弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

カテゴリ:人権( 58 )

東京地裁,ハンセン病の非入所者遺族と国が和解

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朝日新聞「ハンセン病の非入所者遺族が国と和解」(2017年2月20日)は,次の通とおり報じました.

「ハンセン病患者の隔離政策をめぐり、療養所に入らなかった「非入所者」の元患者3人の遺族4人が国に損害賠償を求めた訴訟で、4人全員の和解が成立したと代理人弁護士が20日、明らかにした。

 和解したのは、愛知、福島、沖縄の各県に住む非入所者の息子や母親ら4人。遺族側代理人によると、国が隔離政策による人権侵害について謝罪し、遺族1人あたり350万~500万円を支払う内容。非入所者の遺族と国が和解したのは初めてという。

 元患者で非入所者の賠償をめぐっては、2002年に国と基本合意が成立。だが、非入所者の遺族については言及されてこなかった。今回の和解で、遺族も基本合意の水準に沿って、元患者の賠償金を相続できることが認められた。」


これは,私が担当した事件ではありません.
非入所者も人権を侵害されてきましたので,基本合意の水準で東京地裁で和解が成立したことの意義は大きいと思います.


谷直樹

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by medical-law | 2017-02-20 23:06 | 人権

最高裁が任官10年目の裁判官対象に人権研修

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毎日新聞「ハンセン病 最高裁が人権研修 裁判官100人に」(2017年2月17日)は,次のとおり報じました.

「ハンセン病患者の裁判が隔離施設の「特別法廷」で開かれていた問題で、最高裁が設置した有識者委員会の座長を務めた井上英夫金沢大名誉教授が17日、埼玉県和光市の司法研修所で任官10年目の裁判官約100人に講演した。

 最高裁は昨年4月、特別法廷の運用を「偏見や差別を助長し、違法だった」と謝罪。有識者委から人権研修の必要性を指摘され、初めて裁判官の研修プログラムに内容を組み込んだ。」


ハンセン病の感染力・発病力は極めて弱いにもかかわらず,国は90年もの間強制隔離政策をとり続け,人権を守るべき裁判所が差別する側に回り人権を侵害したことは忘れてはいけないことです.
任官して10年たつと「判事補」から「判事」になります.その節目の研修に人権研修が取り入れられました.画期的なことです.


谷直樹

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by medical-law | 2017-02-17 21:38 | 人権

神奈川県弁護士会人権賞はハンセン病元患者石山春平氏と難民外国人支援の医師山村淳平氏へ

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「第21回神奈川県弁護士会人権賞」の贈呈式は、2017年1月21日(土)に行われます.

神奈川県弁護士会によれば、ハンセン病元患者の石山春平氏の受賞理由は以下のとおりです

「1936年に出生し、小学校6年生の時にハンセン病と診断され、1952年に療養所に強制入院させられた。1968年に社会復帰後、ハンセン病の回復者としてハンセン病の差別・偏見に対して実名で社会に訴える講演活動等を行い、川崎市で地域の障がい者活動のリーダーとしても活躍してきた。」

港町診療所の医師山村淳平氏の受賞理由は、以下のとおりです.

「医師として健康保険に加入していない外国人患者の診察に携わる中、在日外国人の人権侵害を認識し、強制送還された外国人を訪ねて証言を聞き取るなどして、入国管理局での長期収容、暴行、強制送還の実態などを明らかにした。その他、在日ビルマ人支援や、在留資格のない外国人の取締強化による人権侵害の調査などを行い、在日外国人を通した日本社会のあり方に問題を投げかけている。」

大変すばらしい選出です.


谷直樹

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by medical-law | 2017-01-19 02:17 | 人権

後期研修を拒まれた医師が医療法人徳洲会と研修担当の医師2人を提訴(報道)

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朝日新聞「出産への配慮なく研修継続できず」女性が徳洲会を提訴」(2017年1月18日)は、次のとおり報じました.

