研究することが行政や医学界の責務ではないでしょうか」

 事実、福岡市の発達障害児のデータでは、厚労省が1993年に完全母乳を、2007年にカンガルーケアを推奨した後に診断件数が急増している。また、2008年に同市こども病院の小児神経科医を中心とするチームが増加の原因を探るために発達障害児のカルテをデータベース化して分析した調査では、生まれた病院(個人病院)によって発達障害児の発生率が5倍も違うというデータが示されている。

 こうなると「遺伝的要因」だけでは説明が難しい。同時に、周産期医療との関連が強く疑われるのである。

■「低血糖」「黄疸」と「発達障害」の関連

 本誌の問題提起について、反論がなされている。

 ある完全母乳やカンガルーケア推進派の医師からは、「発達障害との関係は医学的エビデンスがない」という批判が上がっており、中には「論理が完全にむちゃくちゃで、煽っているだけの記事」という意見もある。

 しかし、そうした批判はむしろ医学的知識が乏しいことを物語っている。

 推進派が知らない(あるいは知ろうとしない)だけで、新生児の低血糖症や重症黄疸などと脳障害、発達障害との関係については以前から多くの研究が発表されているのである。

 まず1965年にカナダの医学誌に22例の事後調査をもとに『新生児低血糖症の神経学的および発達上の障害』という研究が報告され、1988年の英国の権威ある医学研究所「ダン人間栄養部門」の論文(新生児中程度低血糖症の有害な神経発達上の転帰)でも、中程度の低血糖症を起こした新生児の661例中433人に18か月(1歳半)時点の精神発達・運動発達に影響があったとして、

「(それまでの中程度の低血糖症は心配ないという)一般的な信念とは逆に中程度の低血糖症は重大な神経発達上の結果をもたらすかもしれないことを示している」

 と指摘された。一般的な低血糖症の症状(痙攣や無呼吸など)が見られない無症候性の低血糖症の危険性についても数多くの研究報告がなされるようになった。

 その後、MRI(核磁気共鳴画像法)やCTスキャンが普及すると、カリフォルニア大学の研究チームによる『新生児低血糖症の画像パターン』(1998年)など、正常に生まれた新生児が低血糖で脳にどのような損傷を受けたかについての具体的な研究も進んだ。同報告書では〈低血糖症が低酸素症の影響を促進するように思えるため、脳への影響は破滅的〉と指摘している。

 日本でも、鳥取大学医学部脳神経小児科の研究者が2009年に日本小児神経学会の学会誌(英文)に発表した論文で、新生児低血糖症患者60人を調査した結果、低血糖症が脳の病変を引き起こすケースがあることや、低酸素症や新生児痙攣、病理学的黄疸(重症黄疸)などが低血糖脳障害を悪化させることを指摘して、〈正常な周産期歴を伴う満期産児さえ低血糖症を発症するかもしれない。重篤な症状が起こる前に、できるだけ早く、軽度の症状さえ、低血糖症を検出されるための血糖値検査をうながすべきです〉と注意を促した。

 これだけ多くの研究と警告を、推進派は本当に知らないのか。そして、知りもせずに「エビデンスがない」などと言っているのか。

 危険なのは低血糖症だけではない。

 2010年にデンマークで発表された研究では約73万人の児童を対象に「黄疸」と「発達障害」との関係を調査した結果、新生児期に黄疸が認められた児童はそうでない児童より「広汎性発達障害」リスクが56%、「混合性特異的発達障害」のリスクが88%増加していた。トルコでは脱水(高ナトリウム血症性脱水)症状を起こした母乳栄養児116人に対する6年間の追跡調査で、半数以上で1歳以降に発達障害が認められたという研究報告(2007年)がある。

 生まれたばかりの赤ちゃんの栄養不足によって起きる「低血糖症」「黄疸」「脱水」などが脳にダメージを与え、発達障害に関係するという調査結果が各国で報告されていることは紛れもない事実だとわかっていただけるだろう。このリスクは取材班がことさらに煽っているものではないのだ。

