弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

カテゴリ:医療事故・医療裁判( 1141 )

日本医療安全調査機構の運営委員会, 事故調センター調査の公開を提案

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日本医療安全調査機構「医療事故調査・支援事業運営委員会」は,2017年8月30日,医療事故調査・支援センター(センター)に依頼した再調査の結果を、個人情報保護に留意した上で、公開することを提案しました.
医療法では,医療機関または遺族は、院内事故調査の結果に納得がいかない場合などにセンターに再調査を依頼することができ,再調査の結果は医療機関と遺族に報告されます.
調査結果に記載された再発防止策を,個人が特定できないような形で公開することにより,当該医療機関以外の医療機関などで同じような事故が起きることを防止できます.安全な医療のために,是非,事故調査の成果を公開する方向で進めていただきたいと思います.


谷直樹

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by medical-law | 2017-09-11 09:52 | 医療事故・医療裁判

高山赤十字病院のCT画像の肝腫瘍見落とし事案で注意義務違反を認めた名高判が確定(報道)

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朝日新聞「医師の注意義務違反が確定 名古屋高裁判決」(2017年9月8日)は,次のとおり報じました.

「代理人の弁護士などによると、女性はC型肝炎ウイルスを患って通院。07年10月のCT検査の画像に肝腫瘍が映っていたという。女性は翌年11月に死亡(当時75)。遺族はCT検査時に医師が腫瘍に気づき、切除手術などをしていれば延命できたとして、11年1月に岐阜地裁に提訴した。

 15年4月の地裁判決(武藤真紀子裁判長)、今年2月の名古屋高裁判決(藤山雅行裁判長)とも、CT検査画像で肝臓の病変を発見できたとして、医師の注意義務違反を認定。発見が遅れたことで女性が適切な治療を受けられなかったとして、病院側に慰謝料450万円などの支払いを命じた。病院側は最高裁に上告したが受理されず、高裁判決が確定した。」


上記報道の件は私が担当したものではありません.
長良橋通り法律事務所の横山文夫先生が担当した事件です.

癌の見落とし事件は,発見時点の癌の進行度,癌の種類,実際に亡くなるまでの経過などにより,延命できたであろう年月の認定が異なり,したがって賠償額も異なります.

上記報道の件は,CT検査の画像に映っていたいうのですから,注意義務違反は明らかです.
過失時点が2007年10月で,死亡時点が20008年11月ですから,2007年10月に肝腫瘍に気付き手術した場合いつまで生きられたかの立証が問題になり,裁判所は450万円の賠償を命じたのだと思います.


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by medical-law | 2017-09-09 02:54 | 医療事故・医療裁判

群馬大医学部付属病院事件で,遺族が執刀医と上級医の行政処分を要請(報道)

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時事通信「厚労省に執刀医ら処分要請=遺族「保身に終始」と非難-群馬大病院事故」(2017年9月7日)は,次のとおり報じました.

「群馬大医学部付属病院で腹腔(ふくくう)鏡などの手術後に患者が相次ぎ死亡した問題で、死亡患者9人の遺族と弁護団は7日、執刀した男性医師=退職、懲戒免職相当=と、上司だった元教授=諭旨解雇=について、注意義務違反と職業倫理に反する行為を理由に、医師免許の取り消しを含めた行政処分を求める要望書を厚生労働省に提出した。
 要望書では、男性医師について、日本外科学会や弁護団の各調査で「手術手技の拙劣は明らか」とし、術前は「99%成功」などと手術ありきで説明は不十分だったと指摘。カルテの記載はずさんで、病理解剖も「普通しない」などと行わなかった点などを問題視した。
 元教授についても手術件数を増やす方針の下、適切な指導監督を行わず悪質だとした。
 これまでに両医師は遺族に対し、手術の選択や手技などは問題ないとの見解を示したほか、事前説明は1時間行い、解剖も勧めたと主張。遺族らは「反省もなく自己保身に終始した」と非難した。 
 20代の妹を開腹手術で亡くした前橋市の30代男性は、厚労省で記者会見し「医師以前に人としての倫理に欠け、遺族の思いが全く伝わらなかった」と強調。これまで刑事処分を受けていない医師が処分されたケースはないが、80代の父を腹腔鏡手術で亡くした群馬県の40代男性は「厚労省幹部にしっかり受け止めると言ってもらった。適切な処分が下されると願いたい」と訴えた。」


