弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

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「時効直前に不起訴=遺族、検審利用できず」

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時事通信は,12月29日,「時効直前に不起訴=遺族、検審利用できず―専門家の大半、過失指摘―医療事故死」として以下のとおり伝えています.

 「救急車で運ばれた26歳の女性に最低限の検査をせず死亡させたとして、業務上過失致死容疑で書類送検された救急病院の担当医(51)について、東京地検が時効2週間前に嫌疑不十分で不起訴処分としたため、遺族が検察審査会へ申し立てできなかったことが分かった。捜査に協力した専門家の大半は過失を指摘したが、地検は担当医の説明と同じ理由で不起訴とした。遺族は地検から詳しい理由を説明されていないという。
 女性は2005年4月14日夜、激しい腹痛を訴え、東京都世田谷区の2次救急指定病院に入院したが、翌朝死亡。子宮外妊娠による卵管破裂、大量出血が原因だった。
 複数の捜査関係者や地検が遺族側に開示した資料などによると、警視庁は約4年間ほとんど捜査しなかったが09年春に始め、同7月ごろ地検に報告。今年1月には、起訴に向け補充捜査を求められ、態勢を強化した。
 医療過誤事件は、専門家の意見が立証の柱となる。警視庁が見解を求めた少なくとも8人の医師は全員、『最低限の検査をすれば救命できた』と担当医の過失を認めた。
 ところが地検は3月中旬、一転して不起訴とする意向を警視庁に伝え、書類送検時の意見を『厳重処分』にしないよう要請。同庁は意見を変えず同29日に書類送検したが、地検は2日後『急性胃腸炎と考えた』などとした担当医の説明通りの理由で不起訴とした。警察の意見で最も重い厳重処分の事件が不起訴になるのは異例という。(2010/12/29-23:34)」 

警視庁が見解を求めた少なくとも8人の医師は全員『最低限の検査をすれば救命できた』というのですから,因果関係は肯定できるでしょう.
過失(注意義務違反)については.救急車で運ばれた26歳の女性について,子宮外妊娠による卵管破裂,大量出血を考える状況にあったか否かが,ポイントとなります.

何れにしても,迅速に捜査し.すみやかに起訴・不起訴を判断すべきでしょう.検察が時効直前に不起訴にし,検察審査会への申立てができない,という状態を引き起こしたことに疑問を感じる人は多いと思います.「約4年間ほとんど捜査しなかった」というのが事実であれば,捜査当局の問題は大きいと言わざるをえません.


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by medical-law | 2010-12-31 19:26 | 医療事故・医療裁判

医療紛争を適正に解決するために

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医療紛争を適正に解決するためには,(1)患者側が事実を知り医療側と共通の事実を認識をもつことと(2)医療側と実りある話し合いの場をもつことが必要です.

事実を知り共通の認識をもつためには,たとえば,次の方法があります.

①医師に説明を求める
②カルテ開示を求める
③事故調査委員会設置・事故調査を求める
④死亡時画像診断,解剖を依頼する
⑤患者会に入り,病気・治療等についての情報を入手する

実りある話し合いの場をもつためには,たとえば,次の方法があります.

①疑問点を整理する
②時間をとってもらい,病院と話し合いを行う
③弁護士会等の医療ADRを申し立てる,(病院が防衛的になっていて,話し合いの場がもてないときには.話し合いの場として医療ADRが活用できます.) 

これらの解決手段は,代理人弁護士を必要とせず,患者.家族ご自身でできますし,医療側が誠実に対応すれば,それで解決に至るはずです.
なお,もし疑問があれば,医療事件に詳しい弁護士は,金銭補償を念頭においた裁判手続きだけではなく,裁判外の解決手段を熟知していますので,弁護士に相談するとよいと思います.

また,不幸にして,医療側の対応が防衛的で,事実を明らかにしようとしない,話し合いに誠意がみられない,などの場合には,弁護士による証拠保全・調査も解決手段の1つとなるでしょう.
すみやかに適正な解決を実現するためには,医療事件に詳しい弁護士に早期に相談することをお奨めします.


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by medical-law | 2010-12-31 19:07 | 医療事故・医療裁判

糖尿病薬インクレチン(GLP-1受容体作動薬とDPP-4阻害薬)の問題

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インクレチン(GLP-1受容体作動薬とDPP-4阻害薬)は,アメリカドクトカゲにヒントを得て食後の血糖値を上がらないようにした糖尿病の新しい治療薬です.
検査値が健康な人と同じくらいまで低く抑えられるとして,注目されています.
しかし,低血糖,.高血糖,心疾患リスクについて安全性が確認されていると言える薬ではありません.

