弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2015年 08月 27日 ( 1 )

厚労省,ファイザー株式会社の副作用200例未報告(医薬品医療機器法違反)で業務改善命令へ

NHK「厚労省 ファイザーに業務改善命令へ」(2015年8月27日)は,次のとおり報じました.

「厚生労働省によりますと、大手製薬会社ファイザーが製造・販売する抗がん剤やリューマチ薬などの治療薬について、営業担当の社員が重い副作用の症例を把握していながら安全担当の部署に伝わらず定められた期限内に国に報告していなかったということです。医薬品医療機器法では重い副作用が出た場合、最大で30日以内に国に報告することを製薬会社に義務づけていますが、ファイザーは去年までの6年間におよそ200人分の副作用の報告をしておらず、中には死亡したケースもあったということです。
厚生労働省はことし2月、ファイザーから報告を受けて調査を進めていましたが、副作用の情報が伝わらない社内の体制を抜本的に改める必要があるとして、会社に対し業務改善命令を出す方針を決めました。」


朝日新聞「ファイザーに改善命令へ 副作用200例未報告 厚労省」(2015年8月27日)は,「報告が5年以上遅れた例もあったとみられる。」と報じました.

社内の連絡不備ではすまない問題です.
しかし,それにしても,ノバルティスの次がファイザーって...

【追記】

ファイザー株式会社のプレスリリース「厚生労働省による当社に対する業務改善命令について」(2015年9月1日)は,次のとおりです.


「本日2015年9月1日、ファイザー株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:梅田一郎)は、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器法、旧薬事法)」第72条の4第1項の規定に基づき、厚生労働省より業務改善命令を受けました。これは、当社が製造販売する11製品に関する重篤な副作用212症例を、定められた期限内に医薬品医療機器総合機構(以下、PMDA)に報告していなかったことによるものです。社員が適切に副作用報告を実施できるよう業務手順を改訂し、全社員の教育を再度実施するよう指示を受けました。

本件による当該製品の安全性への影響を慎重に評価した結果、当該製品の安全性に新たな懸念事項は認められず、使用上の注意を改訂する必要はないという結論に達しました。

これらの症例は、自主点検の一環で、当社製品に関する安全性情報を収集する可能性のある営業記録について社内で確認したところ、定められた期限内にPMDAに報告していなかったことが判明したもので、2015年5月28日までにPMDAに調査結果を報告いたしました。
上記212症例の内訳は次のとおりです。
スーテント145症例、インライタ26症例、トーリセル23症例、トビエース5症例、リウマトレックス4症例、ザイボックス3症例、エンブレル2症例、ザーコリ2症例、ブイフェンド2症例、プロジフ1症例、リリカ1症例
※一症例に複数の製品が含まれている場合がありました。

ファイザー株式会社代表取締役社長 梅田一郎のコメント

「弊社はこのたびの事態を重く受け止めており、関係するすべての皆さまに多大なるご心配とご迷惑をおかけしましたことを心よりお詫び申し上げます。再びこのような事態が起こることがないように必要な対策を講じ、弊社の事業活動に関わる全ての法令の遵守を徹底してまいります。また、患者さんの安全を何よりも最優先に考え、関連法令の徹底遵守のみならず、社員に対する弊社内の関連規則および業務手順の再教育を通じて、継続して弊社製品の安全性と有効性を監視していく所存です」


報告遅延の薬剤名が公表されましたが,抗がん剤の症例が多いです.
連絡ミスの原因,業務手順改訂,社員教育のプログラム等の具体的内容は不明ですが,必要な対策を講じるとのことですので,今後,報告遅延がないことを期待します.


谷直樹


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by medical-law | 2015-08-27 23:29 | 医療