弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

カテゴリ:福祉( 15 )

厚労省,平成27年度都道府県・市区町村における障害者虐待事例への対応状況等調査結果

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厚生労働省は、平成28年12月16日,障害者虐待防止法に基づき,平成27年度都道府県・市区町村における障害者虐待事例への対応等に関する状況について調査を実施し,調査結果を発表しました.

<養護者による障害者虐待>
○養護者による障害者虐待の相談・通報件数については、平成26年度とほぼ同じ(4,458件→4,450件)。判断件数については4%減少(1,666件→1,593件)している。
○相談・通報件数に対する虐待の判断件数の割合は、平成26年度とほぼ同じ。
(平成26年度:37%(1,666/4,458)、平成27年度:36%(1,593/4,450))
○ 相談・通報者の種別では、警察が22%(965件)、本人による届出が21%(948件)、施設・事業所の職員が18%(784件)、相談支援専門員が15%(654件)が上位を占める。なお、平成27年度調査から施設・事業所職員と相談支援専門員の選択肢を分けたため、警察の割合が最も多くなった。
○ 虐待行為の類型は、身体的虐待が62%と最も多く、次いで心理的虐待が32%、経済的虐待が26%、放棄・放置が16%、性的虐待が4%の順。
○ 被虐待者の障害種別は、知的障害が50%と最も多く、次いで精神障害が33%、身体障害が25%の順。
○ 虐待の事実が認められた事例での対応策として被虐待者の保護と虐待者からの分離を行った事例は、659人で全体の41%を占め、その割合は、平成26年度とほぼ同じ。
○ 虐待による死亡事例は、3人。(平成26年度も3人)

<障害福祉施設従事者等による障害者虐待>
○ 障害者福祉施設従事者等職員による障害者虐待の相談・通報件数については、平成26年度から24%増加(1,746件→2,160件)。判断件数については9%増加(311件→339件)している。
○ 相談・通報件数に対する虐待の判断件数の割合は、平成26年度とほぼ同じ。

(平成26年度:18%(311/1,746)、平成27年度:16%(339/2,160))
○ 相談・通報者の種別では、本人による届出が23%と最も多い。平成26年度と比べ、相談支援専門員、他の施設・事業所職員、当該施設・事業所職員、当該施設・事業所設置者・管理者からの相談・通報件数が増加している(平成26年度:592件、平成27年度:734件)。
○ 虐待行為の類型は、身体的虐待が58%と最も多く、次いで心理的虐待が41%、性的虐待が14%、経済的虐待が8%、放棄、放置が5%の順。
○ 被虐待者の障害種別は、知的障害が83%と最も多く、次いで身体障害が17%、精神障害が9%の順。
○ 虐待者の職種は、生活支援員が45%、管理者が11%、世話人が8%、指導員が7%、その他従事者が6%の順。
○ 虐待の事実が認められた事例への対応状況として障害者総合支援法等の規定による権限の行使として実施したものは249件であり、平成26年度(235件)と比べ6%増加している。
○ 虐待による死亡事例は、なし。(平成26年度もなし)

<使用者による障害者虐待>
○ 市区町村及び都道府県で受け付けた使用者による障害者虐待に関する相談・通報件数は28%増(平成26年度:664件、平成27年度:848件)。


依然として虐待件数は多く,とくに知的障害者に対するものが83%と大半をしめ,通報件数は増加傾向にあると言えるでしょう.



谷直樹

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by medical-law | 2016-12-17 04:55 | 福祉

育児休業,最大2年へ

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期間が原則1年,半年の延長が認められている育児休業ですが,厚生労働省は7日,この期間を最長で2年まで延長する方針を決めた,と報じられています.

しかし,改革の方向が違うのではないか,と思います.
児童福祉法24条1項は,「市町村は、この法律及び子ども・子育て支援法 の定めるところにより、保護者の労働又は疾病その他の事由により、その監護すべき乳児、幼児その他の児童について保育を必要とする場合において、次項に定めるところによるほか、当該児童を保育所(認定こども園法第三条第一項 の認定を受けたもの及び同条第九項 の規定による公示がされたものを除く。)において保育しなければならない。」と定めています.
法の趣旨から,自治体が保育が必要な子全員に保育所保育を実施すべきで,国がそれを補助する政策をとるべきと思います.
安倍政権の「子育て支援新制度」が「待機児童問題」を悪化させているのですから,それを改めるのが先決でしょう.

