弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

カテゴリ:人権( 60 )

最高裁調査、「特別法廷」問題でハンセン病元患者証言

NHK「ハンセン病元患者 特別法廷を証言」(2014年12月24日)は、次のとおり報じました.

「かつてハンセン病の患者の裁判が隔離された療養所などの「特別法廷」で行われていた問題で、熊本県の療養所の元患者などが、最高裁判所の聞き取り調査に対して差別的な扱いのもとで審理が行われた当時の様子を証言しました。

かつてハンセン病の患者に対する裁判が隔離された療養所などに設けられた「特別法廷」で行われたことについて、最高裁判所は「差別的な扱いだった可能性がある」として、23日から九州や沖縄に担当者を派遣して元患者などへの聞き取り調査を行っています。
2日目の24日は、午前中、熊本県合志市の療養所、「菊池恵楓園」で、昭和30年代に行われた特別法廷に立ち会った福岡市の元弁護士、稲澤智多夫さん(95)が「裁判の前に消毒を受けさせられ、法廷では裁判官や検察官が感染を恐れて、審理を早く終わらせようとしていた」と当時の様子を証言しました。
午後からは「菊池恵楓園」で、元患者の杉野芳武さん(83)への聞き取りが行われました。
杉野さんは、特別法廷の裁判は期日の告知もなく、周囲に幕が張られて傍聴できないようにしていたなどと説明したということです。
聞き取り調査は25日まで続けられ、最高裁は、来年の夏ごろには検証結果をまとめて公表したいとしています。

元患者「大きな汚点」
最高裁判所の担当者に「菊池恵楓園」で行われた特別法廷の様子を説明した元患者の杉野芳武さんは、「法の番人である裁判所がハンセン病の患者が置かれている状況にそっぽを向いてきたのは大きな汚点だ。裁判官も患者に対して誤った認識を持っていたのか検証してほしいと伝えた」と話していました。

えん罪と主張する裁判も
24日聞き取り調査が行われた熊本県の療養所、「菊池恵楓園」では、元患者などで作る団体が、えん罪の疑いがあると主張している殺人事件の裁判も行われました。
昭和26年から27年に、現在の熊本県菊池市で起きたいわゆる「菊池事件」です。
ハンセン病患者が殺人などの罪に問われたこの事件の裁判は「菊池恵楓園」などに設置された「特別法廷」で行われ、被告の家族を除いては傍聴できませんでした。
被告は無実を訴えましたが、死刑判決を受け、昭和37年に死刑が執行されました。
元患者の団体は、この特別法廷では裁判所の職員が提出された調書などを箸で挟んで示したり、裁判官が早く審理を終えるよう求めたりして、公正な審理が行われなかったと主張して裁判のやり直しを求める活動を続けています。」

ハンセン病元患者は、高齢化していますので、今回の聞き取り調査は事実上最後の機会です.
司法・裁判の問題が真摯に検証されることを期待します.


谷直樹

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by medical-law | 2014-12-25 01:15 | 人権

最高裁平成26年10月23日判決,雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法の解釈

平成24年(受)第2231号 地位確認等請求事件,最高裁(一小)平成26年10月23日判決は,次のとおり,女性労働者につき労働基準法65条3項に基づく妊娠中の軽易な業務への転換を契機として降格させた事業主の措置をめぐり,雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律9条3項の解釈について違法があるとして,原審(広島高裁)判決を破棄し,差し戻しました.

主 文

原判決を破棄する。
本件を広島高等裁判所に差し戻す。

理 由

上告代理人下中奈美,同鈴木泰輔の上告受理申立て理由(ただし,排除されたものを除く。)について

1 本件は,被上告人に雇用され副主任の職位にあった理学療法士である上告人が,労働基準法65条3項に基づく妊娠中の軽易な業務への転換に際して副主任を免ぜられ,育児休業の終了後も副主任に任ぜられなかったことから,被上告人に対し,上記の副主任を免じた措置は雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(以下「均等法」という。)9条3項に違反する無効なものであるなどと主張して,管理職(副主任)手当の支払及び債務不履行又は不法行為に基づく損害賠償を求める事案である。

2 原審の確定した事実関係等の概要は,次のとおりである。

(1) 被上告人は,医療介護事業等を行う消費生活協同組合であり,A病院(以下「本件病院」という。)など複数の医療施設を運営している。
上告人は,平成6年3月21日,被上告人との間で,理学療法士として理学療法の業務に従事することを内容とする期間の定めのない労働契約を締結し,本件病院の理学療法科(その後,リハビリテーション科に名称が変更された。以下,名称変更の前後を通じて「リハビリ科」という。)に配属された。

(2) 上告人は,その後,診療所等での勤務を経て,平成15年12月1日,再びリハビリ科に配属された。その当時,リハビリ科に所属していた理学療法士は,同科の科長を除き,患者の自宅を訪問してリハビリテーション業務を行うチーム(以下,「訪問リハビリチーム」といい,その業務を「訪問リハビリ業務」という。)又は本件病院内においてリハビリテーション業務を行うチーム(以下,「病院リハビリチーム」といい,その業務を「病院リハビリ業務」という。)のいずれかに所属するものとされており,上告人は訪問リハビリチームに所属することとなった。

(3) 上告人は,平成16年4月16日,訪問リハビリチームから病院リハビリチームに異動するとともに,リハビリ科の副主任に任ぜられ,病院リハビリ業務につき取りまとめを行うものとされた。
その頃に第1子を妊娠した上告人は,平成18年2月12日,産前産後の休業と育児休業を終えて職場復帰するとともに,病院リハビリチームから訪問リハビリチームに異動し,副主任として訪問リハビリ業務につき取りまとめを行うものとされた。

(4) 被上告人は,平成19年7月1日,リハビリ科の業務のうち訪問リハビリ業務を被上告人の運営する訪問介護施設であるB(以下「B」という。)に移管した。この移管により,上告人は,リハビリ科の副主任からBの副主任となった。

(5) 上告人は,平成20年2月,第2子を妊娠し,労働基準法65条3項に基づいて軽易な業務への転換を請求し,転換後の業務として,訪問リハビリ業務よりも身体的負担が小さいとされていた病院リハビリ業務を希望した。これを受けて,被上告人は,上記の請求に係る軽易な業務への転換として,同年3月1日,上告人をBからリハビリ科に異動させた。その当時,同科においては,上告人よりも理学療法士としての職歴の3年長い職員が,主任として病院リハビリ業務につき取りまとめを行っていた。

