弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2018年 02月 11日 ( 1 )

「無用の人 Birthday Surprise」(『あなたは、誰かの大切な人』より)

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「一般的には何の価値もなく,無用扱いされているものであっても,自分にとっておもしろいものであれば,それはおもしろいものである。まさにアートとはそういうものなのだ。」

千葉県佐倉市内の美術館に勤務する学芸員羽島聡美のもとに,50歳の誕生日に,亡き父羽島正三からの封筒が届きます.
マーク・ロスコの抽象画《シーグラム壁画》が展示されていることから,これがDIC川村記念美術館であることが分かります.ロスコの窓枠ないしはドア枠のような抽象画(文庫本表紙はその画の部分)が伏線となっています.

正三は,無用扱いされ,疎んじられてきた人生をおくってきた人でした.
封筒には鍵が1つ入っているだけ.
聡美は西早稲田の老朽化したアパートの一室を開けます.
密かに,うつくしいものを愛でる心をもち,それを誰にも伝えず,静かに死んでいった人が残したものが明かされます.

原田マハさんの短編のなかでもとくに好きな1編です.

谷直樹

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by medical-law | 2018-02-11 03:10 | 趣味