弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2017年 01月 27日 ( 2 )

日本弁護士連合会,「児童虐待対応における司法関与に関する意見書」

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平成29年1月16日の「第10回児童虐待対応における司法関与及び特別養子縁組制度の利用促進の在り方に関する検討会」は,「児童虐待対応における司法関与の在り方について(これまでの議論の整理)」をとりまとめました.
日本弁護士連合会は,平成29年1月20日,「児童虐待対応における司法関与に関する意見書」を発表しました.
その内容は次のとおりです.

一時保護
1 一時保護に司法審査を導入するという方向性は支持できる。
2 実際の導入に当たっては,児童虐待防止・児童の救済に支障が出たり,児童相談所のケースワーク機能が阻害されることのないように,児童相談所及び家庭裁判所の体制整備,児童相談所の調査権限の強化が不可欠の前提である。また,立法趣旨を明確にした上で,一時保護の要件や手続の検討が不可欠である。
3 一時保護に対する司法審査は原則として事後審査であるべきである。

保護者指導
1 現行制度の活用の徹底を図るという方針については賛成である。
2 司法関与の導入に当たっては,多様性のある具体的な指導プログラムを家庭裁判所が適切に作成できるのか,行政と司法の役割分担に照らし,本来行政をチェックするべき司法が自ら具体的な指導に関して命令を発することが適切か,そもそも児童相談所の指導に従わない保護者が家庭裁判所の命令に従うのかといった点について,十分な議論が尽くされる必要がある。
3 実効性の確保のために保護者が家庭裁判所の命令に従わない場合に直ちに一時保護を行うとの制度案は,一時保護の趣旨から大きく外れており賛成できない。

面会通信制限・接近禁止命令
1 面会通信制限への司法関与の導入に当たっては,その必要性を検討する必要があるとともに,虐待事案における面会交流の在り方についての十分な調査及び研究を踏まえて行う必要がある。
2 接近禁止命令への司法関与の導入は支持できるが,その制度設計や要件について十分検討する必要がある。
3 接近禁止命令の対象範囲を一時保護やいわゆる同意入所の場合に拡大することについては賛成である。



御一読をお奨めいたします.


谷直樹

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by medical-law | 2017-01-27 13:38 | 弁護士会

宮崎地判平成29年1月25日,県立宮崎病院の過失認め220万円賠償命令

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宮崎日日新聞「「息子死亡は県病院対応ミス」 宮崎地裁、県の過失一部認める」(2017年1月26日)は,次のとおり報じました.


「全身やけどを負った息子=当時(29)=が亡くなったのは、県立宮崎病院の対応が原因として、福岡市に住む両親が県に約9400万円の損害賠償を求めた訴訟の判決は25日、宮崎地裁であった。五十嵐章裕裁判長は病院側の過失を一部認め、両親へ220万円支払うよう命じた。」


報道の件は,私が担当したものではありません.
裁判所は,200万円の慰謝料と20万円の弁護士費用を認めたのでしょう.
この金額から判断すると,早期に手術体制が整った医療機関に転送する義務を怠ったことは認め,救命との因果関係を認めなかったのでしょう.


谷直樹

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by medical-law | 2017-01-27 06:53 | 医療事故・医療裁判