弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

カテゴリ:タバコ( 244 )

東京都の検討会 罰則付き禁煙条例の制定提案に至らず

「東京都受動喫煙防止対策検討会」(座長・安念潤司教授)は2020年のオリンピック・パラリンピックに向けて,飲食店などでの禁煙を義務付ける罰則付きの条例を制定すべきかどうかについて意見の一致が得られなかったとして判断が示されませんでした.
医師らの委員は規制に賛成していましたが,法律系の委員が一部の飲食店などの反対を考慮し,意見が対立していました.
委員は,次のとおりです.

1 青木剛氏  公益財団法人日本オリンピック委員会 副会長兼専務理事
2 安念潤司氏 中央大学大学院法務研究科教授
3 今村聡氏   公益社団法人日本医師会 副会長
4 大井田隆氏 日本大学医学部公衆衛生学分野教授
5 奥村康氏   順天堂大学大学院医学研究科 アトピー疾患研究センター長
6 垣添忠生氏 公益財団法人日本対がん協会 会長
7 工藤翔二氏 公益財団法人結核予防会 理事長
8 鈴木大地氏 順天堂大学スポーツ健康科学部教授
9 名取春彦氏 獨協医科大学付属病院 放射線科医師
10 野田哲生氏 公益財団法人がん研究会 代表理事・常務理事 がん研究所所長
11 細野助博氏 中央大学総合政策学部 大学院公共政策研究科教授
12 村千鶴子氏 東京経済大学現代法学部教授

「愛煙家通信」に「たばこは有害であるという根拠は怪しい」を寄稿している名取春彦氏が委員にはいっていました.愛煙家通信に「「不良」長寿のすすめ」を寄稿している奥村康氏も委員に入っていました.他方,法律系の委員のなかに,たばこ対策に詳しい専門家は入っていませんでした.このような偏った人選が問題でしょう.

受動喫煙防止のため,公共の場,閉鎖空間での喫煙を許すべきではありません.
東京都が何も規制しないというのは,およそあり得ないことですが,東京都が国に規制を預けた形になった以上,国会で受動喫煙防止法を制定すべきでしょう.

今年の禁煙週間のテーマは, 「2020年、スモークフリーの国を目指して ~東京オリンピック・パラリンピックへ向けて~」です.
その趣旨は,次のとおりです. 

「たばこが健康に悪影響を与えることは明らかであり、禁煙はがん、循環器病等の生活習慣病を予防する上で重要である。
 「健康日本21(第二次)」やがん対策基本計画の目標でもある「未成年者の喫煙をなくす」ためには、喫煙による健康影響を認識させることが重要である。また、「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」に基づく第2回締約国会議において、「たばこの煙にさらされることからの保護に関するガイドライン」が採択され、我が国においても、平成22年2月に、基本的な方向性として、公共の場は原則として全面禁煙であるべき等を記した通知を発出し、平成24年度においては、受動喫煙防止対策の徹底について通知を発出したところである。
 今年度は、たばこを減らすことで命を守ることを目的として、「2020年、スモークフリーの国を目指して ~東京オリンピック・パラリンピックへ向けて~」を禁煙週間のテーマとし、禁煙及び受動喫煙防止の普及啓発を積極的に行うものである。」
厚生労働省のサイト

WHOのサイトには,以下のとおり記載されています.

「Every year, on 31 May, WHO and partners mark World No Tobacco Day (WNTD), highlighting the health risks associated with tobacco use and advocating for effective policies to reduce tobacco consumption.」
(WHOおよびそのパートナーは、毎年5月31日を世界禁煙デーと定め、世界各地において、たばこがもたらす健康リスクを強調するとともに、たばこの消費削減に向けた効果的な政策への提言を行っています。)


谷直樹


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by medical-law | 2015-05-30 09:24 | タバコ

日本学術会議、「東京都受動喫煙防止条例の制定を求める緊急提言」

日本学術会議健康・生活科学委員会・歯学委員会合同脱タバコ社会の実現分科会は、2015年5月20日、以下のとおり、東京都受動喫煙防止条例の制定を求める緊急提言」を発表しました.