 「出産への配慮がなく、研修医を続けられなかったとして、医師免許を持つ大阪府内の女性(31)が医療法人徳洲会と研修担当の医師2人に計3777万円の賠償を求め、大阪地裁に提訴した。18日に第1回口頭弁論があり、法人側は請求棄却を求めた。

 訴状によると、女性は関西にある徳洲会系列の病院で2014年4月から2年間の予定で初期研修に入った。その後、15年5月の第2子出産の前後に約3カ月休業し、2カ月遅れの16年5月末に研修を終えた。

 その後、専門医の資格取得のため、後期研修を希望したが、徳洲会側から特段の説明なく受け入れを拒まれたという。・・・」


前期研修医は、後期も同じ病院に勤務するとは限りません.
研修医の希望と医療機関の希望とのマッチング(医師臨床研修マッチング)で採用が決まります.都市部の人気病院は研修医の希望が多く、そうでない病院は希望が少ない、という傾向になります.
ただ、医師不足解消のためには、ワークライフバランスの実現が重要です.
報道の件は、判決となれば後期研修医採用についての裁判所の判断を示す先例となるでしょう.


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by medical-law | 2017-01-19 00:54 | 人権

チッソ水俣病患者連盟の高倉史朗事務局長インタビュー

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西日本新聞「健康調査で実態把握を 患者連盟の高倉史朗事務局長に聞く 水俣病公式確認60年」(2016年12月18日)にチッソ水俣病患者連盟の高倉史朗事務局長の写真とインタビューが載っていました.

行政の不作為を未認定患者に負わせているのが公式確認60年の状況。徒労感を覚える。」
「60年といえば、本来終わっていなければいけない時期。皮肉にも、終わらない水俣病を再認識する記念日になった。」
「不知火海沿岸住民の健康調査が行われない限り、水俣病は解決しない」
「データを取れば、感覚障害のみの水俣病がどのくらいあるのか分かる。」



国がチッソ(加害企業)を消滅し被害者を表舞台に登場させないことで幕引きとしようとしても,被害者がいる限り闘いは終わりません.裁判は個々の原告の権利侵害に対する賠償を判断するものに過ぎず,裁判で出来ることの限界を感じます.

谷直樹

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by medical-law | 2016-12-18 19:05 | 人権

赤ちゃんの急死を考える会,「『保育死亡事故』防止のための緊急提言」

しんぶん赤旗「うつぶせ寝」禁止 徹底を 保育事故防止 遺族ら提言」(2016年9月13日)は,次のとおり報じました.
 
「保育施設で子どもを亡くした遺族らでつくる「赤ちゃんの急死を考える会」は12日、相次ぐ死亡事故を防止するための緊急提言を国へ提出しました。重大事故の原因となる「うつぶせ寝」の禁止を徹底し、子どもが睡眠中の部屋を保育者不在にしないよう求めました。

 同会によると、2015年9月からの1年間で8件の死亡事故が保育施設で起きており全員が0~1歳児です。うち6人は睡眠中に心肺停止で発見され、搬送先の病院で死亡が確認されています。

 同日都内で会見した同会の小山義夫副会長は、うつぶせ寝で、子どもが寝ている部屋に保育者がいないなど「共通した状況で事故は起きている」と指摘。要望した「2点を守るだけで死亡事故は減らせると確信している」と話しました。

 寺町東子弁護士は、国が定める保育士の配置基準を満たしている施設でも多くの死亡事故が起きているとして、基準の見直しを強調。保育所への抜き打ちの立ち入り調査の義務化も必要だと訴えました。

 保育事故をめぐっては今年3月、国は事故防止のガイドラインを発表。しかし「周知されていない」「人員不足で徹底できない」といった声が、保育現場などからあがっています。」


