弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

カテゴリ:コンプライアンス( 102 )

臨床試験中止公表直前に800株を空売りした臨床試験リーダーの医師が3か月の停職処分となる(報道)

宮崎大学は、平成28年2月26日、医学部・教育職員(男性)に対し、国立大学法人宮崎大学職員懲戒等規程に基づき、停職3月の懲戒処分を行ったことを公表しました.

読売新聞「宮崎大医師、インサイダー取引で停職処分…自ら関与の目薬開発巡り」(2016年2月28日)は、次のとおり報じました.

「医師は2013年3月から、製薬会社「アールテック・ウエノ」(東京)と網膜の病気に関する目薬の臨床試験をしていた。15年3月、同社から臨床試験中止の連絡を受けた医師は、中止公表後の値下がりを見越して同社株800株を信用取引で売買し、約60万円の利益を不正に得たという。中止が公表されたのは、この取引の約1時間20分後だった。」

金融庁の認定した事実は、以下のとおりです.

「被審人(A)は、(株)アールテック・ウエノ(以下「アールテック」という。)との間で網膜色素変性に対するウノプロストン(開発コードUF-021)点眼液の第3相臨床試験(以下「本試験」という。)に係る治験契約を締結していた法人に勤務し、同治験に従事していた者である。

被審人は、平成27年3月9日、同契約の履行に関し、アールテックが本試験を中止することについて決定した旨の、アールテックの運営、業務又は財産に関する重要な事実であって投資者の投資判断に著しい影響を及ぼす事実を知りながら、法定の除外事由がないのに、上記事実の公表がされた同日午後3時30分頃より前の同日午後2時11分頃、B証券株式会社を介し、自己の計算において、アールテック株式合計800株を売付価額合計165万5700円で売り付けたものである。」



外資ファンドによるTOBで上場廃止となるまでの局面でおきた事件です.
医師の行為は紛れもないインサイダー取引で,その違法性は容易に認識できたはずです.


 谷直樹


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by medical-law | 2016-03-01 01:53 | コンプライアンス

エシックによる患者日誌改ざんに続き、イーピーミントも血圧測定時刻を改ざん

薬事日報によると、「担当CRCは血圧を測定し、その後採血すると治験実施計画書に規定された業務を、採血後に血圧を測定する逆の手順で行ってしまった。さらに、CRCは血圧測定を手順通り採血前に実施したことにするため、実際には測定していない事実と違う時刻をワークシートに記載し続けていた。こうした不正行為は、2013年12月に治験が開始された当初から行われており、CRCは最初から手順を間違え、それを隠すために血圧測定時刻を改ざんした模様だ。この治験は不正を行ったCRCが1人で担当していたことから、事件の発覚が遅れ、昨年12月にサブ担当の別のCRCがつき、被験者対応を行った時にようやく表面化した。」とのことです.

このように、エシックによる患者日誌改ざんに続き、イーピーミントも血圧測定時刻を改ざんしていたことが報道されました.
SMOの不正が相次いで発覚しています.
治験の信頼性を揺るがしかねない事態です.


谷直樹



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by medical-law | 2016-02-26 01:19 | コンプライアンス

金融庁、新日本有限責任監査法人及び公認会計士7名に業務停止・課徴金21億円の処分

金融庁は、2015年12月22日、新日本有限責任監査法人及び公認会計士7名に対し、次の懲戒処分等を行いました。


「1.監査法人

(1)処分の対象者

新日本有限責任監査法人(所在地:東京都千代田区)

(2)処分の内容

契約の新規の締結に関する業務の停止 3月

(平成28年1月1日から同年3月31日まで)

業務改善命令(業務管理体制の改善。詳細は下記4参照)

※併せて、同日、約21億円の課徴金納付命令に係る審判手続開始を決定

(3)処分理由

ア新日本有限責任監査法人(以下「当監査法人」という。)は、株式会社東芝(以下「東芝」という。)の平成22年3月期、平成24年3月期及び平成25年3月期における財務書類の監査において、下記7名の公認会計士が、相当の注意を怠り、重大な虚偽のある財務書類を重大な虚偽のないものとして証明した。

イ当監査法人の運営が著しく不当と認められた。

2.公認会計士

(1)懲戒処分の対象者及び内容

公認会計士 ×××(登録番号:8951号 事務所所在地:東京都千代田区)

