弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2015年 12月 03日 ( 2 )

静岡済生会総合病院,CT検査で結腸に穴が開いていたことを見落とし帰宅させ患者死亡(報道)

朝日新聞「CT検査を誤診、死亡医療事故に 静岡済生会総合病院」(2015年12月2日)は,次のとおり報じました.

「静岡市駿河区の静岡済生会総合病院で10月、CT検査の結果を研修医が見落とし、静岡市の女性(当時80代)が死亡する医療事故があった。1日、女性の長女(50代)が静岡市葵区の県法律会館で記者会見して、明らかにした。病院は朝日新聞の取材に医療事故があったことを認めている。

 長女とともに記者会見した青山雅幸弁護士によると、女性は10月24日午後11時55分ごろ、激しい腹痛を訴え、同病院救急外来を訪れた。CT検査の結果、結腸に穴が開いていて緊急手術が必要な状態だったが、研修医が見落として胃腸炎と診断し、女性を帰宅させた。しかし、腹痛や嘔吐(おうと)が止まらなかった女性は翌朝、再受診。見落としがわかって緊急手術を受けたが、同月26日に死亡した。

 遺族は、研修医が常勤医に相談する体制が整っていなかったなどの問題があったとみて、公表に踏み切った。

 病院は長女に郵送した文書の中で医療事故を認め、謝罪。朝日新聞の取材に、「今後は外部委員を含めた事故調査委員会を開き、再発防止につとめていく」とコメントした。」


  
毎日新聞「静岡済生会総合病院:患者死亡、事故調活用へ 診断見落としか」(2015年12月3日)は,次のとおり報じました.

「10月に静岡済生会総合病院(静岡市駿河区)で診察を受けた後に死亡した静岡市の80代女性の遺族らが1日記者会見し、死亡は診断に見落としがあったためと主張した。同病院側は「死亡は予期しなかった」として、今年10月から始まった医療事故調査制度に基づき、第三者機関の日本医療安全調査機構(東京都)に届け出て原因究明などを進めている。

 女性の長女や代理人の青山雅幸弁護士によると、女性は10月24日深夜、激しい腹痛を訴え同病院の救急外来を受診した。研修医がCT画像から胃腸炎と判断し自宅に帰されたが、症状は悪化。25日朝に再受診したところ、急性腹症の疑いと診断され緊急手術を受けたが、翌日に死亡した。遺族は病院側から「見落としがあった」と説明されたという。

 会見で長女は「適切に診察し、手術をすれば命を亡くすことはなかったのではないか」と涙ながらに話し、青山弁護士は「研修医はなぜベテラン医師に相談しなかったのか。救急外来体制を見直し、再発防止に努めてほしい」と訴えた。

 病院側は医療事故調査制度に基づき、院内に事故調査委員会を設け、原因究明や再発防止策をまとめた報告書を同機構に提出する。同機構が分析した結果はホームページで公表される。【松岡大地】」



これは,青山先生が担当した事案です.私も,夜間にみた若い医師の画像検査の見落としのため患者を帰してしまい患者が死亡した事案を担当し,示談で解決したことがあります.急性腹症における画像検査の見落としは,致命的な結果になることがあります.再発防止に努めていただきたく思います.


 谷直樹


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by medical-law | 2015-12-03 14:44 | 医療事故・医療裁判

壊死性筋膜炎で提訴(報道)

河北新報「診療ミスで手足指20本切断 医療法人を提訴」(2015年12月3日)は,次のとおり報じました.

「宮城県岩沼市の整形外科クリニックを受診した宮城県南の60代の主婦が両手足の指20本を切断したのは、医師が病状を正しく認識せず適切な処置が遅れたためだとして、主婦が2日までに、病院を運営する同市の医療法人に約4400万円の損害賠償を求める訴えを仙台地裁に起こした。

 訴えによると、主婦は昨年11月、右脚が急に痛み出してクリニックを受診。医師は確定診断を下さず経過観察とし、主婦を帰宅させた。主婦は翌朝、激しい動悸(どうき)に襲われ、救急搬送先の別の医療機関が「壊死(えし)性筋膜炎」と診断した。主婦は次第に指先の血流が悪くなり、1カ月半後に壊死した両手足の指全てを切断した。

 壊死性筋膜炎は病状の進行が速く、皮下組織の壊死につながる病気で、死亡率も高い。主婦は右足のかかとがひび割れており、細菌が侵入して発症した可能性がある。

 主婦側は「症状から壊死性筋膜炎の恐れは十分考えられたのに、クリニックはよく似た別の病気を疑い、適切な医療機関に転送しなかった。初期診断が適切なら指の切断は防げた」と主張している。法人側は「訴訟に関するコメントは差し控える」と話している。」


 これは,私が担当した事案ではありませんので皮膚の所見等詳細が分かりませんが,クリニック側が責任を否定し激しい争いになりそうな感じがします.壊死性筋膜炎は,進行が早く,診断が遅れると重篤な結果になる疾患ですので,皮膚科医なら壊死性筋膜炎を念頭においたと思いますが...
 とはいえ,大病院へ転院させるか,帰宅させるにしても,皮膚が黒く壊死してきたら大病院へという説明があると,提訴はなかったでしょう.

 
 谷直樹


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by medical-law | 2015-12-03 13:06 | 医療事故・医療裁判