弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

カテゴリ:医療( 761 )

虚偽公文書作成などの容疑で京都府立医科大学附属病院を家宅捜査(報道)

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山口組系暴力団組長の生体腎移植手術執刀医の京都府立医科大学附属病院の吉村了勇院長(移植一般外科)や担当医が重症化の恐れを指摘して「拘禁に耐えられない」とする意見書を作成し,2015年8月に大阪高検に提出した件について,虚偽の意見書や診断書を作った疑いがあるとして京都府立医科大学附属病院が家宅捜査されました.
この手術には,京都府立医科大学の吉川敏一学長(消化器内科)が立ち会っていたとのことです.
報道によると,手術は,周囲の医師らの反対を押し切る形で病院幹部の判断で行うことが決まったとのことです.
また,医療法人財団康生会武田病院の医師についても、組長が重度の心臓病にかかっているとした虚偽内容の意見書を作った疑いで,京都府警が近く同病院を強制捜査するとも報じられました.

朝日新聞「組長の虚偽意見書、別の病院も作成か 京都府立医大事件」(2017年2月15日)
毎日新聞「組長収監逃れ 京都府立医大の学長が手術立ち会い」(2017年2月15日)

刑法第156条は,「 公務員が、その職務に関し、行使の目的で、虚偽の文書若しくは図画を作成し、又は文書若しくは図画を変造したときは、印章又は署名の有無により区別して、前2条の例による。」
刑法第160条は,「医師が公務所に提出すべき診断書、検案書又は死亡証書に虚偽の記載をしたときは、3年以下の禁錮又は30万円以下の罰金に処する。」と定めています.
つまり,公務員である医師が虚偽の診断書等を作成したときは,1年以上10年以下の懲役で,公務員である医師が虚偽の診断書等を作成したときは3年以下の禁錮又は30万円以下の罰金に処せられます.

虚偽診断書等作成罪(刑法160条)の「虚偽の記載」とは,客観的な真実に反する内容の記載をすることです。医師の裁量という言い訳は通用しません.刑務所収容に耐えうるか否かは,客観的な検査結果,身体所見により判断されますので,客観的な検査結果,身体所見によって刑務所収容に耐えられないことが言えないと,「虚偽」と判断されるでしょう.実際に受刑者が刑務所に収容されて健康状態に問題が生じなければ,「刑務所収容に耐えうること」が立証されたことになり,診断の時点と刑務所に収容された時点が近接していれば,診断の時点でも刑務所収容に耐えうる状態であったことが推定されるでしょう.
客観的な真実に反する内容を,もし医師が主観的には真実に合致すると考えて診断書を作成した場合は,「故意」が問題になります。「故意」の認定は客観的事実から推認されます.ナイフで心臓を深く刺しておきながら殺すつもりはなかったという言い訳が通用しないように,明らかに客観的な真実に反する,根拠のない内容を記載しておきながら真実に合致すると考えたという言い訳は裁判では通用しません.
客観的真実に反する記載がなされたこと(行為),真実に反する内容であることをその医師が認識認容していること(故意)が要件ですが,本件が起訴まですすむのか,公判でそのことが立証できるのか,注目したいと思います.

日本経済新聞「組幹部収監逃れ「虚偽書類、院長が指示」 京都府立医大担当医」(2017年2月15日)は次のとおり報じました.
「組長の担当医が昨年、京都府警の任意の事情聴取に「病院長からの指示で虚偽の書類を書いた」と供述したことが14日、捜査関係者などへの取材で分かった。」

【追記】
NHK「京都府立医大病院 暴力団との関係指摘の学長に辞任勧告決定」(2017年2月24日)は,次のとおり報じました.

