弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

カテゴリ:医療( 772 )

美術観察が医学生の観察スキルを有意に向上させるとするランダム化比較試験

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医学部1年生36人を無作為に被検群と対照群に分けた調査で,フィラデルフィア美術館の専門家によって3ヶ月間にわた1.5時間の美術観察セッション6回を受けた群のほうが,対照群より観察スキルが有意に改善したと報告されています.

A Randomized Controlled Study of Art Observation Training to Improve Medical Student Ophthalmology Skills.

Observational skills, as measured by description testing, improved significantly in the training group (mean change +19.1 points) compared with the control group (mean change -13.5 points), P = 0.001. There were significant improvements in the training vs. control group for each of the test subscores. In a poststudy questionnaire, students reported applying the skills they learned in the museum in clinically meaningful ways at medical school.

谷直樹

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by medical-law | 2017-09-18 13:59 | 医療

がん治療を中止しても支払った費用を返還しない契約条項の差止訴訟でクリニックが認諾(報道)

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毎日新聞「前払い治療費契約差し止め クリニックが「認諾」 地裁支部」(2017年8月30日)は次のとおり報じました.
「がん治療を中止しても事前に支払った費用を返還しない契約条項は消費者契約法に反するとして、岡山市の適格消費者団体「消費者ネットおかやま」から契約条項の差し止めなどを求められていた花園クリニック(福山市花園町1)が29日、広島地裁福山支部(内藤寿彦裁判官)であった第1回口頭弁論で、原告の請求を受け入れる「認諾」をし、訴訟は終結した。

 同クリニックは答弁書で「法的論争をしても時間と資源の浪費で、勝訴しても特に実益がない」と理由を述べ、原告側訴訟代理人の河端武史弁護士は「主張を認めてもらい満足のいく結果。今後は履行を注意深く見守りたい」と話した。 」



山陽新聞「岡山の適格消費者団体の請求認諾 福山のクリニック 治療費契約訴訟」(2017年8月30日)は次のとおり報じました.
「がん治療を途中でやめても事前に支払った治療費を返還しないとした契約条項の差し止めを求め、NPO法人「消費者ネットおかやま」(岡山市北区奉還町)が花園クリニック(福山市花園町)を相手に起こした訴訟の第1回口頭弁論が29日、広島地裁福山支部(内藤寿彦裁判官)であった。クリニック側は請求を認める「認諾」の手続きを取り、訴訟は終結した。

 クリニックの代理人弁護士は「誤解を招く表現になっていたので、実態に合わせて直したい」としている。

 消費者ネットは、花園クリニックが特定のがん先端治療を施す際に患者と結ぶ契約には、患者が事前や途中で治療をやめても前払いした治療費百数十万円は一切返還しないとする条項があるとし「消費者の利益を一方的に害し無効だ」と主張していた。

 消費者ネットは2015年、被害者に代わって差し止め請求訴訟を起こせる全国13番目の「適格消費者団体」として国から認定された。提訴は今回が初めてで「事業者の誤りを正せたことは満足している」としている。」



適格消費者団体に訴訟が認諾で終了したことが報じられていました.
認諾で終了する訴訟はまれです.

自由診療で行われる「がん治療」の問題の一端が見えた事案です.
保険外診療,すなわち自由診療で行われる「がん治療」には問題が指摘されています.
有効性と安全性が確立した治療は「保険診療」で行われます.これに対し,エビデンスの集積が不足し,とくに有効性がはっきりしない「治療」が高額な自由診療で行われています.

消費者保護的観点から,選択に必要な適切な情報が患者に提供がなされていることが必要ですし,契約の内容も手適切なものでなければなりません.ところが,現実には,選択に必要な情報が患者に提供されす,有効性についての過誤の期待のもとに高額な治療費を支払っている例もあるように思います.

また,医学的観点からは,保険診療に組み込まれた標準的治療を受ける機会を,自由診療によって奪われることがないようにしなけれbなりません.

自由診療で行われる「がん治療」については,実態が不明なことも多くいので実態調査が必要と思いますし,上記の観点からの規制が必要と考えます.


谷直樹

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by medical-law | 2017-09-15 00:01 | 医療

全国薬害被害者団体連絡協議会などが実効性のある医薬品行政監視・評価する第三者組織の設置を求める

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薬害肝炎検証委員会の最終提言は,実効性のある医薬品行政監視・評価する第三者組織の設置を求めていました.政府もそれを約束していました.
ところが,実効性のある医薬品行政監視・評価する第三者組織設立は,監視・評価される側の反対が強く,未だに設置されていません.

毎日新聞「薬害防止 第三者組織創設 厚労相の約束、放置 被害者、実現求める」(2017年8月20日)は, 次のとおり報じました.

