弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2015年 12月 27日 ( 2 )

欧州司法裁判所がタバコ包装表示ルールについてタバコ会社に不利な判断を下す見込み

bloombergは,2015年12月23日,「Big Tobacco Risks EU Court Defeat Over Tough Packaging Rules」で,以下のとおり伝えました.

「Tobacco companies including Philip Morris International Inc. and British American Tobacco Plc received a blow from an adviser to the European Union’s top court in their battle against EU orders to cover cigarette packs with graphic pictures and warning signs.

The 2014 EU rules help boost the visibility of health warnings and maximize their effectiveness, Advocate General Juliane Kokott of the EU Court of Justice said in a non-binding opinion Wednesday.

“The coolness or the fun factor” and “the curiosity that may be inherent in new or unusual packaging then has a lesser influence on the decision to purchase,” she said.

Wednesday’s opinion stems from a U.K. court case where judges last year asked their EU peers whether the European rules are valid. Philip Morris, BAT, Imperial Tobacco Group Plc and Japan Tobacco Inc., who control almost all of the 18.7 billion-pound ($27.8 billion) U.K. market earlier this month went to court again, this time claiming British measures violate the companies’ intellectual property rights.

Kokott said EU nations are free to take the rules a step further on packaging standards, such as requiring plain cigarette packs, with no logos.

“It’s a blow for the tobacco companies but it isn’t a massive surprise given that the EU wrote the law," Duncan Fox, an analyst with Bloomberg Intelligence, said by phone. If the top court upholds the rules, “it gives a nice get-out clause for European countries that want to implement plain packaging.”
(以下略)」

タバコのパッケージデザインは,巧みなロゴとデザインの視覚的効果で販売促進に寄与してきました.
警告表示が義務付けられ,有害性と依存性の表示がなされるようになり,警告表示と正反対のロゴとデザインに違和感が生じています.
そこで,タバコの箱にはロゴなしの単純な商品名を書くのみで,警告表示以外は何もないプレーンなものに規制することも検討されています.
このようなタバコの箱の表示の規制について,規制を推進する国と表現の自由を主張するタバコ会社との法的争いは,欧州司法裁判所で規制にお墨付きが与えられることになりそうです.
そもそも,タバコは,できれば無いほうがよい商品で,積極的に販売すべきものではありません.販売促進に寄与するデザインは規制すべきと考えます.


谷直樹


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by medical-law | 2015-12-27 19:01 | タバコ

福井県立病院、15年以上にわたり手術用ガーゼを残置事故発表

福井県立病院経営管理課は次のとおり発表しました.


「県立病院における医療事故について、このほど示談が成立しましたので、以下のとおりお知らせします。

1 事故の概要等
(1)概 要
   平成11年3月10日に胆嚢結石症の患者さんに開腹胆嚢摘出術を施行した際、肝臓の外側に挿入した手術用ガーゼを残置していたことが判明し、平成26年11月20日に手術を施行し摘出しました。

(2)患者情報
   越前市内の60歳代の男性

(3)経 過
   平成11年 3月10日 胆嚢結石症により開腹胆嚢摘出術施行
   平成26年11月13日 右季肋部痛を訴え、県立病院外科受診
        11月17日 検査のため入院しMRI検査を実施、平成11年
              の手術の際に肝臓の外側に挿入した手術用ガーゼが
              残置していることが判明、患者さんに説明し謝罪
        11月20日 手術を施行し摘出
   平成27年12月24日 示談


2 対応等
  15年以上にわたり手術用ガーゼを残置し、苦痛を与えましたことは誠に申し訳なく心からおわび申し上げます。
  現在は、術後にレントゲン検査を行い、遺残物がないか厳重にチェックする体制を取っております。
  今後は、さらに医療技術の研修を重ね、医療安全、医療の質の向上に努め、県民に信頼される病院を目指していきます。」


福井新聞「福井県立病院で医療ミス、示談 16年前、体内にガーゼ置き忘れ」(2015年12月26日)は、次のとおり報じました.

「24日に男性との示談が成立した。

 福井県庁で会見した同病院の山夲龍市事務局長らによると、99年3月の手術時、胆のうを摘出しやすくするため、肝臓の位置をずらす際にガーゼを肝臓脇に挿入、そのまま放置した。通常は術前、術後にガーゼの枚数をチェックするが、その確認作業も忘れていたという。山夲事務局長は「予定していた腹腔(ふくくう)鏡手術を開腹手術に切り替えたことで現場が混乱した」と説明した。

 男性は昨年11月中旬に軽い腹痛を覚えて県立病院を受診し、ガーゼの置き忘れが分かった。公表が約1年後となったことについて病院側は「男性と示談交渉中で、影響が出ないようにした」と説明。示談金の額については「男性側の意向で公表を控える」とした。

 当時執刀しガーゼを置き忘れた男性医師はすでに退職しており、処分対象にはならないという。」


異物遺残事故はあとをたちません.たとえば、毎日新聞「能美市立病院・腹内にガーゼ置き忘れ」(2015年11月28日)は次のとおり報じました.

「能美市立病院は26日、19年前の手術で患者の腹部にガーゼを置き忘れる医療ミスがあったと発表した。患者は川北町の現在60代女性で、今年4月に開腹手術でガーゼを取り出した。示談が成立し、市は12月補正予算案に示談金61万円を計上した。

 病院総務課によると、女性は1996年9月、脱臼骨折治療のため、頸椎(けいつい)に骨を移植する手術を受け、骨盤の骨を採取した際、医師が止血用ガーゼを置き忘れたという。女性が今年1月中旬ごろから腹部に違和感を感じ、検査で右下腹部内にガーゼが見つかった。同課は「あってはならないこと。再発防止に努めたい」としている。」


谷直樹


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by medical-law | 2015-12-27 00:46 | 医療事故・医療裁判