東京保険医協会は,「なぜ、保育園に入れないのか――小学校に入学できない子はいない」で,次のとおり述べています

「現にEU各国では、未就学年齢の子の保育事情を調査し、95年以後GDPの1%以上を拠出することを義務づけ、希望するすべての子の保育を実施しており、こうした姿勢により少子化を克服しはじめたフランスなどの先進国も出現しはじめている。もちろん保育園職員の給与体系は小学校教諭と同じである。
 それに対し、わが国の予算はGDP比0.45%であり、保育園職員の平均年収は小学校教員の6割で、全産業平均より166万円も少なく、慢性的な人員不足を続けている。また、認可保育園ですら、子どもひとりの保育者数、面積などはEUと比較にならない状態である。」
「わが国でも、経済構造が変わり、農業などの一次産業主体から地域崩壊・核家族化がはじまった時代には、「ポストの数ほど保育所を」との掛け声で、地域に結びついた多くの保育所がつくられていた。GDP比も1%を超えていたといわれる。当時から「人々に支えられ生き生きと働く父母と子どものなかま」が、子の健康な生育に不可欠であると、乳幼児期のケアと教育の大切さは直感的に理解されていた。
 現在、国際的には、子どもへの財政的支援は早ければ早いほど大きな効果を持つという科学的データが集積されてきている。その中身はIQに代表される認知機能ではなく、好奇心や集団への参加能力などの非認知機能=健全な大人集団、子ども集団のなかでの「あそび」の体験の重要さであることが分ってきた。生涯年収と就学前教育の程度が相関するとさえいわれている。」
「認可園以外の施設における子どもの事故も、認可園の60倍になることが、明確になっている。予算も増やさず、認可園への水増しの入園や、保育職員も「子ども一人当たりの有資格者数が半分でいい」という企業主導型保育施設などで糊塗するなど許されることではない。
 国の責任で、「子の人権」を守り、早急に保育体制を整備すべきである。」



なお,雇用契約は双務契約であることから,ノーワーク・ノーペイ原則があり,育児休業は無給が原則です(事業主が定めれば有給となります.)
育児休業給付は雇用保険から出ています.育児休業給付金は雇用保険から支払われ,その支給額は,支給対象期間(1か月)当たり,原則として休業開始時賃金日額×支給日数の67%(育児休業の開始から6か月経過後は50%)相当額となっています.
期間延長は,雇用保険の負担を増やすことになります.
月給200万円の勤務医が2年間休業したら,雇用保険の負担は少なくありません.
また,医療は進歩していますので,2年間ブランクがあると,医師は復帰したあとがとても大変です.
保育を充実することで,出産,育児を機に退職する医師が減れば,医師不足もだいぶ解消されると思います.
弁護士も同様で,2年前の知識では,多くの場合,実務は対応できません.
2年間のブランクがあっても問題がない職業は,専門家の場合,ほとんどないのではないか,と思います.


谷直樹

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by medical-law | 2016-12-08 23:42 | 福祉

仙台地裁平成27年4月15日判決、転落事故で社会福祉法人の責任を認める(報道)

河北新報「安全ベルト装着せず転落死 施設に賠償命令」(2015年4月16日)は、次のとおり報じました.