「第三者組織の規模や権限などで考えが一致せず法改正のめどは立っていない。
 今年7月の大臣協議でも前向きな回答がなく、原告団代表の山口美智子さん(61)は「国民の命の置き去りは許されない」と訴えたという。寺野理事長は「約束を放置したままなのは、意図的か怠慢かのいずれかだ。第三者組織の必要性は今も変わっていない」と憤る。」
 
「エイズ訴訟などを手掛けてきた医療問題弁護団顧問の鈴木利広弁護士は「振り返れば、国は被告席から一度も外れたことがない。繰り返される謝罪が政治的な判断で、官僚組織の中に反省が行き届いていない表れだ」と指摘。その上で「必要なのは対立ではなく、官民の対話による再発防止の仕組み作り」と訴える。その一つが、被害者も参加した第三者組織だという。

 全国薬害被害者団体連絡協議会などは24日、厚労省の前庭に建つ「薬害根絶誓いの碑」の前で集会を開き、第三者組織の早期設置などを訴える予定だ。」


谷直樹

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by medical-law | 2017-08-20 11:01 | 医療

歯科医師の資質向上等に関する検討会(第6回),8月31日開催

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1.日時
平成29年8月31日(木)14:00~16:00
2.場所
経済産業省別館3階312各省庁共用会議室
(東京都千代田区霞ヶ関1丁目3番1号)
傍聴申込書は厚労省サイト

ちなみに高梨滋雄先生(高梨滋雄法律事務所)も検討会構成員です.

口腔ケアは,誤嚥性肺炎の発症予防になりますので,入院患者の口腔ケアを充実させてほしいと思います.
また,周術期に口腔管理を行うことにより入院日数が減少することも知られています.口腔ケアは重要です.

高血糖は歯周病のリスクであり,歯周病はインスリンの働きを妨げますので糖尿病のリスクです.
そこで,糖尿病患者,その予備群は,定期的に歯科を受診する必要があります.


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by medical-law | 2017-08-16 23:52 | 医療

自殺した産婦人科研修医の労災認定を受け,学会・医会が産婦人科勤務医の勤務環境改善を求める

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東京都内の病院の産婦人科に勤務していた後期研修医(専攻医)が2015年7月に自殺した件について,労働基準監督署は労災と認定しました.
遺族の代理人の川人博先生は,会見し,「医師の過労死や過重労働をなくすために政府も社会も真剣に考えるべきだ」と述べました(NHK「研修医の自殺は過労が原因 労基署が労災認定」(2017年8月9日).
遺族(両親)は,「国の働き方改革において、医師への時間外労働規制の適用が5年先送りにされ、この間に同じような不幸が起きないか懸念されます。医師も人間であり、また労働者でもあり、その労働環境が整備されなければ、このような不幸は繰り返されると思います」としています。」(NHK「研修医の自殺は過労が原因 労基署が労災認定」(2017年8月9日)

公益社団法人日本産科婦人科学会(理事長藤井知行)と公益社団法人日本産婦人科医会(会長木下勝之)は,平成29年8月13日,「声明:日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会は分娩取り扱い病院における産婦人科勤務医の一層の勤務環境改善を求めます。」を発表しました.

「私どもは、これまで産婦人科医を増やすとともに、地域基幹病院の大規模化重点化を推進することを通じて病院在院時間を短縮し、勤務条件を改善するために努力を続けてまいりました。その結果、分娩取扱病院の常勤産婦人科医数は、施設あたり2008年の4.9人から2016年には6.5人へ33%増加しました。しかし、妊娠育児中の医師の割合の増加等により夜間勤務可能な医師数の増加は限定的で、推定月間在院時間の減少率は2008年の317時間から2016年の299時間へ6%にとどまっています。
日本産科婦人科学会は、平成27年度に「産婦人科医療改革グランドデザイン2015」を策定し、継続的な就労可能な勤務環境を確保することを大きな目的の一つとして、地域基幹分娩取扱病院の大規模化・重点化の推進を提唱しました。
24時間対応が必要な地域基幹病院の産婦人科では、少人数の体制では、持続可能な体制の維持は不可能、という考え方に基づくものです。人数が多ければ、当直等の負担を軽減することが可能になるとともに弾力的な勤務体制への対応も可能になります。この実現のために私たちはさらに産婦人科を専攻する若き医師たちを増やすとともに、分娩取り扱い病院数の減少も避けられないことを国民の皆さまにご理解いただきたく思います。私どもは、今回改めて強い決意を持って、産婦人科医の勤務環境の改善のためのこの施策を推進してまいります。」


分娩取扱病院の常勤産婦人科医数だけで医療の質を測ることはできませんが,分娩取扱病院の常勤産婦人科医数が少ないと,労働過重になりますし,医療の質も担保できないことになるでしょう.勤務する産科医のためにも,妊産婦のためにも産科医増員とともに,地域基幹分娩取扱病院の大規模化・重点化は必要です.
産科医増員とともに,地域基幹分娩取扱病院の大規模化・重点化を迅速かつ強力に進めていただきたく思います.