執刀医(元助教)と上級医(元教授)は,過失を認めず,謝罪もしませんので,遺族の怒りは増すばかりと思います.
ただ,これまで一定程度重い刑事処分を受けると行政処分も受けますが,刑事処分を受けないと行政処分もないという取り扱いになっています.
弁護団に委任しているのは9遺族ですが,手術による死亡者は多数います.


また,読売新聞「群大改革、調査委が評価…手術死問題、患者参加は不十分」(2017年9月2日)は,次のとおり報じました.

「群馬大学病院(前橋市)の手術死問題で、第三者による調査委員会に対する病院の改革達成状況の報告会が1日、同病院で開かれた。病院幹部と記者会見した上田裕一委員長(奈良県総合医療センター総長)は、「調査報告書で示した改革提言の8割近くが90%以上の達成率」として診療体制や職員の意識改革を評価した。電子カルテ情報の共有など患者参加の促進は不十分で、課題も残った。」

「会見で委員から、カルテ開示が可能なことを積極的に知らせるとともに、治療方針検討の場への患者参加の実現を求められ、田村 遵一 病院長は「近く行うよう約束する」と明言した。」



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by medical-law | 2017-09-08 10:57 | 医療事故・医療裁判

日本医療安全調査機構,医療事故の再発防止に向けた提言第2号「急性肺血栓塞栓症に係る死亡事例の分析」

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急性肺血栓塞栓症の医療過誤事件は一定数ありますが,減らすことができるはずです.
一般社団法人日本医療安全調査機構は,2017年8月, 医療事故の再発防止に向けた提言第2号「急性肺血栓塞栓症に係る死亡事例の分析」を発表しました.
「ガイドラインの策定と「肺血栓塞栓症予防管理料」の保険収載という施策により、病院での肺血栓塞栓症に対する疾患の認識と予防への取り組みは、全国的に広がり、一定の予防効果は得られていると考えられる。しかしながら、いまだ医療事故調査・支援センターへの死亡事例の報告は続いており、さらなる対策の徹底が求められると考える。」とのことです.

提言は以下のとおりです.

【リスクの把握と疾患の認識】
提言1 入院患者の急性肺血栓塞栓症の発症リスクを把握し、急性肺血栓塞栓症は “ 急激に発症し、生命を左右する疾患で、特異的な早期症状に乏しく早期診断が難しい疾患 ” であることを常に認識する。

【予防】
≪患者参加による予防≫
提言2 医療従事者と患者はリスクを共有する。患者が主体的に予防法を実施できるように、また急性肺血栓塞栓症、深部静脈血栓症を疑う症状が出現したときには医療従事者へ伝えるように、指導する。

≪深部静脈血栓症の把握≫
提言3 急性肺血栓塞栓症の塞栓源の多くは下肢、骨盤内静脈の血栓である。
深部静脈血栓症の臨床症状が疑われた場合、下肢静脈エコーなどを実施し、血栓を確認する。

【早期発見・早期診断】
提言4 明らかな原因が不明の呼吸困難、胸痛、頻脈、頻呼吸、血圧低下などを認めた場合、急性肺血栓塞栓症の可能性を疑い、造影 CT などの実施を検討し早期診断につなげる。

【初期治療】
提言5 急性肺血栓塞栓症が強く疑われる状況、あるいは診断が確定した場合、直ちに抗凝固療法(ヘパリン単回静脈内投与)を検討する。

【院内体制の整備】
提言6 急性肺血栓塞栓症のリスク評価、予防、診断、治療に関して、医療安全の一環として院内で相談できる組織(担当チーム・担当者)を整備する。必要があれば院外への相談や転院などができるような連携体制を構築する。

学会・企業等へ期待(提案)したい事項は次のとおりです.