 赤ちゃんの急死を考える会の「『保育死亡事故』防止のための緊急提言」は,次の内容です。

「9月3日付けの新聞等報道で、新たに2件(千葉県君津市の認可外施設、東京都板橋区の認可保育園)の保育死亡事故が生じていたことがわかりました。詳しい状況や原因は明らかにされていませんが、それぞれ0、1歳児が睡眠中に心肺停止状態で発見され、搬送先の病院で死亡が確認されています。

当会が把握しているだけでも、2015年9月からの1年間に同様の事故が6件起こっています(資料1)。睡眠中の乳幼児心肺停止事例には共通した状況があり、中でも特徴的なものとして【子どもがうつぶせ寝の状態であった】【子どもが寝ている部屋に保育者が(一定時間)不在であった】ことがあげられます。

今年3月に通知された「教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン」には、『1事故の発生防止(予防)のための取組み(1)安全な教育・保育環境を確保するための配慮点等』として、【仰向けに寝かせること】【何よりも、一人にしないこと】【寝かせ方に配慮を行うこと】【安全な睡眠環境を整えること】が明記されています。それにもかかわらず、未だに保育の現場ではうつぶせ寝が行われており、長時間に渡って保育者の観察がないなどの状況下で、死亡事故が起こり続けています。

「保育現場が大変」「保育士が足りない」等の状況があることは承知しておりますが、“あずかっている子どもの命と安全を守ること”は保育の最低条件です。これ以上の重大事故を防ぐためにも、認可・認可外問わず全ての保育施設や事業に国の責任で以下の2点を緊急に周知徹底していただくことを望みます。


・0~1歳児は絶対にうつぶせに寝かせないこと(寝返りした場 合も仰向けにする) │
・子どもが睡眠中の部屋を保育者不在にしないこと


「弁護士寺町東子が行く」に,このときの意見交換について書かれています.

保育施設での死亡事故(保育死亡事故)の7割は午睡中の死亡なので,0-1歳児の午睡中の①うつぶせ寝と、②保育士不在を無くせば,保育死亡事故の7割は無くせるとのことです.
具体的な手段として,次の4点が書かれています.

手段1  保育施設への午睡中の抜き打ち立入調査(さいたま市方式)
手段2 立入調査時の保育士の欠員/不在・午睡中の状況に関する指摘事項の公表
手段3 1歳児の保育士(保育者)配置基準を3:1に上乗せする
手段4 以下の2点を周知するポスターを午睡室内に張り出すよう各施設に配布
  ・0~1歳児は絶対にうつぶせに寝かせないこと(寝返りした場合も仰向けにする)
  ・子どもが睡眠中の部屋を保育者不在にしないこと


このような提言が確実に実行されることを期待いたします.



谷直樹


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by medical-law | 2016-09-29 10:40 | 人権

ハンセン病を理由とする開廷場所指定に関する調査報告書

最高裁事務総局は、2016年4月25日、ハンセン病を理由とする開廷場所指定に関する調査報告書を公表しました.
「第六総括」の部分は、以下のとおりです.

第六 総括

第1 まとめ

1 裁判所法69条2項において,最高裁判所が下級裁判所に裁判所以外の場所で法廷を開かせる「必要」がある場合とは,風水害,火災等のため,本来法廷を開くべき裁判所庁舎において法廷を開くことが事実上できなくなった場合や,裁判所庁舎の使用は可能であるが,被告人が長期間の療養を要する伝染性疾患の患者であって,裁判所庁舎に出頭を求めて審理することが不可能ないしは極めて不相当な場合など真にやむを得ない場合に限られると解すべきである。
そして,疾病を理由とする上申がされた場合に,裁判所外における開廷の必要性が認められる真にやむを得ない場合に該当するか否かを検討するに当たっては,①当事者が,当時の医療水準に照らして,当該疾患により,裁判所への出頭に耐えられない病状である,あるいは,他者への伝染可能性が相当程度認められ,かつ,裁判所への道中や裁判所構内において必要な伝染予防の措置をとることが不可能ないし極めて困難であるなど,当該当事者に裁判所庁舎への出頭を求めて審理することが不可能ないし極めて不相当と認められる事情の有無,②審理の状況に照らし,合理的期間内において,その病状が改善し,又は伝染可能性が低下する見込みの有無 ,③仮にその見込みがある場合には,病状の改善や伝染可能性の低下を待つことなく,当該当事者に出頭を求めて審理を行うべき真の必要性の有無,④陳述の擬制(民事訴訟法158条),書面による準備手続(民事訴訟法175条),所在尋問(民事訴訟法185条,刑事訴訟法158条)等,ほかに採り得る手段の有無等を慎重に考慮すべきである。

