弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

カテゴリ:コンプライアンス( 101 )

厚労省,薬事・食品衛生審議会薬事分科会の32名の委員が薬事分科会審議参加規程に違反していたことを公表

厚生労働省は,2015年6月5日,薬事・食品衛生審議会薬事分科会において,委員の審議参加について,薬事分科会規程及び薬事分科会審議参加規程に沿った対応が行われていなかったことを公表しました.

以下の薬事分科会委員8名について,薬事に関する企業の役員,職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任していた事実が判明し,i委員を辞任していいただくとのことです.
1 医薬品第一部会の国際医療福祉大学三田病院病院長(MSD株式会社)
2 再生医療等製品・生物由来技術部会の九州大学生体防御医学研究所ゲノム機能制御学部門ゲノム病態学分野教授(シンバイオ製薬株式会社)
3 再生医療等製品・生物由来技術部会の独立行政法人国立国際医療研究センター病院病院長(MSD株式会社・帝人ファーマ株式会社)
4 再生医療等製品・生物由来技術部会の大阪大学大学院薬学研究科分子生物学分野教授(レジエンス株式会社)
5 医療機器・体外診断薬部会の大阪大学大学院医学系研究科教授脳神経感覚器外科学(眼科学)(HOYA株式会社)
6 化学物質調査会の兵庫医療大学薬学部教授(KOBE Chemical Genetics株式会社)
7 取扱技術基準等調査会の横浜国立大学大学院環境情報研究院教授(三井化学株式会社)
8 動物用医薬品等部会・動物用一般医薬品調査会・動物用医薬品再評価調査会の国立大学法人東京農工大学農学部獣医学科准教授(株式会社日立製作所)

また,昨年度 開催した審議会について,委員による寄付金・契約金等の申告内容を確認したところ,以下の8名の委員について,「受領なし又は50万円以下の受領」と申告されていたものが,正しくは「50万円を超えて500万円以下の受領」であったことが判明した(過少申告)とのことです.これら8名の委員は,寄付金・契約金等の過少申告により本来参加できない議決に参加していました.
1 医薬品第一部会の国立大学法人山梨大学 医学部泌尿器科学教授
2 医薬品第一部会の独立行政法人国立精神・神経医療研究センター神経内科診療部長
3 医薬品第一部会の名古屋大学医学部附属病院薬剤部長・教授
4 医薬品第二部会の東京慈恵会医科大学葛飾医療センター泌尿器科教授・診療部長
5 医薬品第二部会の東京大学大学院医学系研究科内科学専攻アレルギー・リウマチ学教授
6 再生医療等製品・生物由来技術部会の独立行政法人国立国際医療研究センター病院病院長
7 安全対策調査会の群馬大学大学院病態制御内科学講師
8 医療機器・体外診断薬部会の上尾中央総合病院特任副院長兼循環器内科科長

さらに,寄付金・契約金等について「受領なし」と申告していた16名の委員が,正しくは「50万以下の受領」であったことも判明した,とのことです.

計32名もの委員が,企業との利害関係を隠し,或いは過少に申告していたわけで,薬事・食品衛生審議会薬事分科会の審議の公正さが疑われる事態です.


谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2015-06-06 22:14 | コンプライアンス

公立大学法人福島県立医科大学産科婦人科学教授が倫理委員会の承認を得ず患者の手術記録を研究に使用

公立大学法人福島県立医科大学は,2015年5月1日,「「臨床研究に関する倫理指針」不適合について」をサイトに掲載しました.

福島民報「福島医大、患者の手術記録を承認得ず使用」(2015年5月1日)は,次のとおり報じました.

「福島医大は30日、産科婦人科学講座の××××教授らが子宮筋腫患者の手術記録を学内の倫理委員会の承認を得ず、研究に使用したと明らかにした。同大は国の臨床研究に関する倫理指針に適合しない研究だとして、処分を検討する。
 研究を担当したのは××教授と30代男性助手。2人は平成24~26年度に付属病院で3D内視鏡や高感度内視鏡を使い、子宮筋腫を手術した46人分の記録から、従来の内視鏡を用いた症例と比較するため、出血量や手術時間、腫瘍の大きさなどを研究データとして抽出。26年には研究結果を3回にわたり、学会で発表した。
 同大では国の倫理指針に基づき、研究者が患者記録を研究に用いる際には学内の倫理委員会に申請し、承認される必要があるが、××教授らは申請していなかった。××教授は「申請は必要ないと認識していた」と話しているという。
 同大は研究に協力した患者全員に文書で謝罪。再発防止策として倫理講習会(年2回)の受講範囲を事務職員に広げることなどを決めた。同大研究推進課は「事態を真摯(しんし)に受け止め、研究倫理の一層の徹底を図る」としている。」




 教授らに特段の悪しき意図はなく,臨床研究のルールについての認識が誤っていただけなのかもしれません.その背景には,患者は治療のために手術を受けたのであって臨床研究の比較のために手術を受けたのではないので配慮と手続きが必要,という或る意味通常の感覚を欠如していたのかもしれません.