 次に、カンガルーケアや完全母乳が「低血糖症」や「黄疸」「脱水」などのリスクを高めるという研究について紹介する。

 山形大学発達生体防御学講座は2006年に正常新生児が行き過ぎた「完全母乳」によって低血糖症になり、脳障害を負ったケースを報告。“生まれたばかりの赤ちゃんには栄養が多少足りなくても大丈夫”という認識を覆した。その新生児は生後3日目には体重が10%減り、母乳の量を調べると「にじむ程度」しかみられなかった。報告書では〈完全母乳栄養管理は新生児期に低血糖を来たしやすいことが知られている〉と完全母乳を行なう際には低血糖の危険性に注意することを呼びかけた。

 また、富山県立中央病院の小児科医チームは高ナトリウム血症性脱水を発症した母乳栄養児に発達障害が認められるケースが多いことに着目し、「完全母乳」と脱水症状について研究。〈出生時から10%以上体重を減らした完全母乳栄養児の4割弱に高ナトリウム血症性脱水が起きた〉と報告している(2010年)。

 また、黄疸については久保田氏の論文に詳しい。

「重症黄疸の大きな原因は生後数日間の栄養不足と胎便排泄の遅れと考えられます。栄養不足になると赤血球が壊れやすくなり、黄疸の元となるビリルビンが血液中に増える。実際、重症黄疸の発生率は病院間によって大きく異なり、多い施設では3~5人に1人といわれますが、生後すぐに赤ちゃんを保育器で温めて約30ccの糖水を与える当院では重症黄疸は約500人に1人です」(久保田氏)

■疑いを持つことこそ「科学的」

 カンガルーケアや行き過ぎた完全母乳が「低血糖症」「黄疸」「脱水」などのリスクを高めている報告が多数あり、「低血糖症」「黄疸」「脱水」などが赤ちゃんの脳にダメージを与えて発達障害のリスクを高めるという報告も多い。それでもまだ、推進派はこの重大な問題提起を無視することが正義だと考えるのだろうか。

 元伊万里保健所長で発達障害児の支援を担当してきた仲井宏充・医師はこう語る。

「各国の研究報告を考え合わせると、発達障害と関係しているのではないかという疑いを持つことこそ科学的な姿勢でしょう。各自治体では3歳児健診の時に発達障害児スクリーニングを行ないます。その際、完全母乳やカンガルーケアの有無を調査することはできるはずですが、どの自治体も消極的です。そもそも発達障害児の実数の公表さえしていない自治体が多いから、関連性についての調査ができないという行政の対応の問題もある」

 発達障害の専門家で、国立精神・神経医療研究センター児童・思春期精神保健研究部長の神尾陽子氏(精神神経科)もこう指摘する。

「周産期の問題はすべての人にとって避けられるなら避けた方が望ましい。神経発達上の重要なリスクにはなりうるが、個人差の大きい発達障害の病因として特定される根拠としてはまだ不十分です。発達障害の病因は遺伝と環境が複雑に関連し全貌はまだ解明されていませんが、手がかりを見つけるための基礎研究はそれに見合った研究デザインのもとに進んでいくことが望ましいと思います」

 だからこそ、久保田氏は「まず調査すべき」と主張しているのだ。調査さえされていないのに「エビデンス(証拠)がない」と否定する姿勢こそ科学に身を置く者としても、生命を扱う医療者としても無責任で怠慢な意見だ。

 ところが、推進派の意見が強い日本の周産期医療界は逆に新生児期に「低血糖症」などに陥っていたかどうかの記録を残さないことを目指している。

 推進派の団体は、独自のガイドラインで〈健康で成長が適正な児に血糖値をモニタリングする必要はなく、親の満足感や母乳育児確立を害する可能性もある〉と指導しており、日本の多くの産科施設は正常に生まれた赤ちゃんの血糖値を測定していない。そして数年後に発達障害が見つかっても、記録がないため原因特定はできない。少なくとも、責任を問われない病院側にとっては都合の良いガイドラインである。