 「寝たきりで介護が必要な仙台市の女性=当時(88)=が入浴中に死亡したのは、安全配慮を怠った特別養護老人ホームの過失だとして、遺族が施設運営者の社会福祉法人(名取市)に3245万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、仙台地裁は15日、2350万円を支払うよう法人に命じた。
 市川多美子裁判官(異動のため大嶋洋志裁判官代読)は「転落防止に必要不可欠の安全ベルトを装着せず、目を離した職員の行為は極めて危険で過失は重大だ。職員にベルト装着を徹底していなかった被告の責任は重い」と指摘した。
 判決によると、女性は2013年11月、ストレッチャーに乗ってホーム内の浴室に入り、シャワーを浴びる入浴サービスを受けた。職員が胸と脚をストレッチャーに固定する安全ベルトをしなかったため、職員が目を離した際に女性が転落し、頭を強く打って間もなく死亡した。
 法人側は「判決を重く受け止め、再発防止策を徹底する」と述べ、控訴しない考えを示した。」


 転落事故は、施設側の責任を問われるケースが多いように思います.これは、転落の予見可能性はほとんどつねにあり、定められた回避措置を怠らなければ転落を回避できたといえるケースが多いからでしょう.

谷直樹


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by medical-law | 2015-04-17 01:09 | 福祉

岐阜市が白杖シグナル運動のシンボルマークを策定

視覚に障がいのある方が「白杖」を垂直に頭上に掲げていたら、それは周囲の方に助けを求めるSOSのサイン(シグナル)です.
岐阜市は、白杖シグナル運動の普及啓発に取り組むため、視覚に障がいのある方が示す「SOSサイン(シグナル)」のイメージをわかりやすく伝えるマーク等のデザイン画を募集し、策定したとのことです.

NHK「視覚障害者SOSマーク策定」(2015年3月11日)は、「デザインが採用された青森県弘前市のデザイナー、工藤和久さんは「父親が耳が不自由で障害者が意思疎通を図る大変さを日ごろから感じていました。ハンデのある人にやさしい社会づくりに少しでも役立ちたい」と話していました。岐阜市は、ことし5月の「全国盲人福祉大会」でこのマークの利用を全国に呼びかけることにしています。」と伝えています.

マークは岐阜市のサイトへ

  谷直樹

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by medical-law | 2015-03-12 02:00 | 福祉

東京都と北区が医療法人岩江クリニックに不適切な拘束を改善するよう勧告

東京都福祉保健局は、平成27年2月17日、医療法人岩江クリニックに対し、介護保険法第76条の2第1項第3号及び第83条の2第1項第2号の規定に基づき、当該事業者が運営する指定居宅介護支援事業所及び指定訪問介護事業所に対して、身体拘束について改善勧告を行ったとのことです.
勧告内容は以下のとおりです.

「(1) 西ケ丘居宅介護支援事業所(居宅介護支援)

 (勧告要件:法第83条の2第1項第2号)
 当該事業所においては、利用者に身体拘束(※)を行う際に「身体拘束ゼロへの手引き」に定められた「切迫性」「非代替性」「一時性」の3つの要件を満たしているか慎重に検討することなく、主治医からの指示であるという理由により、介護支援専門員が身体拘束を前提とした居宅サービス計画を作成している事実が東京都の監査において認められた。
<東京都指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営の基準に関する条例(平成26年3月31日条例第52号)第3条第1項、第20条第4項>

(2) 西ケ丘訪問介護事業所(訪問介護)

 (勧告要件:法第76条の2第1項第3号)
 当該事業所においては、利用者に身体拘束を行う際に「身体拘束ゼロへの手引き」に定められた「切迫性」「非代替性」「一時性」の3つの要件について慎重に検討することなく、主治医からの指示であるという理由により、訪問介護員が身体拘束を前提としたサービスの提供を行っていた事実が東京都の監査において認められた。
<東京都指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営の基準に関する条例(平成24年10月11日条例第111号)第4条、第27条第1項第1号及び第3号>

※身体拘束は緊急やむを得ない場合以外は決して許されず、また緊急やむを得ない場合であっても「身体拘束ゼロへの手引き」に定められた「切迫性」「非代替性」「一時性」の3つの要件を満たし、かつ、それらの要件の確認等の手続きが極めて慎重に実施されているケースに限定して認められるものである。」


北区のシニアマンション3棟の入居者約130人を拘束していたあの事案です.
医療法人と連携する不動産業者が家賃を受け取り、医療法人の事業所が介護サービス料を受け取り、医療法人が医療費を受け取り、親族の会社が食事と家事の対価を受けとる、というように分業化されていた関係で、有料老人ホームに該当しないので指導ができないという解釈もあって、指導が遅れましたが、ついに上記のとおり改善勧告が行われました.法の網をかいくぐることはできなかったわけです.


