弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2015年 04月 14日 ( 1 )

聖マリアンナ医科大病院、「精神保健指定医」資格不正取得の疑いで調査

読売新聞「指定医資格、不正取得か…聖マリアンナ病院」(2015年4月14日)は,次のとおり報じました.

「同大は弁護士など外部委員も交えた8人による調査委員会を設置し、指定医資格を取得した経緯などを調べたところ、「複数の医師が同じ患者の症例を提出した」などの違反が見つかった。厚労省からは「自分が診ていない症例を提出した疑いがある」との指摘もあった。

 現時点では、既に資格を取得した医師11人と資格を申請中の3人について不正が疑われているが、指導医9人についても、監督責任があるとして、厚労省から調査を求められているという。」



精神保健福祉法第十八条は「 厚生労働大臣は、その申請に基づき、次に該当する医師のうち第十九条の四に規定する職務を行うのに必要な知識及び技能を有すると認められる者を、精神保健指定医(以下「指定医」という。)に指定する。
一  五年以上診断又は治療に従事した経験を有すること。
二  三年以上精神障害の診断又は治療に従事した経験を有すること。
三  厚生労働大臣が定める精神障害につき厚生労働大臣が定める程度の診断又は治療に従事した経験を有すること。
四  厚生労働大臣の登録を受けた者が厚生労働省令で定めるところにより行う研修(申請前一年以内に行われたものに限る。)の課程を修了していること。
2  厚生労働大臣は、前項の規定にかかわらず、第十九条の二第一項又は第二項の規定により指定医の指定を取り消された後五年を経過していない者その他指定医として著しく不適当と認められる者については、前項の指定をしないことができる。
3  厚生労働大臣は、第一項第三号に規定する精神障害及びその診断又は治療に従事した経験の程度を定めようとするとき、同項の規定により指定医の指定をしようとするとき又は前項の規定により指定医の指定をしないものとするときは、あらかじめ、医道審議会の意見を聴かなければならない。
」と定めています.

 精神保険福祉医は,措置入院,措置入院の解除,任意入院者の退院制限等の職務を行います.
 今回の疑惑は,精神保険指定医申請の際に提出されたケースレポートがその医師が診た例ではなかったという疑いです.
 調査結果を待ちたいと思います.

【追記】
NHK「聖マリアンナ医大病院が会見「弁解の余地ない」」(2015年4月15日)は次のとおり報じました.

「川崎市にある聖マリアンナ医科大学病院は、医師と指導医の合わせて20人について、「精神保健指定医」の指定を取り消す処分が決まったことを受け、午後9時すぎから会見を開き、「精神保健行政の根幹を揺るがす大変な不祥事で、何の弁解の余地もない」などと謝罪しました。
会見の冒頭で、聖マリアンナ医科大学病院が設けた調査委員会の青木治人委員長は、「精神保健行政の根幹を揺るがす大変な不祥事で、何の弁解の余地もない。心から深く責任を感じている」などと述べ謝罪しました。
病院によりますと、神経精神科では、「精神保健指定医」の資格を取得するために必要な患者のレポートについて、先輩のレポートをUSBのデータで譲り受けるのが常態化していて、自分で診察していないにもかかわらず、内容を少し変えるなどして安易に提出し、国の審査を受けていたということです。今回処分を受けた医師のうち9人の医師が提出したレポートでは、同じ26人の患者について、ほとんど同様の文章が記載されていたということです。
病院によりますと、今回、指定の取り消しが決まった医師が判定して、強制的に入院させた患者は、100人に上るということで、判定が妥当だったかどうか、専門家による検証を行いたいとしています。
病院は、「今後、事案の重大さと指定の取り消しという重い処分を受け止め、学内での処分も厳正に行いたい」としています。」



谷直樹


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by medical-law | 2015-04-14 20:22 | 医療