(6) 被上告人は,平成20年3月中旬頃,本件病院の事務長を通じて,上告人に対し,手続上の過誤により上記(5)の異動の際に副主任を免ずる旨の辞令を発することを失念していたと説明し,その後,リハビリ科の科長を通じて,上告人に再度その旨を説明して,副主任を免ずることについてその時点では渋々ながらも上告人の了解を得た。
その頃,上告人は,被上告人の介護事務部長に対し,平成20年4月1日付けで副主任を免ぜられると,上告人自身のミスのため降格されたように他の職員から受け取られるので,リハビリ科への異動の日である同年3月1日に遡って副主任を免じてほしい旨の希望を述べた。
上記のような経過を経て,被上告人は,平成20年4月2日,上告人に対し,同年3月1日付けでリハビリ科に異動させるとともに副主任を免ずる旨の辞令を発した(以下,上告人につき副主任を免じたこの措置を「本件措置」という。)。

(7) 上告人は,平成20年9月1日から同年12月7日まで産前産後の休業を
し,同月8日から同21年10月11日まで育児休業をした。被上告人は,リハビリ科の科長を通じて,育児休業中の上告人から職場復帰に関する希望を聴取した上,平成21年10月12日,育児休業を終えて職場復帰した上告人をリハビリ科からBに異動させた。その当時,Bにおいては,上告人よりも理学療法士としての職歴の6年短い職員が本件措置後間もなく副主任に任ぜられて訪問リハビリ業務につき取りまとめを行っていたことから,上告人は,再び副主任に任ぜられることなく,これ以後,上記の職員の下で勤務することとなった。上記の希望聴取の際,育児休業を終えて職場復帰した後も副主任に任ぜられないことを被上告人から知らされた上告人は,これを不服として強く抗議し,その後本件訴訟を提起するに至った。

(8) 被上告人は,被上告人が運営する病院,診療所等の各部及び各科に配置する管理者の任務,権限,責任及びその任免について,「管理職務規定」を定めており,同規定が対象とする管理者の範囲は,部長,科長,課長,師長,医長,主任又は副主任の職位にある者とされている。また,被上告人の職員の給与については,その職種,経験,学歴,勤続年数等に応じて決定される基本給のほか,扶養手当,管理職手当等の諸手当があり,管理職手当の金額は,その職位ごとに定められており,副主任の場合は月額9500円とされていた。

3 原審は,上記事実関係等の下において,要旨次のとおり判断して,上告人の請求をいずれも棄却すべきものとした。
本件措置は,上告人の同意を得た上で,被上告人の人事配置上の必要性に基づいてその裁量権の範囲内で行われたものであり,上告人の妊娠に伴う軽易な業務への転換請求のみをもって,その裁量権の範囲を逸脱して均等法9条3項の禁止する取扱いがされたものではないから,同項に違反する無効なものであるということはできない。

4 しかしながら,原審の上記判断は是認することができない。その理由は,以下のとおりである。

(1)ア 均等法は,雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保を図るとともに,女性労働者の就業に関して妊娠中及び出産後の健康の確保を図る等の措置を推進することをその目的とし(1条),女性労働者の母性の尊重と職業生活の充実の確保を基本的理念として(2条),女性労働者につき,妊娠,出産,産前休業の請求,産前産後の休業その他の妊娠又は出産に関する事由であって厚生労働省令で定めるものを理由として解雇その他不利益な取扱いをしてはならない旨を定めている(9条3項)。そして,同項の規定を受けて,雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律施行規則2条の2第6号は,上記の「妊娠又は出産に関する事由」として,労働基準法65条3項の規定により他の軽易な業務に転換したこと(以下「軽易業務への転換」という。)等を規定している。
上記のような均等法の規定の文言や趣旨等に鑑みると,同法9条3項の規定は,上記の目的及び基本的理念を実現するためにこれに反する事業主による措置を禁止する強行規定として設けられたものと解するのが相当であり,女性労働者につき,妊娠,出産,産前休業の請求,産前産後の休業又は軽易業務への転換等を理由として解雇その他不利益な取扱いをすることは,同項に違反するものとして違法であり,無効であるというべきである。

イ 一般に降格は労働者に不利な影響をもたらす処遇であるところ,上記のような均等法1条及び2条の規定する同法の目的及び基本的理念やこれらに基づいて同法9条3項の規制が設けられた趣旨及び目的に照らせば,女性労働者につき妊娠中の軽易業務への転換を契機として降格させる事業主の措置は,原則として同項の禁止する取扱いに当たるものと解されるが,当該労働者が軽易業務への転換及び上記措置により受ける有利な影響並びに上記措置により受ける不利な影響の内容や程度,上記措置に係る事業主による説明の内容その他の経緯や当該労働者の意向等に照らして,当該労働者につき自由な意思に基づいて降格を承諾したものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するとき,又は事業主において当該労働者につき降格の措置を執ることなく軽易業務への転換をさせることに円滑な業務運営や人員の適正配置の確保などの業務上の必要性から支障がある場合であって,その業務上の必要性の内容や程度及び上記の有利又は不利な影響の内容や程度に照らして,上記措置につき同項の趣旨及び目的に実質的に反しないものと認められる特段の事情が存在するときは,同項の禁止する取扱いに当たらないものと解するのが相当である。
そして,上記の承諾に係る合理的な理由に関しては,上記の有利又は不利な影響の内容や程度の評価に当たって,上記措置の前後における職務内容の実質,業務上の負担の内容や程度,労働条件の内容等を勘案し,当該労働者が上記措置による影響につき事業主から適切な説明を受けて十分に理解した上でその諾否を決定し得たか否かという観点から,その存否を判断すべきものと解される。また,上記特段の事情に関しては,上記の業務上の必要性の有無及びその内容や程度の評価に当たって,当該労働者の転換後の業務の性質や内容,転換後の職場の組織や業務態勢及び人員配置の状況,当該労働者の知識や経験等を勘案するとともに,上記の有利又は不利な影響の内容や程度の評価に当たって,上記措置に係る経緯や当該労働者の意向等をも勘案して,その存否を判断すべきものと解される。
均等法10条に基づいて定められた告示である「労働者に対する性別を理由とする差別の禁止等に関する規定に定める事項に関し,事業主が適切に対処するための指針」(平成18年厚生労働省告示第614号)第4の3(2)が,同法9条3項の禁止する取扱いに当たり得るものの例示として降格させることなどを定めているのも,上記のような趣旨によるものということができる。