  谷直樹

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by medical-law | 2015-02-19 02:38 | 福祉

福岡地裁小倉支部平成26年10月10日判決、特別養護老人ホーム内での転倒事故死で施設の責任肯定(報道)

読売新聞「特養で転倒後に死亡 施設の過失認め賠償命令」(2014年10月10日)は、次のとおり報じました.

「2009年に特別養護老人ホーム内で転倒し、死亡した女性(当時96歳)の遺族が、施設を運営する北九州市八幡西区の社会福祉法人「ひさの里」に1200万円の損害賠償を求めた訴訟で、福岡地裁小倉支部は10日、同法人に480万円を支払うよう命じる判決を言い渡した。炭村啓裁判官は「安全配慮義務を怠った」と法人側の過失を認定した。

 判決によると、女性は09年8月、短期入所していた施設内で、歩行車を使って個室に向かう途中、後ろ向きに転倒。胸椎骨折などと診断され、2か月後に死亡した。

 法人側は「転倒事故は予見不可能だった」などと主張したが、炭村裁判官は「女性はいつ転倒してもおかしくない状態だった」と指摘。職員が歩行を介助したり、見守ったりしていれば、事故を防止できたと判断し、事故と死亡との因果関係も認めた。

 同法人は「判決を真摯しんしに受け止め、控訴はしない。再発防止に努めたい」としている。」



この類型の事故は少なくなさそうです.施設に予見可能性が認められる以上、回避義務もあるということになるでしょう.


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by medical-law | 2014-10-18 03:35 | 福祉

特別養子縁組支援「あんしん母と子の産婦人科連絡協議会」発足

2013年9月8日,特別養子縁組支援の協議会発足,あんしん母と子の産婦人科連絡協議会が発足しました.

「•第一に考慮すべきは子の幸せであり、次に実母の心のケアを大切にする。
•虐待防止の視点から必要に感じて養子縁組を行うのであり、養子縁組が優先するのではない。
•実母、養親いずれからも謝礼や寄付金などを取らない。医療の一環として扱う。」

という基本姿勢を明記しています.

設立趣意書は次のとおりです.

「わたしたちは先人たちの様々な知恵と失敗に学び、福祉と医療をつなぎ、産婦人科同士も連携を取って、追い詰められた母と子を救い、赤ちゃんが欲しくてもかなわなかった愛情たっぷりのご夫婦に赤ちゃんを託し、赤ちゃんの人生を少しでも明るいものにするお手伝いができるように、あんしん母と子の産婦人科連絡協議会を立ち上げました。

小さな子供たちにとって愛情深い両親に見守られて育つこと以上に素晴らしいことはありません。これこそがボンディング形成の基本単位であり、物質的な豊さ以前に子供のために整えるべき環境の中で最優先すべきものであり、教えていくべきことであると思います。父と母が信頼し合っている家庭で育つ子供は、人を信頼する心、愛する心を家庭でしっかり身につけることにより、人生を肯定し、その後の人生において安定した幸福な人間関係を築いていく事ができる様になります。そしていつかその子が家庭を築いた時、良い連鎖を生み出し、ボンディングはさらにその子供に、脈々と受け継がれていくことでしょう。

患者さんの身体のみならず、心の痛みを和らげ健全な日常生活に尽力するのは医の道を歩むものの使命であり、妊娠に戸惑い、悩み、悲嘆にくれる妊婦さんに寄り添い、産まれ来る新しいいのちを守ることに人生をかけるのは、産婦人科医療に携わる特権を得たわたしたちの責務であると自覚しています。わたしたちは日夜、妊娠を望みながらなかなか赤ちゃんに恵まれない患者さんたちと、妊娠しても自分で育てる道を選べない妊婦さんの狭間で生きています。
微力ながら協議会一同、力を合わせて押し進めていきたいと思っております。」


NHK「特別養子縁組支援の協議会発足」(2013年9月8日)は,次のとおり報じました.