インスリン療法を中止してGLP-1受容体作動薬リラグルチド(商品名ビクトーザ)に切り替えた症例で糖尿病ケトアシドーシスを発症し死亡した2例のほかに,著明な高血糖をきたした7例が報告されています.

「インクレチン(GLP-1受容体作動薬とDPP-4阻害薬)の適正使用に関する委員会」 は,12月17日,次の【追記情報】を発表しました。

「GLP-1受容体作動薬に分類されるエキセナチド(12月17日発売「バイエッタ」)はインスリンの代替とはならない」
「エキセナチドは適応がSU薬併用(ビグアナイド系薬剤又はチアゾリジン系薬剤との併用を含む)となっているため、低血糖についての注意も必要である。国内臨床試験においては、1回5μgでの投与開始時、及び1回10μgへの増量時に低血糖の発現頻度が増加する傾向が報告された。」
「エキセナチドは透析患者を含む重度腎機能障害のある患者では禁忌となっている。 軽度、中等度の腎機能障害のある患者においても臨床試験の結果から低血糖の発現割合が高い傾向が報告されることから慎重に投与する必要がある。」

薬害オンブズパースン会議は,12月24日,厚生労働大臣宛に「糖尿病治療薬インクレチン関連薬に関する要望書」を提出しました.
以下の2つの問題を指摘しています.
 ① DPP-4阻害薬(ジャヌビア錠・グラクティブ錠)使用症例で生じた低血糖や重篤な低血糖による意識障害に関する問題
 ② GLP-1受容体作動薬(ビクトーザ皮下注)使用症例で生じた糖尿病ケトアシドーシス(死亡事例2)や顕著な高血糖の問題

そして,安全性に関する詳細な調査を行い,機序を解明して,対策を講じるべきである,としています.

また,米国のFDA(食品医薬品局)が,糖尿病新薬に,心血管系へのリスク評価のための臨床試験を承認前に求めているのに対し,日本のガイドラインはこれを求めず,製造販売後の調査(努力目標)に委ねるとしています.
要望書は,「経口血糖降下薬の臨床評価方法に関するガイドライン」に,心血管系疾患のリスク評価のための臨床試験を加えるべきである,としています.

とくに,血糖降下薬は,心血管系疾患に対する抑制効果を証明できていない(かえって心血管系疾患のリスクを高める可能性を有している)にも拘わらず,リスク評価がなされていないことを指摘しています.

さらに,要望書は,承認済みのインクレチン関連薬には製造販売後の臨床試験の実施を求めています.

谷直樹
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by medical-law | 2010-12-29 22:17 | 医療

B型肝炎訴訟に政治決着を

b0206085_215151.jpgB型肝炎訴訟は,27日の札幌地方裁判所の和解協議期日で解決かと思われたのですが,札幌地裁の期日で進展はありませんでした。



B型肝炎訴訟原告団弁護団は,次のように述べ,厚労省前の日比谷公園で座り込みをはじめました.

「法によって強制的に全ての国民が受けさせられた集団予防接種では、昭和63年まで危険な注射器の使い回しが続けられていました。そのために数十万人規模のB型肝炎ウイルス感染被害者が生まれました。被害者は何の落ち度もないにも関わらず、肝がん、肝硬変、慢性肝炎の発症に苦しみ、仕事・人生を奪われ、差別・偏見のもと、何の救済も受けることなく今も放置されています。民主党・菅内閣は、年内基本合意成立を表明しながら、この年末になっても今なお解決の政治決断をしないまま、被害者を放置したまま年を越させようとしています。被害者は今こそ政府の謝罪と全面解決の「政治決断」を求めて行動に出ます。」

さきほど,時事通信は「和解協議の越年を陳謝=B型肝炎訴訟原告と面談-細川厚労相」と伝えました.
「和解協議が難航しているB型肝炎訴訟をめぐり、細川律夫厚生労働相が28日、全国原告団の谷口三枝子代表(61)ら原告5人と衆院第1議員会館で初めて面談し、『誠に残念だが、年内の基本合意に至らなかった。こういう結果になって申し訳ない』と陳謝した。
 先行する北海道訴訟で札幌地裁は27日、所見(和解案)を来年1月11日に提示する意向を表明。細川厚労相は『所見を頂いて早急に検討し結論に至りたい』と述べ、原告に理解を求めた。
 谷口代表は『原告全員に一日も早く謝罪と償いをしてほしい』と厳しい口調で要求。北海道原告団の高橋朋己代表(57)は『解決しない限り、私たちに正月なんか無い。希望を与えてほしい』と訴えた。(2010/12/28-18:58)」

C型肝炎訴訟では最終局面で福田首相の政治判断があったのですから,菅首相の政治判断でB型肝炎訴訟も,早期に良い解決に至りますよう切に願います.