(2)ア これを本件についてみるに,上告人は,妊娠中の軽易業務への転換としてのBからリハビリ科への異動を契機として,本件措置により管理職である副主任から非管理職の職員に降格されたものであるところ,上記異動により患者の自宅への訪問を要しなくなったものの,上記異動の前後におけるリハビリ業務自体の負担の異同は明らかではない上,リハビリ科の主任又は副主任の管理職としての職務内容の実質が判然としないこと等からすれば,副主任を免ぜられたこと自体によって上告人における業務上の負担の軽減が図られたか否か及びその内容や程度は明らかではなく,上告人が軽易業務への転換及び本件措置により受けた有利な影響の内容や程度が明らかにされているということはできない。
他方で,本件措置により,上告人は,その職位が勤続10年を経て就任した管理職である副主任から非管理職の職員に変更されるという処遇上の不利な影響を受けるとともに,管理職手当の支給を受けられなくなるなどの給与等に係る不利な影響も受けている。
そして,上告人は,前記2(7)のとおり,育児休業を終えて職場復帰した後も,本件措置後間もなく副主任に昇進した他の職員の下で,副主任に復帰することができずに非管理職の職員としての勤務を余儀なくされ続けているのであって,このような一連の経緯に鑑みると,本件措置による降格は,軽易業務への転換期間中の一時的な措置ではなく,上記期間の経過後も副主任への復帰を予定していない措置としてされたものとみるのが相当であるといわざるを得ない。
しかるところ,上告人は,被上告人からリハビリ科の科長等を通じて副主任を免ずる旨を伝えられた際に,育児休業からの職場復帰時に副主任に復帰することの可否等について説明を受けた形跡は記録上うかがわれず,さらに,職場復帰に関する希望聴取の際には職場復帰後も副主任に任ぜられないことを知らされ,これを不服として強く抗議し,その後に本訴の提起に至っているものである。
以上に鑑みると,上告人が軽易業務への転換及び本件措置により受けた有利な影響の内容や程度は明らかではない一方で,上告人が本件措置により受けた不利な影響の内容や程度は管理職の地位と手当等の喪失という重大なものである上,本件措置による降格は,軽易業務への転換期間の経過後も副主任への復帰を予定していないものといわざるを得ず,上告人の意向に反するものであったというべきである。
それにもかかわらず,育児休業終了後の副主任への復帰の可否等について上告人が被上告人から説明を受けた形跡はなく,上告人は,被上告人から前記2(6)のように本件措置による影響につき不十分な内容の説明を受けただけで,育児休業終了後の副主任への復帰の可否等につき事前に認識を得る機会を得られないまま,本件措置の時点では副主任を免ぜられることを渋々ながら受け入れたにとどまるものであるから,上告人において,本件措置による影響につき事業主から適切な説明を受けて十分に理解した上でその諾否を決定し得たものとはいえず,上告人につき前記(1)イにいう自由な意思に基づいて降格を承諾したものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するということはできないというべきである。

イ また,上告人は,前記のとおり,妊娠中の軽易業務への転換としてのBからリハビリ科への異動を契機として,本件措置により管理職である副主任から非管理職の職員に降格されたものであるところ,リハビリ科においてその業務につき取りまとめを行うものとされる主任又は副主任の管理職としての職務内容の実質及び同科の組織や業務態勢等は判然とせず,仮に上告人が自らの理学療法士としての知識及び経験を踏まえて同科の主任とともにこれを補佐する副主任としてその業務につき取りまとめを行うものとされたとした場合に被上告人の業務運営に支障が生ずるのか否か及びその程度は明らかではないから,上告人につき軽易業務への転換に伴い副主任を免ずる措置を執ったことについて,被上告人における業務上の必要性の有無及びその内容や程度が十分に明らかにされているということはできない。
そうすると,本件については,被上告人において上告人につき降格の措置を執ることなく軽易業務への転換をさせることに業務上の必要性から支障があったか否か等は明らかではなく,前記のとおり,本件措置により上告人における業務上の負担の軽減が図られたか否か等も明らかではない一方で,上告人が本件措置により受けた不利な影響の内容や程度は管理職の地位と手当等の喪失という重大なものである上,本件措置による降格は,軽易業務への転換期間の経過後も副主任への復帰を予定していないものといわざるを得ず,上告人の意向に反するものであったというべきであるから,本件措置については,被上告人における業務上の必要性の内容や程度,上告人における業務上の負担の軽減の内容や程度を基礎付ける事情の有無などの点が明らかにされない限り,前記(1)イにいう均等法9条3項の趣旨及び目的に実質的に反しないものと認められる特段の事情の存在を認めることはできないものというべきである。したがって,これらの点について十分に審理し検討した上で上記特段の事情の存否について判断することなく,原審摘示の事情のみをもって直ちに本件措置が均等法9条3項の禁止する取扱いに当たらないと判断した原審の判断には,審理不尽の結果,法令の解釈適用を誤った違法がある。

5 以上のとおり,原審の判断には判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。論旨はこの趣旨をいうものとして理由があり,原判決は破棄を免れない。そして,上記の点について更に審理を尽くさせるため本件を原審に差し戻すべきである。
よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。なお,裁判官櫻井龍子の補足意見がある。

裁判官櫻井龍子の補足意見は,次のとおりである。

上告人が妊娠中の軽易業務への転換を請求したことに伴う本件措置が均等法9条3項に違反する措置であるか否かの判断については,以上の法廷意見のとおりであり私も賛同するものであるが,本件の第1審,原審では,育児休業から復帰後の配置等が同項等に違反するか否かについても争われ,判断の対象とされているものであり,予備的請求原因として位置付けられるため当審における判示の対象には含まれていないものの,上告受理申立て理由の一つとして主張されていることも踏まえ,その点に関し,以下,念のため,私の意見を補足的に申し述べておきたい。

1 原審認定事実によると,被上告人は,上告人が平成21年10月12日に育児休業から復帰した際も副主任の地位に復帰させていないが,この措置(以下「本件措置2」という。)について,原審は,上告人が配置されるなら辞めるという理学療法士が2人いる職場があるなど復帰先が絞られ,軽易業務への転換前の職場であったBが復帰先になったところ,Bには既に副主任として配置されていた理学療法士がおり,上告人を副主任にする必要がなかったのであるから,均等法等に違反するものでも人事権の濫用に当たるものでもない旨判示する。

2 しかしながら,本件措置2についても,以下のとおり,原審の判断は十分に審理が尽くされた上での判断とはいえないといわざるを得ない。

(1) 育児休業,介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律
(以下「育児・介護休業法」という。)は,育児休業,介護休業制度等を設けることにより,子の養育又は家族の介護を行う労働者の雇用の継続等を図り,その職業生活と家庭生活の両立に寄与することを目的とする(1条)ものであり,そのため,労働者が育児休業申出をし,又は育児休業をしたことを理由として,解雇その他不利益な取扱いをしてはならない(10条)と定めるものである。
同法10条の規定が強行規定と解すべきことは,法廷意見において均等法9条3項について述べるところと同様であろうし,一般的に降格が上記規定の禁止する不利益な取扱いに該当することも同様に解してよかろう。
本件の場合,上告人が産前産後休業に引き続き育児休業を取得したときは,妊娠中の軽易業務への転換に伴い副主任を免ぜられた後であったため,育児休業から復帰後に副主任の発令がなされなくとも降格には当たらず不利益な取扱いには該当しないとする主張もあり得るかもしれないが,軽易業務への転換が妊娠中のみの一時的な措置であることは法律上明らかであることからすると,育児休業から復帰後の配置等が降格に該当し不利益な取扱いというべきか否かの判断に当たっては,妊娠中の軽易業務への転換後の職位等との比較で行うものではなく,軽易業務への転換前の職位等との比較で行うべきことは育児・介護休業法10条の趣旨及び目的から明らかである。
そうすると,本件の場合,主位的請求原因に係る本件措置の適否に関する判断が差戻審において改めて行われるものであるが,予備的請求原因に係る本件措置2の適否に関する判断の要否は措くとしても,本件措置2については,それが降格に該当することを前提とした上で,育児・介護休業法10条の禁止する不利益な取扱いに該当するか否かが慎重に判断されるべきものといわなければならない。

