弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2016年 08月 27日 ( 2 )

新潟県立坂町病院,十二指腸潰瘍の手術でガーゼを置き忘れ約267万円支払いで調停成立(報道)

歳計新聞「体内にガーゼを放置 医療事故で新潟県が賠償」(2016年8月26日)は,次のとおり報じました. 

「県立坂町病院(村上市)は24日、胎内市に住む60代の男性を手術した際に体内にガーゼを置き忘れ、37年間にわたって腹部に残っていた医療事故で、民事調停が成立する見通しとなったと発表した。県が男性に約267万円の損害賠償金を支払う。県は県議会9月定例会に関連議案を提案する。

 同病院によると、昭和53年7月に行った十二指腸潰瘍の手術で、男性の腹部にガーゼを置き忘れた。平成27年11月に男性が別の病院で切除した腫瘍の内部から、ガーゼが見つかった。腫瘍は異物から体を守るためにできた肉芽腫で、取り除く際に健康な膵臓(すいぞう)の一部を切除したという。

 今年2月に民事調停の手続きが新潟簡裁で始まり、7月に男性が調停案に同意した。調停は県議会で議決後に成立する見込み。」


これは私が担当した事件ではありません.ガーゼの置き忘れは,確認ミスを防止すれば(確認を怠りさえしなければ),回避可能です.過失は明らかですが,多くの場合損害評価が問題になります.

谷直樹


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by medical-law | 2016-08-27 06:42 | 医療事故・医療裁判

最高裁,統合失調症患者を外出させた病院の責任を認めず(報道)

毎日新聞「高松・香川町の男性刺殺 病院責任認めず 最高裁決定」(2016年8月26日)は次のとおり報じました. 

「県内で2005年、統合失調症の男(47)に高知市の会社役員の男性(当時28)が刺殺された事件を巡り、男が入院していた病院側を相手に遺族が損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第3小法廷(木内道祥裁判長)は23日付で、遺族の上告を退ける決定をした。病院の責任を認めなかった2審判決が確定した。
確定判決によると、男は05年12月、入院先から外出し、香川町(現高松市)の駐車場で男性の胸を包丁で刺して殺害。殺人罪などで懲役25年の判決が確定した。 
遺族は、病院が適切な治療をせず、外出を許可した過失があると訴えたが、高松地裁判決は「患者の管理体制に不備はなかった」と退け、高松高裁も支持した。 
遺族は男に対しても賠償を求め、既に約1億2000万円の支払い命令が確定している。」


これは私が担当した事件ではありません.その患者が人を殺すことの予見可能性があれば,その病院には外出を許可しない義務がありますが,統合失調症といっても患者ごとにその病状は様々ですし,患者の行動を予見することは困難ですから,予見可能性があってかつ外出が許可されるケースはきわめてまれです.統合失調症といっても患者ごとにその病状は様々で,その患者の病状の程度に従い必要となる措置にも自ずから差異がありますので,統合失調症の治療,患者の管理に病院の過失のあることが立証できるケースもきわめてまれです.

谷直樹


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by medical-law | 2016-08-27 01:29 | 医療事故・医療裁判