弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

カテゴリ:司法( 196 )

最高裁判所裁判官菅野博之氏の就任会見

朝日新聞「菅野博之氏が最高裁判事に就任 「裁判所の質をアップ」」(2016年9月5日)は,つぎのとおり報じました.

 「最高裁判事に5日付で就任した前大阪高裁長官の菅野博之氏(64)が、最高裁で記者会見した。「事件一つひとつに、人の人生や会社の命運がかかっている。それぞれの立場に共感を持ってものを見ないといけない。それは最終審であっても同じだと思う」と抱負を語った。

 印象に残った最近の裁判を問われると、認知症の男性が列車にはねられて死亡した事故で、介護していた家族に損害賠償責任はないと判断した今年3月の最高裁判決を挙げた。菅野判事は「国民の間でも議論が成熟していない、難しい課題が裁判所に持ち込まれる時代になってきている。期待、ニーズに負けないように裁判所も質をアップしていかなければならない」と述べた。

 菅野判事は、同じく裁判官出身で8月24日に定年退官した千葉勝美氏の後任。北海道出身で東北大卒。1980年に裁判官に任官し、水戸地裁所長や東京高裁部総括判事などを務めた。」


産経新聞「「国民目線で裁判の質アップを」 菅野最高裁判事が就任会見」(2016年9月5日)は,つぎのとおり報じました.

 「「国民の間で議論が煮詰まっていない案件も裁判になるなど、世の中が(裁判に)求める質がどんどん上がっている。国民目線で質のアップを日々考えていかなければならない」と抱負を語った。
 さらに、「1人の経験、知識には限度がある。世の中のいろんな意見を吸収し、ベターな結論を導き出したい」と述べ、複雑化する訴訟に対応するとした。」


裁判官のレベルアップが課題という認識は,最高裁判所長官,最高裁判所裁判官共通の認識のようです.




谷直樹


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by medical-law | 2016-09-05 23:46 | 司法

最高裁平成28年9月1日判決,訴訟委任状が偽造された件で破棄差戻し

朝日新聞「知らぬ間に敗訴し賠償命令」 最高裁、審理差し戻し」(2016年9月1日)は,次のとおり報じました.
 
「東京都内の夫婦が「知らない間に民事裁判の被告になって敗訴した」と訴えていた裁判の上告審で、最高裁第一小法廷(桜井龍子裁判長)は1日、夫婦の訴えを認めたうえ、損害賠償を命じた一、二審判決を破棄し、審理を東京地裁に差し戻す判決を言い渡した。」
「第一小法廷は弁護士の委任状が夫婦の意思で作成されたものではないことを認め、「訴訟に関与する機会が与えられなかった」として、審理のやり直しが必要と判断した。」


時事通信 「知らぬ間に被告」敗訴破棄か=賠償命令の夫婦主張-最高裁」(2016年8月30日)は,次のとおり報じました.

 「訴訟は、都内に住む80代女性が2014年、競走馬への出資をめぐりだまされたとして、出資先の会社と代表者(68)らに約1300万円の賠償を求めて提訴。夫婦も登記上は会社の役員に名を連ねており、被告とされた。
 一審東京地裁は、被告側が出廷せず、主張を記した書面も提出しないことから原告側の請求を全て認めた。被告側は控訴し、代理人も就任して争ったが、二審東京高裁は一審を支持した。
 夫婦側は「高裁判決後に原告側代理人から電話を受け、初めて裁判のことを知った。会社代表と面識はあるが、知らぬ間に役員として登記された」と主張して上告した。
 会社代表は取材に対し、「会社に送達された訴状や判決文は夫婦に渡さなかった。二審の代理人への(夫婦の)委任状は偽造した」と話し、夫婦に訴訟について知らせなかったことを認めた。
 代表は「提訴されたことは個人的な不祥事で、表沙汰にしたくなかった」と理由を説明。ただ、夫婦の役員登記については「合意があった」と主張した。二審の代理人弁護士も夫婦に全く連絡を取らなかったことを認め、「意思を確認すべきだった。委任状があったので大丈夫だと思った」と話した。
 上告審の弁論で夫婦の代理人は「民事訴訟制度の根幹に関わる裁判で、一、二審を破棄しなければ正義に反する」と強調した。」