業務停止6月(平成27年12月24日から平成28年6月23日まで)

公認会計士 ××××(登録番号:12640号 事務所所在地:東京都千代田区)

業務停止3月(平成27年12月24日から平成28年3月23日まで)

公認会計士 ××××(登録番号:16769号 事務所所在地:東京都千代田区)

業務停止3月(平成27年12月24日から平成28年3月23日まで)

公認会計士 ×××(登録番号:15070号 事務所所在地:東京都千代田区)

業務停止1月(平成27年12月24日から平成28年1月23日まで)

公認会計士 ××××(登録番号: 6371号 事務所所在地:東京都江東区)

業務停止1月(平成27年12月24日から平成28年1月23日まで)

公認会計士 ×××(登録番号: 9524号 事務所所在地:東京都千代田区)

業務停止1月(平成27年12月24日から平成28年1月23日まで)

公認会計士 ×××(登録番号:10933号 事務所所在地:東京都千代田区)

業務停止1月(平成27年12月24日から平成28年1月23日まで)

(2)処分理由

××会計士、××会計士及び××会計士は、東芝の平成24年3月期及び平成25年3月期における財務書類の監査において、相当の注意を怠り、重大な虚偽のある財務書類を重大な虚偽のないものとして証明した。

××会計士は、東芝の平成22年3月期、平成24年3月期及び平成25年3月期における財務書類の監査において、相当の注意を怠り、重大な虚偽のある財務書類を重大な虚偽のないものとして証明した。

××会計士、××会計士及び××会計士は、東芝の平成22年3月期における財務書類の監査において、相当の注意を怠り、重大な虚偽のある財務書類を重大な虚偽のないものとして証明した。

3.事案の概要

(1)東芝の財務書類に対する虚偽証明

当監査法人においては、

監査チームのメンバー構成が、長期間にわたり東芝や東芝の子会社の監査を担当した者が中心となっていることなどにより、東芝のガバナンスへの過信が生じ、東芝側の説明や提出資料に対して、批判的な観点からの検証が十分に実施できなかった。

監査対象事業ごとに分業体制で監査を進めていたにもかかわらず、チーム内での情報共有や連携がうまく機能しなかった。

等の背景事情を原因として、下記アからウに記載した事実などが認められた。

アパソコン事業(平成22年3月期、平成24年3月期及び平成25年3月期)

東芝は、パソコンを外部に製造委託するにあたって、海外子会社を通じて仕入れた部品を外部製造委託会社に調達価格を上回る価格で販売し、その差額分を、海外子会社は東芝に対する未払金として計上し、東芝は海外子会社に対する未収入金として計上することによって、同額の製造原価を減額して計上していた。

東芝は、平成21年3月期第2四半期以降、四半期末ごとに正常な生産行為に必要な数量を超えた部品を外部製造委託会社に販売した結果、パソコン事業の製造損益は四半期末月に利益が拡大し、翌月には悪化する状況が繰り返され、時期を追うごとに製造損益の振れ幅は拡大し、平成24年3月期には、四半期末月の製造原価が非常に低い水準に、さらに、平成25年3月期には、四半期末月の製造原価がマイナスとなる異常値となった。

監査の担当者は、毎四半期末月の製造利益が他月に比べ大きくなっている状況や四半期末月の製造原価がマイナスとなる異常値を認識するとともに、その理由を東芝に確認し、「部品メーカーからの多額のキャッシュバック」があったためとの回答を受けていたが、監査調書に記載するのみで、それ以上にチーム内で情報共有をしていなかった。

監査チーム内において不正の兆候を把握した場合の報告義務を課すなどの適切な指示、指導及び監督を十分に行っていなかった結果、必要な監査手続が実施されず、自己の意見を形成するに足る基礎を持たずに監査意見を表明していた。

イ半導体事業(平成24年3月期及び平成25年3月期)

東芝の半導体事業社内カンパニーでは、標準原価(以下「TOV」という。)を用いた原価計算を採用していた。また、半導体事業の製造工程は、前工程と後工程とに分かれており、両工程で発生する原価差額(TOVと実際に発生した原価との差額)を合算した上で、期末に完成品原価や在庫に割り振る手法を採用していた。

(ア)監査チームは、平成24年3月期の期末において、半導体事業社内カンパニーが前後工程の費用分担について見直しを行い、前工程で発生した原価差額を減額し、後工程の原価差額を同額増額する旨の説明を東芝から受けていた。

