弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2015年 09月 01日 ( 1 )

大垣市民病院,医師が検査結果確認を忘れ発見が1年半遅れた癌患者が死亡した件で1500万円賠償(報道)

岐阜新聞「検査でがん…1年半放置 患者は昨年死亡 大垣市民病院」(2015年9月1日)は,次のとおり報じました.

「大垣市民病院(岐阜県大垣市南頬町)は31日、検査でがんが見つかっていたにもかかわらず、担当した60代の男性医師が検査結果の確認を忘れたため、発見と治療が遅れ、昨年9月に市内の男性=当時(75)=が死亡する医療過誤があったと発表した。市は男性の遺族に1500万円の賠償金を支払うことで和解した。

 病院によると、男性は2012年12月6日、かかりつけ医の紹介で消化器内科を受診。検査を受け、同月21日、がんの結果が出ていたが、医師は結果を確認していなかった。医師は男性に結果が出たら、かかりつけ医に連絡すると伝えていたが、連絡も忘れ、約1年半放置していた。

 男性は14年4月28日、重い貧血と足のむくみで再度受診。検査で、胃がんと肝臓へのがんの転移が見つかった。手術は不可能と判断され、化学療法を続けたが、同年9月に亡くなった。最初の検査で治療を始めていれば、根治できた可能性があったという。」

 藤本佳則副院長が31日会見し、「医師が検査結果を患者に伝えるため受診の予約をしていれば、結果を確認する機会はあった。患者、遺族に大変申し訳なく思っている」と謝罪した。」



中日新聞「がん告知せず男性死亡 大垣市民病院、検査結果見落とす」(2015年8月31日)は,次のとおり報じました.
 
「岐阜県大垣市は31日、市民病院に入院して昨年9月に死亡した市内の男性=当時(75)=について、2012年12月に医師が胃がんの検査結果を見落としたことによるがんの転移、進行が原因だったとし、遺族に1500万円を支払うことで和解したと発表した。7日開会する市議会に議案を提出する。

 市民病院によると、男性は12年12月、貧血などがあったため、かかりつけ医の紹介で市民病院消化器内科を受診。その後、胃カメラの検査で胃がんと診断されたが、担当した60歳代の男性医師が検査結果を見落とし、患者本人に結果が伝わらなかった。

 本来は、医師が電子カルテで検査結果を確認し、その後の受診の際、患者に伝える仕組みだが、男性医師は確認を怠り、患者に次回の受診を求めることもしなかった。患者の男性に「かかりつけ医に検査結果を伝える」と言ったが、かかりつけ医にも連絡していなかった。

 患者の男性は14年4月、貧血や足のむくみを訴えて再び受診。検査の結果、肝臓にがんが転移し、手術不可能なほど進行していたことが判明。翌月から4度にわたり入院し、同年9月に死亡した。当初の段階で手術をしていれば根治が望める状態だったという。

 記者会見した藤本佳則副院長は「検査したらこちら側が責任を持って結果を本人に伝えるのが基本。院内で徹底する必要がある」と話した。市民病院では、昨年8月にも検査結果の見落としによる死亡事故があった。」


 私は癌の見逃し事件を結構担当していますが,この件は私が担当したものではありません.
 多くの検査結果は陰性なので,医師は検査結果がでたからといってその都度ただちに検査結果に目をとおすわけではありません.そこで,検査結果が陽性だった場合は,その都度直接医師に伝えるシステムが必要と思います.
 また,医師は,検査結果を患者に説明するまでが「検査」だという意識をもってほしいと思います.
 

 谷直樹


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by medical-law | 2015-09-01 22:56 | 医療事故・医療裁判