 より深刻な問題も起きる。2014年3月に東京都内の総合病院で元気に生まれた赤ちゃんが「完全母乳」によって1日半後に一時呼吸停止に陥って植物状態になる重大な事故が起きた。泣き続けた赤ちゃんに与えられたのは必要量の10分の1以下の30ccの人工乳だけだったが、病院ではその間、血糖値を一度も測定しておらず、低血糖症の危険を調べることを怠っていた(連載記事【1】既報)。

 久保田氏が語る。

「推進派はカンガルーケアと完全母乳は発達障害に関係ないというが、血糖値を測定しないために無症候性の低血糖症は見逃されており、低栄養で起きる重症黄疸も治療技術が確立していることから軽視されている。そうした医療現場で気づかれない低血糖症などが脳に影響を与えて発達障害などにつながっているのではないかと懸念されます」

 久保田氏の問題提起に対し、発達障害児を持つある医師からは、「私はカンガルーケアや完全母乳を実践したが、あの出産時の飢餓状態が発達障害の原因ではないかと気になっていた。早く検証し、そうであれば危険性を広く伝えることが医学の責任だと考えています」という内容のメールが寄せられた。

 ちなみに本連載に対する批判の中には、「粉ミルクがなかった時代はみんな完全母乳だった。昔はもっと発達障害が多かったことになる」という“素朴な意見”もある。

 これには誤解がある。産婆が行なっていた昔の出産・育児は、完全母乳ではあっても、「産湯」という赤ちゃんの保温を重視する科学的にも正しい手法が取られ、母乳が出ない母親は「もらい乳」で栄養を補うことが一般的に広く行なわれていた。疑うなら自分の親やそうした世代に聞いてみればわかることだ。赤ちゃんの栄養と体温管理に関する予防医学は完全母乳とカンガルーケアの普及でむしろ後退している。

 カンガルーケアと行き過ぎた完全母乳という新生児管理の問題について一刻も早く研究、調査がなされ、その結論が出るまでは実施も控えるべきだ。(了)」


「カンガルーケア」と「完全母乳」で赤ちゃんが危ない【1】は、コチラ
「カンガルーケア」と「完全母乳」で赤ちゃんが危ない【2】は、コチラ
「カンガルーケア」と「完全母乳」で赤ちゃんが危ない【3】は、コチラ
「カンガルーケア」と「完全母乳」で赤ちゃんが危ない【4】は、コチラ

一方に何が何でも自然がよいという信仰にちかいものを感じされますが、産科医療における安全性は、臨床医学によって確保されるものです.

現実に、カンガルーケアのために起きたと考えられる医療事故があります.
また、助産所ガイドラインを守らないために起きたと考えられる医療事故があります.
このような現実を直視すると、産科医不足を助産所で補完しようとすることは基本的に誤りではないでしょうか.

谷直樹

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by medical-law | 2014-12-30 02:12 | 医療事故・医療裁判

カンガルーケアと完全母乳と助産師復権運動の危険性

週刊ポスト2014年12月5日号に久保田史郎医師の「「カンガルーケア」と「完全母乳」で赤ちゃんが危ない【5】」が掲載されています.

