弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

カテゴリ:医療( 754 )

厚労省、大学病院院長の意向選挙禁止へ(報道)

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毎日新聞「大学病院 院長選挙、禁止へ 厚労省、改正法案 派閥争い「患者不在」(2017年3月4日)は、次のとおり報じました. 

「厚生労働省は、全国の大学病院の院長選出に関し、教授会などでの選挙を禁止する方針を決めた。学内での派閥争いが影響して医療の安全確保に指導力を発揮できる人材が登用されていないと判断した。外部有識者らによる選考委員会を設けるなど選考過程の透明化の義務づけを盛り込んだ医療法改正案を今国会に提出し、2017年度中にも施行する。

 大学医学部の人事の多くは教授会の選挙で決まる慣例で、山崎豊子さんの小説「白い巨塔」(1965年刊行)で描かれたように、かつては金銭での買収工作など激しい権力争いがあったとされる。院長の任命権は本来、学長にあるが、追認するだけになっている。」


塩崎厚労相は、本気のようです.


谷直樹

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by medical-law | 2017-03-05 00:59 | 医療

名古屋市が全国市長会予防接種事故賠償補償保険で子宮頸がんワクチン後の3級相当の障害を補償

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朝日新聞「子宮頸がんワクチン後に身体障害、名古屋市が初の補償」(2017年2月28日)は次のとおり報じました.

 「名古屋市は、子宮頸(けい)がんワクチンの接種後に体の障害を訴えた女性1人について、2160万円を支払うことを決めた。2016年度補正予算案に補償費を計上し、開会中の2月市議会に提出した。

 この女性は10~11年度、市の助成を受け任意の予防接種を3回受け、予防接種法に定める身体障害3級相当の障害が残ったという。このほか数人が補償を求めているという。

 市が加入する全国市長会予防接種事故賠償補償保険制度を利用する。予防接種と健康被害との因果関係が認められた場合、国や製薬会社の過失の有無に関わらず金銭的な補償をする制度。名古屋市がこの制度を使って救済するのは初めて。市によると、広島市、宮崎市に同様の支給例があるという。」


ということは,ワクチン接種と障害との間に因果関係があるということなのですね.
名古屋市のサイトには,「子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業による予防接種の健康被害救済について」と「名古屋市の加入する保険による救済制度」が掲載されています.
全国市長会予防接種事故賠償補償保険は,死亡保障保険金4,220万円,障害補償保険金障害等級1級 4,220万円,障害等級2級2,809万8千円, 障害等級3級2,145万1千円です.
一般的に,市の事業による予防接種については,市が加入している全国市長会予防接種事故賠償補償保険(市予防接種事故災害補償規程)が使えます.独立行政法人医薬品医療機器総合機構による救済制度と併せて給付を受けることができます.

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by medical-law | 2017-03-04 13:00 | 医療

厚労省,埼玉メディカルクリニックに再生医療等の安全性の確保等に関する法律に基づく緊急命令

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厚労省は,平成29年2月20日,「再生医療等の安全性の確保等に関する法律に基づく緊急命令について」を発表しました.

厚労省は,平成29年2月17日,「埼玉メディカルクリニック」(埼玉県所沢市)に,再生医療等の安全性の確保等に関する法律第24条第2項に基づく立入検査を行ったところ,同法第4条1項違反が確認され,保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するため必要があると判断したため,2月20日付けで同法第22条に基づき,再生医療等の提供の一時停止を命じました,とのことです.


【確認された法律違反】
「埼玉メディカルクリニック」
・第一種再生医療等提供計画を提出せず、アンチエイジング等の目的で他人の臍帯血を用いた第一種再生医療等を提供していたこと(法第4条第1項違反)」