谷直樹


ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2015-05-02 07:04 | コンプライアンス

逮捕される弁護士たち

今週,弁護士が逮捕されるという報道が相次ぎました.

横領の容疑で,札幌弁護士会所属の弁護士(56歳)が逮捕されました.相続財産管理人として預かっていた現金300万円を着服した疑いです.余罪も調べられているとのことです.
働き盛りの50代の弁護士がお金に困っていたとすれば,それは異常な事態と思います.また,どんなに困っても,他人のお金に手をつけるなんて,できることではありません.

自動車運転処罰法違反(過失傷害)の容疑で,第一東京弁護士会所属の弁護士(36歳)が逮捕されました.横断歩道を渡っていた86歳の女性を午前5時25分頃にはねたことは認めているそうです.呼気からは基準値を超えるアルコールが検出されており、道交法違反(酒気帯び運転)容疑でも調べると報じられています.
弁護士は,徹夜で書面を作成することの多い職業ですが,朝まで仕事をしていたときは(帰るとすれば)タクシーで帰るでしょう.ましてすこしでもお酒を飲んでいたら絶対に運転しないでしょう.そもそも,弁護士は,私を含めお酒を飲まない人が多いように思います.

強要未遂および証人等威迫の容疑で,第一東京弁護士会所属の弁護士(52歳)が逮捕されました.被害者の20代女性や母親などに被害届を取り下げるよう迫った疑いです.否認しているそうです.
弁護士は,弁護人として,加害者にできるだけ示談金を用意してもらい,被害者に示談が成立するよう働きかけるのが普通です.「強談威迫の行為」はありえません.

未だ容疑事実が認定されたわけではありませんが,このような報道に接するのは非常に残念です.

弁護士職務基本規程は次のとおり定めています.

(前文)
弁護士は、基本的人権の擁護と社会正義の実現を使命とする。
その使命達成のために、弁護士には職務の自由と独立が要請され、高度の自治が保障されている。
弁護士は、その使命を自覚し、自らの行動を規律する社会的責任を負う。
よって、ここに弁護士の職務に関する倫理と行為規範を明らかにするため、弁護士職務基本規程を制定する。

1 弁護士は、その使命が基本的人権の擁護と社会正義の実現にあることを自覚し、その使命の達成に努める。
2 弁護士は、職務の自由と独立を重んじる。
3 弁護士は、弁護士自治の意義を自覚し、その維持発展に努める。
4 弁護士は、司法の独立を擁護し、司法制度の健全な発展に寄与するように努める。
5 弁護士は、真実を尊重し、信義に従い、誠実かつ公正に職務を行うものとする。
6 弁護士は、名誉を重んじ、信用を維持するとともに、廉潔を保持し、常に品位を高めるように努める。
7 弁護士は、教養を深め、法令及び法律事務に精通するため、研鑽に努める。
8 弁護士は、その使命にふさわしい公益活動に参加し、実践するように努める。



  谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2015-03-14 00:43 | コンプライアンス

薬害オンブズパースン会議「HPVワクチンメーカーによるコード違反被疑事案に関する苦情申立て」

薬害オンブズパースン会議は,2015年2月26日,日本製薬工業協会に,「HPVワクチンメーカーによるコード違反被疑事案に関する苦情申立て」を提出したとのことです.

「HPVワクチンの接種推進運動を行っている「子宮頸がん征圧をめざす専門家会議」に対し、HPVワクチンメーカーであるMSD株式会社及びグラクソ・スミスクライン株式会社が巨額の寄付を行っていたこと、並びにグラクソ・スミスクライン株式会社のワクチンマーケティング部長の職にあった元社員が、同会議から委託を受けてHPVワクチンの接種推進のための活動を行っていたことは、医療用医薬品プロモーションコードに違反すると思われますので、厳正な調査の上、「医療用医薬品プロモーションコード違反措置規定」に従って違反改善の措置をとることを求めます。」とのことです.