「これまで本連載ではカンガルーケアと完全母乳の危険性を科学的エビデンスをもって示してきた。しかし、そうしたデータを示されながらも、医療行政はこのリスクを放置している。そこには国策として進められてきた「助産師制度」が深く絡んでいる。

■厚労省は「推奨していない」と変節

 この春、静岡県立こども病院で生まれた「体重277g」という日本で2番目に小さい超低出生体重児の女の子が半年間にわたるNICU(新生児特定集中治療室)での管理で順調に発育し、無事退院した。退院時の体重は約2700gと10倍に増えていた。

 日本の周産期医療の水準は世界でもトップクラスといわれる。

 しかしその一方で、日本のお産の現場では、WHO(世界保健機関)が途上国向けに推奨してきた「母乳以外、糖水や人工乳を与えない」という行き過ぎた完全母乳の考え方と、「母子の絆を強める」という理由で赤ちゃんを出産直後の疲れた母親の胸に抱かせて管理させるカンガルーケアが広く普及し、新生児に重大な後遺症が残る事故が繰り返されている。

 生まれた直後の新生児は体の機能が非常に不安定で、「栄養管理」や「体温管理」などの慎重なケアと監視が必要であることは産科医や新生児科医の誰もが認めている。それなのに、リスクのある赤ちゃんはNICUなどで最先端の医療が施され、満期産で元気に生まれた赤ちゃんには“自然のままのやり方がいい”と保温もされず、飢えて泣いても人工栄養を与えないのは明らかに矛盾がある。

 前回記事【4】では、約2万人の赤ちゃんをとりあげ、生まれた直後の新生児の体温や栄養の研究で世界的に注目されている久保田史郎・医師(医学博士。久保田産婦人科麻酔科医院院長)の実証データをもとに、日本で実施されているカンガルーケアと行き過ぎた完全母乳の組み合わせは赤ちゃんが低血糖症や低酸素症に陥るリスクの高い「危険なケア」であり、母親たちだけでなく助産師や看護師など医療スタッフまでもがその危険性を十分に理解しないまま実践している現状に問題提起した。

 完全母乳による医療事故で息子が重大な後遺症を負ってしまった父親がいう。

「その病院の、助産師や看護師はプロ意識が高く、とても熱心でした。母乳が出ないのに必要な人工乳を与えなかったのも、彼女たちは『赤ちゃんのために良かれ』と信じ込んでいた結果で、責めるつもりはありません。ただ、間違った医療知識に従って一生懸命やっていただいたことが悲劇につながった。それが残念でなりません」

 なぜ、医療先進国の日本で元気な赤ちゃんをわざわざ危険にさらす間違った管理が現在も平然と罷り通っているのか。

 それを推し進めたのは厚生労働省だった。

 カンガルーケア(早期母子接触)と完全母乳をセットにした新生児管理は、同省が07年に発表した『授乳・離乳の支援ガイド』で推奨したことで、推進派は「国のお墨付きを得た」と宣伝して普及させた。

〈赤ちゃんのからだを拭いて母親の腹部に乗せ、赤ちゃんが母親の体温で保温された状態で、母親と一緒にしておく〉

 という同ガイドの記述は今も変わっていない。

 しかし、危険性は当初から指摘されていた。前回記事では、同省がガイド策定のために専門家を集めて開いた研究会で、朝倉啓文・日本医科大学教授ら産婦人科医の委員たちからカンガルーケアの安全性に疑問が呈され、注意を促すように指摘されながら、ガイドには注意の呼び掛けが記載されていないことを報じた。同省雇用均等・児童家庭局母子保健課は本誌取材に、「何代も前の担当者の時代のことなどで経緯はわからない」と回答したが、その後、母子保健課の担当者が改めて驚くべき説明をしてきたのである。

「厚労省は“早期母子接触を推奨していない”。授乳・離乳の支援ガイドの記述はあくまでも実践例であり、このガイドの目的は医療従事者が母子の授乳、離乳を支援するために使うもので、どう指導するかは医療機関の判断です」(“”は編集部)

 推進派の医療スタッフも、厚労省に推奨されていることで「カンガルーケアは最善」と思い込まされてきた母親も唖然とする説明だ。


■10年で助産師は3割増

 日本では「正常分娩は助産師にまかせる」という政策がとられているが、必ずしも方針は一貫してこなかった。

 助産師は戦前は「産婆」と呼ばれ、登録制の資格(1849年「産婆規則」)だったが、戦後の1948年にGHQの指導で「保健婦助産婦看護婦法」が制定され、看護師同様に国家試験が必要になった。助産師には医師と同じく開業権(助産院)が認められ、「助産」(正常分娩の管理)を独立して行なうことができるのをはじめ、非常の場合は「緊急医療行為」もできるなど広い権限を与えられている。

