弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2015年 05月 22日 ( 2 )

日弁連,法曹養成制度改革推進室作成の法曹人口の在り方について(検討結果取りまとめ案)に関する会長声明

朝日新聞「司法試験合格者「1500人程度を維持」 政府案」(2015年5月21日)は,次のとおり報じました.

「これまでの政府内での検討と有識者による顧問会議での議論を踏まえ、この日示された政府案は、現在の司法試験の受験者数や合格者数の推移などから、今後の合格者数は「1500人程度の規模を下回ることになりかねない」と指摘。法曹の質と量を保つには「1500人程度は輩出されるよう必要な取り組みを進めるべきだ」としている。」

質の高い法律の専門家は社会にとって不可欠であることについては,争いはないでしょう.
そのために,法科大学院をはじめとする専門家の養成制度の改革に取り組むべきだ,というのも理解できます.
しかし,そのことと,「1500人程度の合格者を確保」ということは,結びつかないのではないか,と思います.
「1500人」という数字は,法科大学院前の合格者数を規準にしているようですが,それ以前は500人位で推移していました(合格率は2%程度でした)ので,1500人という数字が確保目標にならないと思います.

日本弁護士連合会(日弁連)は,2015年5月21日,「法曹養成制度改革推進室作成の法曹人口の在り方について(検討結果取りまとめ案)に関する会長声明」を発表しました.

「新たな制度の下で多くの新規法曹が生まれ様々な分野で活躍する一方、当初の想定と異なる司法試験合格率の低迷と司法修習終了後の新規法曹の厳しい就業状況が続き、法曹養成課程の経済的・時間的負担も相まって、法曹志願者は毎年大幅な減少を続け、法科大学院の入学者数も、2006(平成18)年度に5,784人を数えた以降は毎年減少を続け、本年度は過去最低の2,201人となっている。」

「本取りまとめ案も指摘するように、かかる司法試験合格者数に関する提言は、法曹の質の確保を考慮せずに達成されるべきものでないことは、言うまでもない。」

「法曹養成制度の深刻な状況と、この間の法曹志望者減少の推移を踏まえると、当面の司法試験合格者数について1,500人程度を上回る規模とすることは、現実的な基盤を欠き、現状に対する危機感を欠如したものと言わざるを得ない。また、法曹志望者の減少をもたらした要因を解消する実効的な措置を講ずることなく、ことさらに司法試験合格者の数を追い求めるならば、新規法曹の一部に質の低下をもたらすばかりか、法曹養成制度の意義や機能、ひいては制度に対する社会的な信頼を損なう事態を招来しかねない。

以上を踏まえ、当連合会は、関係各所に対し、より多くの有為な人材が希望をもって法曹を志願する状況が回復されるよう、法曹養成制度を巡る諸課題を克服すべく必要な措置を取るとともに、司法試験合格者数について、すみやかに1,500人とするよう、改めて強く要請するものである。

また、法曹人口を含む法曹養成制度の在り方を検討するにあたっては、社会における法的需要や法曹の活動領域の拡大状況、法曹養成制度の成熟度合いや輩出される法曹の質、わが国社会の司法基盤の整備状況や司法アクセスの改善状況を初めとする諸種の司法制度改革の進捗状況等の検証が不可欠である。

したがって、今後も、関係各機関は、協力してそうした検証を継続し、また法曹人口を含む法曹養成制度の在り方について見直しを含む検討を適時行い、必要な措置を取るべきである。」



「当初の想定と異なる司法試験合格率の低迷と司法修習終了後の新規法曹の厳しい就業状況が続き、法曹養成課程の経済的・時間的負担も相まって、法曹志願者は毎年大幅な減少を続け、法科大学院の入学者数も、2006(平成18)年度に5,784人を数えた以降は毎年減少を続け、本年度は過去最低の2,201人となっている。」ときに,質の高い法律の専門家を1500人確保するというのは,非現実的な目標でしょう.また,毎年1500人の需要があるという根拠は示されていません.
まず,法曹志望者の減少をもたらした要因を解消する実効的な措置を講ずることが先なのではないでしょうか.


谷直樹


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by medical-law | 2015-05-22 04:34 | 弁護士会

電子たばこから発がん性物質とニコチン検出

NHK「電子たばこから発がん性物質やニコチン検出」(2015年5月21日)は,次のとおり報じました.

「厚生労働省の研究班は、国内の路面店で販売されている電子たばこの安全性を確認するため、9種類の吸入器具と103種類の液体を対象に調査を行いました。
それによりますと、電子たばこを30秒間隔で10回吸った場合、4種類の器具から発生した煙から発がん性物質の「ホルムアルデヒド」が検出されました。
このうち2種類の器具の煙からは120マイクログラムと100マイクログラムの「ホルムアルデヒド」が検出され、たばこに含まれる76マイクログラムを上回りました。
また、ニコチンを含む電子たばこの販売が禁止されているにもかかわらず、8種類の液体からは微量のニコチンが検出されました。
研究を行った国立保健医療科学院、欅田尚樹生活環境研究部長は「今回、電子たばこから検出された発がん性物質やニコチンは、通常のたばこに比べると微量なケースが多いが、健康被害につながるリスクがあるかどうか検証する必要がある。使用する際の電圧や吸入する間隔などによっても、発がん性物質の濃度は変化するので詳しく研究していく必要がある」と指摘しています。」

「国立がん研究センターの望月友美子たばこ政策研究部長は「日本でも電子たばこが広がっているとみられるが、規制が追いついていないので、無法地帯と言える状況だ。今はインターネットなどで海外からも簡単に入手できる以上、安全性をチェックするためにも何らかの規制を検討していく必要がある」と指摘しています。」


ニコチンが含まれていないとして販売されていた電子タバコにニコチンが含まれていたのは問題でしょう.また,120マイクログラムと100マイクログラムのホルムアルデヒドが検出されたのも問題でしょう.
電子タバコ規制法が必要と思います.
なお,タバコについてもタバコ規制法が必要と思います.

谷直樹


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by medical-law | 2015-05-22 04:05 | タバコ