「大学の吉川敏一学長は、高山総長と飲食店で会っていたことが明らかになり、大学は23日、教員の人事などを審議する学内の評議会を開き、対応を協議しました。

関係者によりますと、委員からは、吉川学長が現在学長としての職務を行っていないという指摘や、反社会的勢力との関係を問題視する意見が出され、協議の結果、吉川学長に対し、副学長名で辞任を勧告することを出席者の全会一致で決めたということです。

勧告は弁護士を通じて吉川学長に伝え、来週前半までに回答を求め、辞任しない場合や回答がない場合は評議会として、学長を解任する権限がある学長選考会議に解任を請求することも決めたということです。吉川学長は「高山総長とは飲食店で偶然、2回ほど会った」とするコメントを出し、親密な関係を否定していて、今後の対応が注目されます。」




谷直樹

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by medical-law | 2017-02-15 10:19 | 医療

第8次医療法改正案~助産所の管理者に対する,妊産婦の異常の対応等に関する説明の義務化

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第50回社会保障審議会医療部会(2017 年1月18日)の第8次医療法改正案についての意見のとりまとめに基づき,厚生労働省は今通常国会に改正法案を提出すると報じられています.
とくに注目したいのは,助産所の管理者に対する,妊産婦の異常の対応等に関する説明の義務化です.


資料2によると,現状は,次のとおりです.


「○分べんにおける急変時に助産所から医師・医療機関への連絡がなかったことにより、母児が死亡するケースが発生。
○また、助産師会の調査により、妊婦に対して、妊娠中に起こりうる異常・合併症、医療機関との連携(転院、搬送の可能性)等の出産リスクに関する事前の説明文書の作成が十分に行われていない現状が明らかとなった。
○例えば、
・妊娠中に起こりうる異常、合併症について文書を作成している助産所が半分程度
・医療機関との連携(転院、搬送の可能性)について文書を作成している助産所が7割弱
となっている。」



そこで制度改正のポイントは,次のとおりです.


「○妊産婦の更なる安全の確保のため、助産所の管理者に対して、妊産婦の異常に対応する医療機関名等について、担当助産師が妊産婦へ書面で説明することを義務付ける。」


助産所での事故を複数取り扱っていますが,本当に妊婦に対して、妊娠中に起こりうる異常・合併症、医療機関との連携(転院、搬送の可能性)等の出産リスクに関する事前の説明がない現状を痛感します.


谷直樹

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by medical-law | 2017-01-25 06:31 | 医療

C型肝炎治療薬「ハーボニー配合錠」の偽造品流通

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「ハーボニー配合錠」は,1錠5万円以上、1ボトル150万円以上ですから,偽造の標的となったのでしょう.C型肝炎治療薬「ハーボニー配合錠」の偽造品は,患者が気づかなければ,健康被害も生じ得るところでした.医薬品の偽造は厳重に処罰すべき犯罪です.
「ハーボニー配合錠」の偽造品が,正規のルートで販売され,患者に渡っているところが深刻です.
封緘された箱こそありませんでしたが,本物のラベルを貼ったものもあり,本物のボトルに入っていたことから,本物を入手でき,正規ルートにのせることができる者が関与していることがわかります.

厚生労働省は,平成29年1月23日,「C型肝炎治療薬「ハーボニー配合錠」の偽造品について(第2報)」を発表しました.

「標記については、C型肝炎治療薬「ハーボニー配合錠」の偽造品が発見されたことを受け、1月17日に報道発表を行い、医療機関、薬局及び医薬品の販売業者において医薬品を譲り受ける際には、医薬品の状態を確認すること等について注意喚起するとともに、ギリアド・サイエンシズ株式会社と協力して、偽造品の見分け方等についても周知を行っています。
偽造品が患者の手に渡ることのないよう、奈良県、奈良市、京都府、東京都及び大阪府において薬局及び卸売販売業者への立入調査を行い、東京都において同様の特徴を持つ偽造品9ボトルを発見し、これらが流通することのないよう確保しました(別添1)。東京都が発見した偽造品の外観は、別添2のとおりであり、東京都において成分等を分析中です。
患者が偽造品を服用することのないよう、引き続き、関係者への注意喚起を行うとともに、関係都道府県等と連携して更なる調査を行い、法令違反に対しては、厳正に対処してまいります。」


偽造品販売ルート(1月23日現在)が判明しましたが,新たに6ボトルが見つかった東京都の卸売販売業者は,どこから仕入れたのでしょうか.