専門家会議は医学研究活動を行っておらず、また研究助成も行っていないため、専門家会議に対する寄付は研究振興目的ではあり得ず、専門家会議が行っているHPVワクチンの接種推進運動に期待したものと考えられます。専門家としての学術的見解を標榜してHPVワクチン推進の活動をしている専門家会議に対して、当該ワクチンメーカーから巨額の資金提供がなされていることは、利益相反の観点からきわめて不適切であるといえます。」と指摘しています.

専門家会議が,MSD,GSKからの資金で,MSD,GSKのいわば身代わりとして,MSD,GSKが行えば医療用医薬品プロモーションコードに違反することとなる活動を行っているとすれば,医療用医薬品プロモーションコードに違反となると考えられるでしょう.


  谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2015-03-02 07:38 | コンプライアンス

厚生労働省、医道審の答申をうけ医師歯科医師20名処分

毎日新聞「厚労省:医師・歯科医20人を処分」(2015年2月27日)は、次のとおり報じました.

「厚生労働省は27日、医師と歯科医師計20人の行政処分を発表した。虚偽の診断で傷病手当金約170万円をだまし取ったとして詐欺罪などの有罪が確定した医師ら3人が医業停止3年の処分を受けた。免許取り消しはなかった。発効は3月13日。【桐野耕一】

 処分者は次の通り。(当時の所属医療機関の所在地、医療機関名、氏名、年齢、処分理由。敬称・呼称略)

《医業停止3年》
神戸市、××クリニック、××××(60)詐欺など
▽熊本市、×××××病院、×××(45)薬事法違反
▽山口県下関市、×××会×××病院、××××(37)覚せい剤取締法違反など

《医業停止1年6カ月》
群馬県伊勢崎市、××××歯科クリニック、××××(41)自動車運転過失傷害など

《医業停止8カ月》
東京都中央区、××デンタル××××、××××(44)自動車運転過失傷害など
▽高知県南国市、×××大医学部付属病院、××××(46)同

《医業停止6カ月》
勤務先なし、×××(59)傷害
▽香川県丸亀市、××××病院、××××(40)窃盗

《医業停止4カ月》
沖縄県北中城村、×××会×××××病院、×××××(48)道交法違反
▽堺市、×××会×××病院、×××(54)同
▽栃木県佐野市、××歯科医院、××××(58)道交法違反など

《医業停止3カ月》
札幌市、××××××××××××病院、××××(55)道迷惑防止条例違反
▽愛媛県砥部町、××整形外科、××××(62)診療報酬不正請求
▽仙台市、××歯科クリニック、××××(56)同
▽宮城県大和町、××××・デンタル・クリニック、×××(55)同

《戒告》
熊本市、×××歯科医院、×××(70)傷害
▽兵庫県姫路市、××××××病院、××××(32)同
▽北九州市、××××歯科××××クリニック、××××(31)児童買春・ポルノ禁止法違反など
▽札幌市、××歯科診療所、×××(52)わいせつ電磁的記録記録媒体陳列
▽勤務先なし、×××(33)国立大学法人法違反」


 医療事故により処分をうけた医師歯科医師はいないようです.


  谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2015-03-01 00:31 | コンプライアンス

厚生労働省,ノバルティスファーマの3264例の副作用報告義務違反(遅延)で業務停止命令

厚生労働省は、2015年2月27日、ノバルティスファーマ株式会社に対し医薬品医療機器法第75条第1項の規定に基づき、第一種医薬品製造販売業の業務停止(平成27年3月5日(木)から同年3月19 日(木)までの15 日間)を命じました.但し,製造販売後安全管理業務及び国が開発を要請した医薬品に係る業務は除かれます.また,代替性が無く、出荷停止が患者に重大な影響を及ぼす可能性がある5品目(イラリス皮下注用150mg,サンディミュン点滴静注用250mg,シムレクト小児用静注用10mg,シムレクト静注用20mg,レギチーン注射液10mg)の出荷は業務停止の対象から除外されています.

厚生労働省よると,「今般の処分は、同社が製造販売する26品目の第一種医薬品(処方箋医薬品)について、昨年12月までの調査で3,264例の副作用報告義務違反(遅延)が判明したこと」によるもので,「医薬品の副作用報告義務違反としては初めて、第一種医薬品製造販売業の業務停止命令を行うものです。」とのことです.

15日間の業務停止命令はかなり重い処分です.
3264例の副作用報告義務違反(遅延)の重大性,悪質性を考慮した結果と思います.


  谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2015-02-28 09:28 | コンプライアンス

ギリアド・サイエンシズ,海外の111死亡例を含む計735例の副作用情報報告の遅れで業務改善命令

ギリアド・サイエンシズ インク(Gilead Sciences, Inc)は,抗ウイルス剤開発で知られる世界第2のバイオ製薬会社です.最近は,驚異的な治癒率と高額なことで有名な肝炎治療薬ハーボニ(ソフォスブビルとレディパスビルの合剤,日本未承認) 等で注目されています.そのギリアド・サイエンシズ インクが,厚労省から業務改善命令を受けました.

朝日新聞「米製薬会社に業務改善命令 肝炎治療薬の副作用報告怠る」(2015年2月13日)は,次のとおり報じました.

「米製薬会社「ギリアド・サイエンシズ」が国内で治験中の肝炎治療薬などについて、海外で起きた重篤な副作用の報告を怠ったとして、厚生労働省は13日、医薬品医療機器法(旧薬事法)に基づき、同社に業務改善の指示を出した。厚労省によると、報告の遅れで治験に参加した患者に被害は出ていないという。

 厚労省や同社によると、報告が遅れたのは、C型肝炎や白血病などの治療薬3品目。いずれも2013年12月以降に米国などで承認を得て販売を開始。海外で死亡した111例を含む計735例の副作用情報について、国への報告が遅れたという。

 国内で治験中の薬について、海外でも死亡など重篤な副作用が疑われる事例があれば、7~15日以内に国に報告する義務がある。同社は「報告義務について認識不足だった。二度とこのような事態にならないように努める」としている。 」


ギリアド・サイエンシズは,そのサイトで「今回発生した報告の遅延は、日本国外における市販後安全性情報の日本国内関係機関への報告義務に対する弊社の認識不足及び弊社の日本法人との連携不足に原因があることが社内調査及び第三者機関の検証により判明しました。」と,報告遅延の原因を説明しています.
 要するに日本の報告義務についてよく知らなかったという説明なのです.
 製薬会社が報告義務について知らない筈はないと思いますが...

業務改善命令の内容は,つぎのとおりです.

治験の依頼をした者に対する業務改善指示
(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第80 の2第9項)
① 国内及び国外で発生した被験薬に関する副作用等の情報について、速やかに把握し、直ちに必要な対応を行うとともに、定められた期限内に確実に報告するように、体制の構築、手順書の整備、教育訓練等、必要な措置を講じること。
② 治験国内管理人であるパレクセル・インターナショナル株式会社及びシミック株式会社とともに、国内及び国外で発生した副作用等の情報など、治験の適切な実施に当たって必要な情報を収集し、直ちに共有できるように、必要な措置を講じること。
③ 治験の依頼等に際して、日本の法令に係る正確な情報を把握できるように、必要な措置を講じること。
④ ①から③までの業務の改善に当たっては、改善指示発出後1か月以内に、是正措置及び再発防止策に係る改善計画を策定して、厚生労働省に提出すること。



  谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2015-02-14 19:32 | コンプライアンス

四日市立四日市病院、労働基準法違反で2年分割増賃金等3億円支払いへ

四日市立四日市病院で、2014年12月16日、医師への割増賃金の未払いや時間外労働があり、労働基準法に違反するとして四日市労働基準監督署から是正勧告を受けていたとのことです.未払いは金利を含めて2年分で3億円に上り、市は追加支給するとのことです.医師等の増員が必要でしょう.

中日新聞「医師手当3億円未払い 労基署、四日市病院に是正勧告」(2015年1月21日)参照
読売新聞「市立四日市病院 時間外手当支払い不足」(2015年1月21日)参照

谷直樹


ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2015-01-22 00:50 | コンプライアンス

「厚生労働分野の研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」

厚生労働分野の研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」(平成 27 年 1 月 16 日科発 0116 第 1 号厚生科学課長決定)が制定されました.
本ガイドラインは平成27年4月1日から適用する。第3節及び第4節については、平成27年度当初予算以降(継続を含む。)における厚生労働省の予算の配分又は措置により行われる全ての研究活動を対象とする。
なお、平成27年3月31日までを本ガイドラインの適用のための集中改革期間とし、関係機関において実効性のある運用に向けた準備を集中的に進める。
」とのことです.

