弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2017年 11月 01日 ( 1 )

京田辺市の産婦人科医院の院長不起訴の事情

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京都新聞「院長不起訴「納得できない」 無痛分娩事故の夫会見」(2017年10月30日)は,次のとおり報じました.

「記者会見した夫と代理人弁護士によると、地検から「管が硬膜を破っていないかどうかの確認手順は業界内で義務化されておらず、麻酔の効果も人によって幅があるため過失とは言い切れない」との説明があったという。
 夫は「安全な麻酔方法は義務化されていないが、学会はその現状を変え、無痛分娩の希望者に、より安全にお産の機会を提供する流れになっている。今回の不起訴処分でその流れが阻害されないことを願う」と訴えた。時効が迫っているため、検察審査会への申し立てはしない方針という。
 無痛分娩を巡っては、大阪府和泉市の産婦人科医院で妊婦が死亡し、大阪府警が院長を書類送検するなど安全性の問題が全国で表面化している。今回の事故では、夫らは昨年末、医院に約9億4千万円の損害賠償を求めて提訴。同じ医院で麻酔事故が他にも発覚したことを受け、公訴時効(5年)が11月上旬に迫るなか、8月に刑事告訴した。
 地検は不起訴の理由について「過失を認定するに足りる十分な証拠の収集には至らなかった」とした。医療過誤事件は一般的に長い捜査期間が必要とされる。ある捜査関係者は「せめて半年、1年と時間がほしかった」と漏らした。」



報道の件は私が担当している事件ではありません.(私が担当しているのは神戸市西区のクリニックの無痛分娩事故の件です.)
医療刑事事件は,一般にハードルが高いのですが,捜査期間はどんなに少なくとも6か月は必要です.
なお,「管が硬膜を破っていないかどうかの確認手順は業界内で義務化されておらず」の部分は不正確です.ガイドライン等に記載されていない,というべきでしょう.注意義務としては観察義務が肯定されています.

菊の花言葉は「高潔」です.

谷直樹

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by medical-law | 2017-11-01 09:42 | 無痛分娩事故