弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2017年 11月 29日 ( 2 )

市立豊橋市民病院,ワイヤを患者の体内に残すミスがあり5日後に急性心筋梗塞で死亡した事案で調停成立

共同通信「手術で体内にワイヤ、愛知・豊橋 5日後死亡、遺族に賠償へ」(2017年11月27日)は,次のとおり報じました.

「愛知県豊橋市は27日、市立豊橋市民病院で2011年12月、狭心症の手術で誤って切断したワイヤ(太さ0.35ミリ)を男性患者=当時(65)=の体内に残すミスがあり、男性は手術5日後に急性心筋梗塞で死亡したと発表した。市は、医療ミスが死亡に影響した可能性があるとして、遺族に賠償金約913万円を支払う議案を12月議会に提出する。

 市によると、ミスがあったのは冠動脈内の石灰化した部分をドリルで削るカテーテル手術。

 男性の遺族が今年7月、名古屋簡裁に損害賠償を求めて調停を申し立てた。遺族側と病院側の弁護士が協議して決めた。」


報道の件は,私が担当したものではありません.
狭心症の手術で切断したワイヤ(太さ0.35ミリ)を体内に残したことは,注意義務違反(過失)にあたります.
この注意義務違反(過失)と5日後の心筋梗塞による死亡とに因果関係があるか否かが問題ですが,双方が歩み寄って中間的解決に至った事案と考えられます.
注意義務違反(過失)が明らかで,争点が因果関係のみの事案は,中間的解決にになじむ事案だと思います.

谷直樹

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by medical-law | 2017-11-29 13:00 | 医療事故・医療裁判

小牧市民病院,胸部CT検査で肺がんも疑われたが告知せず,呼吸器内科への紹介を失念

毎日新聞「小牧市民病院 告知忘れ 300万円賠償 肺がん治療遅らせ」(2017年11月25日)は,次のとおり報じました. 

「小牧市民病院は24日、心臓病で救急搬送された春日井市の80代男性がCT(コンピューター断層撮影)検査で肺がんも疑われたのに、心臓の治療だけで退院させ、肺がん治療の開始を遅らせたと発表した。市は、男性に賠償金300万円を支払う議案を12月の定例市議会に提出する。

 病院によると、男性は3月1日に搬送され、胸部CT検査で心筋梗塞(こうそく)と診断された。左肺に白い影があり肺がんも疑われたが、循環器内科の男性医師は心臓治療を優先した。患者は肺がんの説明を受けないまま18日に退院した。

 その後、近くの医院で撮影したX線写真で肺がんの疑いを指摘され、小牧市民病院を再受診したところ腫瘍が見つかり5月23日から治療を開始した。現在、ステージ4で別の病院に入院中という。

 当初のCT検査について、循環器内科の医師は「心筋梗塞の治療を優先し、退院時も呼吸器内科への紹介を忘れてしまった」と話しているという。

 谷口健次院長は「心からおわびする。安心して治療を受けられるよう再発防止に努める」とコメントした。【花井武人】」



報道の件は,私が担当したものではありません.
X線写真で肺がんの早期発見は無理ですが,胸部CT検査では肺がんではないものも拾い上げてしまいますが,肺がんの早期発見が可能です.
左肺に白い影があり肺がんが疑われた以上,,患者に伝え,呼吸器内科を紹介する義務があると思います
医師は,自分の専門の疾患の診断,治療のみならず,自分専門外の疾患が疑われる場合,その専門医師の診療につなげることも大事な仕事です.

谷直樹

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by medical-law | 2017-11-29 09:49 | 医療事故・医療裁判