出産した親が育てられない乳幼児の特別養子縁組を支援しようと、全国にある20の産婦人科の医療機関が8日、協議会を発足させ、子育てを望む夫婦へのあっせんを進めることになりました。

この協議会は「あんしん母と子の産婦人科連絡協議会」で、全国の14の道府県にある20の産婦人科の医療機関が参加しました。
特別養子縁組は、血縁関係のない子どもと大人が裁判所の許可を得て戸籍上の親子関係を結ぶ制度です。
出産した親が育てられず乳児院で暮らす子どもは、およそ3000人に上っていますが、民間団体や児童相談所があっせんして成立する特別養子縁組は、年間百数十人にとどまっています。
このため特別養子縁組のあっせんを支援しようと、埼玉県熊谷市で産婦人科の診療所を開いている鮫島浩二医師が中心になって協議会を作ったもので、8日、初めての会合を開き、活動を始めました。
協議会では、当面は鮫島医師の診療所を窓口にして、望まない妊娠をした女性などからメールと電話で相談を受け付けたうえで、協議会のうち最も近い医療機関を紹介し、子育てを望む夫婦にあっせんするとしています。
子育てを望む夫婦は事前の登録が必要で、当面は妻の年齢が48歳未満、3年後からは46歳未満を条件とする方針だということです。
記者会見で鮫島医師は「小さな子どもは家庭で育つべきで、妊婦に関わる各地の産婦人科の医師が連携することで、特別養子縁組を増やし、子どもたちがより幸せになれるようにしたい」と話しています。

日本医師会理事「国に支援働きかける」

記者会見に同席した日本医師会の今村定臣常任理事は「赤ちゃんの虐待を防ぐためにも、妊婦にいちばん近くで接している産婦人科医があっせんを行うことは意義のあることだと思う。一部の医師の情熱や善意だけでは事業の継続は難しいので、今後、国に対して、制度作りや助成金などの支援について働きかけていきたい」と話していました。」


今までもあっせんを行っている団体がありましたが,寄付など不透明な点が指摘され,不安を感じていた人もいたのではないでしょうか.その意味で「あんしん母と子の産婦人科連絡協議会」ができたことは大きな意味があります.
なお,今後を考えると,今村理事が述べるように,国の助成が不可欠でしょう.

谷直樹

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by medical-law | 2013-09-10 09:33 | 福祉

医療法人社団愛育会福田病院が特別養子縁組のあっせん事業

NHK「病院が特別養子縁組あっせん事業」(2013年8月8日)は,次のとおり報じました.

「血縁関係のない大人と子どもが裁判所の許可を受けて親子関係を結ぶ特別養子縁組をあっせんする事業を、熊本市の病院が始めたことを明らかにしました。
厚生労働省によりますと、特別養子縁組のあっせん事業を医療法人が行うのは初めてだということです。

特別養子縁組は、血縁関係のない大人と子どもが裁判所の許可を受けて、親子関係を結ぶものです。
熊本市中央区にある医療法人、福田病院は、日本医師会からの要請を受けて、ことし5月から特別養子縁組のあっせん事業を始めたということです。
厚生労働省によりますと、このあっせん事業は、全国で15の任意団体や個人の産婦人科の医師などが届け出ていますが、医療法人が届け出たのは初めてだということです。
病院によりますと、これまでに病院で生まれた2人の子どもを、埼玉県の医師から紹介された夫婦にあっせんしたということです。
また、事業を始めるにあたって弁護士などで作る第三者委員会を設置したほか、あっせんの経緯を記録し、本人が成人した後に希望すれば記録を見ることができる仕組みを整えたということです。
特別養子縁組のあっせん事業を巡っては、多額の寄付金を受け取るケースが問題になっていますが、この病院は、子どもを育てる夫婦からの寄付金は受け取らないということです。」

理事長「虐待被害など減らすために必要」

特別養子縁組のあっせん事業を始めたことについて、福田病院の福田稠理事長は「望まない妊娠によって生まれた子どもが虐待などの被害に遭うケースが後を絶たず、こうした被害を減らすために取り組む必要があると考えた」と話しています。」


特別養子縁組のあっせん事業は現行法が不備で,民間団体のあっせん事業には多額の寄付などの問題点が指摘されています.奥田安弘氏ら著 「養子縁組あっせん―立法試案の解説と資料」ご参照.

