弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

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私の音楽遍歴(2)~バイオリン習い始め編~

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写真は,新宿御苑です.

3歳か4歳になると,私も,姉と同じバイオリンの先生にお世話になることにしました.

初めてのレッスンは,確か姉のレッスンの直後だったと思います.
母曰く,姉のレッスン中は,バイオリンを弾いている姉の足の間をでんぐり返りしたりして,とても機嫌よく過ごしていたそうですが(それはそれで大迷惑ですが・・・),
いざ自分のレッスンの番になると,先生が怖いと大泣きし,何週間かはその状態だったそうです.

今思えば,怖いところなど一つもない,音大卒の優しい女性の先生だったので,
いきなり大泣きされ,満足にコミュニケーションもとれない年の子どもをなだめすかせてレッスンを進めるのも大変だったろうな,と思います.

習い始めてすぐに,「ちょうちょ」を弾いたことを,今でもよく覚えています.

事務局H
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by medical-law | 2010-12-03 11:28 | 趣味

タバコ病の流行モデル

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写真は,後楽園です.

「街の弁護士日記 SINCE1992」さんのブログに

「1980年代以来、喫煙者は激減傾向にあります。
1980年代以来、肺ガンによる死者は激増傾向にあります。
(中略)
不思議だなと思うのです。
どうしてなんでしょう。」

と書いてありました.

たしかに,同様の疑問をもつ人も多いでしょう.

これは,喫煙から肺がんによる死亡までタイムラグがあるためです.喫煙率のピークよりも約30年程度遅れて,喫煙による死亡率のピークがくるのです.

世界的に,次の4つの段階があるとされています(タバコ病の流行モデル).
第1期:男性の喫煙率の増加
第2期:男性喫煙率の減少開始と女性の喫煙率の増加
第3期:女性の喫煙率の減少の開始と喫煙関連疾患死亡の増加
第4期:喫煙関連疾患死亡の減少

1980年代以降の日本は,第2期にあたり,喫煙関連疾患死亡(その1つが肺がんによる死亡)が増加しているのです.

タバコ病の流行モデルの図(Ramstrom, 1997; 厚生労働省検討会, 2002)は,タバコ病辞典等に載っています.
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by medical-law | 2010-12-02 09:20 | タバコ

『討論!医療訴訟の準備・対応について裁判官と双方代理人』(3)

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写真は,長崎の大浦天主堂の猫です.

パネリストの討論で最も白熱した私的鑑定意見書の提出問題について,議論を紹介します.

◆ 私的鑑定意見書の提出についての,村田渉判事,秋吉仁美判事の考え方

判例タイムズに「医事関係訴訟における審理手続きの現状と課題」が掲載された後でしたので.これを引用しての質問があり,私的鑑定意見書の要否,提出時期等に議論が集中しました.
村田渉判事が「原告患者側代理人は,訴訟提起時等の早期の段階で協力医の意見書を提出することが望ましく」(判例タイムズ1330号14頁)と述べている点について.その真意が問われましたが,同判事は「望ましい」を強調しました.なお,望ましいという点では例外はなく,全例について提訴時等の早期提出が望ましい,という考えのようでした.(なお,東京地裁では,現在.おおよそ5~6割は原告側の私的鑑定意見書が提出されているそうです.)
秋吉仁美判事は,意見書は,医学的知見の当該事案へのあてはめに必要で,かつ争点整理にも役立つ,という考えを述べました.

◆ パネリスト,司会の意見

患者側弁護士,医療側弁護士ともに.パネリスト.司会からは,村田渉判事,秋吉仁美判事の考えを支持する意見は全くありませんでした.むしろ,懐疑的,批判的な意見が述べられました.

◆ 感想

裁判官は,適切な争点について適切な判断材料が与えられることが適切な判断のために必要あるいは望ましいと考えているようですが,それは判決を書くとき,適切な判断材料となる意見書があれば良いということでしょう.和解で終了する事案では,必ずしも意見書は必要ではないでしょう.
訟提起時等の早期の段階で協力医の意見書提出を推奨する考え方からは,裁判所は判決の材料を早期に入手でき,便宜であるかもしれません.しかし,他面,原被告の意見書合戦になってしまい.紛争の解決から遠ざける結果になる懸念があります.

1)あてはめのために必要?
たとえば,ガイドラインへのあてはめの場合,あてはめ自体もガイドライン自体,或いはその他医学文献で判断できる場合も少なくないでしょう。また,仮にガイドラインに当てはまらない場合でも,その医療行為に合理性があればよいわけで,合理性があるかどうかは,医学文献で判断できます。あてはめに意見書が必要な場合もあれば,不必要な場合もあります.したがって,一律にあてはめが問題になるから患者側が私的鑑定意見書を提出する必要がある,あるいは提出が望ましい,とはならないでしょう.

2)争点整理に役立つ?
30部で意見書が争点整理に役立った場合があったのかもしれませんが,本来,争点は準備書面で整理すべきであり,鑑定意見書で争点が整理されるというのは望ましいことではありません。

3)早期提出の問題
原被告の準備書面の提出いにより争点が詰まってくる前に,もし私的鑑定意見書が提出された場合,争点と関係がない医療行為の問題を指摘する内容であれば,結果的に無駄な書面となります.
また.その後確定した事実が,鑑定意見書の前提とする事実と異なる場合.前提事実が異なるため無意味な書面となることもあるでしょう.(訴訟前の説明と,被告が準備書面で主張する事実が異なることは結構あります.)
時期尚早の鑑定意見書は,かえって審理を混乱させるおそれがあります.
判断材料になる質の高い意見書を求めることと,早期提出は相反します.