2 ハンセン病を理由とする開廷場所の指定の上申は,昭和23年から昭和47年までの間に96件であった。うち95件が認可,1件が撤回され,不指定とした事例はない(認可率99パーセント)。開廷場所としては,菊池恵楓園等のハンセン病療養所,菊池医療刑務支所等の刑事収容施設などが指定されていた。
最高裁判所としては,遅くとも昭和35年以降においては,下級裁判所からハンセン病を理由とする開廷場所指定の上申があった場合,科学的な知見や上記1に掲げた諸事情の有無を考慮するなどした上,裁判所外における開廷の必要性が認められる真にやむを得ない場合に該当するか否かを慎重に検討し,該当しないときには,裁判所外での開廷の必要性がないものとして,開廷場所の指定上申を認可してはならなかった。
しかしながら,最高裁判所裁判官会議から専決権限を付与された事務総局は,昭和23年から昭和47年までの間,裁判所外における開廷の必要性を認定して上申を認可するに際して,基本的に当事者が現にハンセン病に罹患していることが確認できれば,科学的な知見や上記1に掲げた諸事情を具体的に検討することなく,裁判所外における開廷の必要性を認定して,開廷場所の指定を行うとの運用を行っていた。
このような事務総局による裁判所外における開廷の必要性の認定の運用は,遅くとも昭和35年以降については,合理性を欠く差別的な取扱いであったことが強く疑われ,認可が許されるのは真にやむを得ない場合に限られると解される裁判所法69条2項に違反するものであった。

3 開廷場所としては,訴訟手続が秩序正しく行われることが可能なだけの物的設備を備え,かつ,公開の要請をも満たすことのできる場所を選ぶべきであり,このような判断事項の重大性を踏まえて,開廷場所の選定については最高裁判所の権限に委ねたものと解される。したがって,開廷場所が上記要件を満たしているか否かについては,下級裁判所にその判断を委ねることは許されず,最高裁判所自身が判断すべきものと解すべきであり,その選定に当たっては,法廷が開かれる部屋の広さ,具体的形状,物的設備の状況等が,開廷場所としてふさわしいかどうか判断できるに足りる資料を事前に収集した上で,まずは,伝染予防の観点で他に実際に使用可能な施設の有無やその設備の内容を検討し,その上で,法廷が開かれる場所の具体的形状,当事者等の出頭・押送等の負担等様々な個別的事情を勘案しつつ,その適否を判断すべきである。
今回の調査の結果,事務総局が開廷場所としてふさわしいかどうかにつき判断できるに足りる資料を収集していなかったと認定することはできなかった。
他方で,事務総局作成の開廷場所指定文書には,「菊池恵楓園」などと開廷場所の施設名が記載されていたにとどまり,当該施設の中のどの建物ないしどの部屋を開廷場所として選定するのかを具体的に特定するに足りる記載がなかった
ところ,このような指定の仕方は,開廷場所の特定の在り方として相当ではなかったと考えられる。
また,今回の調査の結果,刑事収容施設内で開廷された事例及びハンセン病療養所内で開廷された事例のいずれの場合であっても,下級裁判所が,最高裁判所の指示に従い,裁判所の掲示場及び開廷場所の正門等において告示を行っていたこと,下級裁判所は,指定された開廷場所において傍聴を許していたことが推認でき,このような開廷場所の指定に当たっての運用は,憲法の定める公開の要請を念頭に置いて行われたものと認められるし,裁判所法69条2項が想定する公開の要請を満たさないと解される具体的形状を有する場所が開廷場所として選定された事例があったとまで認定するには至らなかった。