福田病院は,寄付金は受けず,養父母から10万円程度の入院費実費のみを受けとり,出産を疑似体験してもらう,とのことです(時事通信).
医療法人がこの事業を行うことは,特別養子縁組のあっせんが公正に行われることにつながります.
日本医師会が各県医師会に要請し,近々10医療施設でも連携してあっせん事業に取り組むそうですが,日本全国で医療法人があっせん事業に参加するようになってほしいと思います.


谷直樹

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by medical-law | 2013-08-08 23:56 | 福祉

横浜市立市民病院内に長期療養者職業相談窓口設置

日本経済新聞「横浜市民病院とハローワーク、がん患者の就職支援」(2013年8月6日)は,次のとおり報じました.

 
「横浜市立市民病院(横浜市)とハローワーク横浜(横浜市)は、がん患者を対象にした就職支援事業を始める。ハローワークが専門の相談員を配置し、同病院に定期的に派遣する。病状や治療のスケジュールに配慮した仕事を紹介し、投薬治療など長期の通院が必要な患者の就労を後押しする。

 ハローワーク横浜はこのほど「長期療養者職業相談窓口」を設置した。担当する「就職支援ナビゲーター」は、看護師らの講義を受けるなどして、がん治療や療養生活の知識を身につける。そのうえで短時間勤務など、患者の状況に配慮した求人の開拓につなげる。

 市民病院は月1回程度の出張相談窓口を設置する。入院患者に退職後を見据えて相談に来てもらうほか、退院した人がその後の通院時に相談に訪れてもらうことも想定している。就職活動に踏み出しやすい環境を整える。

 厚生労働省による長期の病気療養が必要な人の就労を支援するモデル事業として実施する。市民病院は厚労省から地域のがん診療で中核的な役割を果たす「地域がん診療連携拠点病院」に指定されている。

 今後はがん患者だけでなく肝炎や糖尿病などの患者にも対応したい考えだ。」


厚労省の就労支援事業は,2013年年度から大都市圏の「がん診療連携拠点病院」数箇所で先行実施し,全国に広げることになっています.横浜市の例はその先行実施の一つです.

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by medical-law | 2013-08-07 04:02 | 福祉

21世紀出生児縦断調査及び21世紀成年者縦断調査特別報告の概況

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厚労省は,2013年3月21日,「21世紀出生児縦断調査及び21世紀成年者縦断調査特別報告の概況」を発表しました.

◆ 結婚

就業形態が無職、パート・アルバイト、派遣社員、契約社員・嘱託では、正規雇用の者に比べ、男女とも結婚を「絶対したい」と思う者が少ない

学卒直後の就業形態が無職だった場合、正規雇用の者に比べ男女とも20-29 歳では結婚が起
きにくい

男女とも、収入が高くなるほど結婚しやすい、特に男性の30 歳以上で顕著


◆ 第1子出生

妻の就業形態がパート・アルバイトや派遣社員・契約社員・嘱託では、正規雇用の者に比べ、第1子出生が起きにくい

妻の職場で育児休業制度がない又は育児休業制度があるかわからないと答えた者は、育児休業制度があると答えた者に比べ、第1子出生が起きにくい


◆ 第2子出生

第1子出生後に夫の育児参加が多いほど第2子出生が起きやすい傾向

第1子出生後に妻の子育ての不安や悩み・育児負担感が大きいほど第2子出生が起きにくい

結婚当初の希望子ども数を実現する割合は約7 割



マクロにみれば,出生率の低下は雇用・経済等の環境要因によることがわかります.

谷直樹
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by medical-law | 2013-03-22 03:35 | 福祉