①症例登録による現状把握
急性肺血栓塞栓症の予防、診断、治療法を改善し医療事故の再発を減らすには、日本における急性肺血栓塞栓症の現在の発生状況、臨床的特徴、治療方法などを把握する必要がある。
CTや病理解剖で急性肺血栓塞栓症の診断が得られた症例の登録(レジストリ)が全国規模で実施されることを期待する。

②静脈血栓塞栓症予防のための、医療機器の改良
着脱しやすく不快感や皮膚障害が少ない弾性ストッキング、間欠的空気圧迫法用の簡便・軽量な器具の開発を期待する。

③医師・看護師に対する急性肺血栓塞栓症についての教育
急性肺血栓塞栓症の予防、診断、治療においては、あらゆる診療科の医師、看護師などの医療関係者が重要な役割を果たしており、これらの医療従事者が基本的知識を得られるような研修の機会をつくることが望まれる。各学会に対し、急性肺血栓塞栓症の予防、診断、治療法に関する教育の機会を提供することを期待する。
さらに、肺血栓塞栓症の専門学会に対しては、各医療施設の専門担当者が他科などからの相談に対応できるよう、急性肺血栓塞栓症の予防から緊急時の診断、治療に関して、基本的知識を確認したり最新の知識を習得したりできる機会を提供することを期待する


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by medical-law | 2017-09-05 13:42 | 医療事故・医療裁判

千葉市立海浜病院,手術リスクを実際よりも低く説明した事案で,説明義務違反を認め,1322万円で示談

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死亡率を5~10%と事前に説明していたが,実際は50%程度だったことから,説明義務違反を認め,千葉市立海浜病院は,患者の遺族に1322万円を支払うことで示談が成立したことを発表しました.説明義務違反がなければ手術を受けなかったのか,が問題ですが,院長にとれば,適切な説明があれば手術を避けた可能性が高かったとのことです.

千葉日報「70代女性遺族へ1322万円 千葉市立海浜病院、示談で賠償」(2017年9月2日)は,次のとおり報じました.
「示談成立は8月16日。
 担当医師は手術による女性の死亡率を5~10%と事前に説明していたが、外部調査委員会の報告書では50%程度だったと判断された。寺井院長は『適切な説明があれば手術を避けた可能性が高かった』と述べた。
 示談が成立したのは3人目。すでに2遺族へ賠償金300万円と100万円がそれぞれ支払われている。今も2人の遺族と交渉中で、残りの3人は『手術の適応やリスク説明に問題なし』として賠償しない方針を決めている。」



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by medical-law | 2017-09-02 16:57 | 医療事故・医療裁判

甲府市立病院,鼻から内視鏡を引き抜く際右目付近の血管を傷つけ視野狭窄等の障害が残った件で示談(報道)

この件は,私が担当したものではありません.
甲府市立病院で,2014年9月9日に副鼻腔炎の手術を受けた,自営業の40代男性が,鼻から内視鏡を引き抜く際右目のくぼみにある血管を誤って傷つけられ,翌10日の手術で血腫を除去したが,視野狭窄,視力低下,複視の後遺症が残った事案で,示談が成立し,甲府市は1292万円を支払うと発表しました.
眼窩血腫をおこした事案でしょう.手術後の観察で眼瞼の腫脹,皮下出血があれば眼窩血腫としてすみやかに対処する必要があります.

朝日新聞「鼻の内視鏡手術で目に後遺症 市立甲府病院」(2017年8月29日)によれば,甲府市立病院では,耳の手術で難聴を悪化させた医療事故で1月末に2件(損害賠償金計850万円)、手首のこぶを取る治療で患部付近の神経を傷つけた医療事故で3月にも1件(同70万円)の示談が成立している,とのことです.


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by medical-law | 2017-08-31 07:40 | 医療事故・医療裁判

腸管狭窄と高度の便秘と腎機能障害を有する83歳の男性に経口腸管洗浄剤を服用させた事案の第1回期日

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今週は,裁判期日が4件入っています.
その1つが,腸管狭窄と高度の便秘と腎機能障害を有する83歳の男性に経口腸管洗浄剤を投与した事案の第1回期日です.
京都地裁,8月24日(木曜)午前11時00分です.