4 昭和23年2月13日の最高裁判所裁判官会議において,ハンセン病患者を被告人とする下級裁判所の刑事事件につき,裁判所以外の場所において法廷を開かせることについては,事務総局に処理させる旨の議決がなされた。
この議決は,いわゆる行政法上の専決権限の付与であると解され,それ自体は法に適合しないものではないが,遅くとも昭和35年以降においては,当事者がハンセン病に罹患していることが確認できれば,原則として開廷場所の指定の上申を認可するという,専決の前提となった運用が相当性を欠く状況になっていたというべきであり,事務総局が,遅くとも同年以降,専決の前提となった状況が変化し運用の考え方が相当性を欠く状況になっていたことを裁判官会議に諮ることなく,その後も専決権限を行使し続けたことは相当ではなかったと考えられる。(なお,この点に関し,有識者委員会から,最高裁判所裁判官会議としての責任も免れないとの意見が出されたことは,上記第五の第4の4で述べたとおりである。)

5 以上のとおり,本調査によれば,最高裁判所によるハンセン病を理由とする開廷場所の指定は,指定する場合の開廷場所の特定方法及び開廷場所指定の内部手続において相当でない点があり,また,裁判所外での開廷の必要性の認定判断の運用は,遅くとも昭和35年以降,裁判所法69条2項に違反するものであった。
このような誤った指定の運用が,ハンセン病患者に対する偏見,差別を助長することにつながるものになったこと,さらには,当事者であるハンセン病患者の人格と尊厳を傷つけるものであったことを深く反省し,お詫び申し上げる。

第2 今後の開廷場所指定の運用等について

1 裁判所法69条2項に定める開廷場所の指定は,被告人の公開裁判を受ける権利に影響する可能性のあるもので,裁判所外における開廷の必要性が認められる真にやむを得ない場合に限って認可することが許される極めて例外的な措置であることを常に認識して事務に当たる必要がある。
疾病を理由とする上申がされる場合にあっては,上記に加え,事務総局としては,まずは,開廷場所の指定によらない方法を講じ得ないかを検討するとともに,他者への伝染可能性の有無及び程度並びに将来における病状の改善や伝染可能性の低下の見込みの有無及び時期を具体的に聴取し,偏見や差別を廃し最新の科学的な知見の有無など可能な限りの情報を収集し具体的に検討した上,裁判所外における開廷の必要性が認められる真にやむを得ない場合に該当するか否かを精査した上で,裁判官会議に諮るものとすべきである。

2 裁判所において取り扱う司法行政事務は,開廷場所の指定に限らず,裁判の当事者をはじめとする司法制度を利用する国民の権利利益や社会生活に深い影響を及ぼし得るものである。裁判所で司法行政事務に携わる職員は,上記のような過ちと深い反省を忘れることなく今後の教訓とし,人権に対する鋭敏な意識を持って,先例にとらわれない法令順守が堅持された事務処理を行い,このようなことを二度と起こさないよう努めるべきものと考える。

3 有識者委員会からは,別紙のとおり,「将来へ向けての提言」として,最高裁判所は,人権の砦として,裁判官はじめ司法行政に携わる職員の人権意識の向上を常に図り,ハンセン病患者に対してなされた開廷場所指定のような事態を二度と引き起こさないようにすべきであること,感染症を理由とする開廷場所指定に当たっては,患者の人権を第一に配慮し,個別の事案について,開廷場所指定が真に必要かどうかを慎重に判断すべきであること,裁判官をはじめとする裁判所職員等に対し,ハンセン病政策の歴史を踏まえた人権研修が直ちに実施されるべきであることが提言されている(別紙9,10頁)。このような有識者委員会からの提言をも踏まえ,誤った運用が二度と行われないよう,具体的な方策を着実に実行していく必要があると考える。」


違法とし謝罪はしましたが、違憲とはしませんでした.
実質的に公開されていたとはいえないのではないでしょうか..
裁判所がこのような特別扱いを行うことで差別を助長していたのではないでしょうか.
違憲としなかた点には疑問があります.