谷直樹

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by medical-law | 2017-08-15 13:39 | 医療

週刊日本医事新報4866号(2017年7月29日号),「地方公務員の有給での兼業は可能か?」

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週刊日本医事新報4866号(2017年7月29日号)の質疑応答の頁に「地方公務員の有給での兼業は可能か?」を書きました(71頁)。
関心のある方は,ご一読お願いします。
なお,同誌には,東京都医師会会長の尾﨑治夫先生が,都民ファーストの会躍進をうけて,「都独自の罰則付き受動喫煙防止条例の制定がほぼ確実になったのではないか。問題は飲食店の扱いになるが、例外を認めず原則禁煙にすべき」と述べだ」と述べたことが報じられています(13頁).


谷直樹

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by medical-law | 2017-07-28 11:26 | 医療

第8次医療法改正その1,助産院の説明義務等

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第8次改正医療法案は,6月7日,参議院本会議で全会一致で可決し,成立しました.

妊産婦の安全の確保のため、助産所の管理者に対して、妊産婦の異常に対応する医療機関名等について、担当助産師が妊産婦へ書面で説明することが義務付けられました.
これは,
「○分べんにおける急変時に助産所から医師・医療機関への連絡がなかったことにより、母児が死亡するケースが発生
○また、助産師会の調査により、妊婦に対して、妊娠中に起こりうる異常・合併症、医療機関との連携(転院、搬送の可能性)等の出産リスクに関する事前の説明文書の作成が十分に行われていない現状が明らかとなった。
○例えば、
・妊娠中に起こりうる異常、合併症について文書を作成している助産所が半分程度
・医療機関との連携(転院、搬送の可能性)について文書を作成している助産所が7割弱
となっている。」
ことから,改正されたものです.

「医療法等の一部を改正する法律案(医療法の一部改正)の第一条医療法(昭和二十三年法律第二百五号)の一部を次のように改正する。

目次中「第六条の四」を「第六条の四の二」に改める。

第五条第一項中「については」の下に「、第六条の四の二」を加える。

第六条の三第三項中「事項を」の下に「電磁的方法(」を、「利用する方法」の下に「をいう。次条第二項及び第六条の四の二第二項において同じ。)」を加える。

第六条の四第二項中「電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法」を「電磁的方法」に改め、第二章第一節中同条の次に次の一条を加える。

第六条の四の二 助産所の管理者(出張のみによつてその業務に従事する助産師にあつては当該助産師。次項において同じ。)は、妊婦又は産婦(以下この条及び第十九条第二項において「妊婦等」という。)の助産を行うことを約したときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該妊婦等の助産を担当する助産師により、次に掲げる事項を記載した書面の当該妊婦等又はその家族への交付及びその適切な説明が行われるようにしなければならない。
一妊婦等の氏名及び生年月日
二当該妊婦等の助産を担当する助産師の氏名
三当該妊婦等の助産及び保健指導に関する方針
四当該助産所の名称、住所及び連絡先
五当該妊婦等の異常に対応する病院又は診療所の名称、住所及び連絡先
六その他厚生労働省令で定める事項
2 助産所の管理者は、妊婦等又はその家族の承諾を得て、前項の書面の交付に代えて、厚生労働省令で定めるところにより、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法であつて厚生労働省令で定めるものにより提供することができる。

第六条の五第一項第十号中「前条第三項」を「第六条の四第三項」に改める。

第六条の七第一項第七号中「第十九条」を「第十九条第一項」に改める。

第十九条に次の一項を加える。

2 出張のみによつてその業務に従事する助産師は、妊婦等の助産を行うことを約するときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該妊婦等の異常に対応する病院又は診療所を定めなければならない。
第八十九条第一号中「第十九条」を「第十九条第一項若しくは第二項」に改める。


谷直樹

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by medical-law | 2017-06-09 08:28 | 医療

NPO法人患者の権利オンブズマン解散報告集会

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2017年4月23日(日曜日),福岡市天神で開かれた「NPO法人患者の権利オンブズマン解散報告集会」に,「患者の権利オンブズマン東京」の幹事長として行き,お話をさせていただきました.
平野瓦さんが基調講演を行い,福山美音子さん,有吉通泰さん,赤木健利さん,そして私がパネリストとして,それぞれお話をしました.

