弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2015年 02月 07日 ( 3 )

119番通報をしたのに救急車が出動せず一人暮らしの大学生が死亡した事案で,山形市と遺族が和解(報道)

朝日新聞「救急車出動せず大学生死亡、遺族側と山形市が和解へ」(2015年2月7日)は,次のとおり報じました.

山形市で2011年、アパートで一人暮らしをしていた山形大学2年の大久保祐映(ゆうは)さん(当時19)が死亡したのは、119番通報をしたのに救急車が出動しなかったためだとして、母親が市に約1億円の損害賠償を求めている訴訟の和解協議が6日、山形地裁であった。地裁が和解案を示し、原告側、市側の双方が基本的に受け入れる意向を示した。

 双方の代理人弁護士によると、和解案は①市が和解金を支払う②市がこの問題に関する「総括」を行い、公表する③今回の経緯などを消防本部の救急搬送体制に関する研修プログラムに組み入れる――の3点からなる。和解金の額について双方とも「公表できない」としている。」


市議会に提案する関係で和解金額はいずれわかるのですが...
医事訴訟のうち約3分の2は裁判上の和解で終了します.
和解の場合は,判決と異なり,賠償金額以外のこと(謝罪,再発防止に関すること)も和解条項にもりこむことができます.

 谷直樹

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by medical-law | 2015-02-07 09:24 | 医療事故・医療裁判

合同委員会、65 歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方

日本呼吸器学会呼吸器ワクチン検討ワーキンググループ委員会と日本感染症学会ワクチン委員会の合同委員会は,2015年1月30日、「65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方」を公表しました.

合同委員会としては、現時点では 65 歳以上の成人におけるCV13 を含む肺炎球菌ワクチンのエビデンスに基づく指針を提示することは困難と判断した。」とのことです.

本合同委員会としては、わが国の実地臨床医家に対して PCV13 接種の可能な選択肢を示すことが必要であるが、日本独自の臨床的、医療経済的エビデンスは確定していないため、主に安全性の観点から「65 歳以上の成人における肺炎球菌ワクチン接種の考え方」として提示することとした。」とのことです.

今回の合同委員会の考え方としては、定期接種対象者が定期接種による PPSV23 の接種を受けられるように接種スケジュールを決定することを推奨する。」とされています.

合同委員会はわが国の肺炎球菌ワクチンに関する考え方に、米国ACIP の PCV13 接種を含む推奨内容を全面的には取り入れるべきではないと判断した。」「米国 ACIP が推奨する連続接種により肺炎球菌ワクチンの予防効果を増強、拡大する可能性に期待する考え方もあるが、確たるビデンスは未だ示されていないため、本委員会としてはあくまでも参考意見として紹介するにとどめ、3 年以内に見直しを検討する。」とのことです.

 一言で言うと,エビデンスが不足している,ということです.
 いまのところ,高齢者の肺炎には,早め早めの対応以外には方策がなく,決定的なものはないようです.

 谷直樹

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by medical-law | 2015-02-07 02:25 | 医療

千葉県がんセンターの腹腔鏡下手術後の死亡11例についての日本外科学会の検証結果

千葉県がんセンターで腹腔鏡下手術を受けた患者11人が術後短期間に死亡した件で、3015年2対5日、千葉県の第三者検証委員会に日本外科学会の検証結果が報告されたとのことです.

報告自体は非公開ですが、多田羅浩三会長の会見によると次のような指摘があったと報道されています.

・膵臓の一部を切除した3人の手術が特に困難だったとの評価があった.
・家族への説明の記録がほとんど残っていないことも問題視された.
(以上千葉日報

・難しい手術に対して1人の医師が独断で進めるのではなく、周囲の助手などと建設的な議論をして、チーム医療で臨むべきだったとの指摘があった.
・死亡事例が相次いだにもかかわらず、次の腹腔鏡下手術に取り組む前に倫理審査委員会が開かれず改善が見られない点が問題視された.
(以上産経新聞

日本外科学会の検証結果の報道は、上記のとおり報道機関によって相違があります.
検証結果を教訓とするために、せめて要点だけでも公開すべきと思います.

 谷直樹

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by medical-law | 2015-02-07 01:46 | 医療事故・医療裁判