医療事故により亡くなった患者は,京都市の83歳の男性でした.1級技能士資格及び職業訓練指導員免許をもつベテラン表具師で,元氣に仕事をしていました.
原告は,京都市在住の患者の妻,長男と仙台市在住の次男です.
被告の病院は,京都市中京区の総合病院(公的病院)です.

【事案】
大腸検査前処置の医療過誤です.
医師は,大腸検査の前夜に下剤ラキソベロンを服用し,検査当日に経口腸管洗浄剤ムーベンを服用する,という手順を指示しました.
83歳の男性は,腸管狭窄と高度の便秘と腎機能障害があり,検査前夜に指示に従い下剤ラキソベロンを服用しましたが,排便はありませんでした.

その状態で,経口腸管洗浄剤ムーベンを服用させるのは大変危険です.
ムーベンの添付文書の警告欄には,【禁忌(次の患者には投与しないこと)】として,「腸管に閉塞のある患者又はその疑いのある患者(大腸検査前処置に用いる場合)[腸管蠕動運動の亢進により腸管の閉塞による症状が増悪し、腸管穿孔に至るおそれがある.]」と記載されています.
医学文献 「腸疾患診療-プロセスとノウハウ」には,「腸管に狭窄病変のある患者に投与すると腸閉塞や腸管穿孔を起こし,重篤な状態を引き起こす可能性があり,投与前の問診や診察が重要である」(125~126頁)と記載されています.

患者に腸管狭窄と高度の便秘と腎機能障害があることを医師は知っていたはずですから,医師にはムーベン投与前に問診,診察を行ない,とくに排便状況について把握し,ムーベンを投与しない注意義務があったはずです.
にもかかわらず,医師は,ムーベン投与前に問診,診察を行いませんでした.
そのために,患者がムーベンによる糞便大腸イレウスを発症してショック状態となり,腸管虚血が遷延し,S状結腸の穿孔を来し,穿孔により汎発性腹膜炎を発症し,死亡しました.

この件は,医療事故調査が行われており,平成28年5月12日の「医療事故調査報告書」にも,「本患者のように慎重投与例に対しての排便状況の把握は不十分だった.また,詳細な手順書は整備されていなかった」,「ムーベン服用を契機に糞便による大腸イレウスを発症しショック状態となった.その後,腸管虚血が遷延し,S状結腸の穿孔を来し汎発性腹膜炎を発症,死亡に至った」と書かれています.

本件患者がショック状態に陥った後,被告病院は,すみやかに近くに住む妻と長男に連絡しなかったので.家族は,午後2時頃急変している状況を知らずに訪室し,本件患者が苦痛表情を呈していた姿を見て,いっそう大きな精神的苦痛を被りました.
事故後の対応にも問題のある事案と思います.

この裁判が適正に解決し,医療事故の再発防止に役立つよう,力を尽くしたいと思います.


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by medical-law | 2017-08-22 06:10 | 医療事故・医療裁判

平成28年の医事関係訴訟,提訴は878件,審理期間は23,2月,認容率(患者側勝訴率)は17.6%

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裁判所の集計によると,平成28年の医事関係訴訟(新受)は878件(前年より52件増加)でした.平成20年の水準に戻ったと言えます.
医療ADRなど裁判外の紛争解決手段が充実してきたにもかかわらず,平成28年に提訴された医事関係訴訟が878件もあったということは,(1)医療過誤の疑いのあるケースが表面化することが増えてきたためと(2)医療過誤の疑いをもった場合に弁護士に相談する事例が増えてきたためではないか,と思います.

平均審理期間は23,2月です.
平成25年以降,審理期間は2年を切っています.
ただ,あくまで平均であって,被告側(医療側)が徹底抗戦の姿勢で争ってくれば,2年以上の時間がかかります.