これは,私が担当したものではありません.
上記報道から判断する限り,二審の代理人弁護士が委任者である夫婦に全く連絡を取らなかったことが問題と思います.また,原告代理人弁護士が,提訴のときこの夫婦を被告とするときに,住所地を登記簿に掲載されている住所地としなかったことにも問題があります.さらに、それを許してしまった1審裁判所の扱いにも問題があります.




谷直樹


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by medical-law | 2016-09-02 07:53 | 司法

井上弘通氏が大阪高裁長官に

大阪高裁長官の菅野博之氏が最高裁判事に任命されたため,後任の大阪高裁長官には,東京高裁部総括判事の井上弘通氏(司法修習29期)があてられることになりました.発令は9月5日です.最高裁刑事局が長く,最高裁上席調査官を経ていますので,順当な人事でしょう.九州大学卒の長官は珍しいですが.
なお,後任の東京高裁部総括判事には,現前橋地裁所長の合田悦三氏が,後任の前橋地裁所長には,現東京地裁部総括判事の八木一洋氏が,それぞれあてられます.
合田悦三氏も,最高裁刑事局が長い判事です.
八木一洋氏は,東京地裁交通部,東京地裁行政部,内閣法制局参事官,司法試験考査委員などを歴任しています.

これで高裁長官の異動はこれで一段落し,次のとおりとなりました(高裁格順).

東京高裁長官 戸倉三郎氏(34期)
大阪高裁長官 井上弘通氏(29期)
名古屋高裁長官 原優氏(31期)
広島高裁長官 川合昌幸氏(29期)
福岡高裁長官 荒井勉氏(29期)
仙台高裁長官 河合健司氏(32期)
札幌高裁長官 綿引万里子氏(32期)
高松高裁長官 小久保孝雄氏(33期)


谷直樹


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by medical-law | 2016-08-04 12:10 | 司法

名古屋高裁長官に原優氏(司法修習31期)

山名学名古屋高裁長官(司法修習30期)の7月23日で定年退官しまう.、その後任は、原優千葉地裁所長とのことです(発令は7月29日). 順当な人事でしょう.
その玉突き人事で、傍田寛之東京高裁部総括判事が千葉地裁所長になり、白石史子京都家裁所長が東京高裁部総括判事になります.白石史子氏は、以前千葉地裁医療集中部の部総括判事でした.

谷直樹


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by medical-law | 2016-07-18 01:08 | 司法

仙台、広島、福岡の3高裁管内の地裁・家裁の所長27人が国立ハンセン病資料館を訪問

毎日新聞「ハンセン病資料館 地・家裁所長が訪問 会同終了後」(2016年7月1日)は,次のとおり報じました.
 
「ハンセン病患者の裁判が裁判所外の隔離施設などに設置された「特別法廷」で開かれていた問題を踏まえ、仙台、広島、福岡の3高裁管内で地裁や家裁の所長を務める27人が国立ハンセン病資料館(東京都東村山市)を24日に訪問していたことが分かった。ハンセン病の歴史や差別の実態を学び、指導や教育に役立てるためという。

 最高裁によると、24日に開かれた司法行政の課題を議論する「長官・所長会同」の終了後、27人全員が有志で資料館を訪れた。約2時間にわたり学芸員から説明を受けたり、語り部のビデオや展示資料を観覧したりした。」


法律家には,鋭敏な人権感覚が不可欠です.


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by medical-law | 2016-07-03 21:29 | 司法

米国最高裁,5対3で人工妊娠中絶を行う医院医師に規制を設けるテキサス州法を無効と判決

ブルームバーグ「米国で中絶の権利求める勢力に大勝利-最高裁がテキサス州法「違憲」」(2016年6月28日)は,次のとおり報じました.