谷直樹

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by medical-law | 2017-01-24 23:18 | 医療

医療社会法人愛仁会が1万4千人余から余分な血液を採取し,その人数を過少に報告(報道)

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社会医療法人愛仁会(大阪市)が,大阪市,枚方市,尼崎市等から受託した特定健康診査(健診)の採血検査の際,貧血用の検査用の2ccの採血を,貧血検査を行わない人からも採血していたと報じられています.

「大阪市は20日、市の集団健診を委託した社会医療法人愛仁会の総合健康センター(大阪府高槻市)が、受診者延べ1万1479人に対し、必要のない貧血検査用の追加採血を本人に無断で行っていたと発表した。大阪市以外の自治体でも同様の事例があるといい、同法人が調べている。」西日本新聞

「本来、貧血検査用の採血は医師が必要と判断した受診者に限り、説明の上、通常の血液検査の際に追加で行う。だが健診担当者が採血漏れを恐れ、必要の有無にかかわらず受診者全員に追加採血をするよう業務マニュアルを書き換えていた。」産経新聞

「昨年11月に大阪市に通報があり、法人の内部調査で判明した。しかし、センター所長ら幹部は昨年12月、「影響が大きい」と、大阪市に余分な採血を過少に報告した。」朝日新聞

追加採血すべき人について追加採血をしないことがミスであると同様に,追加採血すべきでない人について追加採血することもミスです.全員について追加採血を行うと前者のミスは防止できますが,後者のミスが大量に発生します.これは,小学生でもわかることでしょう.どうして,大量のミスが発生するほうを選択したのでしょうか.追加採血には手間と時間がかり,費用も余分にかかります.誰の得にもならない方法をどうして選択したのでしょうか.
また,影響が大きい,つまり重大問題であるとの認識がありながら,虚偽の報告を行ったのはどうしてでしょうか.虚偽がわからないと思ったとすれば,あまりにも短見無思慮でしょう.
報道の件は,余分な血液が廃棄されたとのことですが,個人情報を集めるなど別な目的で採血されたら怖いことです.


谷直樹

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by medical-law | 2017-01-24 21:43 | 医療

「がん診療連携拠点病院等の指定に関する検討会」で樹状細胞等のがんワクチン療法が問題になる(報道)

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樹状細胞ワクチン療法等の科学的根拠の弱い治療法を実施する医療施設があります.
大病院の医師から先端医療として奨められれば,患者,患者の家族は,科学的根拠の弱い治療法についても効果が期待できるものと誤信し,高額な治療費のかかるエビデンスの弱い(効果が期待できない)治療を受けてしまうことも少なくありません.その結果,患者が財産を失う場合もあり,問題になっています.


1月12日の 「がん診療連携拠点病院等の指定に関する検討会」)(第12回)で,話題になり,山口建氏(静岡県立静岡がんセンター総長),若尾文彦氏(国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター長),松本陽子氏氏(NPO法人愛媛がんサポートおれんじの会)の発言が,CBニュース「がん拠点指定、エビデンス弱い治療を問題視- 厚労省検討会、一部委員の提起で論点に」(1月17日)で紹介されています.


がん診療連携拠点病院等の指定は,標準的ながん診療を早期に受けられるよう体制を整備することが目的と思いますので,今後の論点整理に期待します.


谷直樹

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by medical-law | 2017-01-20 02:31 | 医療

歯科医が歯を削る際に使う医療器具を交換や滅菌処理をせずに使い回すケースがある(報道)

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佐賀新聞「歯科器具使い回し 国は交換、滅菌指導 感染対策コスト、手間省く?」(2017年1月16日)は次のとおり報じました.
 
