弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2017年 06月 25日 ( 2 )

勝村久司氏「『無痛分娩』で妊婦や家族が知らない重大リスク」

全国薬害被害者団体連絡協議会副代表世話人勝村久司氏の「『無痛分娩』で妊婦や家族が知らない重大リスク」がダイヤモンドオンラインに掲載されています.
勝村久司氏は次のとおり述べています.
「無痛分娩で、母親が死亡する事故が相次いで報道されています。
事故の原因は大きく分けて二つです。一つは、「麻酔」による事故。もう一つは、無痛分娩で使用されることが多い「子宮収縮薬(陣痛誘発剤・陣痛促進剤)」による事故です。
 共通しているのは、従来からリスクの高さが指摘されているそれら二つの医療介入をするにもかかわらず、(1)十分な体制がとられていない、(2)十分な監視がされていない、(3)急変時に適切な対応ができていない、そして、(4)麻酔や子宮収縮薬のリスクを妊婦や家族に十分に説明していない、という四つの点です。子宮収縮薬に関しては使用すること自体の説明さえなされていないケースもあります。・・・」


子宮収縮剤によった意見で,私の意見とは違いますが,ご一読をお奨めいたします.
陣痛促進剤の適切な使用が出来ていないための事故が多いですが,陣痛促進剤そのもののリスクによる合併症と考えられるものは少ないと思います.無痛分娩が陣痛誘発とセットではありませんし,また陣痛誘発剤を投与して日中の分娩を企図する施設では,そもそも日中でも十分な体制がとれていない場合があり,不十分な体制で無痛分娩を行い,高位麻酔に適切に対処できないことが事故を発生させていると思います.
薬や医療技術に問題があるのではなく,ルールを逸脱した用い方をする一部の医師に問題があると思います.

谷直樹法律事務所では,「無痛分娩事故調査」を調査手数料10万円+消費税と実費預り金10万円(余剰金は返金します)で行っています.日本産科麻酔科学会の産科医師1名にカルテ・分娩監視装置の記録を検討いただき,専門的医師としての意見を聞きます。調査依頼から調査報告まで原則60日以内です.
全国対応いたします.

谷直樹

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by medical-law | 2017-06-25 17:56 | 無痛分娩事故

公立西知多総合病院,検体を取り違え胃潰瘍の患者の胃を切除し胃がんの患者を退院させる(報道)

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毎日新聞「がん誤認で胃切除 潰瘍患者検体取り違え」(2017年6月21日)は次のとおり報じました.

「愛知県東海市の公立西知多総合病院で、胃がんと胃潰瘍の男性患者2人の病理検査の検体を取り違え、胃潰瘍だった50代患者の胃を誤って切除し、胃がんだった80代患者をそのまま退院させていたことが分かった。浅野昌彦院長らが21日、記者会見して謝罪した。

 50代患者は通院治療中、80代患者はその後救急で入院し、さらに転院して治療を受けているという。

 同病院によると、今年4月上旬、2人は同じ日に胃の細胞を内視鏡で採取され、翌日、病院内で細胞を詳しく調べる病理検査が行われた。その結果、50代患者は胃がんと診断され、5月下旬に胃の3分の2を切除する手術を受けたが、切除した胃にがん細胞はなく、再検査でも見つからなかった。このため、院内医療事故調査委を開いて調べた結果、同じ日に採取された80代患者の細胞と取り違えていたことが判明した。

 細胞検体はそれぞれ白いプラスチック容器に納め、患者の名前や番号を記した瓶に入れて保存していたが、検査のため緑色の別の容器に移そうと瓶の中の容器を出した際、作業用のトレーの上に他の患者の瓶や容器があり、臨床検査科の職員が移し誤ったという。白い容器には患者名や番号の記載はなかった。

 同病院は患者と家族に謝罪し、検体の取り扱い方法を改めるなど再発防止策を示した。浅野院長は「患者や家族には誠心誠意、対応する。今後、事故がないよう一層努力していく」と謝罪した。【林幹洋】」


朝日新聞「生検検体取り違え不要な患者の胃切除 愛知の病院」(2017年6月22日)は次のとおり報じました.

「病院は原因として、病理部門で複数患者の検体と患者別の病理検査用のカセットを同じトレーで運んでいたことや、生検カセットに患者別のID表示などがなかったことを挙げた。マニュアルに基づいた作業だったという。浅野昌彦院長は「トレーに複数の検体があること自体にリスクがあり、もっと早期に改めるべきだった。個人のミスというより、病院全体の運用の問題。深くおわびする」と述べた。再発防止策を実施したという。」

これは私が担当したものではありません.
検体の取り違えは他の病院でも時々起き報道されています.
作業を同時並行で進めるのは,効率的ですが,取り違えの危険があります.
表示がないと取り違えの危険があります.
取り違えが起きない体制にすることが重要です.

谷直樹

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by medical-law | 2017-06-25 01:39 | 医療事故・医療裁判