4)費用
医療訴訟では.現に病気で働けない人,一家の支柱を失った人が,原告になることが多く,私的鑑定意見書提出が必須あるいは望ましいとなれば,複数の科にまたがる事案もありますから.費用の点から権利救済のハードルが高くなります.

弁護士は,患者側,医療側ともに紛争の解決を目的とした訴訟活動を行っているのに対し,裁判官は判決を書くことを目的としている(少なくとも判決起案を第一義としている)ようにみうけられました.
裁判所が.医事関係訴訟の運営を紛争解決から考え,和解による解決を目指す訴訟運営を第一義とし.それが成功しないときの判決に備えた訴訟運営を二次的に考えるのであれば,意見の相違は解消するように思います.
紛争解決のための訴訟運営は,裁判官にとって難しいことなのでしょうか.


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by medical-law | 2010-12-02 09:10 | 医療事故・医療裁判

『討論!医療訴訟の準備・対応について裁判官と双方代理人』(2)

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写真は,藤沢市江の島の猫です.(探偵みたいでしょう.江の島には1000匹の猫がいると言われています.)

◆ 秋吉仁美判事のお話

[原告に対し]
○ 裁判所は,適切な争点について,適切な判断を示したい.より良い医療に貢献したい.そのためには,原告の調査能力が重要.ところが,原告代理人の約3分の1はその能力が不充分で,約3分の1は相当な努力を必要とする.

○ アセオカコウを求める.
ア 集められる資料は最初に集める.
セ 精密な調査を行う.
オ 臆せず説明を求める.
カ 確実な意見を協力医に仰ぐ.
コ 固執せず無理なものは撤退
ウ 訴えを起こすとき,過失・因果関係を吟味.

[被告に対し]
○ 被告には,事案解明に積極的な協力を求める,
○ 担当医師が病院を離れているとき,その医師ではなく病院にいる上級医のみから聞いて準備書面を作成し,その医師を尋問したとき新たな事実がでてくるのは困る,
○ 見解が対立する場面では,書証による裏付けがほしい.

◆ 感想

秋吉仁美判事のお話は,概ね首肯できますが,裁判所は,適切な争点について,適切な判断を示したい,というところが気になりました.
たしかに,訴状に「・・・との判決を求める」と書きますが,私たちが裁判所に期待するのは,判断することではなく,まず紛争を適正に解決することです.

医療事件の多くは,「裁判所の判断」=「判決」より,和解による解決が適しているように思います.医療事件は,100%有責,100%無責という単純な判断ができないものが多いですし,合理的な着地点は「和解」のことが多いように思います.
「判決」は控訴されますし,控訴審,上告審で事件が終了しても,紛争は解決しない,ということもあります.

裁判所が主張を整理し,文献等の証拠でおおよその心証を得たところで,和解による解決を実現するのが,適切な訴訟運営だと思います.実際,証拠調べ前の段階で,約3分の1くらいの事件は和解で解決しているのではないでしょうか.
また,証拠調べ後も和解のチャンスはあります.

和解による解決の試みが最終的に不成功のとき,判決を下すことになりますが,それはやむをえないことであって,最初から判決を目指し私的鑑定意見書の提出等の完全装備の戦闘を強いるのは,紛争の解決を遠ざけ,不合理なこともあるように思います.

◆ 村田渉判事のお話

○ カルテを入手し.顛末報告,求説明交渉を充分やってほしい.
○ 人証調べ後,過失の構成を変える例がないではない.
○ 機序は重要.
○ 裁判所は,患者側に過大な要求をしているとは思わない
○ 注意義務の内容を特定してほしい.動脈を傷つけない義務のようなものでは,何をどうすればよいか特定されていない.
○ 注意義務を基礎付ける事実について.いつの時点の情報かに配慮し,具体的な医学知見,具体的な医学行為を主張してほしい.
○ 不作為については,結果発生の機序を具体的に立証してほしい
○ 診療経過一覧表,争点要約書は,コミュニュケーションツール.
○ 意見書は,是非出してほしい.あてはめの裏付けをうめてほしい.
○ 不適切な行為を,後ろからスクリーニングして,前から書くように.
○ 1)事実の有無,2)医学的知見の適示,3)医学的知見のあてはめが必要.
○ 過失は,因果関係を推定しない.

◆ 感想

留意点を詳細にご指摘いただき,裁判所の考え方がよく理解でき,有益なお話でした.

注意義務の特定等について裁判所は非常に厳密に考えている,という印象を受けました.

今年の,全国交流集会での札幌医療事故問題研究会の詳細な判例分析に基づく報告では,すべてが準委任ではなく,動脈を傷つけない義務のような請負的な義務もあるということでした.その事案で動脈を傷つけるのは基本的なミスで許されないことと医師誰もが考える例もあり,したがって「動脈を傷つけない義務」で特定される場合と特定されない場合があるのではないでしょうか.

なお,最高裁平成11年3月23日判決は,脳内出血等が本件手術中に何らかの操作上の誤りに起因するのではないかとの疑いを強く抱かせるものである,として,差戻しています(差戻審では手技ミスは否定されていますが.1700万円の賠償を認めています.).なんらかの操作上の誤りとしか特定できない場合もあるでしょうが,その場合特定がなされていないから請求棄却というのでは合理的ではないように思います.この事案なども適切な訴訟運営がなされれば,早期に和解で解決できたのではないか,と思います.

パネリストの討論については,明日書きます.

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by medical-law | 2010-12-01 23:25 | 医療事故・医療裁判