 法律ができた当時は日本のお産の98%は自宅で産婆によって行なわれていた。本来、分娩には医療行為が必要だが、医師も医療機関も足りない時代に、医師法の例外として、正常分娩のみ医師がいなくても助産師だけで行なっても違法ではないという制度が作られたのである。まだ日本のお産が「途上国型」だった時代だ。その後、医療体制が整備されると、1960年には病院や診療所での出産が42%に増え、1970年には85%、2000年には99%が病院、診療所での出産となり、赤ちゃんの周産期死亡率も1000人中4人と50年前の10分の1に減った。

 ところが、それを昔に戻す政策が始まったのがまさに厚労省が「支援ガイド」を発表した2007年だった。

 この年、厚生労働省医政局は関係機関に重要な局長通知を出した。

〈正常の経過をたどる妊婦や母子の健康管理や分娩の管理について助産師を積極的に活用する〉

 その前年には「保健師助産師看護師法」が改正され、新たに助産師資格(国家資格)を得る場合は、看護師資格を取得していることが必要になった(2007年施行)。それまでは助産師資格があれば、看護師国家試験にパスしていなくても看護師業務が認められていたが、この改正で助産師は正式に看護師の上位資格に位置付けられたのである。その結果、お産の現場では、助産師の発言力が非常に大きくなっている。

 元伊万里保健所長の仲井宏充・医師が指摘する。

「厚労省の狙いは産科医不足対策と医療費削減です。とくに地方では産科医が足りず、“産む病院が見つからないお産難民”が増えている。いわゆる妊婦のたらい回し事件も相次ぎました。そうした現状に対する批判を防ぐために助産師を活用したいのです。助産師が主体になって自然分娩が普及すれば医療費も安くつきます。助産師は日本看護協会の中でもエリートで影響力が強く、昔のようにお産を自分たちの仕事として取り戻そうという意識が強い。正常分娩は産婦人科医ではなく助産師が中心になって行なっています」

 こうした政策で就業助産師の数は2002年の2万4340人から2012年には3万1835人へと3割増加し、最近では、助産院や自宅での出産も再び増えている。

 カンガルーケアや完全母乳といった“自然なお産”を推進する原動力になってきたのはそうした助産師たちの存在だ。

「自然」を強調するのには理由がある。

 助産師は正常分娩で広い権限があるといっても、医療行為はできない。例えば分娩児の「へその緒」を切ることはできるが、投薬や検査は医師の指示が必要で、出産の際に一般的に行なわれているとされる会陰切開や縫合も、実は「医師の指示なく助産師がやるのはグレーゾーン」(厚労省医政局看護課)という。

 前出・仲井氏はそこに問題の根があると感じている。

「カンガルーケアや完全母乳は新生児が栄養不足で低血糖になるリスクが高い。本来なら新生児の血糖値を積極的にチェックすべきなのに、推進派は、正常に生まれた新生児の血糖値は測るな、母乳育児の妨げになるという独自のガイドラインを決め、多くの病院が従っている。これも医師法で助産師には血液採取が認められていないという事情が背景にある。つまり助産師だけでは血糖値は測れないのです。しかし、そのために新生児の危険が放置されるのは本末転倒です。欧米の多くの国では一般的な無痛分娩が日本でほとんど普及していないのも、助産師には麻酔を打つ資格がないから、“出産の痛みに耐えることが母親の愛情形成につながる”と非科学的なことを教えている」

