弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2017年 08月 06日 ( 1 )

日本産婦人科医会,無痛分娩事故を受け,出血や麻酔合併症などに適切に対応できる体制整備提言へ

NHK「無痛分べん「体制整えて実施すべき」 日本産婦人科医会が提言」(8月5日)は,次のとおり報じました.

「出産中の女性が死亡した事例などを検証して防止策を検討する日本産婦人科医会のことしの提言がまとまり、麻酔を使って陣痛を和らげる「無痛分べん」の事故が初めて取り上げられ、麻酔による合併症などに適切に対応できる体制を整えて実施すべきだとする見解を示しました。

全国の産婦人科の医師でつくる日本産婦人科医会は、全国で起きた出産前後の女性が死亡した事例を検証し、毎年、防止策を提言していて、5日、大阪・吹田市で会合を開いてことしの提言をまとめました。

この中で、「無痛分べん」による出産で妊婦に麻酔したところ、中毒症状と見られるけいれんが起き、急きょ、帝王切開を行いましたが、呼吸困難になって死亡した事例を取り上げました。

そして、無痛分べんは麻酔による中毒症状や麻酔が全身に効いて呼吸が止まってしまうなどの合併症が起きると命に関わる事態になることから、実施する際には麻酔による合併症などに適切に対応できる体制を整えるべきだとする提言を初めて盛り込みました。

また、無痛分べんの場合、陣痛を促す薬の投与や、赤ちゃんを器具で引っ張る措置の過程で、妊婦の出血量が増える危険性もあり、素早く適切に対応する体制も求めています。

日本産婦人科医会の石渡勇常務理事は「無痛分べんは、通常の分べんとは異なる安全管理が求められ、認識を新たにして体制を整えてもらいたい」と話しています。この提言は冊子にして今月にも医療機関向けに配布されることになっています。」


朝日新聞「無痛分娩を安全に 日本産婦人科医会、体制整備を提言へ」(2017年8月6日)は,次のとおり報じました.

「日本産婦人科医会は、無痛分娩(ぶんべん)を実施する医療機関に対し、出血や麻酔合併症などに適切に対応できる体制整備をするよう提言することを決めた。同医会が毎年まとめる、産婦人科医らに向けた妊産婦の安全なお産に関する提言に盛り込む。提言で無痛分娩に言及するのは初めて。8月末までに正式にまとめる予定。

 大阪府吹田市で5日に開かれた、同医会に全国から報告される妊産婦の死亡事例について検討する委員会の会合で提言について話し合った。提言案では、無痛分娩は陣痛促進剤(子宮収縮薬)や器具を使って赤ちゃんを引き出す方法が必要となることが多く、通常の出産とは異なる管理が必要だと指摘。麻酔薬を使うことによる局所麻酔薬中毒など、まれではあるが起こりうる命に関わる合併症に適切に対応できる体制が必要だとした。

 お産全体の中で無痛分娩の事故率が高いというデータはない。ただ、大阪、兵庫、京都などで妊産婦の事故が報告されたため、提言の中で安全策の重要性に言及することにした。同医会の石渡勇常務理事は、「異常が発生した時にすぐに蘇生できる体制を整えておくことや、助産師や看護師らも必要な留意点を普段から把握しておくことが必要だ」と話している。(佐藤建仁)」


医会から提言がされると,医療機関の体制も変わらざるをえないと思います.
日本産婦人科医会が,無痛分娩事故について,迅速に対応していることを評価したいと思います.


谷直樹

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by medical-law | 2017-08-06 13:04 | 無痛分娩事故