第4条は以下のとおりです.
「第四条  再生医療等を提供しようとする病院又は診療所(医療法第五条第一項 に規定する医師又は歯科医師の住所を含む。第三号を除き、以下同じ。)の管理者(同項 に規定する医師又は歯科医師を含む。以下この章及び次章において同じ。)は、厚生労働省令で定めるところにより、あらかじめ、第一種再生医療等、第二種再生医療等及び第三種再生医療等のそれぞれにつき厚生労働省令で定める再生医療等の区分ごとに、次に掲げる事項(第二号に掲げる再生医療等が第三種再生医療等である場合にあっては、第三号に掲げる事項を除く。)を記載した再生医療等の提供に関する計画(以下「再生医療等提供計画」という。)を厚生労働大臣に提出しなければならない。
一  当該病院又は診療所の名称及び住所並びに当該管理者の氏名
二  提供しようとする再生医療等及びその内容
三  前号に掲げる再生医療等について当該病院又は診療所の有する人員及び構造設備その他の施設
四  第二号に掲げる再生医療等に用いる細胞の入手の方法並びに当該再生医療等に用いる特定細胞加工物の製造及び品質管理の方法(特定細胞加工物の製造を委託する場合にあっては、委託先の名称及び委託の内容)
五  前二号に掲げるもののほか、第二号に掲げる再生医療等に用いる再生医療等技術の安全性の確保等に関する措置
六  第二号に掲げる再生医療等に用いる細胞を提供する者及び当該再生医療等(研究として行われる場合その他の厚生労働省令で定める場合に係るものに限る。)を受ける者に対する健康被害の補償の方法
七  第二号に掲げる再生医療等について第二十六条第一項各号に掲げる業務を行う認定再生医療等委員会(同条第五項第二号に規定する認定再生医療等委員会をいう。以下この章において同じ。)の名称及び委員の構成
八  その他厚生労働省令で定める事項
2  再生医療等を提供しようとする病院又は診療所の管理者は、前項の規定により再生医療等提供計画を提出しようとするときは、当該再生医療等提供計画が再生医療等提供基準に適合しているかどうかについて、あらかじめ、当該再生医療等提供計画に記載される認定再生医療等委員会の意見を聴かなければならない。
3  第一項の再生医療等提供計画には、次に掲げる書類を添付しなければならない。
一  再生医療等提供計画に記載された認定再生医療等委員会が述べた第二十六条第一項第一号の意見の内容を記載した書類
二  その他厚生労働省令で定める書類」




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by medical-law | 2017-02-23 08:06 | 医療

麻酔科医の犯罪

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特定の病院に所属していない非常勤の麻酔医が,2月3日,手術中に自分の腕に注射しているところを看護師が目撃し,院長が通報し,警察官が駆けつけた際,麻酔科医はもうろうとした状態で,バッグからはフェンタニルを含む液体を入れた注射器が見つかったと報じられています.

TBS 「手術中に麻酔薬抜き取った疑い、医師逮捕」(2017年2月20日)は,次のとおり報じました.

「「容疑を認めたうえで「20回くらい自分に投与した」「ストレス解消のためだった」などと話しているということです。」

麻酔科医が麻薬を自己使用した事件は過去にも何度も報道されており,死亡事故も複数報道されています.
外科医がチームで手術を行うのとは対照的に,麻酔科医は手術室で1人孤独に仕事をこなします.とくに容疑者はフリーの麻酔科医でしたのでいっそう孤独だったのでしょう.麻酔科医のストレス度を調べ,早期に対処する仕組みが必要でしょう. 


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by medical-law | 2017-02-20 20:31 | 医療

虚偽公文書作成などの容疑で京都府立医科大学附属病院を家宅捜査(報道)

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山口組系暴力団組長の生体腎移植手術執刀医の京都府立医科大学附属病院の吉村了勇院長(移植一般外科)や担当医が重症化の恐れを指摘して「拘禁に耐えられない」とする意見書を作成し,2015年8月に大阪高検に提出した件について,虚偽の意見書や診断書を作った疑いがあるとして京都府立医科大学附属病院が家宅捜査されました.
この手術には,京都府立医科大学の吉川敏一学長(消化器内科)が立ち会っていたとのことです.
報道によると,手術は,周囲の医師らの反対を押し切る形で病院幹部の判断で行うことが決まったとのことです.
また,医療法人財団康生会武田病院の医師についても、組長が重度の心臓病にかかっているとした虚偽内容の意見書を作った疑いで,京都府警が近く同病院を強制捜査するとも報じられました.