研究活動における不正行為とは,「具体的には、論文、学会発表、成果報告書などの形で発表された研究成果、及び研究資金獲得のための研究計画書における意図的な「ねつ造」、「改ざん」、「盗用」が該当する。その他にも、研究活動を弱体化させる不適切・無責任な行為としては、研究データの管理不足による紛失、危険な研究方法の採用、不適切なオーサーシップ、論文の分割など論文数を不適切に増す行為、論文・研究提案書の査読における不適切行為(意図的な遅延、研究上の観点から逸脱した過大な要求)が指摘されている。」と記載しています.

具体的に,次の責務を明示しています.

<<研究機関が実施する事項>>
○ 「研究倫理教育責任者」の設置などの必要な体制整備を図り、広く研究活動に関わる者を対象に定期的に研究倫理教育を実施すること

<<配分機関が実施する事項>>
○ 所管する競争的資金等の配分により行われる研究活動に参画する全ての研究者に研究倫理教育に関するプログラムを受講させ、研究倫理教育責任者の知識・能力の向上のための支援その他の研究倫理教育の普及・定着や高度化に関する取組を実施すること

<<研究機関が実施する事項>>
○ 研究者に対して一定期間研究データを保存し、必要な場合に開示することを義務付ける規程を整備し、その適切かつ実効的な運用を行うこと

<<厚生労働省が実施する事項>>
○ 特定不正行為が行われたと確認された事案について、その概要及び研究・配分機関における対応などを一覧化して公開すること

<<研究・配分機関が実施する事項>>
○ 研究・配分機関は、特定不正行為の疑惑が生じたときの調査手続や方法等に関する規程等を適切に整備し、これを公表すること
○ その際、
・ 研究・配分機関は、研究活動における不正行為に対応するための責任者を明確にし責任者の役割や責任の範囲を定めること
・ 研究・配分機関は、告発者を含む関係者の秘密保持の徹底や告発後の具体的な手続を明確にすること
・ 研究・配分機関は、特定不正行為の疑惑が生じた事案について本調査の実施の決定その他の報告を当該事案に係る配分機関等及び厚生労働省に行うよう規定すること
・ 研究・配分機関は、特定不正行為の疑惑に関し公表する調査結果の内容(項目等)を定めること
・ 研究機関は、「研究倫理教育責任者」の設置などの必要な体制整備を図り、広く研究活動に関わる者を対象に定期的に研究倫理教育を実施すること【再掲】

<<配分機関等が実施する事項>>
○ 調査機関から本調査の実施の決定その他の報告を受けた場合は、関係機関に対して必要な指示等を行うこと
○ 特定不正行為に対する研究者、研究機関への措置を講じることができるよう、配分機関等の規程等を整備すること、及び配分機関等が講じる措置の内容や措置の対象となる研究者の範囲について、競争的資金等の公募要領や委託契約書(付属資料を含む。)等に記載し、研究者及び研究機関がそれをあらかじめ承知して応募又は契約するように取り計らうこと

<<配分機関が実施する事項>>
○ 組織としての管理責任に対する研究機関への措置を講じることができるよう、配分機関の規程等を整備すること、及び配分機関が講じる措置の内容について、競争的資金の公募要領や委託契約書(付属資料を含む。)等に記載し、研究機関がそれをあらかじめ承知して応募又は契約するように取り計らうこと



谷直樹


ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2015-01-21 09:22 | コンプライアンス

第一三共の米法人が反キックバック法違反で3900万ドル(約46億円)支払い

朝日新聞「第一三共の米法人、リベートの疑い 医師らに講演料名目」(2015年1月10日)は,次のとおり報じました.
 
「米司法省は9日、第一三共の米法人が自社の製品を処方してもらおうと医師らに違法なリベートを支払っていた疑いがあり、解決のため3900万ドル(約46億円)を米政府などに支払う和解で合意したと発表した。和解の条件として、第一三共は米厚生省との間で、内部のコンプライアンス改革を進めるという覚書も交わす。

 司法省によると、第一三共は2004年から11年にかけて、医師らを豪華な夕食会に招くなどしたうえで、講演料の名目でリベートを支払っていた疑いがあるという。医師が事務所で自らのスタッフだけに話していたような場合でも払っていたらしい。

 リベート支払いの疑いは、第一三共の元営業担当の内部告発によって判明した。米政府に支払われる額のうち、610万ドル(約7億3千万円)はこの元営業担当が受け取る。(ニューヨーク=中井大助)」


第一三共は,日本国内では,むしろ他社より厳しい社内基準を作り対応していたように思います.それでも,このようなことがあったということは,日本の製薬業界の接待営業傾向には根深いものがあるということなのでしょう.


谷直樹


ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2015-01-11 00:24 | コンプライアンス