(2) もとより,法廷意見が均等法9条3項について述べるところを踏まえれば,そのような育児休業から復帰後の配置等が,円滑な業務運営や人員の適正配置などの業務上の必要性に基づく場合であって,その必要性の内容や程度が育児・介護休業法10条の趣旨及び目的に実質的に反しないと認められる特段の事情が存在するときは,同条の禁止する不利益な取扱いに当たらないものと解する余地があることは一般論としては否定されない。
そして,上記特段の事情の存否に係る判断においては,当該労働者の配置後の業務の性質や内容,配置後の職場の組織や業務態勢及び人員配置の状況,当該労働者の知識や経験等が勘案された上で検討されるべきことも同様であろう。

(3) とりわけ,育児・介護休業法21条及び22条が,事業主の努力義務として,育児休業後の配置等その他の労働条件についてあらかじめ定めておき,労働者に周知させておくべきこと,また,育児休業後の就業が円滑に行われるよう,当該労働者が雇用される事業所の労働者の配置その他の雇用管理等に関し必要な措置を講ずべきことを定め,さらにこれらの運用に係る指針(平成16年厚生労働省告示第460号。平成21年厚生労働省告示第509号による改正前のもの)において,育児休業後には原則として原職又は原職相当職に復帰させることが多く行われていることを前提として他の労働者の配置その他の雇用管理が行われるように配慮すべきことが求められているなど,これら一連の法令等の規定の趣旨及び目的を十分に踏まえた観点からの検討が行われるべきであろう。これらの法令等により求められる措置は,育児休業が相当長期間にわたる休業であることを踏まえ,我が国の企業等の人事管理の実態と育児休業をとる労働者の保護の調整を行うことにより,法の実効性を担保し育児休業をとりやすい職場環境の整備を図るための制度の根幹に関わる部分である。
本件においては,上告人が職場復帰を前提として育児休業をとったことは明らかであったのであるから,復帰後にどのような配置を行うかあらかじめ定めて上告人にも明示した上,他の労働者の雇用管理もそのことを前提に行うべきであったと考えられるところ,法廷意見に述べるとおり育児休業取得前に上告人に復帰後の配置等について適切な説明が行われたとは認められず,しかも本件措置後間もなく上告人より後輩の理学療法士を上告人が軽易業務への転換前に就任していた副主任に発令,配置し,専らそのゆえに上告人に育児休業から復帰後も副主任の発令が行われなかったというのであるから,これらは上記(2)に述べた特段の事情がなかったと認める方向に大きく働く要素であるといわざるを得ないであろう。
3 なお,上告人は育児休業を取得する前に産前産後休業を取得しているため,本件措置2が育児・介護休業法10条の禁止する不利益な取扱いに該当すると認められる場合には,産前産後休業を取得したことを理由とする不利益な取扱いを禁止する均等法9条3項にも違反することとなることはいうまでもない。

(裁判長裁判官 櫻井龍子 裁判官 金築誠志 裁判官 横田尤孝 裁判官 白木勇 裁判官 山浦善樹)


女性が妊娠した場合,軽易な業務に替わるのは医学的に合理的で必要なことですし,女性がそれを希望するのは当然です.ただ,軽易な業務に替わることで,降格,減収となると,軽易な業務を希望することを躊躇することになるでしょう.ひいては,そのような取り扱いは妊娠出産についての障害となり得ます.ですから,妊娠した女性が軽易な業務に替わっても不利益をうけないように,役職,給与について十分配慮しなければいけないでしょう.法の趣旨を正しく解釈すると,本最高裁判決のように原則禁止,例外的に許容となるはずです.

原審の裁判官は,原則・例外の位置づけをせずに,人事権の裁量の範囲を広く認めた点に問題があるでしょう.

また,本判決は,妊娠した女性のみならず,種々の事情で一時的に軽易な業務に移らざるをえない労働者の待遇,給与についても影響を及ぼすのではないか,と思います.

谷直樹

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by medical-law | 2014-10-26 03:20 | 人権

最判平成26年7月14日,不開示決定時に行政機関が行政文書を保有していたことの立証責任は取消請求者にある

NHK「沖縄返還密約文書公開訴訟 原告の敗訴確定」(2014年7月14日)は,次のとおり報じました.

「昭和47年の沖縄返還の際に、日本とアメリカが密約を交わしたとして元新聞記者などが外交文書の公開などを求めていた裁判で、最高裁判所は原告側の上告を退け、文書の公開を認めなかった2審の判決が確定しました。

昭和47年の沖縄返還の際にかかる費用をアメリカの代わりに日本が支払うという「密約」が交わされたとして、元新聞記者などが行った当時の外交文書の情報公開請求に対し、国が6年前「文書は存在しない」として公開を認めない決定をしたため、裁判になっていました。
1審は国に公開を命じましたが、2審は3年前「すでに廃棄された可能性が高い」として訴えを退けたため、原告の元記者側が上告していました。
14日の判決で最高裁判所第2小法廷の千葉勝美裁判長は、「行政機関側が存在しないとした文書の公開を求める裁判では、請求者側に文書の存在を立証する責任がある」という初めての判断を示しました。
そのうえで「文書は外交交渉の過程で作成されていたとしても、国の調査の結果などを踏まえると、情報公開請求があったあとも存在していたとは認められない」と述べ、原告側の立証が不十分だとして上告を退けました。
これにより、文書の公開を認めなかった原告敗訴の判決が確定しました。

原告の元記者「情報公開の精神をないがしろ」

訴えを起こした元新聞記者の西山太吉さんは、「最高裁の判決は『密約』の文書がないことを正当化しているだけで、情報公開の精神をないがしろにして、特定秘密保護法を推し進める現在の政治の姿勢が表れている」と話しました。
また、「『密約』の文書はアメリカと日本が共同で作ったもので、日本側にないというだけでは済まされない。歴史的にも重要で、本来は永久に保存されなければならないのに、文書を保存し国民に伝えるという情報公開の精神がまったく考慮されていない。民主主義の崩壊だ」と述べました。

情報公開専門家「足かせになる判決」

最高裁判所が文書があることを証明する責任は請求者側にあると判断したことについて、情報公開の制度に詳しいNPO法人「情報公開クリアリングハウス」の三木由希子理事長は、「最高裁の判断によって情報公開を請求する側が文書の存在を証明する責任を負うという状況が固定化することになり、情報公開をする一般市民にとって足かせになる判決だ。請求する側はどんな文書があるかわからずに請求することが多く、文書の存在を証明することは事実上不可能に近い」と批判しています。
そのうえで「本来であれば、どんな文書が存在するかは、それを管理する行政機関が責任を負うべきなのに、きょうの判決によって文書は存在しないと言いやすい状況にも陥りかねない。行政機関は、情報公開を求める市民に対して、参考となる情報をこれまで以上に提供することが求められる」と指摘しています。

官房長官「国の主張認められた」

菅官房長官は午後の記者会見で、「最高裁判所において被告側勝訴の判決が言い渡された。国の主張を認めた高裁判決が是認されたと考えている」と述べました。
また、菅官房長官は、高裁判決で「すでに破棄された可能性が高い」と指摘されている文書の再調査について「考えていない」としたうえで、「平成23年4月から公文書管理法が施行されていることを踏まえ、重要な歴史的な事実を検証することができるよう適切な行政文書ファイルの保存管理に努めていきたい」と述べました。」


最高裁平成24年7月14日判決は,つぎのとおり判示しています.