「歯を削る際に使う医療器具を、歯科医師が使い回すケースがある。佐賀県医務課によると、不十分な滅菌処理が原因で院内感染が発生した事例は報告されていないものの、患者ごとに交換や滅菌処理をするように国は通達を出している。県歯科医師会も指導しているが、コストや手間を省く現場があるようだ。

 交換や滅菌処理をせずに使い回される事例があるのは、ドリルの持ち手部分の「ハンドピース」といわれる器具。厚生労働省は2014年6月、院内感染対策の徹底を図るため、「患者ごとに交換し、オートクレーブ(高圧蒸気)滅菌をすることを強く勧める」という通達を出している。

 県西部のある歯科医師は「都市部では滅菌が常識」とした上で、県内で複数の医院に勤務した経験がある歯科衛生士や、患者の話をもとに「佐賀では滅菌されていないケースが少なくない」と問題視する。5年に1度の立ち入り検査を担当する保健福祉事務所職員の一人も「聞き取りを担当した医療機関の約半数で適切な滅菌処理をしていない」と感じている。

 国立感染症研究所(東京都)細菌第一部の泉福英信室長の研究チームが14年、佐賀県を含まない複数の県の3152歯科医療機関を対象に実施した調査では、回答した891施設のうち「患者ごとに必ず交換」と答えたのは34%。一方、「交換していない」「時々交換」は66%に上った。

 泉福室長は別の調査結果も踏まえ、適切な滅菌をしていない医療機関は相当数に上るとみている。その上で「グローバル化でさまざまな感染症が国外から入ってきており、院内感染が今後も起きないとは言い切れない」と注意を促す。

 佐賀県東部の歯科医師の一人は、使い回す理由について「コストや手間が大変だからでは」と推測する。自身の医院では、高圧蒸気や滅菌用ガスで滅菌する機器を5台導入し、ハンドピースも約40本用意しているが、「正直、経済的な負担は大きい」と明かす。

 県医務課は「適切な処理をしていない歯科医師がいることは把握してる」とした上で、「指導しても、罰則を伴うような法律や規定はなく、業界のモラルに任せるしかない」と話す。

 県歯科医師会も問題視しているものの、会員への詳しい調査は実施しておらず「正確な実態は分からない」という。ただ、院内感染を防ぐ対策を記した冊子を会員に配布したり、定期的な講習会で滅菌処理の徹底を呼び掛けたりしており、林田俊彦理事は「一層の徹底を求めたい」と話している。」



これは佐賀県に限った問題ではないでしょう.
罰則を設けないと順守されないのでしょうか.


谷直樹

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by medical-law | 2017-01-19 01:49 | 医療

訃報,太田富雄先生

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太田富雄先生が2016年11月27日御逝去されました.
今日が月命日です.
太田富雄先生は,京都大学医学部を御卒業し,大阪医科大学教授,退官後同名誉教授で,金芳堂の『脳神経外科学』(太田本)の編著者です.
金芳堂の『脳神経外科学改訂8版』は重厚な装丁で,しっかり読ませていただきました.
その後2冊本になり,2016年3月発行の改訂12版では3冊本になりました.
詳細で抜けがないうえに明解でタイムリーに改訂されるので,版を重ねるごとに購入し,読ませていただきました.
太田富雄先生ご本人にも何度かお会いし,懇切丁寧にご教示いただきました.
大変立派な先生でした.
謹んでご冥福をお祈りいたします.


谷直樹

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by medical-law | 2016-12-27 08:23 | 医療

美容室脳卒中症候群で英理髪店が9万ポンド賠償

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AFP「散髪で脳卒中に、英理髪店が1300万円の損害賠償」(2016年12月13日)は,次のとおり報じました.

「散髪が原因で脳卒中を発症した英国人男性に理髪店から損害賠償として9万ポンド(約1300万円)が支払われた。」
「医師らは、洗髪の際に首を後ろへ反らせる姿勢によって動脈が圧迫され、その時にできた血栓が脳卒中を引き起こしたと診断。タイラーさんは3か月間の入院を余儀なくされ、退院後は歩行のために杖が必要となったほか、視力低下のため車を運転することもできなくなった。
 タイラーさんの代理人は、2011年の訪店時に理髪店が頭部を適切に保護することを怠ったと主張。そしてこのほど、理髪店側が損害賠償の支払いに応じた。」


「美容室脳卒中症候群」はよく知られています
スタンダールが,サンタ・クローチェ聖堂のジョットのフレスコ画を見上げていた時に,激しい動悸に突然襲われ脳卒中寸前の状態になったことから,「スタンダール症候群」とも言われています.
首を反らせることで,椎骨動脈が圧迫されて,血流が停滞し,微小血栓ができて,その血栓が脳動脈に流れ込むことで発症します.寺院の天井画を見るときも気を付けねばなりません.