「米連邦最高裁は27日、人工妊娠中絶を行う医院や医師に規制を設けるテキサス州の州法は無効との判断を5対3で下した。この州法によって同州の関連施設の4分の3が閉鎖に追い込まれかねなかったため、今回の司法判断は女性の中絶の権利を主張する勢力にとって数十年で最大の勝利となった。

  最高裁が中絶をめぐる判断を下したのはほぼ10年ぶり。無効としたのは、中絶を行う医院に病院並みの外科手術基準を満たすよう義務付け、医師には地元の病院に患者受け入れを約束してもらうことを求めた2013年成立の州法。州当局は患者の安全を守るための規制だと主張していたが、5人の判事はこれを認めなかった。

  スティーブン・ブライヤー判事は同法について、「女性の健康にもたらすプラス面がないに等しいほか、中絶を求める女性に著しい障害となり、憲法で認められている権利に過度の負担を与えるものだ」と指摘した。  

  中絶に制限を設けた同様の規制は他の州にもあり、今回の違憲判断はこれらの規制にも影響をもたらす可能性がある。

  オバマ大統領は最高裁判断を歓迎。「女性の機会が広がったほか、米国民全員が医療を比較的安く簡単に受けられるようになれば国も強くなる」との声明を出した。」


Bloomberg「U.S. Supreme Court Rejects Texas Law’s Abortion Restrictions


WSJ「Supreme Court Rejects Texas Abortion Law as ‘Undue Burden’

谷直樹

中絶可能な医師医院を厳しく限定することで中絶を実質的に困難にしようとするテキサス州の法律は無効とされました,
仮に共和党が大統領選に勝利し保守派を最高裁判事に任命しても反対派は4名にしかならないので,アンソニー・ケネディ判事を含めた5名の多数意見は揺るぎません.


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by medical-law | 2016-06-29 03:11 | 司法

山浦善樹最高裁判事の後任に東京弁護士会の木澤克之先生

7月3日付で定年退官する山浦善樹最高裁判事の後任には,木澤克之先生(木澤法律事務所)が任命される(発令は7月19日付),と報じらました.
山浦善樹最高裁判事は東京弁護士会出身で,木澤克之先生は東京弁護士会所属ですが,京弁護士会の指定席というわけではなく,最高裁判事に推薦されるのは,人望がある優秀な弁護士に限られています.
山浦善樹最高裁判事は,一橋大学法学部卒業ですが,木澤克之先生は立教大学法学部卒業です.
元司法研修所民事弁護上席教官,元東京弁護士会司法修習委員会委員長,元新司法試験考査委員,元立教大学法務研究科教授という経歴です.
最高裁判事としてのご活躍を期待いたします.


谷直樹


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by medical-law | 2016-06-25 00:46 | 司法

長官所長会同における寺田逸郎最高裁長官の挨拶

寺田最高裁判所長官は、長官所長会同で次のとおり挨拶しました.

基本的な課題について次のとおり述べました.

「よ り 長 期 的 に は , 我 が 国 の 社 会 や 経 済 の 国 際 化 , 少 子 高 齢化 , 組 織 や 家 族 の 多 様 化 と い っ た 情 勢 の 構 造 的 な 変 化 に 伴っ て , 裁 判 所 に 期 待 さ れ る 役 割 に も 変 化 が 見 ら れ , 司 法 機能 に 期 待 さ れ る 「 品 質 」 の 水準が ま す ま す 高 ま っ て い る こと を 感 ぜ ず に は い ら れ ま せ ん 。 こ の よ う な 状 況 の 下 で , 現実 に 裁 判 所 の 役 割 を 十 分 に 果 た し て い く た め に , 裁 判 制 度と そ れ を 支 え る 人 的 , 物 的 基 盤 を 安 定 的 に 運 用 し て い く こと を 感 ぜ ず に は い ら れ ま せ ん 。