朝日新聞「組長の虚偽意見書、別の病院も作成か 京都府立医大事件」(2017年2月15日)
毎日新聞「組長収監逃れ 京都府立医大の学長が手術立ち会い」(2017年2月15日)

刑法第156条は,「 公務員が、その職務に関し、行使の目的で、虚偽の文書若しくは図画を作成し、又は文書若しくは図画を変造したときは、印章又は署名の有無により区別して、前2条の例による。」
刑法第160条は,「医師が公務所に提出すべき診断書、検案書又は死亡証書に虚偽の記載をしたときは、3年以下の禁錮又は30万円以下の罰金に処する。」と定めています.
つまり,公務員である医師が虚偽の診断書等を作成したときは,1年以上10年以下の懲役で,公務員である医師が虚偽の診断書等を作成したときは3年以下の禁錮又は30万円以下の罰金に処せられます.

虚偽診断書等作成罪(刑法160条)の「虚偽の記載」とは,客観的な真実に反する内容の記載をすることです。医師の裁量という言い訳は通用しません.刑務所収容に耐えうるか否かは,客観的な検査結果,身体所見により判断されますので,客観的な検査結果,身体所見によって刑務所収容に耐えられないことが言えないと,「虚偽」と判断されるでしょう.実際に受刑者が刑務所に収容されて健康状態に問題が生じなければ,「刑務所収容に耐えうること」が立証されたことになり,診断の時点と刑務所に収容された時点が近接していれば,診断の時点でも刑務所収容に耐えうる状態であったことが推定されるでしょう.
客観的な真実に反する内容を,もし医師が主観的には真実に合致すると考えて診断書を作成した場合は,「故意」が問題になります。「故意」の認定は客観的事実から推認されます.ナイフで心臓を深く刺しておきながら殺すつもりはなかったという言い訳が通用しないように,明らかに客観的な真実に反する,根拠のない内容を記載しておきながら真実に合致すると考えたという言い訳は裁判では通用しません.
客観的真実に反する記載がなされたこと(行為),真実に反する内容であることをその医師が認識認容していること(故意)が要件ですが,本件が起訴まですすむのか,公判でそのことが立証できるのか,注目したいと思います.

日本経済新聞「組幹部収監逃れ「虚偽書類、院長が指示」 京都府立医大担当医」(2017年2月15日)は次のとおり報じました.
「組長の担当医が昨年、京都府警の任意の事情聴取に「病院長からの指示で虚偽の書類を書いた」と供述したことが14日、捜査関係者などへの取材で分かった。」

【追記】
NHK「京都府立医大病院 暴力団との関係指摘の学長に辞任勧告決定」(2017年2月24日)は,次のとおり報じました.

「大学の吉川敏一学長は、高山総長と飲食店で会っていたことが明らかになり、大学は23日、教員の人事などを審議する学内の評議会を開き、対応を協議しました。

関係者によりますと、委員からは、吉川学長が現在学長としての職務を行っていないという指摘や、反社会的勢力との関係を問題視する意見が出され、協議の結果、吉川学長に対し、副学長名で辞任を勧告することを出席者の全会一致で決めたということです。

勧告は弁護士を通じて吉川学長に伝え、来週前半までに回答を求め、辞任しない場合や回答がない場合は評議会として、学長を解任する権限がある学長選考会議に解任を請求することも決めたということです。吉川学長は「高山総長とは飲食店で偶然、2回ほど会った」とするコメントを出し、親密な関係を否定していて、今後の対応が注目されます。」




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by medical-law | 2017-02-15 10:19 | 医療

第8次医療法改正案~助産所の管理者に対する,妊産婦の異常の対応等に関する説明の義務化

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第50回社会保障審議会医療部会(2017 年1月18日)の第8次医療法改正案についての意見のとりまとめに基づき,厚生労働省は今通常国会に改正法案を提出すると報じられています.
とくに注目したいのは,助産所の管理者に対する,妊産婦の異常の対応等に関する説明の義務化です.