「2 情報公開法において,行政文書とは,行政機関の職員が職務上作成し,又は取得した文書,図画及び電磁的記録であって,当該行政機関の職員が組織的に用いるものとして,当該行政機関が保有しているものをいうところ(2条2項本文),行政文書の開示を請求する権利の内容は同法によって具体的に定められたものであり,行政機関の長に対する開示請求は当該行政機関が保有する行政文書をその対象とするものとされ(3条),当該行政機関が当該行政文書を保有していることがその開示請求権の成立要件とされていることからすれば,開示請求の対象とされた行政文書を行政機関が保有していないことを理由とする不開示決定の取消訴訟においては,その取消しを求める者が,当該不開示決定時に当該行政機関が当該行政文書を保有していたことについて主張立証責任を負うものと解するのが相当である。
そして,ある時点において当該行政機関の職員が当該行政文書を作成し,又は取得したことが立証された場合において,不開示決定時においても当該行政機関が当該行政文書を保有していたことを直接立証することができないときに,これを推認することができるか否かについては,当該行政文書の内容や性質,その作成又は取することができるか否かについては,当該行政文書の内容や性質,その作成又は取得の経緯や上記決定時までの期間,その保管の体制や状況等に応じて,その可否を個別具体的に検討すべきものであり,特に,他国との外交交渉の過程で作成される行政文書に関しては,公にすることにより他国との信頼関係が損なわれるおそれ又は他国との交渉上不利益を被るおそれがあるもの(情報公開法5条3号参照)等につき,その保管の体制や状況等が通常と異なる場合も想定されることを踏まえて,その可否の検討をすべきものというべきである。
3 これを本件についてみるに,前記1の開示請求において本件交渉の過程で作成されたとされる本件各文書に関しては,その開示請求の内容からうかがわれる本件各文書の内容や性質及びその作成の経緯や本件各決定時までに経過した年数に加え,外務省及び財務省(中央省庁等改革前の大蔵省を含む。)におけるその保管の体制や状況等に関する調査の結果など,原審の適法に確定した諸事情の下においては,本件交渉の過程で上記各省の職員によって本件各文書が作成されたとしても,なお本件各決定時においても上記各省によって本件各文書が保有されていたことを推認するには足りないものといわざるを得ず,その他これを認めるに足りる事情もうかがわれない。」



最高裁は,文書の存在(廃棄)が争われるとき,その立証責任が請求者側にある,という考えを示し,情報公開請求に対して国が不開示の決定をした時点で国が文書を保有していたという立証が足りない,としました.
「開示請求の対象とされた行政文書を行政機関が保有していないことを理由とする不開示決定の取消訴訟においては,その取消しを求める者が,当該不開示決定時に当該行政機関が当該行政文書を保有していたことについて主張立証責任を負うものと解するのが相当である。」という部分は,保有していない,という立証が不存在の立証ですから困難なことを考慮し,取り消しを請求する者に,保有していることの立証を求めたものと思われますが,外部の人間に保有の証明責任を課すことになり,事実上不可能なことを求めていることになります。
さらに,本件について,「その開示請求の内容からうかがわれる本件各文書の内容や性質及びその作成の経緯や本件各決定時までに経過した年数に加え,外務省及び財務省(中央省庁等改革前の大蔵省を含む。)におけるその保管の体制や状況等に関する調査の結果など,原審の適法に確定した諸事情の下においては,本件交渉の過程で上記各省の職員によって本件各文書が作成されたとしても,なお本件各決定時においても上記各省によって本件各文書が保有されていたことを推認するには足りない」とし,過去に存在した文書が,廃棄されていないという推認ができない,としたのですが,これは公平に反し不当ですし,事実上立証不可能なことを求めていると言えるでしょう.
残念な最高裁判決です.

谷直樹

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by medical-law | 2014-07-15 00:29 | 人権

日弁連,「集団的自衛権の行使等を容認する閣議決定に抗議し撤回を求める会長声明」

日本弁護士連合会(日弁連)は,2014年7月1日,「集団的自衛権の行使等を容認する閣議決定に抗議し撤回を求める会長声明」を発表しました.

「本日、政府は、集団的自衛権の行使等を容認する閣議決定を行った。

集団的自衛権の行使容認は、日本が武力攻撃をされていないにもかかわらず、他国のために戦争をすることを意味し、戦争をしない平和国家としての日本の国の在り方を根本から変えるものである。

集団的自衛権の行使は、憲法第9条の許容するところではなく、そのことはこれまでの政府の憲法解釈においても長年にわたって繰り返し確認されてきたことである。

このような憲法の基本原理に関わる重大な変更、すなわち憲法第9条の実質的な改変を、国民の中で十分に議論することすらなく、憲法に拘束されるはずの政府が閣議決定で行うということは背理であり、立憲主義に根本から違反している。

本閣議決定は「我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある」等の文言で集団的自衛権の行使を限定するものとされているが、これらの文言は極めて幅の広い不確定概念であり、時の政府の判断によって恣意的な解釈がされる危険性が極めて大きい。

さらに、本閣議決定は、集団的自衛権の行使容認ばかりでなく、国際協力活動の名の下に自衛隊の武器使用と後方支援の権限を拡大することまで含めようとしている点等も看過できない。

日本が過去の侵略戦争への反省の下に徹底した恒久平和主義を堅持することは、日本の侵略により悲惨な体験を受けたアジア諸国の人々との信頼関係を構築し、武力によらずに紛争を解決し、平和な社会を創り上げる礎になるものである。

日本が集団的自衛権を行使すると、日本が他国間の戦争において中立国から交戦国になるとともに、国際法上、日本国内全ての自衛隊の基地や施設が軍事目標となり、軍事目標に対する攻撃に伴う民間への被害も生じうる。

集団的自衛権の行使等を容認する本閣議決定は、立憲主義と恒久平和主義に反し、違憲である。かかる閣議決定に基づいた自衛隊法等の法改正も許されるものではない。

当連合会は、集団的自衛権の行使等を容認する本閣議決定に対し、強く抗議し、その撤回を求めるとともに、今後の関係法律の改正等が許されないことを明らかにし、反対するものである。」


日弁連を構成する52の単位会すべてが,すでに反対の声明を発表していました.
我が第二東京弁護士会の「集団的自衛権行使容認の閣議決定に抗議し撤回を求める会長声明」(2014年7月1日)は,以下のとおりです.