前工程の原価差額を減額した場合は、後工程の原価差額について同額の増額が行われるべきところ、東芝はこれを行っていなかったが、監査チームは、前工程における原価差額の減額が行われていたことを監査手続において認識しながら、後工程における原価差額の増額が行われているかを、十分かつ適切な監査証拠を入手し裏付けをもって確認する必要があるにもかかわらず、後工程における原価差額の増額は当然に行われていると勝手に思い込み、その確認を怠った。

(イ)平成25年3月期中に東芝が当監査法人に対して説明や相談することなく実施した臨時のTOV改訂においては、前工程のTOVのみを増額改訂し、後工程のTOVの改訂を行っていなかった。これにより、後工程において架空の原価差額が発生し、その一部を在庫に割り振ることにより、完成品原価に割り振られる原価差額が減少した結果、完成品原価が減少し、過大な利益が計上された。

監査チームは、臨時的なTOV改訂が行われれば、当然に東芝から報告や相談があるものと思い込み、また、前後工程のTOVは整合しているという勝手な思い込みのもと、これらの確認を怠った。

ウ工事進行基準適用事案(平成25年3月期)

ETC設備更新工事事案について、監査法人は、工事進行基準売上や受注工事損失引当金を特別な検討を必要とするリスクとして識別したにもかかわらず、東芝の説明を鵜呑みにし、また、東芝から提出された発番票などの資料を確認するにとどまり、見積工事原価総額の内訳などについて、詳細な説明や資料の提出を受けておらず、経営者が使用した重要な仮定の合理性や見積りの不確実性の検討過程を評価していないなど、当然行うべき、特別な検討を必要とするリスクに対応した十分かつ適切な監査証拠の入手ができていなかった。

(2)当監査法人の運営

当監査法人の運営が著しく不当なものと認められたとして、平成27年12月15日、金融庁は、公認会計士・監査審査会(以下「審査会」という。)から行政処分勧告を受け、調査の結果、下記アからエに記載した事実が認められた。

ア当監査法人の理事長、品質管理本部長及び事業部長など経営に関与する社員は、過去の審査会の検査、日本公認会計士協会の品質管理レビュー等で、リスク・アプローチに基づく監査計画の立案や分析的実証手続等の監査手続の不備を繰り返し指摘されてきたことを踏まえ、社員の品質管理に対する意識改革や期中レビューの強化、定期的な検証の実施担当者の選任方法の変更等、改善に向けた取組を強化してきたとしている。

しかしながら、下記イにみられるように品質管理本部及び各事業部等においては、原因分析を踏まえた改善策の周知徹底を図っていないことに加え、改善状況の適切性や実効性を検証する態勢を構築していない。そのため、社員及び監査補助者のうちには、監査で果たすべき責任や役割を十分に自覚せず、審査会検査等で指摘された事項を改善できていない者がいる。また、下記エにみられるように審査態勢も十分に機能していない。

経営に関与する社員はこうした状況を十分に認識しておらず、審査会検査等の指摘事項に対する改善策を組織全体に徹底できていない。

こうしたことから、下記ウに記載のとおり、これまでの審査会検査等で繰り返し指摘されたリスク・アプローチに基づく監査計画の立案、会計上の見積りの監査、分析的実証手続等について、今回の審査会検査でも同一又は同様の不備が認められており、当監査法人の改善に向けた取組は有効に機能していないなど、地区事務所も含めた組織全体としての十分な改善ができていない。

イ当監査法人では、品質管理本部及び各事業部等において、検査結果等に対する原因分析を踏まえた改善策の周知徹底及び浸透を十分に図っていない。

品質管理本部は、定期的な検証及び期中レビューにより、全ての監査の品質を一定水準以上に向上できているかを検証することとしている。しかしながら、これらの手段を組み合わせて用いても、早急に改善を要する監査業務や監査手続への適時な対応となっていないなど、実効性のあるモニタリングを実施する態勢を構築していない。また、定期的な検証において、監査手続の不備として指摘すべき事項を監査調書上の形式的な不備として指摘している。そのため、監査チームは指摘の趣旨を理解しておらず、審査会検査等で繰り返し指摘されている分析的実証手続等の不備について、改善対応ができていない。

