弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2017年 01月 21日 ( 2 )

産業医科大学病院の処置薬(生理食塩水)のヒューマンエラー事案

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朝日新聞「点滴処置薬を廃棄せず再使用 産業医大病院」(2017年1月5日)は,次のとおり報じました.

「北九州市八幡西区の産業医科大病院で昨年11月、入院中の60代女性患者に、別の患者に一度注射した生理食塩水(処置薬)が再使用されていたことがわかった。健康被害はなかったが、使用した処置薬は廃棄する決まりが守られなかった。同病院では昨年10月、点滴袋に穴が開けられる事件があり、その際も鍵の管理に関する内規が守られていなかった。

 病院によると、昨年11月20日昼ごろ、看護師が患者に点滴をした後、点滴の管の接続口から処置薬を注入しようとしたが失敗。注入をあきらめ、処置薬は袋に戻してカート上に置いたまま休憩に入った。

 その後、別の看護師が減っていない処置薬を見て未使用と思い、60代女性患者に注入したという。産業医科大広報企画室は「初歩的な人為ミス。決まりを守るよう徹底したい」としている。」


産業医科大学病院のサイトには,「平成 29年1月5日の報道事案について」が平成29年1月6日にアップされました.

11月に発生した処置薬(生理食塩水)のヒューマンエラー事案に関して、ご説明させていただきます。

輸液(点滴など)を終了した後の手順としては、以下のとおり行います。

①  輸液のルート(写真1)から輸液セットを外す。 

②  処置薬(生理食塩水)5cc 程度を注入し、ルートの閉塞を防止する。(写真2)

今回の事案では、上述②の手順において、他の患者の方の輸液ルートに接続した処置薬(生理食塩水)を、別の看護師が未使用のものと勘違いして当該患者の方に使用したものです。

その後、当該患者の方に検査を数回行いましたが、健康被害は確認されておりません。

1月5日の一部新聞報道において、「使用済み点滴注射薬を投与」と題して報道されましたが、正しくは「点滴注射薬」ではなく「処置薬(生理食塩水)」です。

本事案発生後、産業医科大学病院といたしましては、再発防止に向け取り組んでおります。」


要するに,生食ロックのときに,他の患者の輸液ルートに接続したものを未使用のものと勘違いして接続したというミスです.一度使ったものを放置しておくのはよくありませんし,置いてあるものを使うのもよくありません.


谷直樹

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by medical-law | 2017-01-21 22:19

滋賀県立成人病センター,4年前に左膝に誤って右膝用の部品を取り付ける医療ミスがあったことを公表

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西日本新聞「滋賀で人工関節、左右取り違える 県立成人病センター」(2017年1月20日)は,次のとおり報じました.

「滋賀県立成人病センター(守山市)で2013年12月、患者の膝の手術で、左膝に誤って右膝用の人工関節を取り付ける医療ミスがあったとして、執刀した50代の男性医師を口頭注意処分にしていたことが20日、病院への取材で分かった。

 センターによると、患者は70代男性。直後に手術が予定されていた別の患者の右膝のエックス線写真を医師が用意し、さらに患者の名前を確認しなかったことなどが重なり、右膝用の人工関節が用意された。

 手術直後に、看護師が取り違えに気付いたが、医師は「左右の違いはわずかなもので、再手術は患者に負担をかけるので様子を見たい」と患者へ説明しなかった。」


時事ドットコム「人工関節の左右間違う=滋賀県成人病センターが手術ミス」(2017年1月20日)は,次のとおり報じました.

「滋賀県立成人病センター(同県守山市)は20日、2013年12月に70代の男性患者の膝に人工関節を付ける手術をした際、左膝に誤って右膝用を付ける医療ミスがあったと発表した。患者の生活に大きな支障はないという。
 同センターによると、50代の男性医師が別の患者のレントゲン写真を基に施術した。術中にミスに気付いたが、取り外すと骨を傷つける恐れがあったため、そのまま縫合したという。
 医師らは手術後、患者に説明し謝罪。昨年6月に100万円を支払うことで示談が成立した。センターは医師を口頭注意処分とした。センターは「患者に不安を与え、おわびする。患者名の復唱など再発防止に努める」としている。」 


これは私が担当した事件ではありません.
違う患者のレントゲン写真を見て手術を行ったのですから,左右取り違え事故というより,患者取り違え事故です.
取り違え事故の原因は,すべて確認の懈怠です.
患者に説明しなかったのはおかしいですし,4年前の医療事故を今まで公表しなかったのも疑問です.


谷直樹

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by medical-law | 2017-01-21 21:44 | 医療事故・医療裁判