1 作成の背景
平成 32(2020)年に東京でオリンピック・パラリンピックを開催することが決まり、東京都では、公共の場での受動喫煙防止対策について、検討会での審議が始まった。都知事は当初、条例制定への強い意欲を示した。しかし、都議会や関係業界等の反対を受け、都の検討会では条例化は困難という座長のまとめ案が一旦は提出されるに至った。
ところが、最終の検討会(平成 27(2015)年 3 月 30 日)では合意には至らず、条例化を含めた受動喫煙防止のための都市ビジョンやより強いメッセージを求める意見が多数出て、審議が継続されることになった。日本学術会議健康・生活科学委員会・歯学委員会合同脱タバコ社会の実現分科会では、こうした状況を重く見て、背景にある学術的根拠を再検討しつつ、東京都で取られるべき政策について審議し、提言を取りまとめた。

2 現状及び問題点
喫煙のみならず、受動喫煙により多くの致死的な疾患が引き起こされることは、科学的に明白であり、わが国は、現世代と次世代をタバコの使用とタバコ煙への曝露から守る国際条約、「たばこの規制に関する世界保健機関(WHO)枠組条約」FCTC、たばこ規制枠組条約)を平成 16(2004)年に批准した。FCTC は平成 17(2005)年に発効し、条約の各条項を履行することが締約国の責務となっている。特に、タバコ煙への曝露からすべての人を守るための FCTC 第 8 条に関しては、平成 19(2007)年に履行のためのガイドラインが策定され、職場や公共の場の全面禁煙を法的措置によって実現することを求めている。
国内では、平成 24(2012)年に閣議決定された「第 2 期がん対策推進基本計画」において、10 年後の数値目標として、喫煙率の減少(成人喫煙率 12%、未成年喫煙率 0%)と、受動喫煙曝露機会の減少(行政機関 0%、医療機関 0%、職場 0%、家庭 3%、飲食店 15%)等が定められたが、先般行われた中間評価ではこれらの達成状況が不十分であることが明らかになった。すなわち、わが国では公共の場の利用者や飲食店従業員等のうち多くの人々が、公共の場でやむなく、あるいは業務中にタバコ煙にさらされ続けている。
一方、世界の多くの国や地域が FCTC 第 8 条ガイドラインに沿って、職場や多数の人が出入りする公共の場での喫煙を法律や条例で禁止した。それらの国々では禁止した直後から明確に心疾患・呼吸器疾患の減少が見られている。
さらに、平成 22(2010)年7月には、国際オリンピック委員会(IOC)と WHO は健康的なライフスタイルとタバコのないオリンピックを目指す合意文書にも調印した。近年のすべてのオリンピック開催都市では、罰則付きの条例や受動喫煙防止法が整備され、さらに国レベルの法整備にまで発展している国も多い。従って、もし東京都が、受動喫煙を放置したままで、オリンピック・パラリンピックを開催するならば、健康のために受動喫煙防止を進める世界の潮流を押しとどめ、逆行させるという意味を持つことになる。

3 提言の内容
喫煙のみならず受動喫煙により、がん、心臓疾患、呼吸器疾患などが引き起こされることは多くの報告から明らかで、建物内の喫煙を法律で禁じることによりそれらの疾患が減少したという国際的な経験からも、このことは疑う余地がない。しかしわが国では今なお飲食店従業員をはじめやむなくタバコ煙にさらされている人は多く、受動喫煙を防止するための法制度を早急に作る必要がある。とりわけオリンピック・パラリンピックの開催都市は法律や条例で公共の建物内の喫煙を禁止することが近年では国際的に共通認識となっており、平成 32(2020)年に東京都でそれらを開催するにあたり、この点を最重要事項と考えるべきである。従って、東京都は速やかに公共の場での受動喫煙を防止するための法整備(条例化)を行うよう緊急提言する。


1964年の東京オリンピックのときは私は小学生でしたが、テレビや新聞で、裸足の哲人アベベ・ビキラ(マラソン)、黒い弾丸ボブ・ヘイズ(陸上)、4つの金メダルをとったドン・ショランダー(水泳)、Smokin' Joeジョー・フレージャー(ボクシング)、怪物アントン・ヘーシンク(柔道)、名花ベラ・チャスラフスカ(体操)の活躍を見ていました.もちろん日本選手も応援していましたが、外国人の選手の活躍に見とれていました.
「世界は一つ」が標語でした.