さらに、品質管理本部は、問題のみられる一部の地区事務所への改善指導を実施しているものの、前回の審査会検査で検証した地区事務所が担当する監査業務において、今回の検査においても重要な監査手続の不備が認められている。

監査での品質改善業務を担っている各事業部等は、品質管理本部の方針を踏まえて監査チームに監査の品質を改善させるための取組を徹底させていない。また、一部の業務執行社員は、深度ある査閲を実施しておらず、監査調書の査閲を通じた監査補助者に対する監督及び指導を十分に行っていない。

このように、当監査法人においては、実効性ある改善を確保するための態勢を構築できていないことから、監査手続の不備の改善が図られない状況が継続しており、当監査法人の品質管理態勢は著しく不十分である。

ウ個別監査業務においては、業務執行社員がリスクの識別、リスク対応手続の策定等にあたり、職業的懐疑心を十分に保持・発揮しておらず、また、実施した監査手続から得られた監査証拠の十分性及び適切性について検討する姿勢が不足している。

このため、識別されたリスクに対応した監査手続が策定されていないなどリスク・アプローチに基づく監査計画の立案が不十分であり、重要な会計上の見積りの監査における被監査会社が用いた仮定及び判断について遡及的に検討をしていないほか、被監査会社の行った見積り方法の変更や事業計画の合理性について批判的に検討しておらず、分析的実証手続の不備が改善されていないなど、これまでの審査会検査等で繰り返し指摘されてきた監査手続の重要な不備が依然として認められる。加えて、重要な勘定において多額の異常値を把握しているにもかかわらず、監査の基準で求められている実証手続が未実施であり、また、経営者による内部統制の無効化に関係したリスク対応手続として実施した仕訳テストにおいて抽出した仕訳の妥当性が未検討であるなど、リスクの高い項目に係る監査手続に重要な不備が認められる。

エ監査業務に係る審査においては、審査担当社員が、監査チームから提出された審査資料に基づき審査を実施するのみで、監査チームが行った重要な判断を客観的に評価していない。また、監査チームが不正リスクを識別している工事進行基準に係る収益認識について、監査調書を確認せず、監査チームが経営者の偏向が存在する可能性を検討していないことを見落としているなど、今回の審査会検査で認められた監査実施上の問題点を発見・抑制できていない。

このように、当監査法人の審査態勢は、監査チームが行った監査上の重要な判断を客観的に評価できておらず十分に機能していない。

4.業務改善命令の内容

(1)今回、東芝に対する監査において虚偽証明が行われたことに加え、これまでの審査会の検査等での指摘事項に係る改善策が有効に機能してこなかったこと等を踏まえ、経営に関与する責任者たる社員を含め、責任を明確化すること。

(2)その上で、外部の第三者の意見も踏まえ、改めて抜本的な業務改善計画を策定すること。また、改善策を実施するにあたり、その実効性につき、経営レベルの適切な指導力の発揮の下、組織的に検証する態勢を構築するとともに、不十分な対策が認められた場合には、必要に応じて追加的な改善策を策定・実行すること。

(3)品質管理本部に加え、監査の品質改善業務を担っている各事業部の責任者等は、監査チームに対し、業務改善策が浸透・定着するよう、より主体性と責任を持って取り組むこと。

(4)審査体制の機能を強化することに加え、監査実施者が、監査チーム内で十分な情報共有・連携を確保するとともに、求められる職業的懐疑心を保持し、深度ある分析・検討を行う態勢を構築する観点から、監査法人内の人事管理や研修態勢を含め、組織の態勢を見直すこと。

(5)今回の事案の発生及び審査会から行政処分の勧告が行われるに至った背景として、監査法人の風土及びガバナンス体制等の面でいかなる問題があったのかを検証し、上記業務改善計画の中で改善に取り組むこと。

(6)上記(1)から(5)に関する業務の改善計画を、平成28年1月31日までに提出し、直ちに実行すること。

(7)上記(6)の実行後、当該業務の改善計画の実施完了までの間、平成28年6月末日を第1回目とし、以後、6か月ごとに計画の進捗・実施及び改善状況を取りまとめ、翌月15日までに報告すること。


中央青山監査法人への処分が想い起こされます.
オリンパスに続いて東芝の不正会計への関与,そして処分ですから,顧客は新日本有限責任監査法人から離れるのではないでしょうか.