資料2によると,現状は,次のとおりです.


「○分べんにおける急変時に助産所から医師・医療機関への連絡がなかったことにより、母児が死亡するケースが発生。
○また、助産師会の調査により、妊婦に対して、妊娠中に起こりうる異常・合併症、医療機関との連携(転院、搬送の可能性)等の出産リスクに関する事前の説明文書の作成が十分に行われていない現状が明らかとなった。
○例えば、
・妊娠中に起こりうる異常、合併症について文書を作成している助産所が半分程度
・医療機関との連携(転院、搬送の可能性)について文書を作成している助産所が7割弱
となっている。」



そこで制度改正のポイントは,次のとおりです.


「○妊産婦の更なる安全の確保のため、助産所の管理者に対して、妊産婦の異常に対応する医療機関名等について、担当助産師が妊産婦へ書面で説明することを義務付ける。」


助産所での事故を複数取り扱っていますが,本当に妊婦に対して、妊娠中に起こりうる異常・合併症、医療機関との連携(転院、搬送の可能性)等の出産リスクに関する事前の説明がない現状を痛感します.


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by medical-law | 2017-01-25 06:31 | 医療

医療社会法人愛仁会が1万4千人余から余分な血液を採取し,その人数を過少に報告(報道)

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社会医療法人愛仁会(大阪市)が,大阪市,枚方市,尼崎市等から受託した特定健康診査(健診)の採血検査の際,貧血用の検査用の2ccの採血を,貧血検査を行わない人からも採血していたと報じられています.

「大阪市は20日、市の集団健診を委託した社会医療法人愛仁会の総合健康センター(大阪府高槻市)が、受診者延べ1万1479人に対し、必要のない貧血検査用の追加採血を本人に無断で行っていたと発表した。大阪市以外の自治体でも同様の事例があるといい、同法人が調べている。」西日本新聞

「本来、貧血検査用の採血は医師が必要と判断した受診者に限り、説明の上、通常の血液検査の際に追加で行う。だが健診担当者が採血漏れを恐れ、必要の有無にかかわらず受診者全員に追加採血をするよう業務マニュアルを書き換えていた。」産経新聞

「昨年11月に大阪市に通報があり、法人の内部調査で判明した。しかし、センター所長ら幹部は昨年12月、「影響が大きい」と、大阪市に余分な採血を過少に報告した。」朝日新聞

追加採血すべき人について追加採血をしないことがミスであると同様に,追加採血すべきでない人について追加採血することもミスです.全員について追加採血を行うと前者のミスは防止できますが,後者のミスが大量に発生します.これは,小学生でもわかることでしょう.どうして,大量のミスが発生するほうを選択したのでしょうか.追加採血には手間と時間がかり,費用も余分にかかります.誰の得にもならない方法をどうして選択したのでしょうか.
また,影響が大きい,つまり重大問題であるとの認識がありながら,虚偽の報告を行ったのはどうしてでしょうか.虚偽がわからないと思ったとすれば,あまりにも短見無思慮でしょう.
報道の件は,余分な血液が廃棄されたとのことですが,個人情報を集めるなど別な目的で採血されたら怖いことです.


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by medical-law | 2017-01-24 21:43 | 医療

「がん診療連携拠点病院等の指定に関する検討会」で樹状細胞等のがんワクチン療法が問題になる(報道)

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樹状細胞ワクチン療法等の科学的根拠の弱い治療法を実施する医療施設があります.
大病院の医師から先端医療として奨められれば,患者,患者の家族は,科学的根拠の弱い治療法についても効果が期待できるものと誤信し,高額な治療費のかかるエビデンスの弱い(効果が期待できない)治療を受けてしまうことも少なくありません.その結果,患者が財産を失う場合もあり,問題になっています.


1月12日の 「がん診療連携拠点病院等の指定に関する検討会」)(第12回)で,話題になり,山口建氏(静岡県立静岡がんセンター総長),若尾文彦氏(国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター長),松本陽子氏氏(NPO法人愛媛がんサポートおれんじの会)の発言が,CBニュース「がん拠点指定、エビデンス弱い治療を問題視- 厚労省検討会、一部委員の提起で論点に」(1月17日)で紹介されています.


