弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2017年 10月 19日 ( 1 )

公益社団法人全国自治体病院協議会,「医師の働き方改革に関する緊急要望」提出

公益社団法人全国自治体病院協議会は,2017年10月18日,「医師の働き方改革に関する緊急要望」を厚生労働省に提出しました.緊急要望は次の4点です.

「1 医師の「応召義務」と「労働量規制」との関係について、十分な議論と整理が不可欠であること。

2 医師の労働の特殊性として、実際の業務時間と使用者の指示によらない自己研鑽時間が混在しており、その明確な区分が困難であること。一定時間を除斥することも方法論として考えられるのではないか。

3 時間外労働規制を医師の診療科偏在、地域偏在、病院機能の違い等を考慮せずに適用すれば、救急医療、周産期医療、休日夜間診療など地域医療に大きな負の影響が生じる。医師の労働量の議論のみならず、医師の需給バランスからの議論も同時進行させていく必要があり、現状では、時間外労働規制の課題をクリアするための医師等の増員は、実現が困難であること。

4 医師の勤務負担軽減を図るための一つの例として、一人主治医制を見直すことが考えられるが、その実現には社会全体、つまり国民や患者、家族の理解の浸透が不可欠であること。このためには、義務教育等で医療に関する項目を増やし、水や空気のように考えられている国民皆保険の危機的現状の認識の共有が必要である。」

「今回の医師の働き方改革の検討を踏まえ、会員病院に対するアンケート調査(医師の時間外労働の実態や罰則付き時間外労働規制が適用される場合の診療体制への影響等)を実施したところ、病床規模に比例して医師の時間外勤務が長期化する実態等や医師の地域偏在、診療科偏在の問題解決が先送りされたままでの規制の適用は、医療提供体制の縮小等による患者サービスの低下など地域医療の崩壊を招く可能性を危惧する声が多く寄せられております。」
とのことです.
要するに,医師の偏在等の問題を解決しないで,労働基準法を守ると,医療提供体制が縮小してしまうということです.

谷直樹

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by medical-law | 2017-10-19 08:16 | 医療