12月30日追記
毎日新聞によりますと,
6歳ごろまでに集団予防接種を受けた証明方法について争いがありましたが,
国は,母子手帳などの記録がない患者についても,①集団予防接種を受けたとする家族の陳述書,②幼少期に国内に居住したことを示す戸籍の付票,③病気のため予防接種を受けられない禁忌該当者ではないことを示す医師の意見書などにより,裁判所の総合判断で推認する,という案を札幌地裁に提示していたそうです.


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by medical-law | 2010-12-28 21:06 | 医療事故・医療裁判

医薬品副作用被害救済制度を知っていますか?

b0206085_1834615.jpg昨日,今日と今年最後の出張でした.このような時期に時間をさいて会ってくださる医師にはひたすら感謝です.

医薬品医療機器総合機構(PMDA)は,12月24日,「平成22年度医薬品副作用被害救済制度に関する認知度調査(一般国民)」の結果を発表しました.

医薬品副作用被害救済制度」は,医薬品(病院、診療所で投薬されたものの他に薬局で購入したものも含まれます.)を適正に使用したにもかかわらず,副作用によって一定レベル以上の健康被害が生じた場合に,医療費等の諸給付を行う制度です.

成人2万1000人を対象のインターネット調査の結果.
「医薬品副作用被害救済制度を知っている」(確実認知):5.1%
「名前は聞いたことがある」(曖昧認知):13.8%

昨年より減っていますが,昨年の対象が3000人であること,聞き方がちがっていることもあり,単純に比較できない,とのことです.

過去1年以内の医療機関の受診者では
「医薬品副作用被害救済制度を知っている」(確実認知): 5.8%
「名前は聞いたことがある」(曖昧認知):14.9%

過去1年以内の医療機関の非受診者では,
「医薬品副作用被害救済制度を知っている」(確実認知): 2.7%
「名前は聞いたことがある」(曖昧認知):10.0%

このことから,PMDAは「相対的に、受診者の認知率が非受診者を上回っていることは、病院や薬局などにおいて制度の周知が功を奏しているものと考えられる。」と評価しています.

しかし,「医薬品副作用被害救済制度」ができてから8年たっても,この数字ですから.未だにあまりよく知られていない,というべきでしょう.
副作用によって一定レベル以上の健康被害が生じた場合には、医療機関の方から,積極的にこの制度があることを教え,協力すべきでしょう.
また,医療事故,医療過誤の相談にあたる弁護士も,薬の副作用が問題になるときは,必ずこの制度のことを念頭において,助言していただきたく思います.


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by medical-law | 2010-12-28 18:35 | 医療

それぞれの「トイレの神様」

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今年,植村花菜さんの「トイレの神様」が話題を集めました.
植村さんとおばあちゃんの交流を歌った歌で,ご存知の方も多いでしょう.

誰にでも,「トイレの神様」のような,心に残る祖父母との思い出はきっとあると思います.
私の祖父母も,幼い頃からたくさん話をしてくれました.
親の言うことは素直に聞けなかった私でも,祖父母の話は大人しく聞いていた気がします。
各々得意分野があり,今でも会う度に様々な話を聞かせてくれます.

幼いころの私のお気に入りは,母方の祖母がお風呂でしてくれた「ぴょんちゃん」の話でした.
「ぴょんちゃん」というウサギが,お風呂に飛び込み,あまりの熱さに飛び上がって,お風呂の天井を突き抜け,屋根を突き抜け,空高く飛んでいく・・・という筋だったと思います.
今思えば,何か話をしてくれとせがまれた祖母がその場しのぎで作った話なのかもしれませんが,
私がその話をたいそう気に入り,一緒にお風呂に入る度にせがんだので,しまいにはぴょんちゃんは宇宙に進出した覚えがあります.

「トイレにはとてもべっぴんさんの神様がいるから,トイレをいつも綺麗にしていたらべっぴんさんになれる」
と聞いて毎日トイレ掃除をしている植村さんのように,
「熱いお風呂に入ると,熱さのあまり飛び上がってお風呂の天井を壊すかもしれない」
と聞いて毎日お風呂の温度には気をつけています・・・というわけではないのですが,
何故か妙に私の心に残っている祖母渾身の物語でした.