谷直樹


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by medical-law | 2015-12-23 09:10 | コンプライアンス

「&TOKYO」と 「Jones & Co - Insurance and Commercial Litigation」

「&TOKYO」と 「Jones & Co – Insurance and Commercial Litigation」は,たしかに一見似ていますが,「&TOKYO」のほうは下を水平にそろえていますので法律事務所のものと全く同じというわけではありません.法律事務所のものをまねたとは考えにくいです.
アンパサンド (&)を図案化すると,どうしても今まであるものに似てしまうと思います.
知的財産の保護について法が定めているもの以上に過度のものを求めると,表現の自由が侵害されることになります.



谷直樹


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by medical-law | 2015-10-13 07:38 | コンプライアンス

吾唯知足

VW,東芝などの不祥事,コンプライアンス(法令順守)違反が報道されています.

龍安寺の蹲いには,吾唯知足(われただたるをしる)と刻まれています.
釈迦の「知足」に由来するとのことです.
老子の「知足不辱 知止不殆」(足るを知れば辱しめられず,止まるを知ればあやうからず)もよく知られています.

名與身孰親 
身與貨孰多
得與亡孰病
是故甚愛必大費
多藏必厚亡
知足不辱
知止不殆
可以長久
(老子 立戒第四十四章)

老子第三十三章にも,「知足者富 強行者有志」とあります.


谷直樹


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by medical-law | 2015-10-06 06:37 | コンプライアンス

日本製薬工業協会,医療用医薬品製品情報概要等に関する作成要領改訂

日本製薬工業協会は、ディオバン事件等をうけ,医療用医薬品製品情報概要等に関する作成要領を改訂し,サイトで公表しました.
参考情報の扱い,臨床試験のタイトルの対照薬名記載,品名広告におけるキャッチフレーズの禁止(DI広告では可)等詳細です.
ミクス「製薬協・広告作成要領を改定 副次的結果の記載を限定 比較試験記載は可能に 科学的な情報提供を」(2015年9月14日)を読まれると,どこがどのように変わったのかが分かりやすいです.


谷直樹


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by medical-law | 2015-09-16 04:10 | コンプライアンス

BMS、藤本製薬、セルジーン、ヤンセンファーマ、武田薬品工業が重い副作用報告せず

NHK「製薬5社 重い副作用の46人を報告せず」(2015年9月2日)は、次のとおり報じました.

「副作用が報告されていなかったのは合わせて46人で、その内訳は、ブリストル・マイヤーズが30人、藤本製薬が6人、セルジーンが5人、ヤンセンファーマが4人、武田薬品工業が1人でした。
厚生労働省は5社に対して、副作用の詳しい内容の報告を求めるとともに再発防止策を取るよう指示しました。」

製薬会社が重い副作用が出ていた46人について国に報告していなかったのは、会社内の体制の問題のようです.



谷直樹


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by medical-law | 2015-09-03 01:09 | コンプライアンス

日本化学療法学会,総会での岩田健太郎氏の著書販売禁止問題で調査委員会設置へ

2015年年6月4日から6日の日本化学療法学会総会(大会長は昭和大学医学部感染症内科教授の二木芳人氏)で,出展したすべての出版社,書店に,神戸大学感染症内科教授岩田健太郎氏の著書を販売しないようにとの指示があり,岩田氏が推薦文を書いた帯まで取り外されたとのことですが,この問題について日本化学療法学会は3人の外部委員による調査委員会を設置するとのことです.

私の本棚には,「感染症診療ガイドライン総まとめ」など岩田健太郎氏の編著書もあり,また二木芳人氏の著書もあり,いずれも相談等の際に参考にさせていただいております.
調査委員会の調査報告に期待いたします.


谷直樹


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by medical-law | 2015-07-22 05:01 | コンプライアンス

ドラマ「監査法人」と東芝の不適切会計問題

2008年のNHKドラマ「監査法人」を想い出しました.

ドラマ「監査法人」は,塚本高史さん,松下奈緒さん,豊原功補さん, 勝村政信さん,橋爪功さんが「ジャパン監査法人」の公認会計士役を好演し,監査法人の世界をみせてくれたドラマです.
ドラマの「ジャパン監査法人」は,山一證券,ヤオハンジャパン,カネボウの粉飾決算に荷担した中央青山監査法人がモデルで,ドラマの「東都銀行」は破綻した足利銀行がモデルでしょう.ドラマは,循環取引、売上架空計上等の不正を知った公認会計士の苦悩と戦いを描いていました.クライアントからの報酬で成り立つ監査法人においてクライアントの不正を糺さねばならない,厳格監査と温情監査の間で揺れる公認会計士の仕事と心情を描いていました.