「報道されたところによれば、本日、安倍内閣は、これまでの政府の見解および憲法解釈を変更し、集団的自衛権の行使を容認する閣議決定を行いました。
 憲法第9条の改正手続すら経ることなく、閣議決定により集団的自衛権の行使を容認することは、立憲主義を完全に否定する暴挙と言わざるを得ません。
 すなわち、日本国憲法第9条は、「戦争と、武力による威嚇または武力の行使」を放棄するとともに、「陸海空軍その他の戦力」の保持を否定し、徹底した非戦・平和主義の立場をとっています。憲法第9条が存在する以上、国家として自衛のため必要最小限度の実力を保持することが認められるとしても、その行使の要件としては①我が国に対する急迫不正の侵害があること、②この場合にこれを排除するために他の適当な手段がないこと、③必要最小限度の実力行使にとどまることが必要であり、他国のために武力を行使する集団的自衛権が①の要件を欠くものとして認められないのは当然の帰結であって、従前の政府見解および憲法解釈は、この当然の帰結を確認したものです。
 憲法第9条は、悲惨な第二次世界大戦に対する深い反省から、徹底した恒久的平和主義を定めたものであり、その価値は普遍的なものであります。そして、日本国憲法は、立憲主義に基づき、一時の政治的熱狂により国民の利益(将来の国民の利益)が安易に侵害されないよう国家権力を拘束するものであり、この立憲主義を担保するため憲法改正手続(憲法第96条)を定め、憲法規範の変更に対し熟慮と慎重さを求めています。
 今回の閣議決定は、このような立憲主義を否定し、憲法第9条を変更しようとする暴挙であります。当会は、政府に対し、強く抗議するとともに、今回の閣議決定を撤回し、日本国憲法の立憲主義を堅持するよう求めるものです。」


谷直樹

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by medical-law | 2014-07-03 08:56 | 人権

ABP,人権と環境の観点から東電を「投資してはならない対象」に指定し株売却

ロイター「オランダ年金基金が東電株売却、原発事故処理への懸念で」(2014年 1月 8日)は,次のとおり報じました.

「[アムステルダム 7日 ロイター] -オランダの公務員年金基金ABPは7日、東京電力(9501.T: 株価, ニュース, レポート)株式を昨年売却したことを明らかにした。福島第1原発の問題めぐり、ABPが安全性や環境への影響について繰り返し協議を申し入れたものの、東電側が応じなかったため、としている。ABPは、東電を1月1日付けで投資してはならない対象に指定した。」

「ABPは7日発表した声明で「東電は、福島原発事故発生時、およびその後も、われわれの基準に違反していた。東電は、一般市民の安全についての認識が乏しかったと言える」と指摘した。

Geers氏によると、ABPは自分たちの懸念について繰り返し東電との協議を試みたが、東電からの返答はなかったという。

ABPは、投資禁止対象リストを毎年見直している。禁止対象には、クラスター爆弾製造会社などが含まれている。

東電については、ABPが社会責任投資のガイドラインとしている国連グローバル・コンパクトの10原則の内の「人権」と「環境」の2原則に関する目標を満たしていないと判断したとGeers氏は説明した。」


国連グローバル・コンパクトの定める4分野(人権,労働,環境,腐敗防止)10原則は,いずれも世界的に採択・合意された普遍的な価値として国際社会で認められているものです.国連グローバル・コンパクトは,企業が影響の及ぶ範囲内で「人権」,「労働」,「環境」,「腐敗防止」の分野における一連の本質的な価値観を容認し,支持し,実行に移すことを求めています.

人権
原則1 企業は、国際的に宣言されている人権の保護を支持、尊重すべきである
原則2 企業は、自らが人権侵害に加担しないよう確保すべきである

環境
原則7 企業は、環境上の課題に対する予防原則的アプローチを支持すべきである
原則8 企業は、環境に関するより大きな責任を率先して引き受けるべきである
原則9 企業は、環境に優しい技術の開発と普及を奨励すべきである

たしかに,東電が,これらの原則をみたしているとは言い難いですね.

日本では,大和証券,三井住友銀行,三井生命,住友生命,みずほファイナンシャルグループなど181企業・団体が国連グローバル・コンパクトに加入していますが,同様の判断で株式売却となるのではないでしょうか..


谷直樹

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by medical-law | 2014-01-10 07:52 | 人権

「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」が病気を持つ者への差別であること

公益社団法人日本精神神経学会、一般社団法人日本てんかん学会、日本うつ病学会、日本認知症学会、特定非営利活動法人日本不整脈学会、一般社団法人日本睡眠学会、一般社団法人日本神経学会と一般社団法人日本脳卒中学会は、平成25年11月6日、参議院法務委員会に、以下の「「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」に関する再要望」を提出しました.

「平成25年11月5日、衆議院本会議にて「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」が可決されました。
同法案は危険運転致死傷罪の対象として一定の病気注1を取り上げる予定とされています(第三条第二項)。
しかし、これらの病気による事故率が他の要因と比較して高いという医学的根拠はなく、同条項は法の下の平等に反し、これらの病気に対する差別を助長し、病気の早期発見や適切な治療を妨げるものであり、同時に、これらの病気を有する人にいたずらに不安を与え、社会生活に重大な影響を与えることから、私たちは同条項の削除を要望しました(関連6学会による平成25年9月30日付け衆議院法務委員長あて「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」に関する要望書)。
本法案は衆議院にて原案のまま可決されましたが、同条項の適用は特定の病気に対してではなく、症状に着目してなされることが本法の趣旨であるはずです(法制審議会刑事法部会での議論、衆議院法務委員会における政府・法務大臣の答弁)。
しかし、法案条文では「病気として政令で定めるものの影響により」と、適用用件を特定の病気に限定しており、特定の病気を持ちながらも症状を有しないものに対する不当な不利益や特定の病気を持つものへの差別を生ずるおそれがあります。
以上より私たちは、以下を求めます。

                               記

1.第三条第二項の危険運転致死傷罪の対象となる「自動車の運転に支障を及ぼすおそれがある病気として政令で定めるもの」を、「自動車の運転に支障を及ぼすおそれがある病気の症状として政令で定めるもの」と修正すべきである。

                                             以    上

注1:統合失調症、てんかん、再発性失神、無自覚性の低血糖症、躁うつ病(法令において「躁うつ病」はうつ病と双極性障害を含む)、重度の眠気の症状を呈する睡眠障害」



3条2項は、「 自動車の運転に支障を及ぼすおそれがある病気として政令で定めるものの影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、その病気の影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を死傷させた者も、前項と同様とする。」というものです.前項と同様というのは、「十二年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は十五年以下の懲役に処する。」という意味です.