平成28年の地裁民事第一審通常訴訟事件・医事関係訴訟事件の認容率(原告=患者側が勝訴した率)は,17.6%と著しく低率です.
20%を切ったのは,平成11年以降はじめてです.
通常訴訟の認容率が80%を超えているのに比べると,医事訴訟の認容率の低さが際立ちます.
医療においては,原告(患者側)が過失・因果関係を立証するのは難しいことが分かります.
ただ,それにしても,17.6%は低すぎます.
医事裁判では原告側(患者側)の主張立証の巧拙が結果に影響することも多々ありますので,弁護士が増え従前医療過誤事件を取り扱わなかった人たちが取り扱うようになったために患者側代理人の力量が低下してきたのでしょうか.また,高裁で逆転判決の報道もいくつかみられることから,地裁裁判官の力量不足によるものなのでしょうか.どこかで,医事敗訴判決の研究を行っていただけると,大変有意義だと思います.

判決で終了するのは34.1%,和解で終わるのは51.1%です.
和解内容は,判決以上に担当弁護士の力量を反映します.原告側(患者側),被告側(医療側)双方に力量のある弁護士がつくと,先が見えるので,和解で終わることが多いように思います.


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by medical-law | 2017-08-18 14:46 | 医療事故・医療裁判

名地判平成29年7月2日,もやもや病の疑いのある小児の脳梗塞発症事案で約6600万円の賠償を命令

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中日新聞「女児死亡で名地裁が賠償命令 刈谷豊田総合病院」(2017年8月2日)は次のとおり報じました.

「愛知県刈谷市の刈谷豊田総合病院で2011年、脳の難病「もやもや病」の疑いがある女児=当時(7つ)=が適切な治療を受けられず亡くなったとして、同県知立市の両親が、病院を運営する医療法人豊田会に約7400万円の損害賠償を求めた訴訟で、名古屋地裁は2日、医師らが注意義務を怠ったとして、同法人に約6600万円の賠償を命じた。

 原告側代理人などによると、もやもや病は脳の動脈が詰まったり細くなったりする病気で、頭痛やけいれん発作、意識障害などの症状がある。女児は死亡直前、脳内の圧力が高まっていた状態で、頭痛などの症状を訴えていた。

 末吉幹和裁判長は判決理由で「女児には入院当初から脳内の圧力を管理する治療が必要だったのに、医師らは処置をしていなかった」と病院側が注意義務を怠ったと認定。その上で「医師らが適切な治療をしていれば女児は脳梗塞を発症せず、死亡しなかった可能性が高い」として女児の死亡との因果関係も認めた。

 病院側は「弁護士にすべてを任せているので、病院からはコメントを差し控えたい」とした。

 判決によると、女児は11年10月18日、頭痛を訴えて同病院に救急搬送され、もやもや病の疑いがあると診断された。その後、けいれん発作や脳梗塞を発症し、同31日に死亡した。」

報道の件は,私が担当したものではありません.
私は,以前,小児のもやもや病の事案を担当し,東京高裁で和解したことがあります.
報道の件については,判例雑誌等に掲載されたら,よく読んでみたいと思います.

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by medical-law | 2017-08-04 10:11 | 医療事故・医療裁判

医療安全情報No.128(2017年7月)手術部位の左右の取り違え-脳神経外科手術-

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公益財団法人日本医療機能評価機は,医療安全情報No.128(2017年7月)「手術部位の左右の取り違え-脳神経外科手術-」を発表しました.

「手術部位の左右の取り違え」については,医療安全情報No.8(2007年7月),No.50(2011年1月)でも取り上げられていますが,その後、類似の事例が26件あり,そのうち11件は脳神経外科手術の事例であったことから,今回の医療安全情報No.128(2017年7月)となったとのことです.

「脳神経外科手術で手術部位の左右を取り違えた事例が11件報告されています。
○いずれも、画像は確認したがポジショニングなどを行う前に手術部位を確認しなかった事例です。
○4件は、執刀直前に医師が声に出した手術部位と執刀部位を照合しなかった事例です。」



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by medical-law | 2017-07-27 06:21 | 医療事故・医療裁判