がん診療連携拠点病院等の指定は,標準的ながん診療を早期に受けられるよう体制を整備することが目的と思いますので,今後の論点整理に期待します.


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by medical-law | 2017-01-20 02:31 | 医療

歯科医が歯を削る際に使う医療器具を交換や滅菌処理をせずに使い回すケースがある(報道)

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佐賀新聞「歯科器具使い回し 国は交換、滅菌指導 感染対策コスト、手間省く?」(2017年1月16日)は次のとおり報じました.
 
「歯を削る際に使う医療器具を、歯科医師が使い回すケースがある。佐賀県医務課によると、不十分な滅菌処理が原因で院内感染が発生した事例は報告されていないものの、患者ごとに交換や滅菌処理をするように国は通達を出している。県歯科医師会も指導しているが、コストや手間を省く現場があるようだ。

 交換や滅菌処理をせずに使い回される事例があるのは、ドリルの持ち手部分の「ハンドピース」といわれる器具。厚生労働省は2014年6月、院内感染対策の徹底を図るため、「患者ごとに交換し、オートクレーブ(高圧蒸気)滅菌をすることを強く勧める」という通達を出している。

 県西部のある歯科医師は「都市部では滅菌が常識」とした上で、県内で複数の医院に勤務した経験がある歯科衛生士や、患者の話をもとに「佐賀では滅菌されていないケースが少なくない」と問題視する。5年に1度の立ち入り検査を担当する保健福祉事務所職員の一人も「聞き取りを担当した医療機関の約半数で適切な滅菌処理をしていない」と感じている。

 国立感染症研究所(東京都)細菌第一部の泉福英信室長の研究チームが14年、佐賀県を含まない複数の県の3152歯科医療機関を対象に実施した調査では、回答した891施設のうち「患者ごとに必ず交換」と答えたのは34%。一方、「交換していない」「時々交換」は66%に上った。

 泉福室長は別の調査結果も踏まえ、適切な滅菌をしていない医療機関は相当数に上るとみている。その上で「グローバル化でさまざまな感染症が国外から入ってきており、院内感染が今後も起きないとは言い切れない」と注意を促す。

 佐賀県東部の歯科医師の一人は、使い回す理由について「コストや手間が大変だからでは」と推測する。自身の医院では、高圧蒸気や滅菌用ガスで滅菌する機器を5台導入し、ハンドピースも約40本用意しているが、「正直、経済的な負担は大きい」と明かす。

 県医務課は「適切な処理をしていない歯科医師がいることは把握してる」とした上で、「指導しても、罰則を伴うような法律や規定はなく、業界のモラルに任せるしかない」と話す。

 県歯科医師会も問題視しているものの、会員への詳しい調査は実施しておらず「正確な実態は分からない」という。ただ、院内感染を防ぐ対策を記した冊子を会員に配布したり、定期的な講習会で滅菌処理の徹底を呼び掛けたりしており、林田俊彦理事は「一層の徹底を求めたい」と話している。」



これは佐賀県に限った問題ではないでしょう.
罰則を設けないと順守されないのでしょうか.


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by medical-law | 2017-01-19 01:49 | 医療

訃報,太田富雄先生

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太田富雄先生が2016年11月27日御逝去されました.
今日が月命日です.
太田富雄先生は,京都大学医学部を御卒業し,大阪医科大学教授,退官後同名誉教授で,金芳堂の『脳神経外科学』(太田本)の編著者です.
金芳堂の『脳神経外科学改訂8版』は重厚な装丁で,しっかり読ませていただきました.
その後2冊本になり,2016年3月発行の改訂12版では3冊本になりました.
詳細で抜けがないうえに明解でタイムリーに改訂されるので,版を重ねるごとに購入し,読ませていただきました.
太田富雄先生ご本人にも何度かお会いし,懇切丁寧にご教示いただきました.
大変立派な先生でした.
謹んでご冥福をお祈りいたします.


谷直樹

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by medical-law | 2016-12-27 08:23 | 医療