この1964年1月に、米国公衆衛生局長官報告が発表され、喫煙による健康への悪影響が示されました.
2020年の東京オリンピックは、おもてなしのこころですので、是非、受動喫煙防止条例をつくっていただきたいですね.
レストランなどで禁煙にすると客が減るとよく言われますが、臭いタバコの匂いがしたら、美味しいものも美味しく感じられません.せめて公共の場での禁煙くらいは実現したいものです.



谷直樹


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by medical-law | 2015-05-28 00:22 | タバコ

がん死亡者数と喫煙率の目標達成できず、新たな喫煙規制が必要

国は、2007年のがん対策基本法に基づくがん対策推進基本計画で、75歳未満のがん死亡者数(人口10万人当たり)を05年の92・4人から2015年に73・9人とするがんによる死亡者数を20%減らす目標を定めていました.
国立がん研究センターは,2015年5月20日,この国の目標について,達成困難との見通しを明らかにしました.
目標達成には喫煙率を24・2%から半減させることが必要とされていましたが,2013年の段階で喫煙率は19・3%と12%をはるかに上回っています.

m3.com「全面禁煙、がん死亡者減に不可欠」)(2015年5月21日)は,厚生労働省のがん対策推進協議会での発言を,次のとおり伝えました.

中川恵一氏(東京大学医学部附属病院放射線科准教授)は,「報告書の受動喫煙に関する項目に言及し、受動喫煙よりも喫煙率を下げる対策が基本計画の目標達成に不可欠だと指摘。「全面禁煙を進めないと喫煙率は下がらない」と述べ、同協議会でも、全面禁煙の推進について言及すべきだとした。」

堀田知光氏(国立研究開発法人国立がん研究センター理事長)は,「「法規制がないと、これ以上は無理ではないか」として、日本学術会議が同日、東京都に2020年東京五輪開催に向けて受動喫煙防止条例制定を求める提言書を提出したことに触れ、さらなる規制を求めた。」

永山悦子氏(毎日新聞社科学環境部副部長兼医療情報室次長)は「「たばこ税の導入など、新たな対策が必要」と指摘したほか、がん検診の受診率が低いままになっていることに関して、受診率を上げるようなインセンティブの導入を検討するべきだと提案した。」

会長の門田氏守人氏(公益財団法人がん研究会有明病院院長)は,「中川氏や永山氏の指摘に対し「一番重要な問題」と述べ、「協議会として今以上に強調すべきではないか」と意見を述べた。」

タバコ対策は,実効的な法的規制が必要な段階にきていると思います.
なお,5月31日は世界禁煙デーです.各地にイベントにご参加ください.

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by medical-law | 2015-05-25 06:38 | タバコ

電子たばこから発がん性物質とニコチン検出

NHK「電子たばこから発がん性物質やニコチン検出」(2015年5月21日)は,次のとおり報じました.