事務局H
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by medical-law | 2010-12-26 10:07 | 日常

「ヘルパーからの医行為相談に訪看も悲鳴」

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写真は,新宿御苑です.

たんの吸引は,現行法上医行為です.そこで,ヘルパーがたんの吸引を行うのは,原則として保健師助産師看護師法第31条に違反します.
もっとも,介護現場における必要性から,在宅・特別養護老人ホーム・特別支援学校において介護職員等がたんの吸引等のうちのALS患者の在宅療養支援など一定の行為を実施することが一定の要件の下に例外的に運用によって認められてきました。

さらに,それ以外でもより広く,介護現場における必要性があり,対応が必要ではないか,として,「介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の在り方に関する検討会」で検討されてきました.
その検討結果が,「介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の在り方について 中間まとめ」として,2010年12月13日,発表されました. 

◆ 「介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の在り方について 中間まとめ」

平成24年度の実施を目指す,としている内容は,次のとおりです.

「1 介護職員等によるたんの吸引等の実施
○ たんの吸引等の実施のために必要な知識及び技能を身につけた介護職員等は、一定の条件の下に、たんの吸引等を行うことができることとする。
○ 介護職員等が実施できる行為の範囲については、これまで運用により許容されてきた範囲を基本として、以下の行為とする。
・ たんの吸引(口腔内、鼻腔内、気管カニューレ内部)
* 口腔内・鼻腔内については、咽頭の手前までを限度とする。
・ 経管栄養(胃ろう、腸ろう、経鼻経管栄養)
* 胃ろう・腸ろうの状態確認、経鼻経管栄養のチューブ挿入状態の確認は、看護職員が行う。
○ たんの吸引のみ、あるいは経管栄養のみといったように、実施可能な行為及び実施のための研修に複数の類型を設ける。
○ まずは、たんの吸引及び経管栄養を対象として制度化を行うが、将来的な拡大の可能性も視野に入れた仕組みとする。ただし、その際には、関係者を含めた議論を経て判断することが必要である。」

◆ 考え方

「安全性の確保については、医学や医療の観点からはもちろん、利用者の視点や社会的な観点からも納得できる仕組みによるものとする。」 とされていますが,医行為の安全性を確保するという観点をおろそかにすることはできません.
2010年10月から「試行事業」が実施されていますが,事故防止のために必要な仕組みをつくる必要があります.

医行為を介護職が行えるというのは現行の法制度上違和感が強いので,そもそもたんの吸引等を「医行為」から外そうという意見もありますが,「中間まとめ」では「安全性の確保という観点からは、医療的なコントロールの下に行われることが重要であるほか、医事法制上は、安全性を確保するための教育・研修を義務付ける必要がある行為を「医行為ではない行為」と整理することはできないのではないかとの意見があった。」と整理されています.

◆ 町田保健所の調査報告 

東京都主催の「第6回東京都福祉保健医療学会」(12月17日)で,町田保健所の加藤由紀さんは,管内の筋萎縮性側索硬化症(ALS)療養者22人の調査結果が発表しました.
この内容が,ケアマネジメントオンラインの12月21日の記事「ヘルパーからの医行為相談に訪看も悲鳴」で紹介されています.

年齢:30代から70代(平均63.7歳)、
療養期間;平均9.7年
発症から人工呼吸器装着までの期間;平均4.2年
主介護者;22人中20人が家族と同居し在宅で療養しているが、本人と主介護者との2人世帯が6割を占めており、主介護者は77%が配偶者

「22人中、要介護者が17人で,要介護4以上が12人。うち6人が訪問看護を利用しており、人工呼吸器を装着している人が半数近くいる。」
「ヘルパーが吸引を行っている療養者は6人(27%)いる.」

◆ 安全性を確保しつつケアが行われるために

町田保健所の加藤由紀さんが「『医療依存度の高い療養者の長期療養を支えるため、ヘルパーによる吸引や夜間のサービス提供が地域で実施されているが、事業所が複数あり、看護師などから研修を受けたヘルパーがいても交替してしまうなどサービスの質に均一性がない。安全性を確保しつつケアが行われるために必要な支援のあり方は、今後の地域での重要な課題』と述べて、ケアマネジャーと定期的な関わりを持つなど、福祉分野との連携を図る必要性も訴えた。」と紹介されています.


