弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2015年 03月 03日 ( 1 )

福岡地裁平成27年3月3日判決、福岡県の安全配慮義務違反を認め騎馬戦後遺症の男性に約2億円賠償(報道)

毎日新聞「騎馬戦訴訟:後遺症の男性に2億円 県に賠償命令」(2015年3月3日)は次のとおり報じました. 

「福岡県立高校時代に体育祭の騎馬戦で落下して首を骨折し、重度の後遺障害を負った福岡市の男性(29)と両親が、学校が安全配慮義務を怠り事故が起きたとして、県に計2億9000万円の損害賠償を求めた訴訟で、福岡地裁(永井裕之裁判長)は3日、安全配慮義務違反を認め、県に約2億円の支払いを命じた。」「首から下にまひが残り、04年7月に身体障害者手帳(1級)の交付を受けた。リハビリを続け腕や指を多少動かせるようになったものの、両親の介護を受け車椅子生活を送っており、判決は約9800万円の逸失利益の他、約8600万円の介護費などを認定した。」


朝日新聞「高校の騎馬戦で首の骨折れる 福岡県に2億円支払い命令」(2015年3月3日)は次のとおり報じました.

「原告は、県立筑前高校(福岡市西区)に通っていた男性(29)と両親。男性は高校3年だった2003年9月、体育祭の騎馬戦で、3人で作る騎馬の上に乗る騎手として相手と一騎打ちで組み合った際に転落。首の骨が折れて首から下がほとんど動かなくなり、04年7月に身体障害者手帳1級を交付された。13年7月、県を相手取り提訴。計約2億9千万円の賠償を求めていた。

 判決は、騎馬が崩れるなどしたら「負け」とのルールで行われたこのときの騎馬戦で、騎手が転落する恐れは高かったと指摘。生徒たちに騎馬戦の危険性を事前に伝え、転落時の安全確保の手段を指導するなど、事前の練習を十分にする必要があった、とした。県側は「講習会で生徒に危険性を説明し、一部生徒には騎馬を組ませて事例を示した」などと主張したが、判決は「大半の生徒は騎馬を組むこともなく、実戦形式の練習は行われず、不十分」とした。

 さらに、転落した生徒を受け止める教諭らの審判員を、対戦する2騎の騎馬に対して1人ずつの割合で配置していたが、地裁は「予測した側と反対に落下した場合に受け止めることができない」として、対戦する騎馬ごとに複数の審判員を置く義務があったと指摘。学校側は安全配慮義務に違反したと判断した。

 男性は事故後からリハビリを続け、腕は上がるようになったが、現在も自宅で両親の介護を受けているという。代理人の中村亮介弁護士は「安全対策について学校側に相当高い注意をはらうようにとのメッセージを与えた」と判決を評価。県は「判決の内容を慎重に検討し、対応を考えたい」とコメントした。(丹治翔)」

有責事故により重度の障害(報道の事案は、首から下が動かない・腕は上がるという状態)をおい、常時介護が必要になった場合、若年の方では平均余命まで適正に介護費用等を計算すると、損害賠償額はこのような金額になります.
損害賠償額の計算方法は、医療過誤でも基本的に同様です.


谷直樹


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by medical-law | 2015-03-03 23:59 | 司法