「厚生労働省の研究班は、国内の路面店で販売されている電子たばこの安全性を確認するため、9種類の吸入器具と103種類の液体を対象に調査を行いました。
それによりますと、電子たばこを30秒間隔で10回吸った場合、4種類の器具から発生した煙から発がん性物質の「ホルムアルデヒド」が検出されました。
このうち2種類の器具の煙からは120マイクログラムと100マイクログラムの「ホルムアルデヒド」が検出され、たばこに含まれる76マイクログラムを上回りました。
また、ニコチンを含む電子たばこの販売が禁止されているにもかかわらず、8種類の液体からは微量のニコチンが検出されました。
研究を行った国立保健医療科学院、欅田尚樹生活環境研究部長は「今回、電子たばこから検出された発がん性物質やニコチンは、通常のたばこに比べると微量なケースが多いが、健康被害につながるリスクがあるかどうか検証する必要がある。使用する際の電圧や吸入する間隔などによっても、発がん性物質の濃度は変化するので詳しく研究していく必要がある」と指摘しています。」

「国立がん研究センターの望月友美子たばこ政策研究部長は「日本でも電子たばこが広がっているとみられるが、規制が追いついていないので、無法地帯と言える状況だ。今はインターネットなどで海外からも簡単に入手できる以上、安全性をチェックするためにも何らかの規制を検討していく必要がある」と指摘しています。」


ニコチンが含まれていないとして販売されていた電子タバコにニコチンが含まれていたのは問題でしょう.また,120マイクログラムと100マイクログラムのホルムアルデヒドが検出されたのも問題でしょう.
電子タバコ規制法が必要と思います.
なお,タバコについてもタバコ規制法が必要と思います.

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by medical-law | 2015-05-22 04:05 | タバコ

古都のレトロな喫茶店

木目と布のスピーカーボックス,真空管アンプ,ベルトドライブのターンテーブル,レコード...昭和を彷彿とさせる音響機器は嫌いではありません.むしろ憧れかもしれません.
私が高校生だった頃,医大の学生たちがJBLの鳴っているジャズ喫茶にたむろしているのを,羨望のまなざしで見ていました.
私は,大学生になった年,古本屋街のなかに格式高い時代がかった喫茶店があり,時々行ってはウインナーコーヒーを頼んでいました.喫茶店に入るときは,すこし背伸びした感じがありました.

どこの街にも,retrospectiveな喫茶店はあります.
最近,古都のレトロな喫茶店に入りました.
入ったとたんに後悔しました.
近くにタバコを吸っている人はいないのに,タバコ臭いのです.テーブル上に灰皿が置かれているのです.
高名な画伯の絵があっても,室内のインテリアがどんなに凝っていても,タバコの臭いはNGです.
思い出しました.いつしか,格式高い喫茶店に行かなくなったのもタバコの煙と臭いが苦手だったからでした.

古都のレトロな喫茶店の経験で,今の良さをあらためて認識しました.


谷直樹


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by medical-law | 2015-05-07 21:13 | タバコ

2014年度無煙映画大賞

映画に喫煙シーンがあると,映画自体にも不快感を覚えてしまいます.
その喫煙シーンのために,俳優,スタッフなど本来不必要な能動喫煙・受動喫煙があったと思うと残念でなりません.
かつては,喫煙シーンでタバコが肯定的に表現され,広告の役割を果たしていました.いまでも,喫煙者は喫煙シーンを見ると喫煙を誘導されるとのことです.
そのようなことから,喫煙シーン等のない無煙映画をひろめていきたいと思います.

2014年1月から12月に公開された日本語映画(ただしアニメと時代劇を除く)から選出された2014度無煙映画大賞は以下のとおりです.

無煙映画大賞作品賞 「魔女の宅急便」(実写版) 
無煙映画大賞主演女優賞 榮倉奈々さん 
  出演作品「わたしのハワイの歩きかた」,「ミラクル デビクロくんの恋と魔法」
無煙映画大賞主演男優賞 錦戸亮さん 
  出演作品「抱きしめたい 真実の物語」
無煙映画大賞監督賞 周防正行さん 監督作品「舞妓はレディ」
無煙映画大賞ファミリー賞 「円卓 こっこ、ひと夏のイマジン」
無煙画大賞特別賞  「圧殺の海 沖縄・辺野古」

詳細は「2014年度無煙映画大賞選考理由」ご参照

谷直樹


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by medical-law | 2015-05-06 05:11 | タバコ

「タバコ規制をめぐる法と政策」

田中謙先生から「タバコ規制をめぐる法と政策」(日本評論社,2014年8月刊)をいただいていたので,最近になって読みました.
目次は次のとおりです.