美容室脳卒中症候群で賠償が支払われたのは,ニュースです.脳梗塞の原因は複合的ですし,3日後の商談中の発症で洗髪の際の圧迫が原因とよく診断できた,と思います.

ちなみに,日本の理髪店では,美容室と違い,顔を下向きにして洗髪することが多いようです.
顔を上向きにするところでは,頸をソフトに支えるようになっている台が多いように思います.
淡路町の或る理髪店では,洗髪の際に,上向きか下向きか希望を聞かれました.

谷直樹

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by medical-law | 2016-12-14 02:55 | 医療

日本産科婦人科学会,新型出生前診断を無認定施設で実施した東京と大阪の医師計3人を処分(報道)

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毎日新聞「<新型出生前診断>医師3人を処分 日産婦、無認定実施で」(2016年12月10日)は,次のとおり報じました.

「日本産科婦人科学会(日産婦)は10日の理事会で、男性医師3人を懲戒処分にしたと発表した。妊婦から採取した血液で胎児の異常を調べる新型出生前診断(NIPT)を、指針に反して無認定で実施したことが理由。うち、東京都内の2施設の医師2型出生前診断(NIPT)を人は今後指針を守ると約束したため、5段階で最も軽い厳重注意とした。一方、大阪府内の施設の医師は約束しなかったとして、それより1段階重いけん責とした。

 NIPTは確定診断ではなく、正しい情報が提供されなければ安易な中絶を助長する恐れがある。遺伝カウンセリング体制が整った日本医学会の認定施設で実施するよう日産婦が指針を定めている。

 日産婦の藤井知行(ともゆき)理事長は「NIPTは結果によって重い選択を迫る可能性がある。認可を受けた施設で受けることが本人の幸せにつながる」と述べた。【千葉紀和】」

指針は,法律ではありませんし遵守しなくても刑罰を課せられるものではありませんが,医療倫理の観点から重要で,遵守すべきものです.処分は当然でしょう.

谷直樹

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by medical-law | 2016-12-11 01:18 | 医療

薬害オンブズパースン会議「注目情報」,産婦人科医の娘は積極勧奨中止後にHPVワクチンを受けていない

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薬害オンブズパースン会議のサイトの「注目情報」に「産婦人科医の娘は積極勧奨中止後にHPVワクチンを受けていない」が掲載されています.

「大阪大学と新潟大学の産婦人科学講座の医師らは、産婦人科医を対象に、HPVワクチンに関する個人的見解や自身の娘に接種したか、などに関する質問紙調査を行い、結果を日本癌治療学会による英文誌International Journal of Clinical Oncology2016年2月号(※2)に報告した。

※2 Egawa-Takata T, Ueda Y, Morimoto A, Tanaka Y, Matsuzaki S, Kobayashi E, Yoshino K, Sekine M, Enomoto T, Kimura T. Human papillomavirus vaccination of the daughters of obstetricians and gynecologists in Japan. Int J Clin Oncol. 2016; 21: 53-8.

 調査は2014年8月、大阪大学病院とその関連病院で研修を受けた産婦人科医師575人を対象に行われ、264人(46%)が回答、そのうちの56人に12歳~20歳の娘がいた。この56人において、娘がHPVワクチン接種を受けたかどうかを確認したところ、2013年6月の積極的接種勧奨差し控えの後に接種した娘はいないという結果が明らかとなった。」



多くの産婦人科医が安全性が担保されないうちは接種を控えたい,娘には受けさせたくない,と考えているのでしょう.


谷直樹

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by medical-law | 2016-12-01 23:39 | 医療