参議院法務委員会では、11月12日、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律案(第百八十三回国会閣法第五二号)(衆議院送付)について谷垣法務大臣、奥野法務副大臣及び政府参考人に対する質疑が行われました.
11月14日には、参考人京都大学大学院法学研究科教授塩見淳氏、京都交通事故被害者の会古都の翼小谷真樹氏、公益社団法人日本てんかん協会副会長久保田英幹氏及び公益社団法人日本精神神経学会法委員会主担当理事三野進氏からの意見聴取の後、各参考人に対する質疑が行われました.

参議院で、この法案が病気を持つ者への差別となることのないよう、修正が行われることを期待します.

谷直樹

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by medical-law | 2013-11-18 03:06 | 人権

選択型実務修習プログラム

東京の弁護士会では,各委員会に委託して,選択型実務修習プログラムを実施しています.
私は,昨日,消費者委員会からの要請で,「医療と人権」というテーマでお話しました.
患者側弁護士の4つの活動(事件活動,無償のボランティア活動,研究活動,教育普及活動)は,いずれも人権と正義のためであることをお話しました.
事前に,パワーーポイントで作成したファイルを送っておいたのですが,なぜか配布されておらず,受講生のみなさまにはご迷惑をおかけしました.

谷直樹

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by medical-law | 2013-10-01 09:41 | 人権

「学校事故、事件被害者全国弁護団」(略称・子どもの権利弁護団)11月発足へ

日本経済新聞「いじめ相談で弁護士が初の全国ネットワーク 11月発足へ」 (2013年8月25日)は,次のとおり報じました.

いじめを原因とする自殺や体罰など、学校で起こる問題について専門的な知識を持つ全国の弁護士が、被害者や遺族の相談窓口となる全国初のネットワークづくりを進めていることが25日、分かった。全国規模で情報や経験を幅広く共有。学校や教育委員会への対応に直接乗り出すなどして、被害者らを支援する。

 取り組みを進める野口善国弁護士(兵庫県弁護士会)らが今月12日、名古屋市で会合を開き、11月発足に向けた基本方針を確認した。設立時は70~80人の参加を想定。

 野口弁護士によると、ネットワークは「学校事故、事件被害者全国弁護団」(略称・子どもの権利弁護団)で、東京に事務局を置く。いじめ対応や虐待を受けた子供の保護、少年事件の弁護に長く携わってきたベテラン弁護士が、活動の中心的役割を担う。

 さらに(1)子供の権利を守る立場を貫く(2)被害者、遺族らの話に耳を傾けて心に寄り添う――との2点を条件に弁護士を募る。ベテラン弁護士からの推薦が必要だが、知識や経験は問わない。

 発足後はインターネット上に参加弁護士の名簿を公表。相談を受けた場合、学校や教委に全校生徒アンケートの実施や結果の開示を求めるなど、事実関係を明らかにするための交渉に当たる。

 学校側が事実を隠すケースや、自治体が設置した第三者委員会の在り方に問題があるケースでは、弁護団が学校や行政などを相手に訴訟を起こすことも検討。年に数回、全国大会を開き、各地での対応事例や経験を発表する機会も設ける。〔共同〕」


野口善国先生の著書には,「歌を忘れたカナリヤたち-子どもは必ず立ち直る」,「それでも少年を罰しますか」があります.

すでに各弁護士会にも相談窓口はありますが,昨今の状況に鑑みると,このようなネットワークの発足も大きな意義があると思います.


谷直樹

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by medical-law | 2013-08-27 09:02 | 人権

東京弁護士会、8月31日、虹がかかるまで ~本当は、いじめは嫌なんだ~

もがれた翼Part20 虹がかかるまで ~本当は、いじめは嫌なんだ~

また、もがつばの季節がやってきました.
演じる弁護士は本格的に練習しています.


「あらすじ
厳しい残暑と雨空が続く9月。
『子どもの人権110番』へ、中学3年生の少女からの一本の電話がかかってくる。
「ガッコウデ、イジメラレテ…」
新人弁護士の桐谷は、初めての子どもの権利擁護活動としてこの相談を受けることになる。
いじめの事実を認めてほしいという、少女の願いは親と学校の対立の中で空転し、桐谷は『子どものオンブズパーソン』への救済申立てを提案するが…。



日 時 2013年8月31日 昼の部:16時00分開演(15時30分開場)、夜の部:19時00分開演(18時30分開場)
場 所 赤羽会館講堂( 東京都北区赤羽南1-13-1) JR赤羽駅(京浜東北線、埼京線、高崎線、宇都宮線) 徒歩5分、地下鉄南北線赤羽岩淵駅 徒歩10分
地図(赤羽会館のHP)
入 場 各会600名(入場無料、全席自由、予約は承っていません)
演 出 米内山陽子(トリコ劇場/チタキヨ)
脚 本 坪井花梨(社会福祉法人カリヨン子どもセンター)
舞台監督 村田綾香
照 明 木村秀信
音 響 余田崇徳、橋本絢加
製 作 東京弁護士会子どもの人権と少年法に関する特別委員会
出 演 子どもたちと東京弁護士会の弁護士
主 催 東京弁護士会
共 催 北区
後 援 北区教育委員会
協 力 社会福祉法人カリヨン子どもセンター
お問い合わせ TEL03-3581-2205 東京弁護士会 人権課」



谷直樹

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by medical-law | 2013-08-21 02:47 | 人権

北海道新聞社説、検察開示証拠 公益利用を認めてこそ(8月17日)

北海道新聞社説「検察開示証拠 公益利用を認めてこそ」(8月17日)は、次のとおり論じました.

 
「刑事事件で捜査機関が公費を投じて集めた証拠は国民の財産である。これを前提に公益を目的とした証拠の利用の在り方を幅広く論議する契機とすべきだ。

 検察が開示した取り調べ映像を弁護士がNHKに提供したのは刑事訴訟法が禁じる証拠の目的外利用に当たるとして大阪地検は、大阪弁護士会にこの弁護士の懲戒を請求した。

 報道目的という公益性などから懲戒請求は著しく合理性を欠く。暴挙と言わざるを得ない。

 請求については、外部委員も加わった弁護士会内の委員会が調査、審議する。適正な判断を期待したい。

 映像は傷害致死罪に問われた男性の取り調べの記録で、裁判員裁判の法廷で再生された。検察官作成の調書は信用できないとして無罪が言い渡され、この判決が確定した。

 NHKは4月、取り調べの問題点を取り上げた関西地方の情報番組で映像の一部を放映した。男性らが特定されないような処理をしている。

 どこに問題があるというのか。

 確かに刑訴法は検察が開示した証拠の複製などを弁護士らが訴訟準備など本来目的以外で他の人に見せたり、渡したりするのを禁じている。大阪の弁護士の行為が形式的にこれに触れる可能性は否定できない。