序章 本書の射程とタバコの特徴
 1 本書の射程
 2 タバコの特徴

第1章 「喫煙の自由」と「非喫煙者の権利」
 1 はじめに
 2 「喫煙の自由」
 3 「非喫煙者の権利」
 4 「喫煙の自由」と「非喫煙者の権利」の関係
 5 おわりに

第2章 タバコ問題の特徴とタバコ規制の必要性
 1 はじめに
 2 タバコ問題の特徴
 3 タバコ規制(タバコに対する行政的規制)の必要性
 4 おわりに

第3章 タバコ規制の法システム
 1 はじめに
 2 タバコ規制枠組み条約の概要
 3 タバコ規制をめぐる国内法の法システムの概要
 4 タバコ規制をめぐる法システムの問題点
 5 おわりに

第4章 タバコ訴訟
 1 はじめに
 2 タバコ訴訟の動向
 3 タバコ訴訟における裁判所の考え方
 4 タバコ訴訟における裁判所の考え方の検討
 5 タバコ訴訟をめぐる今後の課題
 6 おわりに

第5章 タバコ規制をめぐる今後の法制的課題
 1 はじめに
 2 受動喫煙防止施策
 3 未成年者喫煙防止施策
 4 喫煙者減少施策
 5 タバコ規制をめぐる抜本的な改革
 6 おわりに

田中謙先生の御専門は行政法ですので,規制目的と手段という観点から書かれています.
本書は,随所に「考えてみよう」欄があり,問いかけに対し,この問題設定は違うなとか,この答えは自分ならこうだ,とか考えてから,読めるようになっています.そのため,難しく感じることなく読み進めることができます.

谷直樹


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by medical-law | 2015-05-01 23:49 | タバコ

JT,国内のタバコ工場等閉鎖で1754人が希望退職

JTは,2015年2月5日,「国内たばこ事業の競争力強化施策に伴う希望退職募集等の結果について」を発表しました.その内容について,各紙は次のとおり伝えています.

日本経済新聞「JT、希望退職に1754人応募」(2015年2月5 日)は,つぎのとおり報じました.

「日本たばこ産業(JT)は5日、希望退職に1754人が応募したと発表した。2014年12月末時点のJT本体の従業員数の2割に相当する。国内たばこ事業の収益力の強化へ、工場など拠点の再編に伴い希望退職を募集していた。

 応募した従業員は原則として15年3月末で退職し、割増退職金を支給する。同社は15年3月末でたばこ製造の郡山工場(福島県郡山市)など4工場を閉鎖、4月に営業拠点も統廃合するのに伴い14年7月から希望退職の募集を順次開始していた。」


産経「JT、たばこ工場閉鎖で1754人が希望退職 今後追加募集も」(2015年2月5 日)は,つぎのとおり報じました.
 
「日本たばこ産業(JT)は5日、国内のたばこ工場閉鎖に伴って募集した希望退職に、予定した約1600人を上回る1754人が応じたと発表した。工場が閉鎖する3月末で退職する。

 1年遅れの2016年3月末に閉鎖する平塚工場(神奈川県平塚市)でも今後募る予定で、退職者はさらに増える見通しだ。

 国内たばこ事業は、喫煙者の減少や消費税増税を背景に厳しい経営環境が続く。東京都内で記者会見した小泉光臣社長は「変化への対応ということで工場の閉鎖を行った」と説明。今後はバングラデシュやネパールをはじめとした海外進出を加速する考えを示した。

 JTが5日発表した2014年12月期連結決算は、決算期の変更に伴う4~12月の変則決算で、純利益は3629億円だった。」


「希望退職の内訳は、郡山工場(福島県郡山市)が146人、浜松工場(浜松市)は98人、岡山印刷工場(岡山市)は28人で、たばこの自動販売機を製造している特機事業部(兵庫県明石市)が20人、一部機能を廃止する東日本原料本部(福島県須賀川市)は54人。このほか国内たばこ事業本部や本社などに勤務する1408人も応募した。」スポーツ日本)とのことです.

