弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2015年 02月 23日 ( 1 )

中立性・透明性・公正性を確保した医療事故調査制度の施行を求める要望書

NHK「医療事故調査制度始まる前に遺族らが要望」(2015年2月21日)は,次のとおり報じました.

「患者が死亡した医療事故を第三者機関が調査する新たな制度がことし10月から始まるのを前に、医療事故の遺族たちが厚生労働省を訪れ、事故の再発を防止するという制度の目的に沿った運用を行うよう要望しました。

ことし10月から始まる新たな制度では、患者が死亡する医療事故が起きた際、病院に対し新たに設置される第三者機関への報告と、みずから原因を調査することを義務づけています。
遺族は、病院の調査結果に納得できなければ、第三者機関に独自の調査を行うよう依頼することができます。
20日には、医療事故の遺族などで作る団体のメンバーおよそ10人が厚生労働省を訪れ、橋本岳政務官に制度が適切に運用されるよう要望書を手渡しました。
この中では、現在行われている制度の運用方針を議論する厚生労働省の検討会で、医療側の一部の委員が「薬剤の取り違えなど単純なミスによる事故は調査の対象外とするべきだ」などと主張していることを踏まえ、病院が第三者機関に事故を報告しなければ制度は機能しないとして、事故の再発を防止するという制度の趣旨に沿った運用方針をまとめるよう求めています。
団体の代表を務める勝村久司さんは「事故の再発を防止するためには事故を隠すことを決して許す制度ではあってはならない」と話しています。」


要望したのは,医療過誤原告の会,医療情報の公開・開示を求める市民の会,患者の視点で医療安全を考える連絡協議会,陣痛促進剤による被害を考える会,全国薬害被害者団体連絡協議会富士見産婦人科病院被害者同盟,薬害・医療被害をなくすための厚労省交渉団の7団体です.

要望事項は,以下の4点です.
1 公的な医療事故調査制度は、中立性・透明性・公正性を必ず確保して施行すること。
2 事実経過に関して、事故直後に遺族側と情報の受渡と共有を行い、齟齬をなくすこと。
3 被害者や被害者遺族への偏見の流布や偏見に基づく制度設計は絶対に行わないこと。
4 「日本医療法人協会医療事故調ガイドライン」の内容を採用した制度にしないこと

いずれもきわめて当然の内容です.
このような当然のことを要望せざるをえないということは,検討会での医療事故調査の仕組みをめぐる議論がおかしなことになっていることを意味するでしょう.中立性を欠く・透明性を欠く・公正性を欠く仕組みが作られようとしているものと考えざるをえません.
実際,上記要望書は,「厚生労働省の「医療事故調査制度の施行に係る検討会」に資料として提出されている「日本医療法人協会医療事故調ガイドライン」が、中立性、透明性及び公正性の確保に反する内容であることに大きな不信感を持っています。」と書いています.

  谷直樹

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by medical-law | 2015-02-23 23:36 | 医療事故・医療裁判