こ の よ う な 状 況 の 下 で , 現実 に 裁 判 所 の 役 割 を 十 分 に 果 た し て い く た め に , 裁 判 制 度と そ れ を 支 え る 人 的 , 物 的 基 盤 を 安 定 的 に 運 用 し て い く こと が 必 要 不 可 欠 で あ る こ と は 言 う ま で も あ り ま せ ん が , 絶え ず 変 化 す る 社 会 経 済 情 勢 の 中 で , 司 法 の 本 質 を 見 失 わ ない よ う に し つ つ , 変 化 に 即 し た 運 用 や 事 務 の改善 を 柔 軟 に行 っ て い く 工 夫 も 忘 れ て は な り ま せ ん 。」


民事裁判については、次のとおり述べました.

民 事 裁 判 は , 社 会 経 済 情 勢 の 変 化 や 複 雑 化 に よ る 影 響 が色 濃 く 見 ら れ る 分 野 で あ り , そ れ だ け に , こ の よ う な 情 勢の 変 化 を 踏 ま え た 裁 判 所 の 役 割 の 在 り よ う に 対 す る 国 民 の意 識 を 鋭 敏 に 感 得 す る 必 要 が あ り ま す 。 こ れ ま で , 判 決 等に お い て 説 得 的 で 分 か り や す い 判 断 を 示 す こと が 求 め ら れる の み な ら ず , 判 決 等 に 至 る プ ロ セ ス に お い て も 納 得 性 の高 い 審 理 運 営 を 実 現 す る こ と が 望 ま れ て い る こ と に つ い て指 摘 を 重 ね て き ま し た 。 そ の た め の 具 体 策 と し て , 部 の 機能 の 活 性 化 を 図 り , 合 議 体 に よ る 審 理 を 充 実 さ せ た り , 裁判 所 内 外 で の 意 見 交 換 の 機 会 を 増 や し た り し て , 多 角 的 な視 点 を 持 っ た 議 論 に 裏 付 け られた 審 理 運 営 を 積 み 重 ね る こと を 通 じ て , 紛 争 の 実 相 を 捉えた 深 み の あ る 判 断 に 至 る ため の プ ラ ク テ ィ ス を 形 成 し て い く 必 要 が あ る こ と の 認 識 も深 ま り つ つ あ る よ う に 思 い ま す 。

ま た , 裁 判 の 品 質 を 考 える に 当 た っ て , 解 決 ま で に 要 す る 期 間 と い う 要 素 が 重 要 な意 味 を 持 つ こ と も 度 々 指 摘 が あ る と お り で す 。

争 点 整 理 手続 に お い て , 裁 判 官 に よ る 適 切 な 訴 訟 指 揮 の 下 , 当 事 者 や代 理 人 と の 間 で 十 分 に 議 論 が 行 わ れ , で き る 限 り 早 期 に 争点 に 対 す る 認 識 を 共 有 し て い く こ と が , 的 確 か つ 迅 速 な 判断 を 行 い , ひ い て は 当 事 者 の 納 得 性 を 高 め る 上 で 重 要 で ある と 考 え ら れ ま す 。」


裏から言うと「争点整理手続において,裁判官による適切 な訴訟指揮の下 ,当事者や代理人との間で十 分に議論が行われ,できる限り早期に争点に対する認識を共有していく こ と」 が現状では不十分であるということです.

裁判事務については、不祥事をふまえ、次のとおり述べました.