これで,JTは約260億円のコスト削減になります.
JTは,ロシアなど日本国外での事業が収益のおよそ半分を占める企業です.日本国内では,病気になりたくない人たちが喫煙を止めていますので,JTは,海外に事業の比重を移しています.タバコ規制枠組み条約による規制がいっそう重要になってくるでしょう.
最初からタバコを吸わない人が増えていますし,喫煙者の中に病気になりたくないと考える人がふえれば,そしてタバコ依存症の治療法が進歩すれば,タバコを吸う人は確実に減ります.いずれ遠くない将来にタバコのない世界が実現し,タバコを製造販売する会社は消滅するでしょう.ソフトランディングのためには徐々にタバコ会社の規模を縮小していくことが必要と思います.

谷直樹

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by medical-law | 2015-02-06 02:26 | タバコ

JTが飲料製品の製造販売事業から撤退

JTは, 平成27年2月4日開催の取締役会で, 飲料製品の製造販売事業から撤退することを決議した,と発表されました.
「将来の成長戦略について検討を重ねた結果、JT グループの中長期的な成長に貢献していくことは困難であると判断し、経営資源の配分など全体最適の観点から、2015 年9 月末を目途にJT 飲料製品の製造販売事業から撤退することと致しました。」とのことです.

このタイミング(ローラさんのお父さんの判決は来月です)で発表されたことから,桃天CMの都市伝説を想起した方もいるのではないでしょうか.
飲料業界は,お茶,ミネラルウォーター,トクホ飲料等健康に配慮したものが好調です.ところが,JTの主力飲t料は,未だに「桃天」と缶コーヒー「ルーツ」です.タバコに用いるフレーバー,添加物の技術を応用できる飲料が桃天と缶コーヒーだからなのでしょうか.JTには,辻利のお茶はありますが,人気のトクホ飲料はありません.飲料事業全体は21億円の赤字ですが,自販機では28億円の黒字です.

タバコにはニコチンという依存物質が入っていますので,タバコを購入する人は継続的に購入してくれます.それに対し,飲料は時代とともに移り変わります.タバコを主力とするJT は,健康志向が強まっている飲料業界では,戦えないということなのでしょうか.
ただし,中長期的な成長ということになると,明らかに,飲料製品のほうがタバコより有利です.

喫煙率が年々下がっていることから,タバコ事業が中長期的な成長を望めるとは到底考えられません.
JTが,中長期的な成長に貢献していくことは困難であると判断しタバコ事業から撤退すると発表する日がくることを期待します.

谷直樹

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by medical-law | 2015-02-04 20:04 | タバコ

15歳の少年が体育の授業中に電子タバコ喫煙

戸田市の中学3年の少年(15)が,2015年1月30日午後0時25分頃,体育の授業中に電子タバコを吸っていたとして50代男性教諭らから注意されたことに腹を立て,男性教諭に足蹴りなどの暴行を加え首などを打撲する2週間のけがを負わせた疑いで逮捕されたとのことです(埼玉新聞).

電子タバコは,ホルムアルデヒド等発がん物質が含まれています.
タバコよりはましであっても,決して安全なものではありません.

ニコチン入りの電子タバコは.薬事法の規制を受けますので,ニコチン入りの電子タバコを日本国内で販売することは薬事法違反となります.
電子タバコは,たばこ事業法・未成年者喫煙禁止法の「たばこ」ではないため,法的な空隙ができています.
未成年者喫煙禁止法を改正し,電子タバコをタバコと同様に規制すべきでしょう.
日本にタバコ規制法があれば,電子タバコは規制されるべき「タバコ」に入れるべきでしょう.

なお,日本たばこ産業のプルームは,たばこ事業法の「たばこ」に該当し,未成年者への販売は未成年者喫煙禁止法により処罰されます.

谷直樹

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by medical-law | 2015-01-31 06:59 | タバコ