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by medical-law | 2010-12-25 11:41 | 医療

「賢者の贈り物」

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先日,ワイドショーで「家族・恋人に贈るクリスマスプレゼントの平均予算」と「自分に贈るクリスマスプレゼントの平均予算」について発表していました.
アンケートの結果,家族・恋人へは約25000円,自分へは約45000円というのが今年の平均だそうです.

私はあまり自分にプレゼントを買う習慣がないので,このアンケート結果に驚いたのですが,皆さんは何を自分に贈るのでしょうか.

恋人同士がプレゼントを贈り合うとき,相手の欲しい物が分からないとか,買ったは良いけど喜んでもらえるか分からない,といった幸せな悩みをよく聞きます.
私もその都度悩んでしまい,思わず「お互いのプレゼントを相殺して,欲しい物があるなら自分で買えば良いんじゃない?」と言って,呆れられたことがあります.
プレゼントの中身云々より,相手が自分のために一生懸命にプレゼントを選んでくれることをありがたがるべきだとは思うのですが・・・相殺は非常に合理的だと思うのです.

という話をしたら,先生がオー・ヘンリーの「賢者の贈り物」を教えてくれました.
一見すれ違いの愚行のようにみえますが,相手の喜ぶ物を贈りたい,という気持が大事,その気持をもっている人が賢者というお話だそうです.
プレゼント交換は気持が大事,性質上相殺は不可という先生のお話でした.

事務局H
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by medical-law | 2010-12-24 14:46 | 日常

平成22年医事関係訴訟10月までの速報値

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Japan Medicine12月20日号に「医事関係訴訟、前年を上回る勢い」という記事が掲載されていました。

最高裁判所医事関係訴訟委員会は,Japan Medicineの取材に答えて,医事関係訴訟について2010年1~10月の速報値を明らかにしました.

全国の裁判所で
新たに受け付けた件数:666件
既済件数:754件
うち和解402件(53.3%),判決257件(34.1%)
平均審理期間:24.3月

医療裁判の提訴は,
1110件(平成16年)
999件(平成17年)
913件(平成18年)
944件(平成19年)
877件(平成20年)
733件(平成21年)
と減少傾向にありました.
平成22年は,10か月で666件ですから,
昨年を上回るものと予測されます.

裁判所で審理されている医療裁判は,年々減少しています.
平成22年10か月で,666-754=-88と,すでに88件減少しています.

審理期間は,25.2月(平成21年)が,さらに24.3月に短縮しています.


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by medical-law | 2010-12-23 16:03 | 医療事故・医療裁判

本当は怖い無煙タバコの話

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◆ JTは無煙タバコを全国展開

JTは,現在は東京都と神奈川県でのみ販売している「無煙たばこ」を,来年1月から全国展開するとのことです。

今日の日経新聞に「JT、『無煙たばこ』を全国展開 1月から」という記事が載っています。
引用します。

 「来月上旬に東京、神奈川以外の45道府県のたばこ販売店約4000店で販売。来春以降にスーパーやコンビニエンスストアにも広げる計画だ。
 拡大に合わせて、生産設備を増強。東海工場(静岡県磐田市)の製造ラインを来春までに現在の倍の10程度に増やし、生産能力も倍の月産200万パック(1パックはカートリッジ2本入り)にする見込みだ。投資額は明らかにしていない。同商品は今年5月の発売以降、362万パックを販売した。
 現在はミント風味のみだが、今後は他の味も投入する。」

◆ 無煙タバコの危険性

日経メディカル2009年9月 17日号には,「BMJ誌から無煙タバコも心筋梗塞死亡と脳卒中死亡のリスクを高める」という記事が掲載されていますが,上記日経新聞の記事は,無煙タバコの危険性に一言もふれていません。
煙がなくて一見良さそうに思える無煙タバコが,本当は危険であることを知らない読者も結構いるように思います.

All Aboutの「喫煙者の救世主? 無煙タバコのメリットと注意点」の記事では,次のとおり危険性も指摘されています.