リアルでは,中央青山監査法人は2か月の業務停止処分をうけ,みすず監査法人となり,みすず監査法人も日興コーディアル事件で廃業となり,現在では,世界の4大に対応した新日本,あずさ,トーマツ,あらたの4大監査法人体制になっています.

ところで,東芝の不適切会計問題は,当初,インフラ関連の工事で過去3年間の営業利益を500億円程度修正する必要があるというものでした.
最近,テレビ、パソコン、半導体などの事業でも不適切会計が行われていたことが判明し,過去5年間の決算で営業利益を過大計上していた金額が1500億円超になるとの見通しで,過大に計上していた連結営業利益が最大で2000億円程度になる見通しと報じられています.

東芝の会計監査を担当したのは,新日本監査法人です.不適切会計を見抜けなかったのか,見過ごしたのか,どちらなのでしょうか.
オリンパスの粉飾決算事件では,2012年にあずさ監査法人と新日本監査法人に業務改善命令が下されました.
東芝の不適切会計問題ではどうなるのでしょうか.


医療事件の患者側弁護士は,依頼者から調査費用を受け取って事件の見通しを調査し報告します.調査は,裁判にしたときの見通しを報告するものですから,甘い見通しを報告することは依頼者のためになりませんので,お気持ちは理解しながらも,提訴が難しいものは難しいことを根拠を示して報告します.また,例えば,過失は認められる可能性があるが,因果関係立証が「相当程度」どまりで,賠償金額は少額にならざるをえない,という報告になることもあります.
依頼者から調査費用を受け取って,依頼者の期待にそえない調査結果になることもあるのです.
もちろん,明らかに責任が立証できない事案については最初から調査をお引き受けしませんし,調査契約前に依頼者の期待にそえない調査結果になることもあることを御説明しているのですが,医療側に責任があるという結論を強くおもちの依頼者は,調査結果に御納得されないこともあり,報告者として残念な思いをすることもあります.それでも,依頼者のために専門家として適正厳正な調査報告を続けていきたいと思います.


谷直樹


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by medical-law | 2015-07-09 01:41 | コンプライアンス

京都大学医学部付属病院,収賄再発防止策機能せず謝罪

京都新聞「京大病院長「汚職防止策が機能せず」 元准教授起訴で謝罪」(2015年7月3日)は,次のとおり報じました.

「×××被告の起訴を受け、京都大医学部付属病院の稲垣暢也病院長が3日、京都市左京区の同病院で会見し、「本院として誠に遺憾であり、このような事態が生じたことを大変申し訳なく思う」と謝罪した。

 稲垣病院長は、今年2月12日に京都府警から××被告が収賄に関わっている疑いがあると知らされ、捜査協力を求められたと説明。病院も6月11日から内部調査を始め、今月2日には外部の有識者も入れた本格的な調査委員会の設置を決めたことを明かし、「引き続き事実の確認を進め、公判の状況も踏まえ、厳正に対処していく」とした。

 京大では2012年にも薬学研究科の元男性教授が収賄容疑で東京地検に逮捕され、物品納入の手続き厳格化などの再発防止策を進めてきたが、稲垣病院長は「現実には十分に機能しなかった。深刻に受け止めている。今後さらなる再発予防に努める」と述べた。

 記者からはほかにも、院内で医療用ポンプの水増し発注の疑いがあることや、入札契約や科学研究費の使途のチェック体制について質問が出たが、「調査中」と繰り返し、答えなかった。」



毎日新聞「京大病院汚職:接待の要求さえ…担当者の強い権限裏目に」(2015年7月3日)は,次のとおり報じました. 