「裁 判 事 務 の 円 滑 な 遂 行 に , 裁 判 所 に 対 す る 国 民 か ら の 信頼 が 不 可 欠 で あ る こ と は 改 め て 述 べ る ま で も あ り ま せ ん が ,昨 今 , 社 会 に お い て , 法 に 適 合 し な い 業 務 等 を 行 っ て い たこ と が 明 ら か に な り , 国 民 の 信 頼 が 損 な わ れ る 例 は 一 つ ,二 つ に と ど ま ら な い こ と に 留 意 を 求 め た い と 思 い ま す 。
自ら 行 う 事 務 が , 国 民 の 視 点 , 裁 判 所 の 外 か ら の 視 点 で 見 ても , 事 実 と 法 令 を 踏 ま え た 適正な も の と 言 え る よ う , 一 人一 人 の 裁 判 所 職 員 が , 常 日 頃 か ら , 事 務 処 理 の 流 れ 全 体 に目 を 配 り , い っ た ん 不 適 正 な 事 務 が 行 わ れ た 場 合 の 影 響 の広 が り に も 想 像 力 を 持 っ て , あ る べ き 姿 に 向 け た 不 断 の 努力 を 続 け て い く 必 要 が あ り ま す 。 特 に , 裁 判 所 が 扱 っ て いる 情 報 に , プ ラ イ バ シ ー や 営 業 秘 密 等 に も 関 わ る 機 密 性 の高 い も の が 多 く 含 ま れ て い る こ と を 考 え る と , 情 報 セ キ ュリ テ ィ の 確 保 は , 裁 判 所 に と っ て 極 め て 重 要 な 課 題 で す 。
多 く の 職 員 が 意 識 的 に 取 り 組 ん で い る よ う に う か が わ れ るこ と は 心 強 い 限 り で す が , 重ねて , こ の よ う な 情 報 が 万 が一 に も 漏 え い す る こ と の な い よ う , 引 き 続 き 万 全 の 措 置 を講 ず る こ と を 求 め た い と 思 い ま す 。

「以 上 述 べ た こ と に 限 ら ず , 裁 判 事 務 及 び 組 織 運 営 の 全 てに わ た っ て , 裁 判 官 こ そ が , そ の 要 と し て , 裁 判 所 に 期 待さ れ る 役 割 を 十 分 に 認 識 し , 自 ら の 所 属 す る 部 や 裁 判 所 に限 ら ず , 裁 判 所 全 体 の 課 題 を も 的 確 に 把 握 し , 多 様 な 職 種か ら な る 裁 判 所 職 員 と 協 働 し て 個 々 の 事 件 を 適 正 迅 速 に 処理 し て い く 役 割 を 担 っ て い ま す 。 裁 判 官 が , こ の よ う な 役割 を 十 分 に 果 た せ る 力 を 身 に 付 け る よ う , 何 よ り も 裁 判 官自 身 が , 高 い 意 識 を 持 っ て , 主 体 的 か つ 自 律 的 に 自 己 研 さん の 努 力 を た ゆ む こ と な く 続 け る こ と が 肝 要 で あ り , 加 えて , 司 法 研 修 所 に お い て も , 研 修 の 充 実 強 化 に 取 り 組 み ,裁 判 官 の 成 長 支 援 の 在 り 方 の 検 討 を 深 め て い く こ と で 全 体と し て の 体 制 整 備 を 図 っ て い き た い と 思 い ま す 。」



裁判所がハンセン病患者を差別的に取り扱ったことについては、次のとおり述べました.