「火をつけないことが有害な物質の発生を劇的に抑えるという客観的な根拠は示されていません。今回の商品には「ゼロ」という文言も入っており、雰囲気として少し弱い様な印象があるかも知れませんが、それはあくまで印象。実際、発売されている商品のパッケージにも、一般のタバコと同じように、健康被害や依存性の警告文書が大きく掲載されています。「無煙タバコ」、以前からある「かぎタバコ(嗅ぎタバコ)」の一種ですが、嗅ぎたばこは口腔がんのリスクを挙げることが知られています。無煙タバコも同様です。

また、受動喫煙についても、無煙タバコを吸った方の呼気(吐く息)に、ニコチンや有害物質が含まれていることは予想されています。このような意味からは、「無煙」であっても、名称に「ゼロ」が含まれていても、タバコは喫煙者自身と周囲の方々への健康被害をもたらすと考えるべきものでしょう。

タバコは大人のたしなみ、嗜好品ではありません。医師から見た実感としては、健康被害と密接に関わる危険性と依存性の高い習慣です。あなたご自身や周囲の方々の健康のためにも、無煙タバコも含め、タバコのない新しい生活を始めることをご決断なさって下さい。」

無煙タバコは,発がん性物質が多く,とくに口腔がん頻度が高いことが知られています,
また,吸った人の吐く息で,受動喫煙がおこります.
詳しくは,「 JT『ゼロスタイル・ミント』の危険性を警告する「 JT『ゼロスタイル・ミント』の危険性を警告する」とその引用文献をご覧ください.

◆ 日本禁煙学会の要請書

日本禁煙学会は,2010年5月20日,「無煙タバコ『ゼロスタイルミント』の販売中止要請書」を出しています。
以下のとおりです.

【要請】
1. 無煙タバコ「ゼロスタイルミント」の販売中止を要請する。
2. 「ゼロスタイルミント」使用が周囲に及ぼす影響(有害物質の呼出・臭気等)が強く懸念されるため、紙巻タバコ等に準じて、禁煙とされている屋内またはそれに準ずる場所における使用を禁止すべきである。

【記】
無煙タバコ(Zero Style Mint)が東京で試験発売されました。パッケージの表には「かぎたばこの使用は、あなたにとって口腔がんの原因の一つとなり、心筋梗塞・脳卒中の危険性を高めます」、裏には「妊娠中のたばこの使用は、胎児の発育障害や早産の原因の一つとなります」横には小さい字で「本パッケージに記載されている製品名の「zero」並びに本製品の性質・状態を表す「無煙」の表現は、本製品の健康に及ぼす悪影響が他製品と比べて小さいことを意味するものではありません」と書いてあります。
 この製品はタバコの葉を使い、いろいろの添加物を加えた、タバコそのものであります。パッケージを開けると強い異臭があり、ニコチンに接した時のように頭痛が起きます。説明書には「本製品の使用中に気分が悪くなる等の症状が生じた場合には、使用をお控え下さい」とあるように、実際にニコチンが相当量含まれているものと思われます。

 ノースカロライナのウィン教授らによる研究では、このように頬粘膜に触れないタイプの嗅ぎタバコを使用すると、嗅ぎタバコ以外には喫煙していない場合、非喫煙者に比べ4.2倍口腔がんが起こりやすくなると言います。さらに相当量のニコチンが含まれるということですが、血管を収縮し、心筋梗塞あるいは脳卒中を発症することも容易に予見できます。口腔がんは転移が速く、また顔が破壊されていく悲惨な癌です。JTは口腔がんとは何か、どういうことになるのかを、これを吸う人にあらかじめ教える責任があります。

 また、当然のことながら、「ゼロスタイルミント」使用者の呼気にはニコチンや発癌物質などの有害物質が吐き出されるでしょう。周囲の人々は知らず知らずの内に有害物質にさらされ、種々の予期せぬ致死的疾患に見舞われる危険にさらされるかもしれません。
 さらに懸念されるのは、この製品が喫煙できない場所におけるニコチン補給器具となり、健康を守るために一刻も早く禁煙したいと望んでいる大多数の喫煙者の禁煙実行を妨げる役割を果たす恐れがあることです。
 また、この製品が相当量のニコチン摂取を可能とするだけでなく、この製品の使用する姿が紙巻タバコ喫煙と同じであることから、こどもたちを紙巻タバコ喫煙に誘い込む役割を果たす危険も大きいと見なければなりません。

 「ゼロスタイルミント」の使用者への有害性は明らかですから、少なくとも使用者周囲への影響がないことが科学的に証明されない限り、周囲に人がいる場所でのこの製品の使用は禁止すべきです。
 これは実に危険なタバコです。ステルス性が強く、呼出された有害物質を防ぎようがないからです。
 私たちは至急販売の中止を求めるものです。
 それとともに、禁煙区域内での使用を決して容認しないようにお願い申し上げます。


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by medical-law | 2010-12-22 06:50 | タバコ