解散報告集会だというのに,かなりの人が集まり,故池永満先生がはじめた活動の意義を語り,いかにも残念そう,くやしそうでした.

「NPO法人患者の権利オンブズマン」は,故池永満先生が1999年に福岡に創設した市民団体です.
「患者の権利オンブズマン東京」は,故池永満先生がたびたび東京にきて,準備会を開き,2002年12月に創設した市民団体です.
二つの市民団体は,いわば兄弟団体です.
同じ理念の,しかも先輩である「NPO法人患者の権利オンブズマン」の解散は,「患者の権利オンブズマン東京」にとっても実に残念です.

患者の権利オンブズマン東京」は,福岡の「NPO法人患者の権利オンブズマン」なきあと,患者の苦情を受ける唯一の民間の第三者機関として,いっそうがんばり,活動を続けていきます.

「患者の権利オンブズマン東京」は,会員数110名の市民団体です.
会の趣旨に賛同し,3000円の会費を払えば,誰でも賛助会員になれます.

研修を受けた市民相談員と法律専門相談員(弁護士)が,医療についての苦情面談相談(無料)を受けてきました.苦情面談相談は,弁護士の医療過誤相談とは異なります.患者の権利オンブズマン東京は,損害賠償を求めるための相談は受けていません,患者家族が自分で行動し,医療側と向かい合い,真摯な話し合いをするための相談です.
昨年は33件の苦情相談を受けました.

毎月第2、第4木曜日(但し8月第2週と12月第4週と祭日は休みです) の13:00~15:00の間,電話080-7700-1626で,市民相談員が予約電話を受付し,水曜または土曜に面談相談(無料)を行います.

なお,相談の性質が違いますし,事件集めと誤解されてもいけませんので,「患者の権利オンブズマン東京」の相談を受けた方については,谷直樹法律事務所では一切相談を受けないことにしています.

「患者の権利オンブズマン東京」は,今後いっそううがんばりますので,応援をお願いします.


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by medical-law | 2017-04-24 23:51 | 医療

医薬品有害事象による救急受診・入院

b0206085_6271296.jpg米国での外来患者の医薬品有害事象による救急受診に関する2013~2014年の研究結果がJAMAに報告されました(薬害オンブズパーソン会議の注目情報).


それによると,
・米国民の10%以上が5種類以上の薬を処方され、その半数は正確に服用できていない。


・特に慢性疾患において、複数の医師から複雑な治療が不十分な管理のもとで行われている。


・救急受診者の0.4%が医薬品有害事象による受診であり、その27.3%が入院していた。

とのことです.


薬害オンブズパーソン会議は,「日本では、救急受診や救急入院と医薬品有害事象の関連性に関して、実態が明らかになっていない。しかし、医薬品有害事象による救急受診や入院が予想以上に拡大しているとする米国の調査結果は日本にも共通すると考える必要がある。」とコメントしています.


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by medical-law | 2017-04-23 06:14 | 医療

厚生労働省健康局結核感染症課、死亡した妊婦の検体からオウム病病原体を同定した事例について

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厚生労働省健康局結核感染症課は、平成 29 年 3 月 17 日、「死亡した妊婦の検体からオウム病病原体を同定した事例について(情報提供)」を公益社団法人日本医師会 充てに発しました.

「我が国の国内妊婦死亡数は現在年間 40-50 件程度で、その中で感染症が原因とされる症例は 7%とされている。今回、妊娠週数 24 週に発熱、意識障害を認め病院に入院、その後死亡した妊婦例の肺、脾臓、肝臓、胎盤から 4 類感染症に分類されているオウム病病原体(Chlamydophila psittaci)を同定した。本症例では、起因微生物が不明であったため、準網羅的病原体解析から C. psittaci を同定した。病理解剖では、骨髄にて血球貪食症像(血球貪食症候群)、肝脾腫、肺うっ血、胸水貯留、心嚢液貯留、胎盤膿瘍等の所見を認めた。病理学的には血球貪食症候群による多臓器不全が死因であった。」とのことです.

本症例では肺、肝臓、脾臓、胎盤の各臓器から C. psittaci 遺伝子が検出された。解析を行った研究開発分担者の柳原格(大阪府立母子保健総合医療センター)は、胎盤では相当量の菌体が存在すると指摘した。妊婦はオウム病のハイリスクの可能性があり、妊娠期には鳥類、家畜あるいは飼育動物との不必要な接触は避けるべきである。」と結んででいます.


ちなみに,日本の妊産婦死亡原因のトップは自殺です.



谷直樹

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by medical-law | 2017-04-03 01:47 | 医療