 しかし、目的外利用をした場合でも懲戒請求などの乱用を防ぐ規定があるのを忘れてはならない。

 証拠が公開法廷で調べられたか、プライバシーなどの侵害はないかなどを考慮するというもので、地検の措置は権利の乱用にほかならない。

 目的外利用の禁止規定は2004年の改正で新設された。公判前に検察が被告側に証拠を開示する制度の導入に併せ、個人情報が含まれる証拠がインターネットで公開されるなどの弊害を防ぐためとされた。

 だが、目的外利用を一律に禁止しているため、当時の国会審議でも被告の防御権や報道の自由の観点から懸念や批判が相次ぎ、政府案を修正して乱用防止規定が加えられた。

 衆参両院の法務委員会は「(規定解釈は)国会論議を十分斟酌(しんしゃく)する」(衆院)などの付帯決議をした。

 今回の懲戒請求はこれを踏みにじるもので、国会は法案修正の不十分さを重く受け止める必要がある。

 報道や学術研究などで、取り調べの在り方など刑事司法制度の問題点を明らかにする。無実を訴える被告や弁護士が広く支援を呼びかける。

 こうした目的での証拠の提供や利用を明確に認める法改正が必要だ。判決が確定した刑事裁判の記録を閲覧、コピーできる制度はあるものの、これだけで十分とは言い難い。

 一連の経緯を考えれば立法府である国会主導で論議を進めてほしい。」


約2か月前の毎日新聞社説「法廷証拠と報道 懲戒請求は行き過ぎだ」(2013年6月23日)は、次のとおり論じました. 

「裁判の公開原則や国民の知る権利の観点に照らして、検察の対応は大いに疑問だ。

 法廷に証拠として提出された取り調べの録画映像を弁護士がNHKに提供したとして、大阪地検が大阪弁護士会に懲戒請求をした問題だ。

 NHK大阪放送局は4月、関西の情報番組で、密室の取り調べの問題点を指摘する番組を放送。その中で、傷害致死罪に問われ、無罪が確定した元被告の取り調べ映像を放映した。一時「自白」した供述調書と食い違う内容で、検察からDVDを証拠開示された弁護人が、元被告の了解を取って提供したものだった。

 映像は既に法廷で再生されており、提供は判決確定後だ。顔なども放映時にぼかされており、プライバシー上の問題もない。

 2004年の刑事訴訟法改正で、検察が開示する証拠の目的外使用を禁じた。公正な刑事手続きのため、被告や弁護人が裁判手続きやその準備以外の用途で証拠のコピーなどを提供できないと明文化したのだ。

 だが、この規定の新設には、弁護士会や報道界の反対が強かった。例えば、冤罪(えんざい)を主張する被告や弁護人が捜査の違法性を訴える目的で、記者やジャーナリストに訴訟記録を見せることができなくなってしまう。報道にとどまらず、刑事法学者が研究のために弁護人から記録の提供を受けることもできなくなる。

 もちろん、事件関係者のプライバシーがむやみに外部に流れる事態は避けねばならない。憲法上の要請でもある被告の防御権や、刑事裁判記録の公共財としての価値と折り合いをつけることが大切だ。

 立法段階や国会審議でもその点が焦点となり、弁護人への刑事罰は、「対価を得る目的で他人に渡した場合」に限定された。また、違反者への懲戒などの措置は「行為の目的や関係者の名誉毀損(きそん)があるか否か、既に公判で調べられた証拠かどうかなどを考慮する」との条文が付け加えられた。さらに、法成立時には「目的外使用の禁止条項の運用に当たっては、裁判公開の原則や被告・弁護人の防御権にも十分配慮する」と国会で決議されたのだ。

 懲戒請求は、提供を受けた報道側の萎縮も招く。慎重な運用を求めた立法経緯や国会の意思に照らしても、明らかに行き過ぎだ。

 現在、取り調べの録音・録画の法制化が法制審議会で議論されている。可視化の範囲を広げたくない検察が、殊更に取り調べ映像の提供を問題視したとの指摘も出ている。

 検察の対応に歯止めをかけるため、報道や学術研究など「公益目的の場合」は目的外使用の例外と明記するなど法改正も検討すべきだ。」



読売新聞社説「検察の懲戒請求/報道の自由が侵されかねない」(2013年6月4日)は、次のとおり論じました.

 「取材協力者の萎縮を招きかねない。検察の対応は問題である。

 裁判の証拠として開示された取り調べの録画映像をNHKに提供した弁護士について、大阪地検が大阪弁護士会に懲戒請求した。刑事訴訟法が禁じる証拠の目的外使用にあたるとの理由からだ。

 この禁止規定は、2004年の法改正で、検察から弁護側への証拠開示の範囲を広げた際に新設された。証拠流出により、証人への威迫や事件関係者のプライバシー侵害が起きるのを防ぐためだ。

 公正な司法手続きを担保する上で、必要な規定とは言える。だが、今回のケースにこの規定をあてはめることには疑問がある。

 映像には、傷害致死罪に問われた元被告が“自供”した供述調書の内容と矛盾するようなやりとりが記録されていた。無罪判決の根拠の一つとなった。

 弁護士が映像を提供したのは、判決が確定した後だった。映像は公開の法廷で既に再生され、傍聴人も目にすることができた。弁護士は提供にあたり、元被告の承諾を得ていたという。

 NHKは番組で放映する際、顔をぼかしたり、音声を変えたりするなど、プライバシーに配慮する措置をとっていた。

 映像の提供と放映によって、裁判への影響や関係者の名誉侵害が生じたとは考えられない。

 弁護士は「検察の取り調べの実態を社会に伝えたかった」と説明している。捜査の在り方を検証するという提供目的には、十分な公益性があると言えよう。

 目的外使用の禁止を巡っては、法改正時に、日本弁護士連合会が正当な理由があれば禁止対象から外すよう求めた。日本新聞協会も「取材の制限につながる危惧が大きい」との見解を表明した。

 国会でも議論となり、違反が疑われる場合にも、「行為の目的や態様、関係者の名誉侵害の有無などを考慮する」との条文が追加された経緯がある。

 大阪地検はこうした観点からの精査を十分行ったのだろうか。

 3月には、被害者が写っている実況見分写真などの開示証拠を動画サイトに投稿したとされる男が起訴された。悪質なケースについては厳しく対処すべきだ。

 しかし、公益目的の情報提供まで検察が殊更に問題視するのであれば、取材・報道の自由を侵害することにつながろう。

 公権力を使って収集した証拠は検察の独占物ではなく、公共財であることも忘れてはならない。」



検察の懲戒請求は理不尽このうえないので認められることはないでしょうが、萎縮効果を考えると、目的外利用の禁止規定自体の改正が必要と思います.

谷直樹

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by medical-law | 2013-08-18 02:31 | 人権