弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2015年 04月 16日 ( 2 )

医療安全情報 No.101 薬剤の投与経路間違い

医療安全情報 No.101(2015年4月)「薬剤の投与経路間違い」は,「正しい用法の指示があったにもかかわらず、薬剤の投与経路を間違えた事例が報告されています。」と注意を喚起しています.

事 例 1
リスパダール内用液0.5mLは、皮下注射時に使用する注射器に吸い取られ、針が付いた状態で内服薬用の薬杯の中に準備されていた。看護師は指示を確認しないまま、リスパダール内用液を皮下注射した。翌日の勤務者がリスパダール内用液を患者に内服させた際、患者より「昨日は注射をしてもらった」と発言があった。前日の勤務者に確認したところ、リスパダール内用液を皮下注射したことが分かった。

事 例 2
内視鏡的処置後の患者に、トロンビン液5000単位 1日3回を経口投与の指示が出ていた。看護師は、冷所保存されていたトロンビン液ソフトボトルを内服用薬袋から取り出した。しかし、トロンビン液が経口薬であることを知らず、ボトルの「禁注射」の記載を見て、トロンビン液を注射器に吸い取って静脈注射することが「禁」だと解釈した。その後、指示などを確認しないままボトルを輸液ルートの側管に接続し、静脈注射した。

経口投与のケイツーシロップを静注のために注射器に準備した例,メプチン吸入液ユニットを容器の形から点眼薬だと思った例も報告されています.

私は,薬剤の投与方法を誤った医師の過失を問う裁判を担当しています.その事案では,カルテには古い時代の誤った投与方法(皮下注射)のみが記載されているのですが,被告は訴訟前には「皮下注と同時に筋注した」と説明し,訴訟後には「皮下注と同時に静注した」と主張しています.発生した結果は,皮下注のみの場合に起こります.
投与方法は薬剤が本来効果を安全に生じるため重要です.


谷直樹


ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2015-04-16 21:10

山形県立新庄病院,医療過誤で提訴される(報道)

「内視鏡検査でミス」遺族が山形県を提訴(2015年04月16日)は,次のとおり報じました.

「新庄市の男性=当時(83)=が急性膵炎(すいえん)となり2014年2月に死亡したのは、山形県立新庄病院(新庄市)が内視鏡検査でミスをし、その後の点滴処置も不適切だったためだとして、遺族3人が15日までに、県に2500万円の損害賠償を求める訴えを仙台地裁に起こした。
 訴えによると、男性は13年11月、総胆管結石の治療のため入院。内視鏡を使った検査の際、担当医が誤って検査器具で膵臓(すいぞう)の管を傷付けた。男性は急性膵炎を発症して4日後に重症化したが、病院は点滴量を増やすなどの処置を施さなかった。男性は多臓器不全で死亡した。
 遺族側は「病院は内視鏡検査に指導医を立ち会わせず、経験が乏しい4年目の医師に単独で行わせており、注意義務に違反する。その後、すぐに適切な点滴処置を始めれば死亡は避けられた」と主張している。
 山形県県立病院課は「弁護士と相談して対応したい」と話している。」


 ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)の事故は時々あります.そのなかには,手技上のミスが関係する例もあります.


谷直樹


ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村 いだ。」
by medical-law | 2015-04-16 20:02 | 医療事故・医療裁判