“自然が良い”のではなく、そもそも助産師には“自然な分娩”しか認められていないのだ。

 それだけではない。

 久保田氏は助産師が最も重要な新生児管理について間違った知識を与えられていることが事故の温床になっていると指摘する。

「母親からみれば助産師はお産のプロと思っているかもしれませんが、医師が2年以上の臨床研修を義務づけられているのに対して、助産師は看護大学などで看護師と助産師のカリキュラムを学び、臨床経験がほとんどないまま資格を取る人が増えている。しかも学校で、母乳育児で新生児の体重が5~10%減少するのは自然なことだから心配ないといった医学的に間違った知識を教えられ、国家試験でもそれが正解にされている。そうした間違った知識で母親に『完全母乳は正しい』、赤ちゃんの体重が大きく減っていても『心配ない』と指導してしまっている」


■助産師大国オランダの真実

 それでも、日本では“自然のままがいい”という信仰を改めないまま助産師による分娩が推進されている。

 厚労省と日本看護協会は医師不足を補うために2009年から総合病院内で産科医ではなく助産師が自立して正常分娩を行なう「院内助産所(院)」と、助産師が妊産婦の健康診断や保健指導を行なう「助産師外来」の設置を奨励し、同省や各自治体は病院の改装費に補助金を出す制度をつくった。

 同省は将来的には、正常分娩は原則すべて助産師に任せ、産科医は帝王切開などリスクのある分娩だけを行なう昔のような「お産の分業」制度を目指しているとされる。繰り返しになるが、その動機は医師が足りないことと、医療費を抑制したいことであり、赤ちゃんや母親のためではない。

 それは世界の流れに逆行している。

 先進国ではオランダがリスクの低い分娩は助産師、ハイリスク分娩は産科医が担当するという分業を早くから行ない、3割が助産師による自宅出産を選択している。オランダの助産師は会陰切開、縫合などの医療行為も認められている。完全母乳育児も推奨され、生後1週間では8割が実施(1か月後は54%)、カンガルーケアも推奨されている。

 日本の助産師の間では「理想」とされる仕組みをとっている国の一つだ。

 ところが、同国のユトレヒト大学医療センターは、満期産で生まれた3万7735人を比較し、助産師管理で分娩を開始した低リスク妊婦から生まれた赤ちゃんは、産科医の管理で分娩した高リスク妊婦の赤ちゃんより、2.33倍も周産期死亡率が高いという調査結果を2010年に発表した。

 この研究はオランダの周産期死亡率が欧州の中で高いことから原因を探るために行なわれたもので、報告書には、

〈この研究結果は、リスク選択に基づく2つの産科医療というオランダの産科システムがかつてのように有効ではないかもしれないことを示している。ことによると、ほとんどの欧州諸国より高いオランダの周産期死亡率が、いくつかある要素の中でとくに産科医療システム自体によって引き起こされているかもしれないことを意味している〉

 として、助産師にお産を任せるシステムの見直しを提起しているのである。

 そもそもカンガルーケアや完全母乳はWHOとユニセフが、衛生状態が悪く医療体制が整っていない途上国の赤ちゃんを守るためのケアとして推進し、「国際助産師連盟」や連携する「世界母乳育児行動連盟」が先進国への普及に力を入れた。背景には、

「産科医に奪われた職を取り戻そうという国際的な助産師の復権運動がある」(仲井氏)

 とされる。

 日本ではそれに加えて、産科医不足と医療費抑制のために助産師にお産を任せたい政治的思惑から、他の先進国にはないほど非科学的な“自然なお産信仰”を植え付けようとしている。

 女性の出産年齢が年々上昇し、ハイリスク出産が増える中で、母子を守る制度を戦前に逆戻りさせる政策は、母親にも赤ちゃんにも好ましいものではない。

 当の厚労省が本誌取材で初めて、「カンガルーケアは推奨していない」と明言(責任回避)した意味を、推進派も信じていた人たちもよく考えてもらいたい。」



谷直樹

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by medical-law | 2014-12-30 01:20 | 医療事故・医療裁判