終 わ り に , 先 日 , ハ ン セ ン 病 を 理 由 と す る 開 廷 場 所 指 定に 関 す る 調 査 報 告 書 及 び 裁 判 官 会 議 談 話 を 公 表 し , 開 廷 場所 指 定 の 定 型 的 な 運 用 が 裁 判 所 法 に 違 反 す る も の で あ っ たこ と を 明 ら か に し た と こ ろ で す 。 裁 判 所 は , 憲 法 的 秩 序 を支 え る 柱 で あ り な が ら , そ の 期 待 に 反 し た こ と に つ い て 深い 反 省 に 立 ち , こ の よ う な こ と を 二 度 と 繰 り 返 さ な い た めに , 具 体 的 な 方 策 を 検 討 し , 着 実 に 実 行 し て い か な け れ ばな り ま せ ん 。 ま た , 障 害 を 理 由 と す る 差 別 の 解 消 の 推 進 に関 す る 法 律 の 施 行 を 受 け て , 本 年 4 月 か ら , 裁 判 所 に お いて , 障 害 を 理 由 と す る 不 当 な 差 別 的 取 扱 い を す る こ と な く ,社 会 的 障 壁 の 除 去 の た め に 必 要 か つ 合 理 的 な 配 慮 を 提 供 すべ き こ と を 定 め た 対 応 要 領 が 実 施 さ れ て い ま す 。 こ の 際 ,裁 判 所 職 員 の 一 人 一 人 が , 人 権 に 対 す る 鋭 敏 な 意 識 を 持 ち ,日 々 の 職 務 の 遂 行 に お い て , 先 例 に と ら わ れ る こ と の な い法 令 順 守 が 堅 持 さ れ た 事 務 の 遂 行 と い う 地 道 な 努 力 を 重 ねて , 司 法 に 対 す る 国 民 の 期 待 と 信 頼 に 応 え て い く 必 要 が ある こ と を 強 調 し て お き た い と 思 い ま す 。 こ の 点 を 含 め , 全て の 職 員 が , 持 て る 能 力 を 十 二 分 に 発 揮 し , 仕 事 の 意 義 をよ く 理 解 し て 職 責 を 果 た し て い く こ と を 期 待 し ま す 。」


今は「挨拶」と言いますが,もともとは「訓示」です.このように裁判所の課題と方向性を示すもので,重要です.



谷直樹


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by medical-law | 2016-06-24 01:00 | 司法

Baker & Hostetler、AIによる弁護士を導入

アメリカの法律事務所Baker & Hostetlerが、IBM Watson上で構築されたAIによる弁護士を破産分野に導入したとのことです.
囲碁でも、AlphaGoがイ・セドル九段に勝っています.
強い弁護士、優秀な弁護士が依頼者に利益をもたらしますので、いずれ、破産の分野のみならず、企業法務の分野でも、AIによる弁護士が普通の時代がくるのかもしれません.AIによる弁護士は1年365日24時間対応できますし.


谷直樹


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by medical-law | 2016-05-16 01:56 | 司法

東京地裁判決,定年後再雇用同一の仕事内容で賃金に差があるのは違法

NHK「定年後も正社員と同一賃金の支払い命じる 東京地裁」(2016年5月13日)は次のとおり報じました. 

「定年後に嘱託社員として再雇用されたトラックの運転手が、待遇が不当だと訴えた裁判で、東京地方裁判所は「正社員と同一の仕事なのに賃金に差があるのは違法だ」として、会社に対して正社員と同じ賃金の支払いを命じる判決を言い渡しました。

横浜市に本社がある「長澤運輸」を定年退職したあと後、嘱託社員として再雇用されたトラックの運転手の男性3人は、「賃金を3割前後も下げられた」として会社に対して裁判を起こしました。会社側は「定年後も同じ賃金で再雇用する義務はない」などと反論していました。
13日の判決で東京地方裁判所の佐々木宗啓裁判長は、「仕事の内容は正社員と同一と認められ、賃金に差があるのは違法だ」と指摘しました。そのうえで、「雇用の確保のため企業が賃金を引き下げること自体には合理性があるが、財務状況などから今回はその必要性はない」として、会社に対して正社員と同じ賃金の支払いを命じる判決を言い渡しました。
3人の弁護団は、運送業界では同じような形で再雇用している会社が少なくないとしたうえで、「格差の是正に向けて大きな影響力を持つ画期的な判決だ」と評価しています。」

テレビニュースには,花垣存彦先生が記者に語りかけている姿が映っていました.
定年後の再就職でも天下りした公務員などはむしろ収入が上がりますし,嘱託として再雇用し同じ仕事をさせている場合に賃金を下けるのは不合理です.
なお,医療過誤事件では,67歳まで今の収入が続いたという計算をすることが一般的です.

谷直樹


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by medical-law | 2016-05-14 08:50 | 司法