「京都大付属病院の医療機器購入を巡り、収賄罪で起訴された××被告は、京都府警の調べに「接待を受けるうちに感覚がまひし、自分を見失った」と供述したという。同病院は3日、事件発覚後初めて記者会見し、「誠に遺憾で大変申し訳ありません」と陳謝したが、癒着の原因や背景については「調査中」と繰り返すのみだった。

 ◇癒着が日常化

 「明日、肉料理どうですか。予約お願いします」。捜査関係者によると、××被告は贈賄罪で罰金命令を受けた西村器械の社員に対し、物品以外に接待もメールで要求していた。祇園の高級クラブなどでの接待は2011年7月から14年4月まで約50回にわたり、総額約50万円を負担させていたという。

 病院関係者によると、一般に医療機器の契約は高額で、維持管理や備品などの契約も見込めるため、業者にとっては「うまみ」が大きい。そのため競争も激しく、同病院のある医師は「表立った接待は減ったが、目の届きにくい海外の学会に業者が同行して医師を接待する話は今もよく聞く」と明かした。

 業界団体「医療機器業公正取引協議会」(東京都文京区)は自主規制基準で、発注側への金品提供などを禁止しているが、対応は「各社のコンプライアンス(法令順守)と同業他社間の相互監視」(協議会事務局)に任されているという。

 ◇強い権限

 今回問題になった医療機器購入は、入札ではなく全て随意契約だった。規定で、契約額100万円以上で相見積もり、500万円以上は公募型見積もり合わせを義務付けていたが、選定では、担当者個人が強い権限を持っており、不正の抑止にはつながらなかった。

 病院関係者は「専門領域では、担当医が必要と主張した医療機器に関し、周囲が口を出しにくい」と話す。××被告は海外でも論文が評価される若手のエース的存在だったといい、周囲の監視がより効きにくかったとみられる。

 ◇再発防止は

 京都大では12年、薬学研究科発注の物品調達を巡って元教授による汚職事件が起き、研究者と業者の癒着が問われた。今回の事件発覚も、きっかけは同病院の別の元技師と業者の癒着疑惑で、根は深いといえる。

 同病院の稲垣暢也院長は記者会見で、内部調査を踏まえ、外部識者も含めた調査委員会を近く発足させることを表明したが、問題点や対策などについては口をとざした。

 病院経営に詳しい医療コンサルタントは「自治体の病院に比べ、大学病院には公務という認識が低いと感じる。再発を防止するには、問題意識を持ってチェック機能を再整備する必要がある」と指摘する。【村田拓也、宮川佐知子、川瀬慎一朗】」



産経新聞「「ふさわしい物を持つべきと賄賂を要求」 元准教授を起訴 京都地検」 (2015年7月3日)は,次のとおり報じました.

「京都大病院の研究医療機器の納入をめぐる汚職事件で、京都地検は3日、収賄罪で同病院臨床研究総合センター元准教授の医師、×××容疑者(47)を起訴した。××被告が「准教授にふさわしい物を持つべきと考え、賄賂を要求するようになった」と供述していることが京都府警への取材で分かった。」

「起訴状などによると、××被告は血管再生医療の研究プロジェクトで使用する医療機器を随意契約で発注した際、同社が有利に受注できるよう取り計らった謝礼として、平成22年12月~25年9月、海外製のキャリーバッグやスピーカーなど計17点(約95万円相当)を受け取ったとされる。

 京都府警によると、××被告は23年7月から26年4月までの間、祇園などの寿司屋や高級クラブで飲食接待を受けていた。「接待を受けるうちに常識がまひしていった。これぐらい大丈夫だろうと甘い認識があった」と供述したという。
京都大病院は3日、××被告の逮捕後、初めて記者会見した。稲垣暢也(のぶや)病院長が「このような事態になり、申し訳ない」と謝罪。「世間を騒がせることになり、どこかで謝罪しなければならないと思っていた。もっと早くに会見すればよかったが、このタイミングになってしまった」と述べた。

 今後、大学と病院それぞれの調査委員会が事実関係を調べ、「その結果を受けて厳正に対処する」としている。」



逮捕以降沈黙を守り続けてきた京大ですが,ここにきてようやく会見を行いました.ただし,具体性のある内容ではなかったようです.
医療機器,研究機器の採否の判断はたしかに専門的知識が必要ですが,事実上一人の医師・研究者が独断で購入を決定しチェックも働かないようでは,贈賄収賄の温床となってしまうと思います.

大学と病院でそれぞれの別の調査委員会を設けているところが,複雑な事情を示唆していると思います.


谷直樹


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by medical-law | 2015-07-04 05:43 | コンプライアンス