弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2017年 06月 13日 ( 2 )

滋賀県立成人病センター,医師が器具を使う場所を誤り患者の脊髄を損傷した事案で和解(報道)

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読売新聞「滋賀県立成人病センターで手術ミス、県が賠償へ」(2017年6月13日)は,次のとおり報じました.

「滋賀県立成人病センター(滋賀県守山市)で2014年12月、県内の男性患者(67)に行われた首の手術で、脊髄を損傷するミスがあったことがわかった。男性は右半身まひなどの後遺症で身体障害2級の認定を受け、県は2000万円の損害賠償を行うことで合意。近く関連議案を県議会に提案する。

 男性や同センターによると、男性は右手指のしびれを訴え、同年10月に受診。脊髄を圧迫していた骨を取り除く手術を受けた。骨を削る際、男性医師が器具を使う場所を誤り、脊髄を損傷。男性は箸が持てないなど右半身の運動障害や左半身の知覚障害が起こり、約4か月間、入院した。退院後も障害が残り、別の病院でリハビリ治療を続けている。

 男性は16年12月、県に6568万円の損害賠償を求める民事調停を大津簡裁に申し立てたが、今月に和解することで合意した。」


京都新聞「頸椎手術で事故、障害残り賠償へ 滋賀成人病センター」(2013年6月13日)は,次のとおり報じました.

「男性は右手指のしびれを訴え、整形外科の男性医師が2014年12月に首を切開して脊髄への圧迫を取り除く「頸椎椎弓(ついきゅう)形成術」を行った。手術後まひが起こり、調査の結果、脊髄を守る骨「椎弓」が手術中に折れ、首の骨と筋肉をはがす器具が脊髄を損傷させた可能性が高いと判断した。
 男性は現在、歩けるものの右半身がまひで不自由な状態になり、左半身にも温度や痛みに対する知覚障害が残ったという。県は男性らに謝罪し、民事調停を通じて2千万円の支払いに合意することを決めた。20日に始まる6月定例会議に関連議案を提案する。
 同センターは会見で同様の手術は別の手法で行うなど再発防止策を説明。医師は手術を行わない部署に異動したという。」


報道の件は私が担当したものではありません.
右手指のしびれは,頚椎症性神経根症でしょうか.頚椎症性神経根症だとすれば,姿勢,老化に伴う一般的な疾患で,多少の症状では手術をしないことも多いのですが.
報道によれば,除圧の過程で,椎弓が手術中に折れ脊髄を損傷したということですが.それなら,注意義務違反(過失)は明らかでしょう.
なお,医療過誤について,東京では簡裁の調停は使いませんが(弁護士会の医療ADRのほうが使い勝手がよいので),東京以外の地域ではこのように簡裁の調停を用いることもあるようです.

谷直樹

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by medical-law | 2017-06-13 18:19 | 医療事故・医療裁判

京田辺市の「ふるき産婦人科」の産科麻酔過誤訴訟が2件!(報道)

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朝日新聞「無痛分娩の麻酔で母子に障害 京都の医院、別件でも訴訟」(2017年6月12日)は,次のとおり報じました.

「医院は京都府京田辺市の「ふるき産婦人科」。女性と家族は昨年12月、医院に損害賠償を求める訴えを京都地裁に起こした。

 訴状などによると、ロシア国籍で大学准教授だった女性(40)は無痛分娩のため、背中に細い管を差し込んで麻酔薬を注入する「硬膜外麻酔」をした後、意識を失い、心肺停止になった。別の病院へ運ばれたものの今も女性は寝たきりの状態。搬送先の病院で緊急帝王切開で生まれた女児は重い脳性まひとなった。女性側は医師が麻酔の針を本来と違う部分に過って入れたことで、呼吸などが出来なくなる「全脊椎(せきつい)麻酔」になったと主張。麻酔薬の過剰投与もあったとしている。

 出産時に赤ちゃんが重い脳性まひになった場合に一時金などを払う産科医療補償制度の原因分析報告書も「硬膜外麻酔に起因する全脊椎麻酔によるものである可能性が最も高い」と指摘している。医師は産婦人科医の院長1人だった。医院は「取材に応じられない」としている。

 ロシアの医師である女性の母親(62)は「ただ一人の産婦人科医しか働いていないような個人病院で出産することの危険性を警告したい。出産は複数の医師がいる体制のあるところですべきだ」などとする文書を代理人を通じて出した。

 この医院では昨年5月に別の女性(38)が帝王切開の手術の際、硬膜外麻酔の後に呼吸などが出来なくなり、母子ともに重い障害を負ったとして、家族らが医院を相手に京都地裁に提訴。訴状によると、この件でも麻酔の針が本来と違う部分に入ったことが原因と主張している。医院側は争う姿勢を示している。(合田禄)」


私は産科麻酔事故を担当したことが複数回ありますが,報道の件は,私が担当したものではありません.
同じ医師で産科麻酔の裁判は2件というのは,そうあるものではありません.
このような事案で,医師が争っているというのは,どういうことなのでしょうか.

谷直樹法律事務所では,「無痛分娩事故調査」を調査手数料10万円+消費税と実費預り金10万円(余剰金は返金します)で行っています.日本産科麻酔科学会の産科医師1名にカルテ・分娩監視装置の記録を検討いただき,専門的医師としての意見を聞きます。調査依頼から調査報告まで原則60日以内です.
全国対応いたします.

谷直樹

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by medical-law | 2017-06-13 11:43 | 医療事故・医療裁判