谷直樹


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by medical-law | 2016-05-02 01:01 | 人権

シンポジウム「日仏における第三者の介入する生殖補助医療と法:誰の権利をどのようにまもるのか」

今日3月8日は、国際女性デー(International Women's Day)」です.
いろいろなイベントがありますが、今週末の国際女性デー記念シンポジウム「日仏における第三者の介入する生殖補助医療と法:誰の権利をどのようにまもるのか」をご紹介します.
2016年3月12日(土)10:00~18:30、日仏会館(恵比寿3-9-25)1階ホールで、主催法政大学ボアソナード記念現代法研究所、共催日仏女性研究学会・日仏会館フランス事務所、後援ジェンダー法学会・日本女性法律家協会で開催されます.

第I部(10:00-12:00)
 生殖補助医療の法制化をめぐる対照的な二つの国-フランスと日本-
第II部(13:30-15:30)
 精子提供、卵子提供-当事者の権利「個人・カップル・家族」の尊重
第III部(15:50-17:20)
 第三者の介入する生殖補助医療の規制と裁判所の役割
第IV部(17:30-18:30)
 ラウンドテーブル

 弁護士は、川村百合先生がお話されます.

参加費無料/定員150人
下記、日仏会館ウェブサイト申し込みページ

日仏会館ウェブサイト申し込みページ


谷直樹


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by medical-law | 2016-03-08 01:29 | 人権

黒は美しい

マルコムX氏は,Black is beautiful と言いました.

日本では,ブラック企業,ブラックリストなどブラックを悪い意味で使う人たちがいます.
もうそろそろ,「ホワイトが善で,ブラックが悪」という刷り込みから解放されませんか.

1965年2月21日は,スピーチ中のマルコムX氏が15発の銃弾を受け亡くなくなった日です.
映画『マルコムX』をお奨めします.

Truth is on the side of the oppressed.(真実は、虐げられる側にある)
これも,マルコムX氏の言葉です.


谷直樹


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by medical-law | 2016-02-21 03:21 | 人権

内閣府食品安全委員会,いわゆる「健康食品」についての報告書とメッセージ

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内閣府食品安全委員会では、「健康食品」について、平成27年12月8日の第587回食品安全委員会において報告書とメッセージをとりまとめました

「いわゆる『健康食品』についてのメッセージ」のまとめは,次のとおりです.

「 「健康食品」について安全な選択をするために(まとめ)
● 健康の保持・増進の基本は、健全な食生活、適度な運動、休養一睡眠です。
● 「健康食品」を摂る選択をする前に、今の自分にとって本当に必要か考えてください。その際に、信頼できる(科学的根拠のある)情報を入手するように努めることが、自身の健康を守るために大切です。
● 「健康食品」を購入/摂る場合は、このメッセージで述べられている点に注意して、選択をすることが必要です。
● 増量することは健康被害をもたらすリスクを高めます。たとえ効果が実感できなくても、増量してはいけません。
● 「健康食品」を摂っていて体調が悪くなった場合は、すぐに摂るのをやめてください。」



いわゆる「健康食品」は数が多いので,有効性と有害性の科学的検証が追いつかないためかもしれませんが,日本では,「健康食品」の法規制が整備されていません.
食品とも医薬品とも異なる規制が必要ですが,現状では,消費者の自己判断となるのでしょう.
海外では,いわゆる「健康食品」について特別な法的規制が行われていますので,日本でも規制できないことはないはずですが...


谷直樹


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by medical-law | 2015-12-13 17:22 | 人権